玉置浩二 with 故郷楽団 ファンファーレ!!(10/11・12)@広島文化学園HBGホールの感想とセットリスト

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先日の10月11日・12日、玉置浩二 with 故郷楽団 Concert Tour 2026 ファンファーレ!!@広島文化学園HBGホール公演に参加しました。

※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは21会場30公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。

今回は2公演分をまとめて記載します。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

3連休の後半、ツアーの舞台は広島へと移りました。この2日間は全30公演のうち20・21公演目にあたり、ツアーの中盤戦と終盤戦を繋ぐ公演となりました。

2. サポートメンバー

本公演に参加するサポートメンバーは以下の通りです。

(敬称略)
・キーボード:トオミヨウ
・ギター:秋山浩徳
・パーカッション:中北裕子
・ベース:千ヶ崎学
・ドラム:松原"マツキチ"寛
・サックス/フルート:門田"JAW"晃介
・1stバイオリン:吉田宇宙
・2ndバイオリン:白澤美佳
・ヴィオラ:大辻ひろの
・チェロ:稲本有彩

9月23日の高崎公演以来となる、女性メンバー四名が勢揃いする編成となりました。次にこの四名が揃うのは、参加メンバーが多くなる11月4日・5日の日本武道館でのファイナル2日間です。それだけに、ツアーの中でも貴重な布陣となりました。

3. 第一部の様子・各曲の感想

1日目の座席は1階席後方のやや上手寄り、2日目の座席は1階席中央のセンターブロックでした。特に2日目はホールのど真ん中に位置しており、音の響きが良好だったうえに、ステージの全体像を見渡すことができました。

開演は1日目が17時30分、2日目が16時。両日ともに定刻どおりに幕を開けました。

1. ファンファーレ(Instrumental)

門田さんのティンホイッスルが主旋律を奏で始めます。ゆったりとした曲調が実に優雅で、そこへステージを横から貫くように白い光が差し込み、場内は神秘的な雰囲気に包まれました。

2. あこがれ(Instrumental)

打楽器隊のロールが終始リズムを刻み、一歩ずつ前へと踏み締めるようなテンポの中を曲が進んでいきました。

スクリーンには大自然の風景が代わる代わる映し出され、郷愁を誘う光景が目の前に広がりました。

3. 希望の光

ここで玉置さんが登場します。大きな拍手がその姿を出迎えました。

つぶやくような歌い方で曲が立ち上がると、会場の空気は一変し、玉置さんの歌声が描く世界に塗り替えられました。

終盤からは、玉置さんのシルエットがスクリーンに映し出されます。手を前に差し出しながら歌う姿が、そのまま投影されました。ただ、会場の設備による影響でしょうか、ところどころ映像に黒い線が入り、画質に淀みが見られたのは少し残念に感じたポイントでした。

最後に玉置さんがアカペラで歌い上げたのは、

希望という 君がいると

のフレーズでした。あまりにも深みのある残響がそのまま余韻となり、場内に長く漂いました。

4. 海路

この曲では、2日間ともに玉置さんのジェスチャーがとても多かった印象を受けました。1番のサビ、

夢遙か 遠き空に 愛がある

では、両日ともに視線を前方に見定め、左手を前へ差し出しました。

1日目はラストサビの、

切なくて 切なくて
汚れた僕を洗ってくれる あなたが

で、胸に手を当てながら歌いました。このパートは伴奏のボリュームが落ち、ピアノのみの演奏になるため、哀愁がいっそう濃く漂いました。

曲後は2日間ともに、玉置さんが両手を客席の方へ伸ばすポーズを決めました。

5. ムダな汗(Instrumental)〜R-『★』指定

中北さんのパーカッションソロから、「結界」のイントロへと移ります。ここで玉置さんが叫びました。それも正面ではなく、上手方向を向いてのシャウトです。客席からは咆哮する玉置さんの横顔が見えました。

