【ファイナル】玉置浩二 故郷BAND 〜田園〜@東京国際フォーラム(11/19)の感想

ブログ
この記事は約23分で読めます。

こんばんは。
こばかずです。

先日の11月19日、玉置浩二 Concert Tour 2023 故郷BAND ~田園~@東京国際フォーラム公演に参加しました。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

同会場でソロツアーファイナルが開催されるのは、2021年11月22日以来2年ぶりです。あのときの圧巻のコンサート、今も忘れていません。MR.LONELYのノーマイク歌唱・JUNK LANDの力強いシャウト、思い出すだけで鳥肌が立ちます。

2. 公演の様子・各曲の感想

この日の座席は、1階席前方の中央やや左寄りでした。玉置さんの入退場がよく見える位置です。
定刻通りの17時30分、コンサート開始です。

いつもと同様に、サポートメンバーが左側の舞台袖から登場し、最後のチューニング音を鳴らします。その音が響く中、ステージ右奥から玉置さんがギターを持って入場してきます。この日は、先に故郷BANDメンバーに手を向けていました。その流れで、観客席にも手を伸ばして声援に応える玉置さん、2階席にも手を伸ばします。

1. CAFE JAPAN

マイクの前に移動して「ヘイ!」と1度叫び曲がスタート。アレンジは「Hey Hey Good Time ファイナルで〜」でした。今回のツアーで、初めて地名以外がここに入りました。また、その歌い方が力強く、玉置さんの気合の入り具合を肌身で実感しました。

サビは、玉置さんの歌声を2つの吹奏楽器が引き立てる演奏です。

ちゃでも入れましょうか(※)
のみはなんでしょうか
じんはあるでしょうか(※)
きらしになるでしょうか

玉置さんの2言目にあたる黄線部分は武嶋さんのサックスが入り、合いの手にあたる(※)部分は佐野さんのトロンボーンが入ります。これまでの公演を振り返ると、このセクションはその日の参加メンバーによって演奏パートが異なっていたので、ファイナルでは両取りできてとても満足でした。

2番に入ると、「君と出会っていたならどうでしょう」で観客席に指を伸ばす動きがありました。去年の円盤化されたソロコンサートでもこの部分が強調されていたため、1月にWOWOWの放送でどう映るのか楽しみです。個人的に好きなのが次のパート、「想い出はあせないでいたんでしょう」直後の「Oh, Oh〜」のフェイクです。語尾に自由なリズムでフェイクを入れており、自然体でメロディーを奏でる玉置さんの良さが存分に発揮されていると思います。

2番のサビも玉置さんと吹奏楽器のコラボが目立つと、その後の間奏は吹奏楽器のソロパートです。武嶋さん→佐野さん→武嶋さん→佐野さんの順にソロ演奏。スポットライトもその順番に2人を照らして強調します。玉置さんも2人の元に歩み寄り、ギターで掛け合いをしていました。

そこからラストサビへ突入、「笑っていればいいんだい」では、平岡さんの方を向いて笑い声を放つ玉置さん。平岡さんも笑い声で応えていました。この部分、ツアー序盤は玉置さんが1人で笑い声を奏でて、視線も客席の方を向いていたと思いますが、中盤〜終盤にかけて平岡さんとの応酬に変化したと感じます。公演を追うごとに進化を重ねていった場面の象徴だったと思います。

ラストは「いつでもそばにmusic」からワンテンポ置いて「Yeeh」の声で曲が終了。ここでも観客席に指を伸ばす玉置さんの姿があり、放送で強調されるのを楽しみにしています。

2. Honeybee

この日も、ステージ前方中央の本マイクで「Foo〜Honeybee」の声で曲がスタート。圧巻はその直後、「Honeybee, Honeybee, ハ〜〜〜ニ〜ビ〜」と連発していました。感情を爆発させるようなこのパフォーマンスからも、ファイナルにかける気迫を感じました。そこからステージ右端に移動して、ドラムに腰かける玉置さん。

この曲は、玉置さんと平岡さんのデュエットです。このファイナル2Days、平岡さんの色気溢れるコーラスがよく目立っていたと思います。

色気では負けない玉置さん、1番サビの「夜明けに溢れる蜜より甘い〜KISS!」のところで、右手に持ったドラムスティックを前に出す動作がありました。その伸ばした先が私の座席だったため、この瞬間ビクッとしました。

