先日の5月26日・27日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026 “Fanfare”@Kアリーナ横浜公演に参加しました。
指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団
今回は2公演分をまとめて記載します。また、前後編の二本立てにしました。公演前の様子と第一部の感想を前編、第二部の感想と公演後の様子を後編としています。
1. 会場外の様子
公演前の会場外の様子です。
billboard classics 玉置浩二
— こばかず (@anzen_koji_1982) May 26, 2026
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026
“Fanfare”
5月26日・27日
Kアリーナ横浜公演
ツアーファイナル#玉置浩二#Fanfare#Kアリーナ横浜 pic.twitter.com/RO0eUx4FWL








3月から全国を舞台に熱い感動を紡いできた今年のシンフォニックツアー。そのファイナルを飾る2日間の舞台に選ばれたのは、世界最大級の音楽特化型アリーナであるKアリーナ横浜です。
会場の外には至るところに本ツアーの格調あるフラッグが風にたなびいており、ファイナルにふさわしい特別な高揚感を演出していました。
デジタルサイネージには本ツアーのメインビジュアル、物販横のスペースには7月15日にリリースが予定されている2024年・2025年ソロツアーのジャケットもフォトスポットとして展示されており、開演前は多くの観客で賑わっていました。
2. 会場内の様子
公演前の会場内の様子です。















一歩ロビーへ足を踏み入れると、関係各所から寄贈された数多くの色鮮やかなフラワースタンドがずらりと設置されており、その圧倒的な華やかさが千秋楽のムードをさらに引き立てていました。
2万人もの観客を収容する、シリーズの歴史の中でも類を見ない最大規模のアリーナ公演。臨場感ある大舞台とその演出を前に、開演前から未だかつてないほどの期待感が会場全体を包み込んでいました。
3. 第一部の様子・各曲の感想




今回の横浜公演は、両日ともにアリーナ席でした。
1日目の座席は前方正面の位置。遮るものが何もない真正面だったため、ステージ全体の様子がよく把握できました。
2日目は一転して、前方の下手寄りになりました。客席の端側だったため、最初は舞台の左右に設置されたスクリーン映像が頼りになると思っていましたが、思いの外ステージに近い前方の位置でした。そのため、見上げるスクリーンよりも目の前の舞台の方が近く、ステージを直視する場面が多くなりました。
定刻の18時00分、高らかな鐘の音が公演開始を告げるように鳴った後、公演の注意点に関する館内アナウンスが流れました。
そこから約5分後、ステージ後方左右の舞台袖から東京交響楽団のメンバーが入場します。本会場の舞台袖は、ステージの最奥でアリーナ席から見て地下に設置されており、そこから階段を登ってステージのレベルまで上がっていく入場動線になっていました。
楽団全員が位置に着くと、早速2日間で演出に変化が出ました。1日目は急激にステージが暗転された後にコンサートマスターが入場したのに対して、2日目はステージが明るいままコンマスが姿を現しました。両日ともにスポットライトがその足取りを追い、コンマスの姿が強調される入場シーンとなったことは共通していました。1日目はコンマスが自席に近づくと、再びステージが緩やかに明るさを帯び、その中で入念にチューニングが行われました。その最終盤にはひっそりとステージが暗転され、主役の登場を待ちました。
静寂が会場を包む中、マエストロの大友さんが舞台下手側から登場します。非常にゆったりとした余裕のある足取りで長い動線を歩いていきました。階段を登り、ステージのレベルまで歩みを進めると、舞台両端のモニターが本ツアーのビジュアルからリアルの映像に切り替わり、大友さんの姿を映し出しました。ステージ中央でコンマスやトップサイドと握手を交わすと指揮台へ。いよいよツアーファイナルの幕が上がります。