本編に入ると、この曲でも玉置さんは多くのジェスチャーを交え、何度も何度も手を前に出しながら歌いました。両日ともに、

ガーターベルトストッキング
娼婦の手にリップスティック

のパートでは特徴的な仕草が飛び出しました。2日目は、

ガーターベルトストッキング

でギターのボディーをなまめかしい手つきで撫で、1日目は、

娼婦の手にリップスティック

で物を握るような動作をしたのち、親指を立てる👍サインを送りました。

玉置さんの歌声は、ファンクの世界観が全開でした。これまでの公演以上に肩の力が抜けたように映り、それが独特のグルーヴ感を生み出していました。

曲のラスト、弦カルテットとギターが交差する刹那の演出では、玉置さんが両者を指差しました。その直前、玉置さんは激しく、

ヘイ!

と叫んでからステップを踏み、カルテットへ手を向けます。この一連の姿が強く目に焼き付きました。

6. 愛してんじゃない

門田さんのソロパフォーマンスが口火を切ります。両日ともに、本編の前奏をモチーフにしたと感じられるフレーズでした。2日目はアレンジ性も加わり、より自由度の増したソロプレイに。突き抜けるようなテナーサックスの高音が、これでもかというほど鳴り渡りました。

本編に入ると、この曲でも2日間を通して玉置さんのジェスチャーが存分に見られました。中でも際立っていたのが、

もう言わない 捨てたから

のパートです。1日目は右手を、2日目は左手を外側に向け、投げ出すように振り切りました。

1日目は2番のサビで、

愛してんじゃな〜〜い

のロングトーンに合わせて左手をグイグイと上げ、歌いながらPAに指示を送る場面もありました。

曲のラストは松原さんのドラムソロです。両日ともにユニークな演奏が繰り広げられました。1日目はスネア、バスドラム、シンバルの順に叩くコンビネーションを何度も繰り返し、2日目はドラムスティック同士を直接打ち合わせたり、片方のスティックを口に咥えてシンバルを手で叩いたりしました。

2日間ともに、最後は畳み掛けるようなロールで締めくくられます。玉置さんはこの音に重ねるように分厚いシャウトを入れ、熱気に満ちたラストを彩りました。

曲後は玉置さんが松原さんと門田さんに手を向け、ソロパフォーマンスを担った両者を讃えました。

7. ショコラ

千ヶ崎さんの静謐なベースソロから曲が動き出します。場内には緊張感が漂い、観客はその一音一音に聴き入りました。

本編では1日目、2番の、

口唇をとがらせてゆっくりと
さめるのを待つ

で、玉置さんの独特な歌い方を目にしました。小刻みに上下動し、頷きながら歌う姿です。しかも、その締めくくりを、

ゆっくりと〜おぉ〜⤵︎

と、音程を下げていくメロディーで着地させました。あまりにも自然で澄んだ歌声に、聴いているこちらも思わずニヤッとしてしまいました。

曲後は2日間ともに、玉置さんがアイコニックなエルヴィスマイクをアピールします。繰り返しマイクを口元に近づけ、キスをしてみせました。特に2日目は下手方向へキス、上手方向に振り返ってキス、そして最後は正面を向いてキスを送りました。

8. MR.LONELY

この曲は、2日間で玉置さんの歌い方にそれぞれの特徴が表れました。1日目は繊細な裏声を中心に、2日目は芯の通った地声を軸に据えた歌声でした。

アウトロで玉置さんがマイクから離れて叫ぶ場面でも、2日間で対照的な違いがありました。1日目は上手方向へ移動したのに対し、2日目は下手方向へ移動しました。このパートはトオミさんのピアノのみが伴奏を担うため、2日目は奏者に歩み寄った形になりました。ここで玉置さんはトオミさんとアイコンタクトを交わし、笑みを浮かべる様子も覗かせました。

