先日の11月13・14日、玉置浩二 Concert Tour 2024 Resume ~レジューム 新たな始まり@東京ガーデンシアター公演に参加しました。
今回は2公演分をまとめて記載します。
また、情報量が多くなったため、前後編の2本立てにしました。公演前の会場の様子から第一部の感想を前編、第二部の感想から公演後の会場の様子を後編としています。
1. 公演前の様子
公演前の会場の様子です。
11/13 1日目
東京ガーデンシアターには、会場外に大きな電光スクリーンがあり、今ツアーのメインビジュアルやグッズ、元日に放送されるWOWOWの案内写真が交互に映写されていました。
「そのとき」が訪れたのは11月13日の17時00分です。開場時刻に合わせて、来年のシンフォニックコンサートの情報が解禁。その名も、
"ODE TO JOY"
友よ歌え、歓喜に満ちあふれた歌を。
同じタイミングから巨大スクリーンにもそのビジュアル写真が反映される演出に、コンサート前から会場は大きな盛り上がりを見せていました。
会場の中に入ると、多数のデジタルサイネージに多くの宣材写真が投影されています。
豊富なフラワースタンドや、安全地帯・零ZERO-旭川の奇跡-のポスターも設置されていました。
11/14 2日目
2. サポートメンバーの構成
この2日間は、ファイナルに相応しいスペシャルなサポートメンバーの構成でした。
ホーン・ヴィオラ・チェロは2人、バイオリンに至っては4人といった豪華なセットが敷かれました。また、バイオリンの名倉さんは、この2日間限定の参加で、そのストーリー性から圧倒的な存在感を醸し出していました。
3. 第一部の様子・各曲の感想
1日目はアリーナ席の中央最後列、2日目はバルコニー席の下手側前方でした。アリーナ席は段差がなく平坦なため、最後列ではなかなかステージを直視することができませんでした。一方、バルコニー席は段差があるため、ステージの様子をしっかりと観察できました。
まず確認したのがストリングスチームの座席配置です。これまでとは異なり、人数が4名→8名になるため、この大所帯を1列でまかなうのは不可能だと考えていました。おそらく、前後に2列の配置になるだろうと予想していましたが、やはり前と後ろに座席が用意されていました。前列に高弦のバイオリン、後列に低弦のヴィオラ・チェロが位置する席順でした。
1日目は18時に館内アナウンスが鳴り、それから約5分後に客電が暗転してコンサートがスタート。2日目はほぼ定刻通りに公演の幕が上がりました。
ステージ下手から続々と入場するサポートメンバー。さっそく、1日目と2日目で変化点がありました。バイオリンの席順です。
(ステージ下手から 赤字が1st、青字が2nd)
1日目:森本さん・藤堂さん・名倉さん・吉田さん
2日目:名倉さん・吉田さん・森本さん・藤堂さん
それに伴い、1stバイオリンと2ndバイオリンの人員も2日間で変更になりました。1日目は吉田さんが1st、2日目は藤堂さんが1stを務めました。一方、後列の低弦チームは以下の順番で、2日間ともに変化はありませんでした。
(同)
稲本さん・広田さん・亀井さん・金さん
全員がそれぞれのポジションに着くと、千ヶ崎さんが演奏するコントラバスの一音を経て、各楽器音が続くスタートに入りますが、この2日間はなかなかその音が鳴りませんでした。特に最終日は、アリーナ席前方の観客が座席まで係員に誘導されていて、千ヶ崎さんが一段落するのを待っていたように見えました。
その観客がまもなく座りそうなタイミングでコントラバスの渋い一音が鳴り、直後に各楽器音が広がってプロローグへの準備が整います。
1. あこがれ
長い沈黙が流れる中、トオミさんがサポートメンバーを見渡し、大きくうなずく動作が合図となって、ピアノと弦楽器の演奏で曲がスタート。ここで、ステージ前方左右に設置されたモニターが作動します。そのファーストビューは、両日ともにトオミさんを身体の右から映して、バックにストリングスチームが入り込む映像でした。人数が増えた影響で、やはり弦楽器の音がよく聴こえてきました。
