先日の3月4日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026 “Fanfare”@宇都宮市文化会館公演に参加しました。
指揮:湯浅卓雄
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは15都市25公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。
1. 公演前の様子
公演前の会場の様子です。





今年で11年目を迎えた玉置さんのシンフォニックコンサート活動において、栃木県での開催は今回が初めてとなります。
2. 第一部の様子・各曲の感想

この日の座席は1階席中央下手寄りでした。座席発表時にはステージ下手サイドの見通しがやや不安でしたが、実際にはピアノの一部が機材で見え隠れする程度で、その他の楽器やステージ全体はしっかりと確認することができました。
定刻の18時00分ちょうど、左右の舞台袖から東京フィルハーモニー交響楽団のメンバーがステージに姿を現します。最後にコンサートミストレスが一人で入場し、オーケストラの調律がスタート。その最終盤に会場が暗転すると、いよいよ公演が始まるという期待感に包まれました。
そして、マエストロの湯浅さんが登場。コンミスおよびトップサイドの奏者と握手を交わして指揮台に登ると、客席を振り返り、両手を大きく広げるポーズで観客の拍手に応えました。
1. ファンファーレ(管弦楽)
ティンパニが単調なリズムを取り、ホルンが主旋律を演奏する形で「ファンファーレ」の管弦楽バージョンがスタート。序曲からツアータイトル曲がオーケストラによって奏でられました。大所帯のストリングスはなだらかに演奏の土台を築き、交響曲としてのテイストを強調しました。
中盤にはフルートがメインメロディーを演奏。原作さながらの澄んだ音色は、生で聴くのがとても贅沢なサウンドでした。その後はクライマックスにかけて曲調に盛り上がりが生まれていきます。バイオリンや管楽器が目まぐるしく入れ替わって主旋律を演奏し、両者の楽器特性に共通する華やかさを育みました。特に後者は、トランペットの「ファンファーレ」が曲名と重なるように豪華な演奏を表現しました。
2. 歓喜の歌(管弦楽)
前曲のサビが一通り回ると、管弦楽が玉置さん作曲の「歓喜の歌」に繋がっていきます。ホルンが渋い持続音を奏でて、後にストリングスが続いていく重厚なサウンドで始まりました。
その後も緻密なソロパートや豪華なアンサンブルが続々と現れて、見事な演奏体制を作り出しました。各ソロパートは落ち着いた演奏、合奏はパワフルな演奏、といったように、各パートで表情を変えたサウンドに抑揚を感じました。
最後は豪華絢爛に管弦楽が終了。湯浅さんの指揮も熱を帯びて、壮大な序曲のフィナーレを迎えました。
ここで玉置さんがステージ下手から登場します。白のトップスに黒のアウターが威厳を感じるスタイル。胸元には重層的に織りなされたグレーと白のスカーフが光り、各アイテムの色がハッキリと主張されたモノトーンな色合いが素敵でした。玉置さんが身に纏う衣装でさえ「アンサンブル」や「ハーモニー」といった表現がピッタリと合うような、非常に洗練された雰囲気でした。
3. GOLD
ストリングスの厳かな演奏とともに、ステージのバックが深いオレンジ色に染まり、静かに曲が始まりました。
玉置さんの第一声は、ささやくような
行こう…遠くまで
の歌声。極めて繊細な歌声でありながら、会場の隅々まで真っ直ぐに届いてくる芯の通ったボーカルに、一瞬で心を掴まれました。曲が進むにつれ、その歌声は芳醇さを増し、オーケストラの響きにさらなる深みを与えていきました。
間奏では、玉置さんが柔らかなフェイクを入れ、重厚な管弦楽の演奏と見事なハーモニーを奏でていました。
曲のラストは玉置さんと湯浅さん、そしてオーケストラのピッタリ合った呼吸で締めくくられます。
笑いながら…
の直後にピタリと演奏が止まり、静寂の中に玉置さんの
行こう…
