先日の4月5・6日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2025 “ODE TO JOY”@NHKホール公演に参加しました。
指揮:大友直人
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは15都市26公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。
今回は2公演分をまとめて記載します。
1. 公演前の様子
公演前の会場の様子です。
4/5 1日目
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— こばかず (@anzen_koji_1982) April 5, 2025










4/6 2日目
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— こばかず (@anzen_koji_1982) April 6, 2025


個人的にNHKホールは初めて来る会場でした。毎年、紅白歌合戦でも使用される由緒あるホールで、建物内は年季の入った独特な味わいがありました。
2. 公演の様子・各曲の感想
両日ともに、3階席中央やや下手寄りの座席でした。1日目は17時00分、2日目は16時00分の定刻に開演。ステージ両端から、東京フィルハーモニー交響楽団のメンバーが続々と入場してきます。その後、コンサートマスター(女性奏者だったため、コンサートミストレスの表現が正しいか)のバイオリン奏者が1人で入場するタイミングに合わせて、舞台上からスポットライトが点灯。楕円形の白い照明がコンミスの歩みを追っていきました。
そこから、オーボエ→ストリングス→木管・金管楽器の順で調律がなされ、その音が鳴り止むと、大きな間を空けて大友さんが下手から登場。ここでも白い大きなライトがマエストロを強調しました。大友さんがステージ中央まで来ると、コンミス・トップサイド両名と握手を交わしてから客席に一礼をして指揮台へ。コンサートのスタートです。
1. ベートーヴェン 交響曲第9番 第4楽章 「歓喜の歌」
大友さんが、チェロ・コントラバスの低弦チームに身体を向けて指揮を開始。渋い低音でベートーヴェン作曲による「歓喜の歌」の主旋律が始まります。
曲の一節を終えると、ヴィオラとファゴットが演奏に追加されて、その次節からは一斉にバイオリンも入る構成になりました。徐々に音域が上がっていく変化にしたがって、低弦隊は曲の土台を司るベース音を刻むように演奏スタイルが移り変わりました。ストリングス隊によるアンサンブルの最終盤には、大友さんが右から左に向けてワイドな指揮を展開。見事に弦カルテットの演奏音が溶け込んでいく感覚がありました。
最後はホーン隊と打楽器のティンパニが演奏に加わり、豪快で輝かしいラストを迎えました。ここからは大友さんの指揮も弾むように軽快になり、ポップな雰囲気で序曲が終了しました。
2. 歓喜の歌(玉置浩二)
一瞬の静寂後、大友さんが右手をホルンに伸ばして玉置さん作曲の「歓喜の歌」がスタート。初音が長めに取られる始まりでした。その後は、各楽器のアンサンブル、オーボエのソロパートや、フルート&チェロの共演など、メリハリある展開で管弦楽が進行しました。ラストは切れ味鋭いストリングスの音、煌びやかなホーンの音が豪華に奏でられてフィナーレ。大友さんが両手をクロスさせる指揮で曲が終了しました。
この2日間は、ベートーヴェン作曲の「歓喜の歌」と玉置さん作曲の「歓喜の歌」が独立したムードを感じました。そのため、あえて曲目も分けて記載しました。
素晴らしい管弦楽の演奏後、観客席から拍手が起こり、玉置さんの登場を待ちます。大友さんも下手の舞台袖に合図を送りますが、この姿勢が2日間で異なりました。1日目は観客と同様に拍手をする姿、2日目は手を上げる動作で主役をステージに呼び込みました。