中盤からは、こちらも豪華な構成となったホーン隊のパフォーマンスが始まります。客席から見て左に門田さん、右に佐野さんが位置する席順で、門田さんはサックス、佐野さんはフルートを用いて、ともに主旋律を演奏していました。そこからラストまで同様の構成で進行して序曲も終了へ。そのサインは、トオミさんが右手を握るポーズでした。
2. 星になりたい
秋山さんのアコースティックギター演奏で前奏が始まります。ここで、ステージ全体を真正面から撮った映像がモニターに映し出されました。全体的に暗めのステージで、中央に位置する秋山さんのみをライトで強調したこの光景は、非常にバランスの取れた構図でした。
やがてストリングスの演奏も前奏に加わり、音色に厚みが増したところで、ステージ上手から満を持して主役の玉置さんが登場。待ってましたと言わんばかりに、客席からの大拍手が会場を包み込みました。それにうなずきながら応える玉置さん。歌唱曲のスタートです。
冒頭、
約束だったよね 一緒にいるって
君のこと いつまでも 守ってるって
抑えた歌い方ながらも、しっかりと一直線に聴こえてくる歌声は、ファイナルの広い会場でも健在でした。また、いつも以上に一言一言を丁寧に歌っているように見えました。その関係で、とてもゆっくりと曲が進行していったように感じました。
1番終了後の間奏で、2日間の変化がありました。1日目は佐野さんがハーモニカでソロパートを演奏したのに対して、2日目は門田さんのサックスが間奏を担当しました。佐野さんのハーモニカは郷愁を感じるような音、門田さんのサックスは都会的な音で、演奏楽器による違いが色濃く曲に反映されていました。
間奏の終盤からはストリングスの演奏が入り、そのまま高い音色のメロディーが曲をラストに導きます。
何ひとつ 変われない 僕だったけど
何もかも 何もかも 変わってゆく
・・・(※)約束してたこと 覚えているかい
君だけの 君だけの 星になるって
いつの日も 変わらない
君だけの・・・(※)星に
(※)の、玉置さんがトオミさんにうなずいて歌唱のポイントを知らせるところが、この2日間はいつもよりも間を取っていたように感じました。これらの、演奏音が止まった静寂からゆっくりと曲が再開していく様子に、真っ暗な夜空へキラリと優しく光る星の画が脳内に見えました。
後奏もストリングスの高音がよく目立つ展開で、途中からは佐野さんのフルートも加わり、曲が終了に向かいます。最終盤には玉置さんがマイクに口笛を吹き、その終わり間際にトオミさんがうなずいてメンバーに演奏を促した後、右手を握る指揮で濃密な1曲目が終了しました。
3. キラキラ ニコニコ
中北さんのパーカッションを起点として、弦楽器の前奏で曲がスタート。ここで、2日目は秋山さんのギター演奏もよく目立ちました。
続く、原作では口笛がその音を表現して、本ツアーでは管楽器が主旋律を演奏するパートも、2日間で奏者の違いが出ました。1日目は門田さんのサックス、2日目は佐野さんのハーモニカでした。ここでも、洗練されたサックスの音と、ノスタルジックなハーモニカの音によるコントラストが鮮明に表れていました。
歌唱パート、
はい 元気ですか 心配してますか
どんな暮らしですか ニコニコしてますか
からは、トオミさんのピアノと秋山さんのギターに合わせて玉置さんが歌います。この曲でも、抑制されながらもしっかりと歌声が聴こえてくる、バラード曲の真骨頂を見ました。
曲の中盤にあたる、
大切なことを すぐ忘れるから
僕が君の輝く星になる
の直後に、佐野さんがトロンボーンで間奏を演奏。モニターにもその様子が映っていました。ここから、曲が1つの転換点を迎えます。
玉置さんが、
Yeah〜Oh〜
とフェイクを入れた直後、
おはよう〜〜〜 どんな天気でも