曲後の後奏では、お馴染みの玉置さんによるエレキギター演奏。この日も超高音を、これでもかというほど「キーン、キーン」と鳴らしていました。前日の横浜公演でも高い音の演奏が目立ちましたが、この日はそれ以上だったように思います。「そろそろ低い音にシフトするかな?」と思うと、さらに高い音が来て、予想を遥かに上回るスリリングなギタープレイでした。

玉置さんの演奏が終わると、ソロ演奏が秋山さんにバトンタッチ。この演奏もそれを受け継ぐような高音の演奏で、2人がステージ上で競い合っているような雰囲気を感じました。この間、玉置さんは手を拭いたり、水分補給をしてつかの間のリフレッシュタイム。

その後は、再びドラムに戻る玉置さん。パーカッションの中北さんにスポットが当たり、じれったいリズムをソロで刻んだのちに、演奏再開です。玉置さん・原さん・中北さんが打楽器のテンポを刻む中、吹奏楽器の演奏が目立つ後奏で終了に向かいます。最後は、3人の打楽器音が見事に同じリズムを叩き出して終了しました。

3. ルーキー

原さんがドラムスティックを叩く音で曲が開始します。前奏が始まると、ステージ左側のメンバーが頭上で手を叩き、観客の拍手を煽っている姿が印象的でした。

この日もジェスチャーを交えながら、リズム良く歌う玉置さんの姿がありました。こうした仕草も、コンサートを重ねるごとに増えていった印象があります。
①1番「手を伸ばせば届きそうな星よ」で、右手を伸ばす
②1番「君のためならいつだって飛んでゆく」でも、右手を素早く伸ばす
③2番「歩き回った道の上についた」で、右手をクネクネ動かす
④2番「君のためなら僕だってまだやれる」で、右手をサッと広げる

歌唱終了後は、編曲で加わった後奏がスタート。佐野さんのトロンボーンが主旋律を奏でる中、玉置さんがステージ左端へ移動し、トオミヨウさんとアコギを掛け合うパフォーマンスがあります。キーボードが担当楽器のトオミヨウさんですが、今回のツアーでは他の楽器を演奏する姿も見ることができて、新鮮な気持ちでした。

4. 愛を鳴らせ

この曲も、原さんのドラムスティック音でスタート。前奏が始まると同時に、玉置さんが両手を大きく広げる動きがありました。また、この前奏中、玉置さんは右手を軽く振りながら故郷BANDメンバーに指揮をする動作も確認しました。

この曲も、歌詞に合わせた玉置さんの表現がよく目立ちます。
①1番「明日君を迎えに行く」で、右手を前に出す
②1番「君は僕の全て、君がいるから」でも、右手を前に出す
③ラスト「どんなに遠くに離れていても」で、2階席に手を伸ばす

2番が終わった後の間奏では、両手を大きく使って指揮を振る玉置さんの姿がありました。この仕草も、公演を追うごとに付け加えられた演出だと思います。

歌唱パートでは、力強い歌声がホールに響き渡りました。それをよく感じたのが、以下の部分です。
①ラスト「愛は君と一緒にいるよいつも〜〜〜
②サビ「悲しみよ愛を鳴らせ〜〜〜

特に①では、右手でスタンドに立てられたマイクを持って身体を支え、思い切り後ろに仰け反る姿勢で歌う姿。身体全身を使って歌うその格好には、聴いている私も背筋が1段階も2段階も伸びる感覚がありました。

5. 置き手紙

前曲から、鐘の音が鳴る映像・スクリーン演出を引き継いで、置き手紙がスタート。

東京国際フォーラム ホールAは、ステージ左右にモニターがあります。ソロパートなど、曲中で印象的なシーンでは、このモニターに奏者が映し出されます。

置き手紙の前奏中は、次の順番で演者が映し出されていました。
①キーボードを弾くトオミヨウさんの姿
②ステージが暗い中、前奏に聴き入る玉置さんを下から映した姿
③チェロを弾くロビンさんの姿

②の圧倒的なオーラ・雰囲気、とんでもないカッコよさでした。WOWOWの放送でぜひとも再確認したいところです。

曲が始まると、ゆっくりと1音1音を丁寧に歌う玉置さんの歌い方が印象的でした。その中でも、声を張る部分や、絶妙に裏声を混ぜるところもあり、パワフルさと繊細さを兼ね備えた歌唱だったと思います。

この曲は間奏が長く、それぞれのソロパートも見どころです。1番終了後の間奏は、秋山さんによるスチールギターの演奏。このパート、モニターのおかげでようやくその演奏手法を確認することができました。床と平行に張られている弦楽器を、座りながら演奏する方法で、音はエレキギターに似ています。2番後の間奏は、スチールギターの演奏の後に、武嶋さんによるフルートソロも加わる2段階構成。綺麗で澄んだ高音が会場を包み込みました。