という声だけが響き渡ります。その直後、湯浅さんの鮮やかな指揮に導かれるように、再びオーケストラの演奏が鳴り響く劇的な展開でオープニング曲が終了しました。
4. キラキラ ニコニコ
前曲の余韻を断ち切るように、ステージは一度真っ暗に暗転します。そこから再び弦の演奏が始まり、徐々にボリュームを増していくクレッシェンドな音色で幕を開けました。
序盤は鉄琴の弾けるような音が主張する軽やかな伴奏に乗り、玉置さんの歌声が優しく響き渡ります。ステージはシンプルで鮮やかな緑色の照明に彩られ、とても爽やかな空気感に包まれました。
曲の展開とともに、ライティングも劇的な変化を見せます。
海へ行こうよ 世界は広いよ
というフレーズに合わせて照明が青へと移り変わり、海をモチーフにしたような美しい世界が広がりました。また、このタイミングで玉置さんが左手を前に差し出す姿は、まるで玉置さんが照明演出を変調させる一翼を担ったようにも見えました。
中盤の盛り上がりでは、一転して眩いばかりの白いライティングがステージを照らし出します。それに呼応するように玉置さんの歌声もさらに伸びやかさを増し、圧倒的な声量による迫真のパフォーマンスへと昇華されていきました。
最後は、オーケストラとの緻密なコンビネーションが光る幕切れを迎えました。湯浅さんの指揮に合わせて一音ずつ丁寧に
キラ・キラ・ニコ・ニコ
と歌い上げると、直後にピタリと演奏が止まります。一瞬の静寂の後、最後の
だね…
という言葉だけが、玉置さんのアカペラで会場に溶けていきました。その後は前曲と同様、間を置かずにすぐさま湯浅さんの指揮で伴奏が再開される、流れるような構成で締めくくられました。こうした細かい間や呼吸の置き方は、マエストロによって変化が現れる大きな醍醐味のひとつだと思います。
5. いつもどこかで
曲前には再び会場が真っ暗に暗転し、静寂が訪れます。そこから湯浅さんの指揮によって、ストリングスとハープが織りなす美しいハーモニーで前奏が始まりました。
この曲の序盤を支配したのは、ハープが刻む繊細なリズムでした。その柔らかな音色に寄り添うように、玉置さんは抑えめで落ち着いたトーンの歌声を重ねていきます。一言一言を噛み締めるような「聴かせる」歌い口は、シンフォニック・バラードの真髄を感じさせるものでした。
前半のラスト、
僕の愛を感じるように
の場面では、玉置さんが優しく左手を胸に当てる仕草を見せました。その直後に始まった間奏では、昨年もその豪勢な響きが見どころを作った金管楽器が主役に躍り出ます。ツアータイトルである「ファンファーレ」を体現するかのような、勇敢で力強いトランペットの旋律が響き渡りました。また、玉置さんは右手に持ったマイクを胸の前でしっかりと構え、ステージの最前線で勇ましく、大きな姿を示しました。
楽曲が後半に向かうにつれ、オーケストラのボリュームとともに玉置さんの歌声も力強さを増していきます。クライマックスでは、
僕が君を〜〜〜〜〜
と会場全体を震わせるような圧巻のロングトーンを披露。どこまでも長くその歌声が響きました。
ここでも湯浅さんの指揮による見事な統率のもと、歌声の余韻を消すことなくオーケストラの演奏がすんなりと再開。一連の流れを完璧に保ったアレンジで、感動的に曲を締めくくりました。
6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)
ポップで軽快な木管楽器の演奏から「MR.LONELY」がスタート。玉置さんは前奏に合わせて、柔らかな裏声を重ねる歌い始めになりました。
歌唱パートに入ると、ストリングス隊が弦を指で弾く奏法で跳ねるようなリズムを刻み、その上を玉置さんの歌声が軽やかに進んでいきます。オーボエによる繊細な助奏も曲にアクセントを加えました。やがてストリングスが弓弾きに切り替わると、流麗で厚みのある響きが生まれ、一気にシンフォニックな世界観が深まっていきました。
1番終了後の間奏では、玉置さんが自由なアレンジを披露。伴奏の枠に捉われない、力強いシャウトを随所に繰り出しました。