の圧巻で伸びやかな歌声。押し寄せる圧が、これまでとは全く変わっていきました。一筋のロングトーンが会場全体に響き渡り、ホールの壁を打ち破っていくような勢いと波動を感じました。
その後も、伸び感のある力強い歌声は続きます。特にそれを実感するのが、
もし疲れたら 僕がおぶってあげるよ〜〜〜
のところ。続くフレーズの
君の涙の中には いつも僕がいる
の入りがワンテンポ遅れるほどに、長くトーンが続いていました。
一転してラストは、丹念に歌のリズムを確かめながら、
だからどんなときも
キラ/キラ/ニコ/ニコ・・・(※)だね
を、玉置さんがトオミさんにうなずきながら歌う姿がありました。伴奏が止まって静けさが漂う(※)では、両日ともに
Nm〜
といった微弱なハミングが入りました。
玉置さんの歌が終わり、歌声の余韻と静かな空間が広がるホール。そこから、中北さんの豪快な打楽器音が一発されて後奏が始まります。前奏と同様にストリングスの演奏が主となってアウトロが進む中、中盤からは伴奏に合わせて玉置さんが琴線に触れる歌声を入れていきます。まずは地声でそれを表現して、曲調が変わるところから裏声に切り替えるスタイル。豪快な地声も繊細な裏声も、ともにまっすぐな歌声が会場に響き渡り、曲が終了を迎えました。
4. 出逢い
トオミさんのピアノが曲前演奏を担当して曲が始まります。ここで、玉置さんがその演奏に合わせて静かなフェイクを入れていました。その後、ピアノとストリングスのアンサンブルで本曲の前奏がスタート。
歌い始め、
連絡はないけど 元気でいますか
からは、ピアノに合わせて玉置さんが歌を進めます。前曲までその演奏がよく目立ったギターの秋山さん、ホーンの門田さん・佐野さんは、本曲からおやすみに入ります。自席に座って、静かにステージの様子を観察していました。
サビの、
そばにいなくても 抱きしめられていたのでしょうか
からはストリングスが演奏にイン。伴奏のボリュームが出るのにしたがって、玉置さんの歌声にもパワーが増していきます。1日目は、
あなたに伝え/たい
で、瞬時にその声質を切り替える歌声がありました。力強い歌声から繊細な歌声へ。それに伴ってマイク位置も絶妙に調整していました。
その後の間奏も、引き続きピアノとストリングスが担当。玉置さんの歌声もギアが上がり、ラストサビに突入します。2日目には、前述のテクニックをここでも見ました。
あなたに出逢え/た
のところです。しかも、1番よりも豊富な声量の入りから、区切りのポイントで大きなタメをつけて、声の調子を変える歌い方。この部分、元日の放送で特に注目したいです。
この節のラストを、
あなたを愛し・・・てる
と、大きな間を空けて玉置さんが歌う演出。全体の伴奏が止まったところで、玉置さんのつぶやく声のみが聴こえてきました。
その後は沈黙を経てから、ストリングスの息の合った間奏で曲が再開します。少しずつ演奏の音域が高くなり、最後はバイオリンの高音がよく目立つ中を歌唱パートがリスタート。
覚えていますか 今でもあの歌を
といった玉置さんの歌声で曲が終了しました。
5. 瞳の中の虹
白と緑が眩しい照明下で、鳥やセミの鳴き声が聴こえる曲前演出がスタート。やがてその音が鳴り止むと、ステージをオレンジ色のライトが照らし、秋山さんのギターで曲の前奏が始まります。
歌い始め、
夕立 入道雲 瞳に虹の橋
が始まってからも、秋山さんのギター伴奏に合わせて玉置さんが歌うスタイル。照明も2人をスポットして進行します。また、モニターにも玉置さんの姿や秋山さんの手元が交互に至近距離で映り、まさに2人のステージが展開されていきました。
サビの、
ずっと 昔のこと
僕の町は 輝いてた ふたりの町
に入ると、もう1人の奏者が演奏に加わります。客席から見てステージの最左端に位置する、チェロの稲本さんです。ここからはライトが3人を照らして曲が進み、重みのある演奏が付加されました。このパート、公演前は広田さんとの合奏になると予想していたため、単独での演奏になったことはやや意外でした。