少しの間を置いて玉置さんが登場。ステージ中央で大友さんとガッチリ握手をしてから観客席を向くと、拍手が一際大きくなりました。そこからマイクを持ち、会場が暗転すると曲が始まります。
3. GOLD
この曲は、一言一言を丁寧に歌う玉置さんの姿が印象的でした。マイクを両手で持ち、やや前傾姿勢で、言葉に意味を持たせるように大切に歌い進めていました。
2日間で照明演出に変化がありました。1日目は、序盤は濃く暗いオレンジの照明で始まり、終盤の
黄金色に輝く 天使に導かれて
から黄色のライトが追加され、後奏を紫でダークなライティングが支配する演出でした。
その一方で、2日目は序盤の深みがかかったオレンジ色には変化が無かったものの、
黄金色に輝く
からは黄色のライトが印加されず、オレンジの色彩が淡くなる程度の変化でした。オーケストラの後奏時にもステージが暗くなる照明演出はなく、やや明るめのオレンジのまま曲が終了しました。
1日目は17時開演、2日目は16時開演のため、夕暮れ時をイメージしたのでしょうか。以降、土日開催される公演はいずれもこのスケジュールのため、注目してみたいです。
4. ロマン
本曲では、玉置さんの姿を強調したライティング演出がありました。暗いステージの中、玉置さんが立つ場所にのみ黄色いライトが当たり、とても神々しい雰囲気を纏いながら曲が進行しました。
歌唱面で特徴的だった場面は、
(1番)
せめて夜空が まだ届かぬ夢
追い続けて 目覚めないうち
(2番)
いつか宇宙の果て 命消えても
小さな灯に きっとなれるから
のところでした。いずれも繊細ながらも途切れない、糸がピンと張り詰めたような微弱な歌声がありました。これまでは、特に2番でその様子を伺うことができましたが、この2日間は1番でも同様の歌い方だったように思います。
ラストサビからは演奏が盛り上がると同時に、楽団もライトアップされてフォーカス。次第に玉置さんの歌声も強さが増していきました。
君の指〜 僕の指と
固く絡め
寄り添い…眠ろう
では手を前に伸ばす姿もあり、感動的なラストで曲が終了しました。
5. SACRED LOVE
大友さんの手を添えるような3度の指揮にしたがって、曲前に鐘の音が3回鳴る演出でスタート。そこから、ハープ・ストリングスの演奏で曲が始まります。歌い始めの、
今自然に 心で感じる
からは、とても清らかな玉置さんの歌声が澄み渡りました。以降は、玉置さんと大友さんが各パートの入りで互いに向き合いながら、歌唱に入るタイミングを綿密に合わせる姿がありました。
曲中盤の、
暗い夜明けでも
凍えそうな真夏も
心にあるのは
後の間奏は鉄琴が主旋律を演奏し、徐々にストリングスのアンサンブルに移行、最後は金管楽器が高らかに鳴り響いてラストサビに入りました。ここからは玉置さんの歌声のパワーも一段階上がり、盛り上がりを見せて曲が終了しました。
6. MR.LONELY~サーチライト(メドレー)
「MR.LONELY」は、2番の歌唱パートがメドレーに組み込まれたことにより、サビに入る前の
Wow〜
のシャウトアレンジを聴くことができます。マイクを腰の位置まで遠ざけながら、身体をのけ反らせた体勢から生まれるこの叫びは、非常に迫力あるものでした。そこからラストサビに移ると、玉置さんの激しい歌声で1曲目が締めくくられました。バラードにも関わらずアップテンポに聴こえるような、あるいは曲の中でスピード感に変調が生まれたような、なんとも形容しがたい妙な感覚でした。
次曲の「サーチライト」は、玉置さんが「サーチライト」になっているような照明演出が特徴的でした。ステージの両端から玉置さんに向かって白いライトが当たり、足元に綺麗な円形の照明が描かれて、見事に玉置さんの姿を強調していました。
歌唱面では、ラストの
サーチライトを
ずっと ずっと
信じてる 信じてる
で、久々に見る歌い方を目にしました。