そこから曲のクライマックスへ。「さよなら私も素敵に生きてみる」からの「Way〜〜〜」はマイクを離しながらのパフォーマンスで、感動的なラストを迎えます。その後の「Oh〜」も力強いトーンが響き渡りました。

6. 次男坊

この曲もキーボードの前奏でスタートし、モニターにトオミヨウさんの姿が映し出されます。序盤は他の楽器演奏はなく、キーボードの演奏に合わせて玉置さんが歌うスタイルです。お互いが向き合って音を出すわけでも、指揮者がいるわけでもないにも関わらず、全くズレないリズム・ピッチからは、阿吽の呼吸を感じました。

サビに入る直前はチェロの演奏が加わり、そのシーンもモニターに収められていました。そこからのサビは、玉置さんのパワフルなトーンが目立った印象です。特にそれを感じたのが、「さぁそこか〜〜〜らが人生さ」のところ。ビブラートを入れながら歌う玉置さんの姿がありました。その後は一転して、つぶやくように「母ちゃん…/父ちゃん…」と歌うところは、玉置さんの優しさが伝わってきました。

この曲も、間奏・後奏のソロパートが印象的で、佐野さんのハーモニカが見事でした。マイクを両手で挟みながらハーモニカを持ち、演奏する姿がしっかりとモニターに映し出されており、高い演奏テクニックを目の当たりにしました。特に後奏中は口元がアップで投影されていたため、WOWOWで放送された暁には必見だと思います。

7. 黄昏はまだ遠く

この曲も、弾けるようなキーボードの前奏で曲が始まり、最初はトオミヨウさんの演奏と玉置さんの歌声のみが響く形です。他の楽器が入るのが、「痛みだけが生きるための〜」以降。ここで秋山さんのエレキギター音が鮮明に聴こえて、雰囲気がガラッと変わりサビへ向かいます。このギター演奏、原作でもうっすらとその音を確認できますが、コンサートではよりハッキリと音が聴こえてきます。

2番で印象的だったシーンは、「ありがとうとだけ心から言いたくて…」のところです。とても感傷的に歌い上げる姿があり、聴いているこちらも手に汗を握りました。

その後のサビを平岡さんと歌い上げると、再びドラムのパフォーマンスへ。この間奏ではチェロの演奏が目立ち、スポットライトもロビンさんを照らします。そんな重厚な音が響く中、ゆっくりしたリズムでドラムを叩き上げる玉置さん。終盤には右奥のシンバルを手を伸ばして演奏する姿もありました。

マイクを持ち、ステージ前方中央に戻るとラストのサビへ。チェロの演奏をバックに、

この胸の黄昏はまだ遠いから

を平岡さんと歌い上げます。このとき、白いライトが玉置さんを強調するように照らしており、その姿が神々しかったです。以降は一瞬でライトがオレンジに切り替わり、ステージ全体が明るくなります。故郷BANDメンバー全員による演奏の中、

つかむまで終わらない夢どこだろう

を歌い終えると、玉置さんが一足先にステージ右奥へ退場します。この姿が、シンフォニックコンサートの1部ラスト、Friendと重なりました。

その後は故郷BANDメンバーのアウトロ演奏。終盤で音が小さくなるにつれて会場のライトが暗くなる演出から、黄昏を越えて夜を迎える雰囲気を感じました。曲終了の合図は、トオミヨウさんが右手を優しく握るジェスチャー。ここで1部終了、20分の休憩に入ります。

8. △(三角)の月

2部は故郷BANDメンバーのInstrumental曲で始まります。キーボードが主体的な演奏で、序盤は静かなムードで曲が進行していきます。中盤〜終盤は、そこに吹奏楽器の音も加わるようになり、よく目立っていました。特に、武嶋さんの演奏が印象的で、モニターにも映し出されていました。この日はInstrumental曲が終わると会場内から拍手が起こり、このタイミングで拍手が発生するのは珍しいと思いました。

その後は、千ヶ崎さんによるベースソロパフォーマンス。ベースの中では高めな音を、ゆっくりとしたビートで刻みます。そこから次第に低音にシフトしますが、依然として速度はゆっくりで、「このペースのまま終わるんだろうか?」と思いました。スピードが上がり、リズム感が出てきたのが終盤のことです。非常に高速な左手の指使いがモニターに映り、疾走感を持ってベースソロの終了へ。