2番に入ってからも、3人によるパフォーマンスで曲が進行します。ここからは音の響きに変化が表れ、秋山さんのギター演奏よりも、稲本さんのチェロ演奏の方が目立つようになりました。こうした、曲が進むにつれて重低音の反響が高まる演奏は、実に「彩り有る」弾奏でした。
2番のサビでは、非常に細かいポイントで2日間の変化を発見しました。
ずっと 忘れないよ
君の町は きらめいてた ふたりの町
ずっと(※)見つからない
君と僕の 楽しかった ふたりの町
(※)部分、
見つからない
の玉置さんの歌い方が、1日目と2日目でほんのわずかに違っていました。
① 1日目:ずっと 見つから・・ない
② 2日目:ずっと 見つからな〜〜い
この箇所の歌い方、ツアー序盤から地味に注目していました。①が原作と同じような歌い方で、②はほんのわずかにオリジナルとは違う歌い方になっています。ツアーの初めは②の歌い方が多く、中盤あたりから①の形が増えていたように感じました。個人的には②の伸ばした歌い方が好きだったので、最後の最後に聴けて嬉しかったです。
また、1・2番ともに、サビでは玉置さんの歌声にエコーがかかる演出がありました。このサウンドアレンジも、WOWOWの放送でどのように聴こえてくるのか、楽しみなポイントです。
2番のサビを終えると、その後の間奏からは一挙に7人のストリングスメンバーが演奏に加入。ステージ下手側の動きが活発になります。特にバイオリンの音がよく響き、高い音色の演奏が曲を華やかに飾りました。
その後のラストサビでは、
ずっと(ずっと…)(ずっと……)(ずっと………)
と、玉置さんの歌声が何度も反響する演出。回数にして、7〜8回に渡りその声が反復されていました。また、回を重ねるごとに音が小さくなり、幻想的な雰囲気が深まっていく世界観が会場に浸透しました。
曲後の後奏もストリングス隊が担当。ギター→チェロ→ダブル弦カルテットと、進行につれて主役が切り替わる、秀逸な編曲が施された曲が終了しました。
曲後には、ステージのバックスクリーンにオレンジの粒々が沸くムービー演出。本曲のラストフレーズである「真夏の夢」を表現したようなフィナーレでした。
6. 明かりの灯るところへ
前曲の流れを汲むように、ステージ下手サイドを白いライトが照らして、ストリングスの曲前演奏が始まります。ここで演奏者に注目すると、バイオリン2人、ヴィオラ1人、チェロ1人といった4人の弦カルテットで構成されていることを確認しました。その演奏者は以下の通りです。
バイオリン:藤堂さん・吉田さん
ヴィオラ:金さん
チェロ:稲本さん
このメンバー以外の、名倉さん・森本さん・亀井さん・広田さんは、演奏機会がありませんでした。公演前は本パートを8人で演奏すると予想していたため、この編成もやや意外でした。
その後はトオミさんのピアノで曲の前奏がスタート。ステージを黄色く照らして曲が始まり、歌の開始後もトオミさんのピアノ伴奏に合わせて玉置さんが歌います。演奏に1つのアクセントが入るポイントが、
外は激しい雨と北風が続く
この世界の汚れ洗うように
の直後です。千ヶ崎さんの演奏する渋いベース音が入り、モニターにもその様子が映っていました。
サビの直前にあたる、
命が何かを告げようと揺れている
からは、ストリングスの演奏が入り、盛り上がりを見せてサビが進行しました。
1番終了後の間奏は、門田さんのサックスが単独で主旋律を担当。ここは2日間ともに変化がありませんでした。
2番が始まると、随所に門田さんによるサックスの助奏が入り、玉置さんの歌声を彩ります。1番のピアノが主となった静かな伴奏からは打って変わり、バラード曲の中に華やかさが生まれる展開になりました。