2番のサビ前には、ストリングスの音階が飛躍的に駆け上がる劇的なサウンドアレンジが施され、玉置さんのシャウトをお膳立てするようなオーケストレーションが光ります。玉置さんもそれに応えるように、溌剌としたシャウトを放ち、曲の雰囲気をまた一段階盛り上げていきました。
その後は2番サビ、Cメロを飛ばして、ラストサビに向かうメドレーの編曲。そのラストには、玉置さんの絶妙なマイキングを目にしました。
元気で〜〜〜いるから
のフレーズで、玉置さんが大きくマイクを離して歌い上げた際、序盤、客席からはわずかに声量が落ちたように聴こえる瞬間がありました。しかし、玉置さんは歌いながら即座にそれを察知したのか、数センチ単位の繊細な動きでマイクを口元に近づけ、完璧なボリュームへと最適化させていきました。機微なマイク位置の調整が素晴らしく、ライブならではの一幕でした。最後は高揚感の中、冒頭と同じく繊細な裏声で、しっとりとメドレーの一曲目が幕を閉じました。
間髪を入れず、木管楽器の温かみある前奏で「サーチライト」が始まります。暗いステージをシンプルに白い照明で照らすライティングは、まさに「サーチライト」を表現したようでした。玉置さんの洗練されたモノトーンの衣装とも相まって、会場には非常に高級感のある、凛とした空気が漂いました。
この曲はメドレーの一部でありながら、昨年同様にフルバージョンで実演されました。1番のサビでは、玉置さんの独特な歌い回しを見ました。
サーチライトをずっと
信じてた 信じてた
のパートをリズミカルに、かつラフに歌う姿に余裕を感じました。
クライマックスの
サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ
では、玉置さんが客席に向けて大きく手を差し伸べました。2〜3階席の上手から下手へ、そして1階席の下手から上手へと、二巡にわたって丁寧に、全ての観客を包み込むように手を伸ばす姿が非常に印象的でした。
7. Friend
オーボエの哀愁漂う前奏でスタート。その後はそれに呼応するようにチェロの低音が深く鳴り響き、会場全体に心地よい重厚感が生まれていきました。
ピアノが奏でる三つの音を合図に歌唱パートがスタート。序盤は玉置さんの歌声とピアノの共演で進行します。湯浅さんは、この場面では単調なリズムで小さく右手を振るのみで、演奏の大部分をプレイヤーの呼吸に委ねているかのようでした。
曲が進むにつれてストリングスの演奏が幾層にも重なり、少しずつ熱量を帯びてステージに盛り上がりが生まれていきます。サビで感情がピークに達すると、玉置さんの歌声も最高潮へ。力強いロングトーンがどこまでも響き渡りました。
ラストサビを歌い終えると、余韻を残したまま玉置さんはステージを後にします。降り注ぐような大きな拍手に包まれながらゆっくりと下手に退場して、感動的な第一部が終了となりました。
3. 第二部の様子・各曲の感想
約20分間のインターバルを経て、いよいよ第二部の幕が上がります。
8. 歌劇『エフゲニー・オネーギン』より「ポロネーズ」(P.I.チャイコフスキー)
スタートを飾るのは、オーケストラによる管弦楽演奏です。トランペットの華やかな連弾と、ストリングスのシャープで切れ味鋭い演奏が非常に魅力的でした。ここでも、ツアータイトルである「ファンファーレ」という表題にふさわしい、高揚感あふれる響きがステージ上で見事に体現されていました。
この力強く躍動的な演奏はしばらく続きますが、中盤に差しかかると一度トーンダウンし、フルートやオーボエといった木管楽器が優雅に主旋律を奏でるパートが訪れます。それまでのパワフルな合奏から打って変わり、柔和で繊細な音色が加わることで、楽曲に豊かな表情の違いを生み出していました。最後は再びエネルギッシュな演奏へと立ち返り、湯浅さんの激しい指揮に導かれるように圧巻のフィナーレを迎えました。
以下に管弦楽のリンクを貼ります。
壮大な序曲の終了後、玉置さんが再び下手から登場します。 第一部の衣装から変化し、インナーまでもが黒で統一されたシックな装いへと一新。洗練された雰囲気がより一層際立ちました。