その後、△(三角)の月の前奏が始まると、トライアングル光線のオブジェがステージ上から降りてきます。同じくらいのタイミングで、玉置さんも右奥から再入場して曲がスタート。

この日の玉置さんの歌声は、非常にゆっくり・ねっとりした歌い方でした。元々のメロディーラインよりも遅れて声が入ってくることが多く、また低音がよく残響して聴こえました。個人的に、この曲は今回のセットの中で唯一無二の歌声だったと思います。アップテンポ曲やバラード曲にはない、ブルースやジャズを思わせる変幻自在の歌声は、玉置さんの歌の上手さをより実感できるものになりました。

また、この作品をより一層引き立てたのが、平岡さんのコーラスと千ヶ崎さんのベース演奏です。曲の終盤ではそれぞれのソロパフォーマンスもあり、小さなジャズクラブでパフォーマンスを見ているような錯覚すらありました。

最後は、玉置さんによる2つの魅惑的なポーズで曲が終了します。
①「街を見下ろし、泣いてる」で、右肘を釣り上げる動き
②「僕を照らしてくれる」で、両手を広げる動き

9. 君だけを

佐野さんと武嶋さんが、ともにフルートを演奏する前奏で曲が開始です。心優しい高音が会場を包み込むと、その後は玉置さんと平岡さんによる歌声のハーモニーで曲が進行します。

サビでは、玉置さんが平岡さんの方を向いて歌う姿もありました。最後の「いつまでもずっとずっと」では、互いに右手を伸ばし合う表現があり、深い愛情を感じました。

2番が終わった後の間奏は、武嶋さんのソロフルートです。前奏は佐野さんと2人で演奏していましたが、ここは武嶋さんのみの演奏でした。

10. サーチライト

中北さんの「1・2・3」の声で曲がスタート。直後にツリーチャイムの「キラキラ」という音が鳴ると、この曲でも再び佐野さん&武嶋さんのWフルートが前奏を奏でます。

曲中、玉置さんがしきりにイヤモニを気にする仕草が気になりました。前日の横浜公演から何度か左のイヤモニを触る姿がありましたが、この曲でも度々確認しました。耳の不調やトラブルではないと良いのですが…

パフォーマンスでは、1番終了時の間奏中で客席から拍手が起きると、玉置さんが左手を胸に当てながらお辞儀をしていました。クライマックスの「君なんだ、君なんだ」の部分は、右手を2階席右側→左側にスライド、その流れで1階席左側→右側にスライドして、広いフォーラムを包み込んでいました。曲終了時の後奏でも観客席から拍手が起こり、このタイミングで拍手が発生するのは珍しいと思いました。

11. 正義の味方

暗雲が流れ、快晴に変わる曲前の映像演出中、玉置さんは両手を上げるポーズをしていました。その後、前奏が始まると、今度はリズムに合わせて右腕を後ろに叩くジェスチャーもありました。安全地帯の熱視線で、時が止まるシーンの際によくやる動きです。そこから、玉置さんの「Yeah〜!」で一気に観客が立ち上がります。

この日も非常にゆったりとしたテンポで曲が進行します。「君・僕」に絡めたお馴染みのジェスチャーもありました。
①1番「僕には君がいるよ」で、右手を前に出す
②2番「君には僕がいるよ」で、両手を広げる

サビの「みんなもっともっと」の歌い方・動きが、前日の横浜公演からは異なっていた印象を持ちました。
・前日:両手を広げて語りかけるように歌う
・当日:マイクを持ってリズムよく歌う
この部分は、過去を振り返っても各公演ごとに違った歌い方をしていた記憶があります。2日間で両方の歌い方を聴くことができて嬉しかったです。

サビラストの「夢でよく見た/心の愛は、正義の味方」で、右手を横に伸ばすシーンは、まさに戦隊モノの「正義の味方ヒーロー」を表現しているようで、今すぐに空を飛んで行っても不思議ではない雰囲気を感じました。

本曲の中で、個人的に大好きなシーンが、Cメロにあたる「もう1度見せてほしいあの〜」以降です。ここの演奏・照明演出は本当に秀逸だったと思います。あまりにも素晴らしいと思ったので、詳細に記します。

(※1)もう1度見せてほしい
あの優しさと勇気を
(※2)この世で1番正しい正しい
愛は必ずここにある
(※3)(間奏)
(※4)頑張って いつまでも
頑張って どこまでも・・・