2番終了後の間奏も、引き続き門田さんがソロパートを演奏。1番終了時と同様に、佐野さんのトロンボーンは演奏機会がなく、門田さんが全編のパフォーマンスを務めました。両者の演奏スタイルを比較すると、門田さんは軽やかでテンポが速めの演奏、佐野さんは重厚感がありタメを作る奏法であったように感じます。個人的には、この2日で両側面のあるパフォーマンスを見たかった気持ちがありましたが、またの機会にお預けします。
そこからは、ストリングスによる高い音色の演奏が際立つ、ラストサビに入ります。玉置さんの歌声にも力強さがこもり、感情を剥き出しにして歌う姿が心に残りました。
その後はピアノがメインとなる後奏で名曲が終了。曲が進むにつれて演奏楽器が増え、その音が高らかに大きくなっていく伴奏に、神秘的な空気を感じました。
7. aibo
中北さんがゆっくりとドラムスティックを叩きながら発する、
1・2・3・4
のコールで曲が始まります。ただちに佐野さんのリコーダーが前奏を演奏し、その姿がモニターに映し出されました。赤茶色に塗り染めされた、和風な趣きを感じる楽器で、大きさは小ぶりで音程が高いことから、ソプラニーノ〜ソプラノリコーダーでしょうか。
玉置さんの歌唱パートが始まると、トオミさんのピアノと、所々に入る秋山さんのエレキギターがゆっくりな伴奏で曲が進行します。モニターにも、この両者の姿がよく映っていました。
サビ前の、
立ち直りたかっただけだよ
君のせいじゃないよ
の直後に、千ヶ崎さんのベースが一閃されてサビに突入。ここでも、千ヶ崎さんの姿がスクリーンに映し出されていました。
サビに入っても依然としてスローペースで進み、玉置さんの温かみ溢れる歌声をじっくりと聴くことができました。全体的に抑えられた歌い方でしたが、歌がわずかに盛り上がるポイントもありました。
あれからどこに行って何してた
Yeah〜Oh〜
泣いたりしてないよね
そばにいなくても
歌詞間のつなぎにあたる、
Yeah〜Oh〜
のところです。ここは力感のある歌声を聴くことができました。
1番終了後の間奏も佐野さんのリコーダーが担当し、2番からはその演奏音が随所に入るようになります。
朝から晩までふたりで
遊び回っていたね(※)
寝るところなんてない毎日でも
それで充分だったね(※)
(※)部分でリコーダーの助奏が目立ちました。特に後者は、サビに入る直前まで演奏が続き、テンションが上がってサビに向かっていくサウンドが印象的でした。
2番終了後の間奏は、秋山さんのエレキギターと、佐野さんのトロンボーンによるツイン構成でした。サビ前まで佐野さんはリコーダーを演奏しており、
あのとき一緒んなって何見てた
Yeah〜Oh〜
泣いたりしてないよね
そばにいなくても
の
Yeah〜Oh〜
で楽器を持ち替える瞬間を確認しました。パフォーマンス面では、紫色の照明がベースとなってステージ全体を照らす中、ライトが2人を黄色く強調して、ともに主旋律を演奏するといった贅沢なサウンド。非常に豪華な編曲が、曲の存在感を高めました。
ラストサビでは、
泣いたりしてないよね〜ええぇぇ〜
で、玉置さんの震えるような裏声がとても綺麗でした。また、トーンの途中からガッツポーズを作るような形で、マイクを身体から遠ざける姿もありました。
そこから大きな間を置いて、玉置さんがトオミさんにうなずきながら、
そばにいなくても
の歌声で歌唱パートが終了しました。
後奏も佐野さんのリコーダーが演奏を主導して、最後はトオミさんのピアノで静かに締めくくり。モニターにトオミさんの映像が映り、曲のラストを飾りました。
8. ぼくらは…
トオミさんが演奏するピアノの曲前演奏でスタート。ここからすでに、玉置さんのささやき声がマイクに入りました。
ピアノの演奏が終わると、玉置さんの独演が始まります。序盤は力感がなく、吐息の成分を豊富に含んだウィスパーボイスが発せられます。静寂で、玉置さんの声以外は一切の音が聞こえない、張り詰めた空気感で演出が進んでいきました。
中盤からは、裏声を存分に用いた歌い方に変化。民謡調子の歌声で、小刻みに音程を変化させていくメロディーが特徴的でした。