1. ファンファーレ(管弦楽)
スクリーンが大友さんの姿を正面から映し出し、落ち着いた指揮動作で管弦楽が始まりました。まずはチェロとコントラバスによる重厚な演奏と、ティンパニの静かな打楽器演奏で曲がスタートします。モニター映像にもまさにこのシーンが投影され、低弦の弓が動く様子や、ティンパニがマレットで面を叩く動作がアップで映し出されました。
続けてホルンが導入部の主旋律を奏で、すぐさまバイオリンがその旋律を受け継ぐと、瞬く間に華やかな空間が広がりました。ここでもホルン群とバイオリンの演奏シーンがフォーカスされ、見事に演奏部隊のリアルな姿を観客に伝えていました。特にホルンは4名体制という大規模な編成で、アリーナならではの大所帯な構成が厚みのあるサウンドを形成していました。
やがてフルートが前奏を奏で始めます。ゆったりとしたスピード感で進んでいく演奏によって、贅沢な空間が広がっていきました。この2日間は力強さと哀愁漂う雰囲気がうまくバランスの取れた形になっており、とても印象的な音色を誇っていました。
その後は弦楽器が主旋律を引き継ぎ、たちまち華麗な演奏が広がっていきます。ここで、やや残念に感じた音響が一つありました。この2日間はコントラバスも5名体制と大集団でしたが、前へ前へ踏み締めるように行進する独特なリズム音の響きがもう一押し足りず、少し聴き取りづらかったです。冒頭の低弦による単旋律はしっかりと聴こえたものの、アンサンブルとなって和声が奏でられた際、低音の響きがやや弱かったように感じました。高弦や金管の高音はかえって突き抜けるように聴こえてきた分、これは少々残念に感じるポイントでした。
最後は全奏で圧巻のフィナーレを迎えます。トランペットやホルンの音が高らかに鳴り響き、スクリーンでもその演奏シーンが映し出されて、ツアータイトル曲の管弦楽がとても輝かしく締めくくられました。最終盤には大友さんの静かな指揮動作が正面から映し出され、曲が終了を迎えました。
2. 歓喜の歌(管弦楽)
そのままの流れで大友さんがホルンへと手を向け、曲がアタッカで切り替わりました。ここでもすぐさまバイオリンが主旋律を受け継ぐことで、瞬時に華やかな音色が広がっていきます。
この曲では、大友さんの情熱的な指揮が強く印象に残りました。特にバイオリンセクションに向けて、弦をかき鳴らすような激しい指揮動作を連発し、オーケストラからパワフルな演奏を見事に引き出していました。
一転して、各楽器のソロパートに入ると抑えめな指揮で演奏を導きます。それぞれのソリストが持つタレントを存分に引き出すような、緩急のある素晴らしいパフォーマンスでした。
この曲も、最後は全奏で大きな盛り上がりを見せます。金管楽器が高らかに鳴り響き、ティンパニの連打やチューブラーベルの荘厳な鐘の音が響き渡って、祝祭的なフィニッシュを飾りました。最後はモニターが大友さんの姿を真正面から映し出し、右腕を大胆に振り回す圧巻の指揮で曲が締めくくられました。同時にストリングス隊の弓が華やかに舞い、モニターの映像がステージ全体を捉えた引きの画へと一気に切り替わって、とてもクオリティーの高い序曲の演奏が終了しました。
管弦楽を通して、場内の音響は非常に良いと感じました。2日間ともに座席がステージ寄りであったことも大いに影響していると思いますが、必要以上に音を増幅させず、生の音がまっすぐ客席まで届けられた感覚がありました。とはいえ、前述の通り低弦の響きがやや弱いと感じたことは、少し残念に思う点でした。
ここでいよいよ玉置さんが登場します。大友さんが下手の舞台袖に向けて拍手を送ると、ステージに向けてゆっくりと姿を現しました。本ツアーの象徴ともいえる白とグレーのスカーフが重層的に織りなされたボリューミーな衣装が光っており、大箱のステージも相まってその存在感は普段以上に際立って見えました。
ステージ中央で大友さんとガッチリ握手を交わすと、両者はすでに何かをやり切ったような充実感あふれる表情を浮かべていました。これは、このファイナル2日間の成功を早くも確信させるものになりました。玉置さんが客席に向き返り、そびえ立つようなスタンド席に向けて視線を送ると、観客からはより一層大きな拍手が沸き起こりました。玉置さんも普段以上によく客席全体を見渡し、感嘆の表情を浮かべているのが印象に残りました。