9. やせっぽちの星

この曲は2日間ともに、玉置さんの歌声が感傷を帯びました。1日目は序盤から、声を途切れさせながら歌いました。その直後、繋がるように弦カルテットの間奏が入る場面は、あまりにも切実な響きを有していました。

2日目はスタートからパワフルな歌声を聴かせたものの、ラストフレーズの、

ずーっときみの 幸せを 歌っているから

で変調しました。声量がたちまち落ち、声を詰まらせながらの歌唱になりました。

こうして第一部が幕を下ろしました。

4. 第二部の様子・各曲の感想

インターバルを挟み、いよいよ第二部へと入ります。

10. 希望の光(Instrumental)

目まぐるしく主役が入れ替わりながら、主旋律が演奏されていきます。門田さんのソプラノサックス、秋山さんのギター、吉田さんのバイオリンの順に、メロディーが受け渡されました。曲が進むにつれてアンサンブルの強度が増していく様は壮観でした。そして、最後はトオミさんのピアノが静かに締めくくりました。

11. 花束じゃなくキミといたい

玉置さんが登場し、エルヴィスマイクを手にステージの前へと進み出ます。

この曲では、極限まで抑えられた玉置さんの歌声が聴こえてきました。つぶやくような歌声が、深みを伴って客席まで届きました。

12. 命の宿り

吉田さんが立ち上がり、バイオリンのフレーズを入れます。続けて前奏が奏でられ、曲が動き出しました。

この曲は玉置さんの抑揚をつけた歌い方が記憶に残りました。抑えるところ、伸びやかに声を張るところ、そして滑らかにメロディーラインを紡ぐところ。どこを切り取っても見事な歌声でした。

13. サーチライト

玉置さんがマイクスタンドからマイクを取り外します。この曲ではツアー序盤からエルヴィスマイクが用いられてきましたが、今回はノーマルのマイクによるパフォーマンスになりました。

その分、玉置さんの歌う姿勢にも変化が出たように見受けられました。リズムを取りながら、これまで以上に上下へ弾むような、自然体の姿が印象に残りました。

ラストサビの、

サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ

では、マイクを持ち替えて右手を前に出すジェスチャー。客席に向けて幾度も手を差し伸べる姿が、とても大きく見えました。

14. 熱視線

客席が総立ちになります。落ち着いたトーンで進んできた第二部の様相がガラッと変わり、ロックの空気が流れ出しました。観客は手拍子で加勢し、場内は一気に熱を帯びました。

最も沸き立ったのは曲の締めくくりでした。フィニッシュの型が二度取られたのち、最後は玉置さんが終了の合図をバンドメンバーに託します。1日目はトオミさん、2日目は千ヶ崎さんがその役を担いました。トオミさんは立ち上がって左手を上げ、千ヶ崎さんはベースギターを振ってそれに応えました。

メンバー紹介

ここでメンバー紹介です。玉置さんが担当楽器とメンバーの名前を紹介していきました。

パーカッション:中北裕子
ドラムス:松原"マツキチ"寛
ギター:秋山浩徳
ベースギター:千ヶ崎学
サックス:門田"JAW"晃介
1stバイオリン:吉田宇宙
2ndバイオリン:白澤美佳
ヴィオラ:大辻ひろの
チェロ:稲本有彩
サウンドプロデュース&アレンジ、キーボード:トオミヨウ

15. JUNK LAND

曲の中盤、

待ってる人のその前で
泣いてる人のその前で

のパートで、吉田さんが頭をガンガンと振るヘッドバンギングを交えた演奏を披露しました。この曲ではツアー序盤、その勢いが鳴りをひそめていたため、ここに来て解禁された形となりました。

ステージ上の演者たちも、その姿に視線を注ぎます。隣の白澤さんは笑みを浮かべ、低弦の大辻さんと稲本さんも覗き込むように吉田さんを見つめました。さらに、向かい合う位置にいた秋山さんまでもが、その荒々しい演奏に注目しました。

曲のラストはコール&レスポンスです。地声、裏声、歌唱パートの順に、玉置さんのコールに観客が食らいついていきました。最後は玉置さんのシャウトが轟きます。

玉置さん
玉置さん

J・U・N・K
L・A・N・D
で〜〜〜!!!