9. 純情
湯浅さんがステージの中央、木管楽器に向けて指揮を開始。フルートの柔らかな前奏が、会場を穏やかな空気感で包み込みます。今ツアーのタイトルが「ファンファーレ」であることから、第二部の幕開けにその表題曲が来るのではないかと予想していましたが、届けられたのは深く静かな旋律でした。ステージは深みのあるオレンジ色の照明に彩られ、その演出が楽曲の持つ温かみをさらに引き立てました。
歌唱パートに入ると、玉置さんの低音が豊かに響いていきます。第一部よりも声の輪郭がハッキリと形作られているように感じられ、原作の発表当時よりも一際円熟味を増した歌声が心に染み渡りました。落ち着いたオーケストレーションも、玉置さんの機微な歌声をより際立たせます。ブレス・息遣いまでもが克明に聴こえてくるのは、まさにライブならではの贅沢な演出でした。
2番終了後の間奏も木管楽器が担当し、その柔和な演奏が曲を優しく飾ります。続くラストサビ、
思ったように 好きに生きなよ 焦らず
のパートで一度演奏がトーンダウンすると、そこからはオーボエとハープによる、より親密な共演へと移り変わりました。それぞれの楽器が玉置さんの歌声にそっと寄り添うような、慈愛に満ちた演奏を展開していきました。
終始温かなオレンジ色のライティングで進んできた演出に劇的な変化が訪れたのは、最終盤のことでした。玉置さんが
かあちゃん おっかちゃん おかあさん
とシャウトをするパートを境に、ステージのバックが鮮やかな水色へと一変します。まるで、晴天の下を玉置さんが天に叫ぶような展開で、溢れる想いを解き放っているかのような、実に感動的な光景でした。
10. 行かないで
オーボエの切ない音色が前奏を奏で始めると、前曲の明るいライティングから一転、漆黒の闇がステージを支配する静かな幕開けとなりました。
歌唱パートに入ると、まずはピアノの旋律に寄り添うように玉置さんが歌い進めます。暗闇の中、玉置さんを真っ白なライトが、そして湯浅さんを黄色いライトが照らし出し、両者の姿が象徴的に浮かび上がる演出が印象的でした。サビに差しかかると、玉置さんの姿はより一層白く輝きを増します。上空から神々しく降り注ぐその光は、前曲「純情」のラストで玉置さんが天に向かって叫んだ、あの感動的な場面との繋がりを強く意識させるものでした。
本曲はオーケストラによるソロパートも充実しており、2番終了後の間奏では再びオーボエが主役を担います。このとき、客席側からステージの床面に向けて、黄色い線で描かれた多角形の幾何学模様が次々と集まっていく幻想的な光景が広がりました。歌唱パートの再開とともにこの光の集合体は一気に発散され、今度は客席の上空へと昇っていくように消えていきました。シンフォニックコンサートにおいてこの照明演出は普遍的ではありますが、前曲からの流れを汲み取ると、まるで天使が空から舞い降り、役目を終えて再び天へと帰っていくような、聖なる物語を見ているかのようでした。
11. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)
静寂を切り裂くように湯浅さんの急峻な指揮が下手方向へ鋭く伸びると、ハープの印象的な音色とともに「ワインレッドの心」がスタート。ここまでのバラード二曲の空気感から一変、会場にはロックな躍動感が満ち溢れました。ライティングも、昨年の終盤から目立った、青と赤の光が交互に配置されるエネルギッシュな演出へと切り替わりました。本曲では、玉置さんのオーソドックスで安定感のある歌唱が光り、ラストサビで見せた
あの消えそうに燃えそうな
ワ〜〜インレッドの〜
の力強いシャウトが、オーケストラの重厚な響きにさらなる熱を加えました。
流れるような間奏を経て「じれったい」が始まります。玉置さんのリズミカルな歌唱に対し、ホルンの格式高いオブリガートが鮮やかに応酬を重ねる様は、まさにシンフォニックコンサートならではの贅沢なアレンジでした。サビでは玉置さんのジェスチャーも大きくなり、
じれったい 身体も溶かして