その後、玉置さんがマイクを手に取ると、いよいよ舞台が暗転して本編が始まります。
3. GOLD
曲前、玉置さんと大友さんの姿がモニターに映し出されました。大友さんを左側にアップで捉え、右端に玉置さんの後ろ姿が見える構図。この両者の姿は、そのまま円盤作品のジャケットに採用されても遜色ないような、まるで芸術作品のように美しかったです。すると、大友さんが下手方向に身体を向け、ゆっくりと右手を構える動作から指揮が動き出し、曲がスタートしました。高弦の華やかな旋律が響くと同時に、ステージは深いオレンジ色に照らされていきます。
この曲では、2日間でカメラワークに変化が現れました。2日目は場内前方の左右にクレーンが入っていたことで、ステージの端から舞台を映し出した映像が投影されました。普段はなかなか見ることのできない、ステージの横から舞台の全体像を捉えた映像は、非常に臨場感のある様子で目に飛び込んできました。
玉置さんの第一声は、
行こう…遠くまで
の歌声です。2万人収容の大アリーナとは思えないくらい、音が鮮明に聴こえてきました。その一方で、普段の小規模なホールとは異なる音響の特徴もありました。玉置さんの歌声が強まり、マイクをやや離しながら歌う
見知らぬ街 僕らは別々の場所に降り
や
はぐれそうになったら 追いかけるのは止めて
のパートでは、歌声に力がこもるのと裏腹に、マイクを離している分だけやや声量が弱めに聴こえました。しかし、2日目はそれを調整してきたのか、声の弱さはあまり気にならないように感じました。
玉置さんと大友さんが向き合い、歌のタイミングを合わせる両者の姿も光りました。中盤、
あの頃の二人に 辿り着くから
の歌い終わり後には、二人が顔を合わせて満足そうな表情で頷き合う姿がありました。その後の間奏では、大友さんが弦をかき鳴らすような指揮を見せ、それに呼応して弦の響きが迫ってきます。こうした華やかな伴奏の裏側で、玉置さんは裏声のフェイクを入れて間奏を彩りました。
その後はラストサビに向けて、玉置さんの歌声はさらに盛り上がりを増していきます。ここではマイクを離しながらも、とても力強い歌声が客席まで届きました。
最後は無伴奏の中、語りかけるように、
笑い…ながら・・・
行こう…
の歌声が響き渡ります。この歌声が非常にパワフルで、言葉を置くように歌いながらも、力強い語気がはっきりと聴こえました。2日間ともに、このアカペラの場面が同曲の中で最も印象的で、力のこもった歌声だったと感じるほどでした。
最後は壮大なオーケストラ演奏で終了し、演奏が終わると同時に玉置さんが両手を前に出すポーズを見せて、本編の一曲目を締めくくりました。
4. キラキラ ニコニコ
真っ暗なステージに、クレッシェンドしていくオーケストラの演奏で前奏が始まりました。前奏の主旋律がフルートに移ると同時に、ステージのバックが鮮やかで淡い緑色に照らされます。ここでKアリーナ特有の演出が広がりました。同会場はステージのバックに吊るされたカーテンが紫色のため、緑の光と紫のカーテンの色彩が相まって、独特の雰囲気が生まれていました。緑による大自然の空気感に加えて、紫が醸し出すどこか洗練された雰囲気も混ざり合っているようでした。
歌唱パートが始まると、玉置さんの深みのある歌声が、上質な音響に乗って聴こえてきます。序盤は語りかけるような歌声でありながらも、とても力強い響きを感じました。伴奏では、チェレスタと低弦のピチカート(指弾き)がリズムを取って進んでいきます。モニターでも鍵盤と弦の様子を交互に映し出し、高低の特徴が綺麗に分かれた演奏シーンを視覚的にも楽しむことができました。
曲の中盤、
海へ行こうよ 世界は広いよ
からはライティングに変化が現れ、一気に青色のライトがステージを照らし出しました。ここまでは緑と紫が合わさった独特の色彩が浮かび上がりましたが、以降は青色のライトがステージを支配し、紫の雰囲気は消えていきました。
本パートのラスト、
僕が君の輝く星にな・る
では、玉置さんと大友さんが向き合い、両者が真剣な表情でリズムを確かめ合う姿がありました。その後の短い間奏には、玉置さんがマイクを離したシャウト、
Yeah〜!Oh〜!