ず〜〜⤴︎っと
というように、声を上げていくアレンジ。昨年のソロツアー後半から、この部分の歌い方がやや抑えめになっている印象があったため、クリスマスディナーショー以降は地味に注目していました。それが、2日目は以前からよく歌われていた語気を強調する歌い方をしており、かえって新鮮に感じました。
7. Friend
円光寺さんと比較すると、ゆっくり目な前奏のスピード感で曲がスタート。その演奏が止まると、間を空けてからピアノの3音が鳴り、玉置さんの歌唱パートが始まります。はじめは、引き続きピアノの伴奏に合わせて歌う玉置さん。ここでも暗いステージの中を玉置さんだけが白くライトアップされ、そのシルエットが煌々と光り輝いていました。
サビからは、力強いロングトーンに声質が切り替わりました。やはり、昨年までの発声スタイルと少し異なるように感じます。これまでは、各パートの1発目の強いトーンで、最後にビブラートをかけて歌声が少しずつ減速して収まっていく感覚がありましたが(これも非常に好きな歌い方です)、今年は最後の最後までビブラートの無いまっすぐな歌声で締めくくられていました。
一転して、曲ラストのトーンは息詰まるような震えがかかった歌声で完結しました。その後、オーケストラの後奏を区切りの良いセクションまで聴き、マイクを持ったまま玉置さんがステージ下手に退場していきます。
客席から拍手が起こる中、なおも続くオーケストラの演奏。アウトロの最終盤には、ステージを灯していた白い網模様のライトが二分割され、客席の方向に沿って会場の壁面を上がっていき、それと同時に舞台が暗転。第一部の終了にふさわしい、ファンタスティックなラストでした。
8. 『ハンガリー舞曲集 第1集』より第1番(J.ブラームス)
ジャスト20分間の休憩後、コンサートが再開します。東京フィルハーモニー交響楽団の入場、チューニングを経て、大友さんが再登場。第二部も管弦楽からスタートしました。
冒頭から大友さんの激しい指揮で曲が始まり、ストリングスの迫力ある演奏で第二部の幕が上がりました。この演奏にアクセントを加えたのが、フルートの助奏でした。大友さんがちょこんと手を突く指揮に合わせて入るカウンターメロディーが曲を彩り、緊迫感がある曲調の緩和材となっていました。
その後もシャープな弦楽器の演奏が展開されると、終盤は冒頭のメロディーに帰着。ここからは大友さんが指揮台の前方に移動し、前のめりになって指揮を繰り出しました。ラストは大友さんが両手を上げるポーズで曲が終了。こうしたマエストロのアクションに応えるように、ストリングス隊が弓を華麗に上げる動作で、美しく管弦楽が終結しました。
同曲のリンクを以下に貼ります。指揮者によって表現方法は異なりますが、フルートの入りを示す絶妙な指揮も確認できました。


さて、昨年のPastorale公演に引き続き、今年も東京フィルハーモニー交響楽団の参加公演は、ブラームス作曲の「ハンガリー舞曲 第1番」が選曲されることになりました。同楽団は本ツアーで最も多い7公演帯同で、ファイナルの日本武道館公演もパフォーマンスを担う上に、管弦楽は同曲が演奏される予定です。これからもどんどんブラッシュアップされていくであろう、オーケストラ演奏曲にも大いに注目したいです。
9. いつもどこかで
管弦楽の終了後、玉置さんがステージに再登場して本編が再開します。両日ともに歌い始めの第一声、
君の行く その道が
から、第一部よりも明らかな声質の良さを実感しました。20分とはいえ、充実したブレイクタイムを過ごしていたことを想像しました。
曲が中盤から終盤に移る、
僕の愛を感じるように
後の間奏をホーン隊が担当。トランペットやトロンボーンの音がよく目立ちました。玉置さんの歌唱パートに入ってからも、引き続きホーンの助奏が各フレーズ間に入り込み、勇ましい演奏を披露。単調ながらも重量感を感じる演奏で、玉置さんの歌声を飾りました。今年は本曲の他にも、各曲でホーンアレンジが多彩な音作りになっています。これらの輝かしいサウンドは、シンフォニックコンサート10周年を迎えたファンファーレのように聴こえました。