のフレーズで地面を這うような腕の動きを見せるなど、視覚的にも観客を魅了しました。
そして、金管楽器が迫りくるような力強い前奏とともに「悲しみにさよなら」が始まります。ここでは玉置さんと湯浅さんがしっかりと向き合い、歌唱パートがスタートしました。Aメロの間も互いの呼吸を確かめ合うように進行し、リズムが軌道に乗ったところで、玉置さんは客席へと向き直って歌い進めました。サビのラストを
愛を世界の平和のために
と歌うと、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
その後の間奏では、トランペットの輝かしいファンファーレに導かれ、ラストサビへと突入します。その最終盤、
泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから
では、段階的にマイクを下げていく圧巻のパフォーマンスを披露しました。最後は完全なオフマイクで締めくくります。
悲しみに〜さよなら〜
の歌声を、直立不動の姿勢でホールに響かせました。演奏が終わる瞬間、湯浅さんのタクトに合わせて玉置さんがマイクを持った右手を力強くガッツポーズ。メドレーを格好良く締めくくったその姿に、会場は万雷の拍手に包まれました。
12. JUNK LAND
ハープとピアノが織りなすスピード感あふれるハーモニーで曲がスタート。シンフォニックならではの壮大なアレンジにより、曲全体がスリリングな展開を見せますが、その渦中にあっても玉置さんは実に余裕に満ちた佇まいを見せていました。
待ってる人のその前で
のパートで、歌詞に合わせて客席へ深く想いを届けるようなポーズを披露。1番では上手側、2番では下手側へと大きく左手を伸ばし、最後の
愛してる人のその前で
のフレーズでは、会場全体を温かく包み込むようなジェスチャーを展開しました。
曲が転調を迎えると、それまでの暗めの照明が一変し、眩いばかりの白い光がステージを照らし出しました。視界が開けるのと呼応するように、玉置さんの歌声もどこまでも伸びやかさを増していきました。
最後は玉置さんと湯浅さんが正面から向き合い、楽曲の着地点を探るような緊張感あふれるフィナーレへ。伴奏に繊細な裏声を重ねながら、玉置さんが終了のタイミングを計ります。この際、わずかに演奏が想定より長く続いたためか、玉置さんが語気を一段階強めてタイミングを合わせにいく場面がありました。そして、見事にピッタリと音が止まった瞬間、客席からは割れんばかりの拍手が贈られました。
13. 夏の終りのハーモニー
オーケストラの壮大な演奏で曲が始まります。直前のエネルギッシュなメドレーやスリリングな「JUNK LAND」を経て、再び交響曲の伝統的な響きが戻ってきました。
1番のサビの締めくくりでは、
忘れずに〜〜〜
の語尾をかなりラフに崩して歌うなど、玉置さんの自由な表現が見られました。2番のサビからは、ステージの壁面に無数の黄色い粒状のライトが映し出されます。それはまさに歌詞にある
星屑の間を揺れながら
を体現するような幻想的な演出でした。
そして、2番が終わると玉置さんは静かにマイクを置き、ラストサビは完全なノーマイクでの歌唱となりました。
真夏の〜ぉお〜⤴︎
と歌い出した瞬間、マイクを介さない生の声が飛躍的に伸び、圧倒的な声量が響き渡りました。最後は
忘れず・・・に〜〜〜〜〜
のロングトーンで歌唱パートが締めくくられます。その途中で湯浅さんの指揮からオーケストラの演奏が再開。後奏の最終盤には、玉置さんが両手を固く握りしめた後、力強く胸を叩くポーズを決めてフィナーレを飾りました。
曲終了後、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、カーテンコールの演出が始まりました。下手側に湯浅さん、上手側に玉置さんが並び、オーケストラの団員も全員が起立して観客の賞賛を浴びます。ここで印象的だったのは、玉置さんと湯浅さんが互いに向けたリスペクトの仕草です。玉置さんが湯浅さんを称え、湯浅さんが玉置さんを称えると、お互いに
いえいえ、貴方こそが!