の歌声が響きます。1日目のこの場面では、普段の公演と比較するとほんのわずかにマイクを身体に近づけているように見え、アリーナならではの機微なマイク位置の調整を垣間見ることができました。しかし、2日目には普段と同じくらいまでマイクを遠ざけて歌い、とてもパワフルな姿を見せていました。
直後の歌唱パート、
おはよう〜〜〜 どんな天気でも
で玉置さんの伸びやかな歌声が放たれると、その凄まじいまでの声量に圧倒されました。同時にステージの照明が一気に白くなって客席に迫ってきます。さらにこの白いライトがピカピカと何度も明滅を繰り返し、非常に煌びやかな空間が広がりました。玉置さんの圧倒的な歌声と壮大な照明演出のコンビネーションは、鑑賞していて鳥肌が立つほどの名シーンでした。
最後はきめ細やかに曲が締めくくられます。玉置さんと大友さんが向き合い、互いに頷き合いながら
キラ・キラ・ニコ・ニコ
のタイミングを合わせました。ここで大友さんは手を前に出し🖐️、しばらく待ちの指揮をオーケストラに送りました。最後は、
だね…
という玉置さんの歌声がアカペラで入り、その余韻がアリーナの奥深くまで伝わっていきました。この残響が消え去るのを見届けた後、大友さんの指揮によりオーケストラの演奏が再開されます。このタイミングが2日間ともに普段よりわずかに遅れて入ったようにも見え、非常に絶妙な間が保たれていました。
その後は壮大なオーケストラ演奏が広がっていき、玉置さんはこの演奏にシャウトで応えます。トランペットの輝かしい音と、玉置さんの叫びが見事な共鳴を果たしました。
最後は一転して静かに曲が終了していきます。2日目の後奏の途中には、オーケストラのアンサンブルが鳴り響いている最中、早くも玉置さんが印象的なポーズを見せました。両手で持ったマイクを大切そうに握り締め直し、胸の前で掲げる姿。これはまるで見えざる何かに祈りを捧げているようにも見えました。曲の終了後には、玉置さんが両手を前に出すお馴染みのポーズも見せ、見事に壮大な一曲を終えました。
5. 純情
大友さんが上手前方に向けて指揮を振ると、ヴィオラトップによるソロ演奏が先行し、曲が始まりました。同時にステージは深みのあるオレンジ色に照らされます。その後はアンサンブルに移行する中、オーボエとフルートの木管楽器が前奏の主旋律を演奏し、スクリーンでもその様子を映し出していました。1日目の前奏中、玉置さんは胸に手を添えて慈しむような姿を見せていました。
歌唱パートが始まると、ここでも玉置さんの深みある低音がよく響き渡ります。アリーナ用に歌声のボリュームを上げている関係か、抑えた歌い方ながらも非常に力強さを感じる音響でした。しかし、2日目には玉置さんの歌声がふっと弱まる場面もありました。
胸に抱かれ ゆらゆら眠るまで
のところで、これまでの公演でもあったように、感極まったのかわずかに声量が落ちたように感じられました。客席から見ていてやや手に汗握る場面でしたが、その後は持ち直し、とてもパワフルなパフォーマンスが展開されました。
サビのロングトーンでは、特徴的な歌い方がありました。
その言葉だけ 投げ出さずいた
のところ。このパートは2日間ともに1番から力のこもったトーンでした。しかし、長さ自体はそこまで引き伸ばさず、寸止めするように短く歌声が止まりました。対して2番はここからさらに声量が増し、トーンの長さも伸びていました。
その言葉だけ 投げ出さずいた〜ぁあ〜⤴︎
と音程を上げていくスタイルで、非常にたくましさを感じる歌声でした。
その後の間奏はオーボエが担当し、モニターでもその演奏シーンが映し出され、素朴な音色の演奏が広がりました。ここで玉置さんは感情を爆発させるようなフェイクを入れ、自然体な姿を表現していました。
続く歌唱パート、
思ったように 好きに生きなよ あせらず