曲のラストでクライマックスでもある、
僕が君を〜〜〜
のロングトーンでは、玉置さんのパワフルな歌声が響き渡りました。その終わり間際、フェイクに転調するポイントを大友さんが背中で感じ取り、左手を素早く回して楽団の演奏を鎮圧。そこから、
包んでいるよ
の歌声が入るところで指揮を再開。互いに目を合わせているわけでもないのに関わらず、見事にピッタリ合った呼吸がありました。
10. 行かないで
この曲は、パフォーマーの「個」にフォーカスしたライティングが印象に残りました。歌い始めからは、全体的に暗い紫色のダークなムードの中を曲が進行。ここでは、玉置さんの姿のみを明るく白いライトが強く照らしました。
2番のスタートからは玉置さんとチェロの共演になり、ともに白い照明が上から演者を照らす演出。チェロの重厚感ある演奏とのハーモニーが生まれました。
2番終了後のオーボエのソロパートでも、同様にその姿を白く映し出すと、間奏の中頃からはバイオリンのアンサンブルに変化。ここからは、金色で辺が描かれた六角形の模様が、無数にステージの地面へ投影されました。その後、ラストサビが始まると、これらの図形は客席方向に登っていき、金のライトがぐるぐると上空で回る幻想的な世界を創出して曲の終了に向かいました。
この2日間、3階席の後方で良席とは言い難い位置でありましたが、おかげで会場全体を俯瞰することができました。その結果、照明演出の移り変わりをよく観察できたと思います。
11. ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら(メドレー)
両日ともに、安全地帯メドレーはオーソドックスなスタイルで進行しました。
2日間で、玉置さんの歌い方にやや変化があったのは「じれったい」で、1日目はAメロのフレーズ間にフェイクを多用しながらリズム良く歌っていました。一方、2日目はフェイクを入れることなく歌い進めました。
「悲しみにさよなら」では、サビのラストを
愛を世界の平和のために
と歌った後の間奏で、歌唱パートの直前にホーンの音が高らかに鳴って玉置さんの歌に移行しました。その後も随所にホーンの助奏が入る中、玉置さんの力強い歌声がよく響き渡りました。
12. JUNK LAND
本曲は、大友さん特有の疾走感あふれるリズムで展開されていきました。マエストロの俊敏な指揮、オーケストラのリズミカルな演奏に合わせて、軽快なテンポで歌い進める玉置さん。このスピード感は、聴衆の我々にとっても非常に張り詰めた緊迫感を感じるものでした。
転調後のラストは、息の詰まるような空気感を抜け、爽快で雄大な世界観に遷移していきます。ここでもホーン隊が合いの手を演奏し、燦然と輝くフィナーレが目の前に広がりました。
後奏では、演奏に合わせて玉置さんのスキャットが入り、最後は大友さんの指揮終了に呼応するようにマイクを引っ込める動作で歌い終わり。躍動感あふれる序盤から、壮大な終盤にかけての一糸乱れないハーモニーに象徴するように、見事にピッタリな呼吸で曲を締めくくりました。
曲後、1日目は玉置さんと大友さんが握手をしていましたが、2日目にはとうとう両者が抱擁。ステージ上も緊張感から解き放たれた瞬間でした。
13. 夏の終りのハーモニー
2番のサビを歌い終えると、その流れでマイクを丁寧にテーブルへ置き、ノーマイク歌唱に移行。この歌声が圧巻でした。初めの、
真夏の〜おぉ〜⤴︎
で急激に声が伸び、伝播してくる感じが素晴らしかったです。ラストは、
忘れず…
でタメを作ってから、
に〜〜〜
のロングトーンで歌が終了します。ここで、大友さんは玉置さんの歌う姿勢をじっくり観察しながら、トーンの途中でオーケストラに向けて指揮を再開。絶妙なタイミングで演奏が入りました。この部分、円光寺さんは歌声の序盤から管弦楽の演奏を始めるため、マエストロによるスタイルの変化を見ることができました。