と言わんばかりの動作でお互いの姿を強調し、温かな譲り合いの光景が広がりました。
一度両者が退場した後、再び一人でステージに現れた玉置さん。しばらくすると下手端に向けて手を伸ばし、湯浅さんを呼び込みます。再登壇した二人がステージ上でしばらく話し込む様子からは、この公演を共に作り上げた盟友としての強い絆が伝わってきました。
その後ももう一度退場と登場を繰り返し、その度に客席の熱量は高まっていきました。最後は玉置さんがステージを後にし、湯浅さんは指揮台へ。玉置さんの退場時には、オーケストラに向けて

🫱🫱🫱
と手を伸ばして歩みを進めていきました。
14. 田園
オーケストラがベートーヴェンの「交響曲第6番 第1楽章 田園」を奏で始めると、会場は早くも期待感で沸き立ちました。次第に玉置さん作曲の「田園」の旋律が重なると、客席からは自然と手拍子が沸き起こります。楽曲の主導権が完全に玉置さんの「田園」へと移り、玉置さんがステージに再登場したところで、待ってましたと言わんばかりに多くの観客がその場に立ち上がりました。
Aメロに差しかかると、湯浅さんが鮮やかな手捌きを見せました。客席側を向き、上から下へと素早く手を降ろす合図を送ると、あれほど熱狂していた手拍子が一瞬で静まり、完璧にトーンダウンしました。背後の観客をもコントロールする、指揮者としての凄みを感じた瞬間でした。その後はフルートと鉄琴のリズミカルな助奏に乗って、玉置さんが小気味よく歌い進めていきました。
サビに入ると、湯浅さんが再び客席へ向けて力強く指揮を振りました。これが手拍子再開の合図となり、会場の盛り上がりは一気にピークへ。そのラストを
愛はここにある 宇都宮にある
と玉置さんが歌った瞬間、客電がパッと点灯し、ホール全体が明るく染まりました。
曲のラスト、クライマックスでは、最後の一打をシンバルに響かせた湯浅さんが玉置さんと正対。それに応えるように、玉置さんの全力なシャウトがホール全体にこだましました。そこから湯浅さんが激しい指揮でオーケストラの演奏を導きますが、それを突き抜けるように玉置さんの歌声がどこまでも伸び続けていきます。全ての音が止まった瞬間、玉置さんはマイクを握った右手を天高く突き上げ渾身のガッツポーズを決めて、圧巻のパフォーマンスを締めくくりました。
曲後は万雷の拍手が会場を包む中、玉置さんと湯浅さんは退場することなく、そのまま次曲に向かいました。
15. メロディー
最高潮に達した場内の熱気をそのままに、ラストを飾るバラード曲がスタート。
この日の演奏は、どこか前へ進むようなスピード感のある展開が印象的でした。序盤はオーソドックスに、一言一言を噛み締めるように玉置さんが歌い進めていきます。
そして、2番終了後の間奏に入ると、玉置さんは静かにマイクを置き、ノーマイク歌唱に備えました。その後のラストサビでは、最近よく見せる
メロ〜⤴︎ディ〜
と語尾を鮮やかに跳ね上げるアレンジを披露。この独特の歌い回しが二度に渡って繰り返され、マイクを介さない生の歌声が力強く届いてきました。最後はしんみりと、
あの歌は心から聞こえてるよ
と大切にラストフレーズを歌い上げ、感動のフィナーレを迎えました。
曲の余韻がホールを包み込む中、玉置さんと湯浅さんが一度ステージを後にしました。客席からは熱を帯びた拍手が鳴り止まず、しばらくすると二人が再びステージへと戻ってきました。湯浅さんが颯爽と指揮台に登り、玉置さんが再びマイクを手に取った瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。
16. ファンファーレ
カーテンコールの拍手に重なるように、いきなりハープの連弾が響き渡って曲がスタート。その瞬間、ステージは急激に活気付き、客席も待ってましたと言わんばかりに力強い手拍子で応えます。