続けて玉置さんがレスポンスの指揮を送り、曲はエンディングへと向かいました。

玉置さん
玉置さん

JUNK🫵
LAND🫵
で〜〜☝️

この曲でも、玉置さんは締めくくりの合図をサポートメンバーに託しました。1日目は千ヶ崎さん、2日目はトオミさんが担当。千ヶ崎さんはその場でピョンと飛び跳ね、トオミさんは立ち上がって左手を上げる動作で、それぞれ終了の合図を送りました。

16. 田園

曲が始まると同時に、弦カルテットのメンバーが一斉に立ち上がります。ぴたりとタイミングの揃ったスタンディングでした。

Aメロに入ると、吉田さんを筆頭にメンバーが手拍子で盛り立てます。客席からも地鳴りのようなクラップ音が沸き起こり、曲をさらに後押ししました。

1番のサビでは、

愛はここにある 広島ひろしまにある

と玉置さんが高らかに歌います。大歓声が起こり、その流れのまま、続く間奏は観客の合唱へとなだれ込みました。

2番では下手で過激なステージが繰り広げられます。吉田さんと門田さんが急接近し、バイオリンとサックスの掛け合いへ。両者の楽器がぶつかるのではないかと思うほどの猛アプローチでした。

17. ファンファーレ

門田さんのティンホイッスルが優雅に主旋律を奏でると、観客があっと沸きます。ツアータイトル曲の幕開けです。会場のボルテージはまた一段と上がり、手拍子が鳴り、結ゆいくんが乱れるように舞いました。

この曲は大音量のサウンドが場内を満たします。その中にあって、玉置さんのボーカルは演奏に負けるどころか前面へと押し出され、曲をぐいぐいと推し進めました。

こうした熱気が奏者にも伝染したのか、高まる感情を抑えきれないと言わんばかりに、吉田さんがところどころで立ち上がって演奏しました。特に1日目は、1番終了後の間奏で玉置さんが、

ヘイ!

と叫んだ瞬間に合わせて吉田さんが立ち上がる姿に、思わず笑ってしまいました。

2日目は曲のエンディングで興味深い光景が広がりました。吉田さんが立ち上がって弦をかき鳴らし始めると、隣の白澤さんもしばらくして立ち上がります。さらにその隣の大辻さんもスタンディングで演奏に加わり、そのまま曲はフィナーレを迎えました。まるでステージ上でスタンディングオベーションが巻き起こっているかのようでした。

18. メロディー

曲の始まりに変化が出ました。これまでの公演ではトオミさんのピアノによる短い導入を経てから玉置さんの歌唱パートへ向かっていましたが、今回はいきなり玉置さんが歌い始める入りになりました。

この場面では、曲前の玉置さんの表情が強く記憶に残りました。覚悟を決めたような面持ちで歌い始めた姿からは、このパフォーマンスに対する並々ならぬ気概が伝わってきました。

曲前の観客の反応も、2日間で対照的なものになりました。1日目は客席が張り詰めた静寂を作り出し、2日目は玉置さんへのコールも飛び交う中でのスタートでした。特に1日目はその静寂の中、いきなり玉置さんの歌声が聴こえてくる形になり、格別の演出となりました。

この曲は1番と2番以降とで、玉置さんの歌声が異なる表情を見せました。1番は抑えたセンチメンタルな歌声、2番からは伸びやかでパワフルな歌声。このコントラストが鮮やかでした。

ラストサビでは、圧巻のロングトーンも飛び出します。迫力に満ちた歌声がどこまでも伸びていき、曲が着地しました。

ここでサポートメンバーがステージ前方に移動します。1日目は玉置さんが合図を出す前に、ややフライング気味に大辻さんが台を降りてしまい、白澤さんに呼び止められる一幕もありました。並び順は2日間ともに以下の通りです。