(※1)
ここで照明が紫色になります。それまでは青・黄の照明色をベースに明るく曲が展開されていましたが、演奏もライト演出も一旦落ち着きます。
(※2)
このパートで、佐野さんのトロンボーンが合いの手を演奏します。この音は原作でもうっすらと聴こえますが、コンサートではハッキリと聴こえてきました。なお、原作でこの音を認識できるようになったのは、コンサートでこの演奏を確認できるようになってからです。
(※3)
つかの間の間奏。ここはライトが赤くステージを照らします。まだまだ何かがあるような雰囲気を醸し出します。
(※4)
玉置さんの「Yaeh〜!」を経てラストサビへ突入。再びライトが黄色く照らし、盛り上がりの様相へ変化します。

この場面、あらゆるプロの方々による才能の結晶だと思いました。1月の放送が待ち遠しいです。

曲終了後は、原さんのドラムソロがあります。この日の演奏は、リズムの型にハマらない緩急を付けたドラミングでした。ところどころ演奏を止めるシーンがあり、その度に客席から歓声が飛んでいました。最後はバスドラムを気持ちを込めるように数回強く踏み締めて終了。こういったパターンで終了したのは初めてでした。思えば8/3の初日公演では、昨年の安全地帯・情熱で見た、田中さんのドラムソロにそっくりなリズムだったと、そんなことを思い出しながらドラムソロを聴きました。

12. JUNK LAND

前曲のドラムソロから途切れることなく、JUNK LANDがスタート。前奏中はスクリーン幕に、アナログテレビのノイズでよく見る砂嵐のような映像が映し出されます。玉置さんの歌唱パートが始まると、「T」の旗が揺れる映像に変化。観客の手拍子・熱気も後押しして曲が進行します。

この日も「待ってる人のその前で〜」以降は、佐野さんがタンバリンを演奏していました。本ツアー、管楽器のみならず、様々な楽器を演奏していた佐野さんは、故郷BANDに欠かせない存在だったと思います。そのリズムに乗って軽快に歌い上げる玉置さん。続いて感動的なラストへ…

ガラクタだけど〜」が始まると、演奏をしている秋山さん・ロビンさん以外のメンバーが、頭上で拍手を促す姿がありました。このように、サポートメンバーが大きく身体を動かして盛り上げるシーンに心を動かされました。ここからの玉置さん、非常に心がこもった歌声でした。特にそれを感じたのが、「限りなく青い大空」のところです。「限りなくあ・お・い大空」というように、強調して歌っていました。

その後はお馴染みのコール&レスポンスへ。序盤は「Foo〜」といった裏声、中盤は「Na〜NaNaNa〜」といった擬音で、いずれも反復するごとに音程変化が激しくなります。終盤は以下のように、「JUNK LANDで〜」のパートを強弱を付けて往復します。

(ささやくように)
玉置さん「JUNK LANDで〜」
観客「JUNK LANDで〜」
玉置さん「JUNK LANDで〜」
観客「JUNK LANDで〜」

(語尾を叫ぶように)
玉置さん「JUNK LANDで〜!」
観客「JUNK LANDで〜!」
玉置さん「JUNK LANDで〜!」
観客「JUNK LANDで〜!」

(ソロで叫ぶ)
玉置さん「JUNK LANDで〜〜〜!!!

何度見ても最後のパフォーマンスは凄まじいです。思い切り仰け反った姿勢から放たれる、一直線のロングトーンが会場全体に響き渡りました。トーンの最終盤には右手でメンバーに演奏再開を指揮した後に、ギターを肩から手に持ち替え、右手で押し出すポーズが終了の合図でした。

〜メンバー紹介〜

鳴り止まない拍手の中、ここでメンバー紹介です。ファイナルのため、玉置さんがこのタイミングで何か話すかと思いましたが、ありませんでした。紹介の順番、各メンバーの呼び方は以下の通りです。

「中北裕子」
「原治武」
「千ヶ崎学」
「秋山浩徳」
「佐野聡(演出後)さのっち!」
「武嶋聡」
「ロビン・デュプイ・ロビン」
「平岡恵子」
「サウンドプロデュース&アレンジ、トオミヨウ」
「故郷BAAAAND!