曲後にはカーテンコールの演出があり、玉置さんと大友さんが2回退入場しました。3回目の退場時には、大友さんは指揮台に上がり、玉置さんは下手側の舞台袖に歩いていきます。このとき、

(1度舞台の裏に)👈戻ってから
(またステージに)👉戻ってくる
といった合図を見せてステージを後にしました。
14. 田園
ベートーヴェン作曲の「田園」から、玉置さん作曲の「田園」にウエイトが変化していく管弦楽の演奏でスタート。ここでも最後にはホーンの音が堂々と鳴り響き、玉置さんの「田園」がスタートします。
前奏中にステージ下手から再登場する玉置さん。観客からの手拍子も後押しして曲が始まりました。歌唱パートが始まると同時にパタリと客席からの手拍子が鳴り止み、ステージに配慮した良い雰囲気で曲が進行していきました。Bメロからは少しずつ曲調に盛り上がりが生まれていってサビに突入。地名を入れたアレンジは、2日間ともに
愛はここにある NHKホールにある
でした。
その後の間奏では、客電も点灯するのが今年の演出で、1日目はこのタイミングで多くの観客がその場に立ち上がりました。2日目は、発声パートを観客に歌わせるような仕草を見せる玉置さんの姿がありました。
2番とラストのサビで、2日間に変化が表れました。1日目は全編フルで玉置さんが歌い上げたのに対して、2日目は
生きていくんだ それでいいんだ
が観客の合唱になりました。玉置さんが両手を広げてその歌声を引き出しました。
ラストは玉置さんの独壇場で、圧巻のシャウトが会場にこだましました。両日ともに、このパフォーマンス後には玉置さんと大友さんが抱きつく姿がありました。2日目はやや手元の環境が悪かったのか、あるいは不測の音が発生しないように配慮してか、玉置さんが一瞬ハグをしてからその場を離れ、マイクを置いてから再度熱い抱擁を交わして、互いの健闘を讃えていました。
曲後は再びカーテンコールの演出に。玉置さんと大友さんが1度退場をしてから再入場。大友さんは指揮台へ上がり、玉置さんはマイクを持って次曲が始まります。
15. メロディー
1日目の曲前、大友さんがこちらを向いて、立った観客へ座るように示唆する目線を送りました。このメッセージが届かなかったのか、観客はなかなか座らずに変な間が生まれて、客席から苦笑が起こりました。一方、2日目も多くの観客が立っていましたが、そのまま曲のスタートに向かいました。結局、両日ともに観客がスタンディングのまま曲が始まり、玉置さんの歌い始めから多くの観客が座る展開になりました。
この曲は、会場の熱気と曲調の静けさが溶け合い、充実感が蔓延する空気で曲が進行しました。ラストはノーマイクで歌う玉置さん。最後の、
メロディー 泣かないで
では、最近よく見せる
メロ〜⤴︎ディ〜
といった音程を上げるアレンジをしていました。その分、声量が大きくなり、力強い歌声を感じました。続く
泣かないで〜〜〜
も強いロングトーンが響き渡りました。このトーンの途中で管弦楽の演奏音が大きくなり、玉置さんの歌声とオーケストラの演奏が融合されていきます。歌声の終盤で楽団の演奏は止まりますが、なおも玉置さんのトーンは続きます。一本のトーン中に、
玉置さんの声→オーケストラの演奏→玉置さんの声
の順番に音量が大きく聴こえてきて、その移り変わりが芸術的でした。こうした細かい演奏の機微もマエストロによって表現方法が異なるため、各公演ごとに興味深く鑑賞できると思います。
曲後には、玉置さんがステージ上手端→下手端の順に移動し、観客からの賞賛に手を上げて応えていました。そこから中央に戻ってくると、1日目は玉置さんと大友さんが退場し、終演のアナウンスが流れてコンサートが閉幕しました。その一方で、2日目は玉置さんがエアハグのジェスチャーを見せてから、

ありがとう〜!!!