では、演奏がトーンダウンする中を玉置さんが歌い上げます。伴奏の音が絞られている分、やはり玉置さんの歌声が際立って力強く聴こえました。ここで、2日目には特に記憶に残るシーンがありました。
男は泣くんじゃない
のフレーズの最中に、玉置さんが左手で目の横を拭うようなジェスチャーを見せたのです。まるで歌いながら感極まっていることを示すような姿であり、この歌詞のタイミングも相まって、非常にドラマチックな瞬間に映りました。
そして、曲はクライマックスへと向かいます。
オレのお守り くしゃくしゃの純情〜〜〜
のロングトーンでは、玉置さんは普段以上に力を振り絞って歌い上げ、そのパワフルな歌声は凄まじい迫力でした。同時にオレンジのライトが青く切り替わります。ここでもステージのバックにある紫色のカーテンと色が混ざり合い、純粋な青ではない独特な雰囲気が生まれていました。この色彩を見て、安全地帯の「好きさ」や「蒼いバラ」でよく使われるカラーリングが頭をよぎりました。「母」を題材にした楽曲ですが、それと同時に玉置さんが大切にしている原点のようなものが、意図せずとも結果として伝わってくる演出になりました。
その後は玉置さんが
かあちゃん
とありったけの想いを込めて叫ぶと、アリーナは一気に大きな感動に包まれていきます。続く後奏中も、伴奏に合わせて玉置さんがシャウトを繰り出し、思いの丈をぶつけるような姿を見せていました。
曲が終わると、1日目は玉置さんが拳で胸を叩くジェスチャーを見せ、大友さんの方を向くと、大友さんも胸に手を添えるポーズで応えていました。2日間を通して、深く大きな感動が広がった一曲となりました。
6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)
弾むような大友さんの指揮に合わせて、軽快な演奏で「MR.LONELY」がスタートしました。2日目、前奏の発声パートに突入すると、ここで驚きの光景が広がります。玉置さんがマイクを大きく下げたノーマイクの状態で、迫力のある地声でこのパートを歌い上げたのです。1日目は普段と同じく裏声で同パートを歌っていたため、これは2日間を通して非常に対照的なシーンになりました。
歌唱パートに入ると、落ち着きながらも軽快に歌う玉置さんの姿がありました。伴奏の音響が特徴的なシーンもあり、この2日間はヴィオラのピチカートが非常に鮮明に聴こえました。これまで同曲では、フルートの助奏やオーボエの長音がよく目立つことはありましたが、弦の指弾きがここまでアンサンブルの中で際立ち、はっきりと聴こえるサウンドは今回が初めてで、とても新鮮でした。
曲がサビからラストサビに突入すると、玉置さんの歌声は一気に強くなっていきます。それまでの穏やかなムードからは一変して、鬼気迫るような勢いを感じました。ここでは玉置さんのジェスチャーも広く披露されます。1日目、
何もないけど 君のために
では右手を前に差し出し、
遠く離れていたって
では上手の上層階に向けて大きく手を伸ばしていました。
最後は両日ともに、伴奏に裏声を合わせる形でメドレーの一曲目が終了しました。
オーボエとフルートの木管コンビによるアンサンブルが奏でられると、メドレーは「サーチライト」へと移ります。ここでステージは青い照明に照らされ、オーケストラを強調するように上からの光が注がれました。この鮮やかな演出は見事で、とても綺麗なライティングでした。しかし、こうした雰囲気はすぐさまガラッと切り替わり、暗いステージを白く照らす普段よく見慣れた演出へと移行していきました。
歌唱パートが始まると、玉置さんの低音と低弦の演奏が重厚なハーモニーを織りなします。特にチェロの音が鳴り響き、沖縄公演でもトップ奏者として楽団を牽引した向井航さんの演奏が目立っていました。序盤のパートはアンサンブルが穏やかなため、低弦の音もよく響き渡りました。
サビからラストサビに向かう
サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ
では、玉置さんが四層に重なる壮大な客席に向けて手を差し伸べ、全体を包み込むようにスライドさせます。大きくのけ反った姿勢から、ダイナミックなジェスチャーが繰り広げられました。
その後のラストサビは、まさに圧巻の一言でした。震えるような気持ちのこもった裏声を歌い上げたのち、1日目には
サーチライトに僕は
なれるかな なれるかな
の場面で、自らの姿をアピールするように胸を叩きながら玉置さんが歌い上げました。この動作は非常に大きく、また強調されたものになり、2万人の観客に向けて自身の存在感を示したシーンとなりました。
その後はオーケストラの後奏で曲が締めくくられます。演奏終了時には大友さんが玉置さんの方を向き、玉置さんもその視線を感じたのか大友さんの方を向き返ると、マイクを引っ込めるような動作で対応し、メドレーのフィナーレを美しく飾りました。
7. Friend
オーボエの音色が際立つ演奏で曲がスタート。途中からチェロが加わることで、前奏はより重厚感の増す仕上がりとなりました。その最終盤には照明が暗転し、静かにAメロに入っていきます。
歌唱パートが始まると、ピアノの伴奏に合わせて玉置さんが歌い上げます。大友さんがゆったりとしたリズムで指揮を刻み、曲はスローテンポで展開されました。ここでは玉置さんを白く強調するライティングがステージを飾り、その姿が一際大きく輝きます。序盤は伴奏音がピアノのみでとても絞られている分、玉置さんの歌声が際立って聴こえてきました。これまでのバラード曲でも感じたことですが、伴奏の演奏ボリュームが抑えられると、玉置さんの落ち着いた歌声でさえかなりボリューミーに聴こえてくるサウンドは、アリーナならではの体験でした。
サビに入ると雰囲気がガラッと変わり、玉置さんの歌声にも一気に熱が帯びていきます。力強い圧巻のロングトーンが、会場全体にこだましました。
2番に入ると、ここでも先ほどのメドレーで目立った印象的なサウンドがよく際立ちます。低弦のピチカートが曲のリズムを刻むところで、ヴィオラの弾けた音色がとても鮮明に聴こえてきました。高い音がよく響いてくる音響の特徴が、ここでもよく表れていました。
2番のサビからラストサビにかけても玉置さんの伸びやかな歌声がどこまでも広がり、見事に第一部が終了へと向かっていきました。ラストのロングトーンでは、玉置さんの歌声に合わせて、引きで撮ったステージの映像がどんどんアップになっていき、ついには玉置さんをアップで映すカメラワークが展開されます。これは第一部の終了を飾るのに相応しい見事な演出でした。
後奏中にはいつもと同じタイミングで玉置さんが舞台袖に向かって歩き始めると、客席からは大きな拍手が沸き起こりました。舞台袖までの動線が普段よりも距離があり、玉置さんの姿がいつまでも捌けない分、普段以上に長く拍手が続きます。これはオーケストラの演奏が終わる直前まで持続しました。
最後は一度拍手が鳴り止み、同じくらいのタイミングでアウトロも終了します。ここで、大友さんが左手を、最後の一音まで大切そうに噛み締めながら優雅に握って音を止める様子がモニターに映りました。その後、演奏が終わって大友さんが腕を下ろすと、丁寧な所作で燕尾服の裾と袖口を引き締める動きを見せました。この様子もスクリーンで捉えられ、マエストロが行う神聖な儀式を見たような気持ちになりました。
大友さんが指揮台から降りると、ここでマエストロも退場していきます。その退場シーンをモニターがアップで映し、舞台袖に向けて階段を降りていくと、その後はリアル映像が止まり、ツアービジュアルが投影されました。やがて館内アナウンスが流れ、ツアーファイナルはインターバルに入りました。
前編はここで終了します。また後日、第二部の様子を記した後編を投稿します。
こばかず

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