(下手から)
Vc.稲本さん
Va.大辻さん
Vn.白澤さん
Vn.吉田さん
Key.トオミさん
Vo.玉置さん
Sax.Fl.門田さん
Ba.千ヶ崎さん
Gt.秋山さん
Perc.中北さん
Dr.松原さん

玉置さんの合図により、下手側のメンバー、上手側のメンバーの順に礼をし、最後は全員で礼。こうして本編の幕が下りました。1日目はここで玉置さんが次のように声をかける場面もありました。

玉置さん
玉置さん

みなさん、ありがとう!

そして、サポートメンバーが退場します。玉置さんもそれを見届け、ステージを後にしました。

無人になったステージに、惜しみない拍手が送られます。拍手が続く中、松原さんを先頭に、メンバーが駆け足でステージへ戻ってきました。すると、ステージの明かりが急激に落ち、ピンライトがF.C.G.Rのシロを照らし出しました。

5. アンコールの様子

Ec1. じれったい

打楽器のリズムが前奏を刻み始めると、玉置さんが登場します。その足でギターを手に取り、アンコールの幕が開けました。

ギターの扱いには2日間で変化が見られました。1日目は終始ギターを肩にかけず、手に持ったままのパフォーマンス。2日目はすぐに肩からかけました。

玉置さんは歌詞をアレンジする歌い方もふんだんに披露しました。1日目は1番のサビで、

じれったい 心を溶かして
じれったい 体も溶かして
もっと もっと広島を知りたい

と歌い、2番でも、

もっと もっとHBGホールを知りたい

と早口で畳み掛けました。2日目は2番のサビで、

止まらない ふたりの続きを
終わらない 広島の夜を
もっと もっと知りたい

と歌いました。(玉置さんの歌ったフレーズで記載しています。)

2番終了後の間奏では、門田さんがステージ前方へ移動し、玉置さんがそれを迎え入れます。1日目はこのタイミングでギターを肩にかけ、掛け合いを行うものと思っていましたが、玉置さんはギターを手に持ったまま、もう片方の手で門田さんの肩を抱き寄せました。その後、打楽器のパフォーマンスに移ると、玉置さんは下手へ移動し、ギターのボディーを客席に見せつけるように強調しました。

曲はいよいよクライマックスへ。玉置さんは2日間ともに、終了の合図を門田さんに託しました。門田さんがテナーサックスを振り、曲がフィニッシュを迎えました。

曲後はサポートメンバーと玉置さんが退場します。本編終了時の挨拶では明るかったステージも、今度は暗転したまま。その中でも、観客からの拍手は鳴り止みませんでした。

すると、玉置さんが再びステージに姿を見せます。「メロディー」と「じれったい」で使われ、なおもスタンドに置かれていた青のBUSCARINOとシロは用いず、スタッフがMartin D-45Sの田園モデルを玉置さんに手渡しました。

※リンク先と写真のギターは、本ギターのモチーフとなったモデルです。

Ec2. カリント工場の煙突の上に

玉置さんの弾き語りで曲が始まります。ところどころでギターのボディーを叩きながらリズムを取る玉置さん。シンプルながらもテンポの良い曲調に、客席からは自然と拍手が起こりました。

完全な即興ではないと感じさせる演出もありました。それは、

風に揺れる万国旗を見ながら
遠い世界を旅してた

のところです。玉置さんの歌声にエコーがかかり、フレーズが繰り返されました。PA側との段取りがなければ成立しない演出で、あらかじめ用意されていたものと思われます。

2番の、

僕が今でも泳げないわけは
川で溺れたあいつのせいさ

以降は、玉置さんがギターを弾く場面がめっきり減り、ボディーを叩くリズム音が優勢になります。とはいえ、ギターの音が完全に消えたわけではありません。一瞬弦を弾き、その振動を止めないまま音を減衰させていくような奏法でした。この音が消えかかると、再び弦を力強くワンストロークして音を鳴らしました。