歌唱パートに入ると、とてもシンプルなオーケストレーションのアレンジで進行し、それがかえって楽曲の持つリズムの良さをダイレクトに伝えていました。こうした穏やかな展開も、サビ前に変調が訪れます。トランペットの音が高らかに鳴り響き、まさに「ファンファーレ」そのものを奏でると、演奏が一気に上昇気流に乗ってサビへと突入しました。玉置さんも
いきなさい
のフレーズで力強く手を前に伸ばすジェスチャーを決め、圧倒的な存在感を見せつけました。
間奏に入ると、今度は玉置さんがステージ中央で両手を大きく広げる堂々としたポーズを披露。その神々しい姿に、会場からは一段と大きな拍手とともに、感嘆のどよめきが沸き起こりました。
2番のサビ前でも、再び輝かしいファンファーレが鳴り響いてからサビに入ります。
千切れた手綱と絆を
結いつけて守っているから
では、玉置さんが左手をマイクを持つ右手に添え、ガッチリと握り合わせる力強い仕草を見せました。最後は迫力のあるシャウトを決め、即興的なフェイクも織り交ぜて、最高の盛り上がりの中でフィニッシュ。本公演最大のクライマックスが、アンコールのラストを飾りました。
熱狂が冷めやらぬ中、玉置さんと湯浅さんが一度ステージを後にしました。その後も拍手が止むことなく続く観客席。すると、玉置さんが再びステージに姿を現しました。玉置さんは上手側の端までゆっくりと歩み寄り、客席の隅々にまで届くように深くお辞儀をしました。さらに、オーケストラの団員たちへ向けても手を伸ばし、心からのリスペクトを示すその姿に、会場は温かな一体感に包まれました。
そしてステージ中央に立つと、ノーマイクで

ありがとう〜!!!
と叫びました。最後は華麗な足取りで下手に退場し、ステージを後にしました。
主役を見送った後、コンミスが一歩前へと踏み出し、客席へ深く一礼。その合図からしばらくして館内アナウンスが流れ、最高の余韻を残して終演を迎えました。
以下、本公演のセットリストです。
4. セットリスト
billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026
“Fanfare”
3月4日
宇都宮市文化会館
セットリスト
【一部】
1. ファンファーレ(管弦楽)
2. 歓喜の歌(管弦楽)
3. GOLD
4. キラキラ ニコニコ
5. いつもどこかで
6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)
7. Friend
【二部】
8. 歌劇『エフゲニー・オネーギン』より「ポロネーズ」(P.I.チャイコフスキー)
9. 純情
10. 行かないで
11. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)
12. JUNK LAND
13. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
14. 田園
15. メロディー
16. ファンファーレ
5. 公演後の様子
公演後の会場の様子です。


昨年のツアーから続く、ブラス隊の輝きを際立たせたオーケストレーション。今年もその系譜を継ぐアレンジが随所に光り、まさにツアータイトル「ファンファーレ」を体現するような高揚感に満ちていました。それに呼応し、繊細さと力強さを自在に操る玉置さんのボーカルが重なることで、楽曲がさらなる高みへと昇華されていく、そんな素晴らしいパフォーマンスでした。これからの公演で、この響きがどう進化していくのか楽しみです。
こばかず

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