とノーマイクで叫びました。その後、玉置さんと大友さんが退場していきました。
なおも続く観客席からの拍手の中、2日目は玉置さんと大友さんが再びステージに現れました。その流れで足早に指揮台に登る大友さん。玉置さんもマイクを持って発声をする合図を客席に送ると、公演続行の雰囲気が漂い、観客からは一際大きな拍手が送られました。
16. 田園(ダブルアンコール)※4/6のみ
玉置さんの「田園」の前奏でダブルアンコールが始まります。発声パートに入ると、玉置さんが観客に向けて両手を広げて合唱を促しました。大友さんも、玉置さん・オーケストラ・観客の三方を確認できるような、半身の体勢で指揮を送り、会場が1つになって演出が進行しました。
Aメロの歌唱が始まると観客の歌声は消えて、玉置さんの独唱が始まります。大友さんもオーケストラの方面を向き、本編と同様の形で曲が進んでいきました。サビに入ると、再び観客の合唱に切り替わります。ここからは大友さんも全身をこちらを向けて指揮を開始しました。その後は、
生きていくんだ それでいいんだ
を観客が歌い、以降は玉置さんが歌う定番の形でした。ダブルアンコールでの地名アレンジは、
愛はここにある 渋谷にある
でした。
しぶやに〜〜〜ある
というように歌っていました。
続く間奏も観客の合唱になり、2番・ラストサビでも
生きていくんだ それでいいんだ
のワンフレーズを観客が歌う形になりました。2番とラストサビでは、玉置さんが歌詞を間違えるシーンがありました。
(2番)
僕がいるんだ 君もいるんだ
そして君がいる 他に何ができる
(ラスト)
僕がいるんだ みんないるんだ
(※)みんなここにいる 愛はどこへも行かない
「みんな」と「君」が反対になりました。自身でもそれを認識してか、(※)では苦笑いをしながら右手を大きく前に出して、客席を覆うジェスチャーを強調していました。
後奏では、口ずさみパートを観客に歌わせたのち、一気にギアを上げてクライマックスのシャウトに向かう玉置さん。この日2回目の特大トーンでパフォーマンスを締めくくりました。
曲後は拍手喝采の中を玉置さんが退場し、後を追うように大友さんも舞台袖に向かっていきました。しかしながら、大友さんはステージ裏に消えることなく下手の端に留まり、玉置さんが退場した先をずっと見つめていました。こうした無言の呼びかけに応え、玉置さんが再登場。再び大友さんと互いの健闘について讃え合う姿がありました。しばらくすると、今度は両者がしっかりと退場して終演。館内アナウンスも流れて、伝統的な会場で行われた2日間が終了しました。
以下、楽曲のセットリストです。
3. セットリスト
billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2025
“ODE TO JOY”
4月5日・6日
NHKホール
セットリスト
【一部】
1. ベートーヴェン 交響曲第9番 第4楽章 「歓喜の歌」
2. 歓喜の歌(玉置浩二)
3. GOLD
4. ロマン
5. SACRED LOVE
6. MR.LONELY~サーチライト(メドレー)
7. Friend
【二部】
8. 『ハンガリー舞曲集 第1集』より第1番(J.ブラームス)
9. いつもどこかで
10. 行かないで
11. ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら(メドレー)
12. JUNK LAND
13. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
14. 田園
15. メロディー
【ダブルアンコール】(※4/6のみ)
16. 田園
4. 公演後の様子
公演後の会場の様子です。
4/5 1日目
全ての音が寸分の狂いなく繰り出されるステージ、完璧なパフォーマンスでした!#玉置浩二#billboard#NHKホール pic.twitter.com/gvRgjilDYD
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4/6 2日目
昨日から1曲目のライティングとアンコールの演出に変化が!#玉置浩二#billboard#NHKホール pic.twitter.com/Qkec8j1wpw
— こばかず (@anzen_koji_1982) April 6, 2025

公演後に誰もいなくなった会場を見渡すと、より歴史の重みを感じることができました。この2日間、玉置さんと大友さんが阿吽の呼吸で表現するハイレベルな音楽が目の前に広がりました。これからも大友さんとの共演は数多く控えているため、さらなるクオリティーアップを期待します。まずは明日の大阪城ホール公演、楽しみです。
こばかず
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