観客の手拍子が良い効果をもたらした場面もありました。それが、

堤防から放り投げた
花束は流れて消えた

の直後に一瞬、演奏音が完全に止まるところです。ここで乾いた手拍子だけが二拍鳴り、曲のリズム感を持続させました。2日目にはここで間を置いてから、

路地裏で泣いてたあの娘が捨てた
赤い口紅のついてた煙草

へと玉置さんの歌声が入る、ちょっとした演出も見られました。

2日間で実演された歌唱パートにも変化がありました。1日目はCメロにあたる、

市営住宅の中の広場で
リレーをしたんだみんなで

のパートが完全に省略されたのに対し、2日目はフルバージョンでのパフォーマンスとなりました。以下は、1日目の終演後に個人的に記したメモの原文です。

個人的には、Cメロに向かう間奏でギターをひたすらかき鳴らす姿、そしてメロディーが上昇気流に乗り、それに加勢するように玉置さんの歌声が伸びやかになるこのパートも聴きたかったところだが、やや残念であった

2日目はまさに頭の中で思い描いていたイメージがそのままステージで展開されました。玉置さんが激しくギターをかき鳴らすと、

リレーをしたんだ みんなで

では音程がぐんぐん上がっていき、伸びのある歌声が鳴り渡りました。

そして、圧巻だったのがラストの、

空よ僕を 忘れないで思い出してくれ

のパートです。思いの丈をぶつけ、天に向かって叫ぶ玉置さんのパフォーマンスは、鬼気迫るほどの気魄きはくに満ちていました。ここまで来るとギターは弾かず、アカペラでの歌唱になります。いつの間にか観客の手拍子も鳴り止み、一人ひとりが固唾を呑んで、その凄みのある歌唱に見入りました。

最後は一転してしんみりと、

カリント工場の煙突の上に

と歌い上げて終了。熱が渦巻いたステージに、これ以上ないほどの賞賛の拍手が注がれました。玉置さんは天を見上げて指を差すジェスチャーを残し、ギターをかけたまま足早に退場していきます。アンコールでは一言も発することなく、ステージを後にしました。

しばらくすると館内アナウンスが流れ、終演。アンコール最終曲の大きなインパクトを余韻に、広島公演の2日間が幕を閉じました。

以下、本公演のセットリストです。

6. セットリスト

玉置浩二 with 故郷楽団
Concert Tour 2026
ファンファーレ!!
10月11日・12日
広島文化学園HBGホール
セットリスト

【一部】
1. ファンファーレ(Instrumental)
2. あこがれ(Instrumental)
3. 希望の光
4. 海路
5. ムダな汗(Instrumental)〜R-『★』指定
6. 愛してんじゃない
7. ショコラ
8. MR.LONELY
9. やせっぽちの星
【二部】
10. 希望の光(Instrumental)
11. 花束じゃなくキミといたい
12. 命の宿り
13. サーチライト
14. 熱視線
〜メンバー紹介〜
15. JUNK LAND
16. 田園
17. ファンファーレ
18. メロディー
【アンコール】
Ec1. じれったい
Ec2. カリント工場の煙突の上に

7. 公演後の様子

公演後の会場の様子です。

広島での2日間も、素晴らしい公演となりました。ツアーが中盤から終盤へと差し掛かった本公演、本編では玉置さんの自然体なパフォーマンスが光りました。普段以上に身振り手振りを交えながら歌う姿がありました。

アンコールでは、玉置さんがギター一本の弾き語りで一曲を届ける形になりました。個人的には、MCを挟まず、クオリティーの高いパフォーマンスで魅せるこの演出がとても好みです。

本ツアーも残すところ9公演となりました。最後までどのような演出が待ち受けているのか、目が離せません。

こばかず

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