最後に再び、ささやくような発声が数回入って、この演出も終了へ。鼻から声が抜けていくハミングも取り入れていました。
全ての音が止まり、静かな空間が会場を支配する中、
ぼくらは…
と玉置さんが歌い始めて曲がスタート。ここでも、入りのポイントをトオミさん方向にうなずいて知らせていました。その後はトオミさんのピアノ演奏と、ストリングスチームが弦を指で弾くピチカート奏法で曲が進みます。初日は全員が弓を手に持ちながらの演奏で、2日目は吉田さんと名倉さんが弓を持たずに弦を弾いていました。
中盤の、
ぼくらは 君が欲しくて 傷つき悩むでしょう
からは、中北さんのパーカッションが演奏に加わります。ゆっくりしたリズムを取り、わずかに盛り上がりが帯びていきました。
玉置さんのシャウトが入って迎える終盤の、
ぼくらは 君の流した 涙を拾うでしょう
からは、歌声と演奏に激しさが生まれます。以降は、ストリングスも弦を弓で弾く奏法に切り替わりました。これまでの公演でよく見た、
涙を拾うでしょう
で、玉置さんが左手を前に出して「拾う」ジェスチャーは、両日ともにありませんでした。
続く
いつかは 君に手を振り
死ぬまで 死ぬまで 泣くのでしょう
では、
君に手を振り
のところで2つ、特徴的な歌い方がありました。1つ目が
きみ〜に〜
の音程です。通常よりも数段階、音程を上げて歌っていました。2つ目は、
君に手を振り〜ぃぃ〜ぃい〜いい〜
というように、トーンの途中で音程を上げていくシャウトアレンジがありました。これらの歌い方は、両日ともに確認でき、とても迫力を感じました。
その後は、今ツアーのシンボルともいえる演出に突入します。玉置さんの歌唱が終わると、ステージが暗くなり、静寂が訪れます。そこから鳥の鳴き声がザワザワと聴こえる中、徐々にバックの演奏も再開されると、白い光が少しずつ玉置さんをライトアップ。やがて演奏音のボリュームがピークに達したとき、上空から無数のライトが玉置さんを強調してシャウトが始まります。
伴奏のトップバッターは、佐野さんのトロンボーンでした。ここからはその場に立ち、演奏が行われていきます。玉置さんは時折、佐野さんの方を向きながら、大迫力のシャウトを放出していました。
管楽器のパートが半ばを迎えたところで、門田さんのサックス演奏にバトンタッチ。門田さんもスタンディングをしての演奏で、玉置さんのフェイクとの掛け合いが繰り広げられました。
最後は、秋山さんのエレキギター演奏とのマッチング。パフォーマンスが進むにつれて、大きなギター音が鳴り響きました。この頃には玉置さんが上手に移動して、ステージの状況をよく見つめながらフェイクを織り交ぜていました。
以上、3人のアンサンブルになるポイントで玉置さんが退場します。1日目は右手に持ったマイクをメンバーに突き出す動き、2日目は両手をメンバーに広げる動作を見せてから、ステージ上手へ華麗に歩いていきました。ここで客席から大きな拍手が起こり、素晴らしいパフォーマンスに対する賛辞が送られました。
その後もアウトロが続くステージ。セクションのフィナーレを飾るに相応しい、各楽器の良さが際立つゴージャスな演奏が展開されていきました。ラストは、中北さんがゆったりしたリズムでパーカッションを打ち鳴らして終了へ向かいます。最後はストリングスチームの弓が上に弾け飛ぶ動きもあり、非常に綺麗な形で第一部が終了しました。この2日間はストリングスが8名と豪華なセットであったため、このモーションは華々しさを増していました。
そこからステージが暗転されて、少し時間を空けたのちに第一部終了の館内アナウンスが流れます。すぐに客電が着電。同じタイミングから、ステージ前方左右に設置されたモニターには、今ツアーのメインビジュアルが映写されて休憩時間に入りました。
前編はここで終了します。第二部以降の後編はこちらからご覧ください。
こばかず
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