印象に残っているシーンが2つあります。1つ目が、千ヶ崎さん・秋山さんの紹介時に、その前方に位置取る佐野さん・武嶋さん・ロビンさんが地面に伏せるようにして、視界を広げていたことです。玉置さん&メンバー間のボディランゲージと、観客席からの見通しを確保するための気遣いを感じました。もう1つが、佐野さんの紹介時に玉置さんと髪をなびかせるシーン。このタイミングで中北さんのツリーチャイムが「キラキラキラキラ」と鳴る演出は、非常に粋なものを感じました。その演出後に、珍しく玉置さんが「さのっち!」と言っていたのも印象的でした。

13. 田園

原さんの力強いドラムで、本ツアータイトルの田園が開始。スクリーンには、馬が大地を踏み締める姿や、スニーカーが地面を駆け抜ける姿、田園風景が映し出されると、発声イントロがスタートです。このタイミングで会場全体がオレンジ色にライトアップされ、スクリーンが上がりますが、幕の処理がいつもと異なりました。いつもは上に向かって素早くクルクルと巻き上げられていくのに対して、この日は下にはだけ落ちていました。会場によって設備や演出が異なるのでしょうか。

曲が始まると、楽しそうに楽器演奏をするメンバーの姿が目に飛び込んできました。普段、左サイド前方のメンバーは座って演奏をしていますが、田園のときは立って演奏をしています。観客席の方々も、身体を揺らしながら手拍子する姿があり、まさに会場が一体化した瞬間だと思いました。

サビのアレンジは、「愛はここにある、東京にある」でした。ここで観客のボルテージももう1段階引き上げられます。それをしっかりと確認できる、左右のモニターに映るカメラワークもありました。1階席の中ほどから、前方の観客席とステージの様子を一緒に収める画角で、臨場感溢れる映像が映し出されており、これはWOWOWの放送でも採用されてほしいと思いました。

最後まで明るいテンションのまま歌い終えると、玉置さんがギターを肩から外して、手に持ち替える合図で曲が終了です。田園は、ギターを肩にかけたまま、ネックを手で下ろすジェスチャーが終了の目印になることが多かったため、この終わり方は少し珍しいと思いました。

14. メロディー

しばらく拍手が続き、スタッフに青いギターを渡されるとまた拍手が起こります。

あんなにも好きだった…」と歌い始めると、また拍手が発生。1番は全て玉置さんの弾き語りで、ゆっくりと語りかけるような歌い方が目立ちました。「メロディー、泣きながら」の、繊細な歌い方が好きです。

2番からは故郷BANDメンバーの演奏も加わり、絶妙な盛り上がりが生まれると、佐野さんによるトロンボーンの間奏を経てラストへ。スタンドマイクから右側へ離れて行く玉置さん、固唾を飲んで見守る観客。

君のこと忘れないよ
いつだって楽しくやったよ
メロディー泣かないで
あの歌は心から聞こえてるよ

歌い終わって少し余韻が残った後、観客席から拍手が起こりました。

その後は、故郷BANDメンバーが1列に整列。玉置さんの隣に平岡さん・中北さん、両端にトオミヨウさん・佐野さんがいたと記憶しています。全員で手を繋ぎながら礼をした後、玉置さんが1番左に移動してメンバーを讃えます。そこから1人1人とハイタッチをしてメンバーを見送り、ステージ上は玉置さん1人に。

各楽器にリスペクトのジェスチャーをした後、「V」のバスドラムをステージの前方に移動させます。ここでドラムスティックを手にした玉置さん、「V」のマークを作り頭上に掲げていました。その後、天を仰ぎながら右手の人差し指を空に指し、田中さんへの想いを表現する姿もありました。

続いて、ドラムを足で叩きながら、手で花火を表現するパフォーマンスをする玉置さん。この日は3〜4発の花火が打ち上げられました。

その後、再びギターを持ってマイク前へ。ここでもやはり拍手が起こります。

Ec1. ワインレッドの心

弾き語りスタイルで、しっとりと歌い上げていきます。

もっと勝手に恋したり
もっとキスを楽しんだり
(ハミング)

続きが聴きたくなるようなハミングで終了しました。

Ec2. 恋の予感

なぜ なぜ あなたは
綺麗になりたいの

心地良い低い声が響きます。ギターの演奏にリズムがあるため、観客席から手拍子が起こりました。

Ec3. 悲しみにさよなら

泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから
悲しみにさよなら
ほゝえんでさよなら
愛を世界の平和の〜〜〜〜〜ために

この曲も、観客の手拍子の中を歌っていきます。「愛を世界の平和の〜〜〜〜〜ために」では、非常に長くトーンを伸ばしていました。

Ec4. Beautiful World

美しき世界
美しき世界
もう泣かないで
心の中に愛
いつかまたね
忘れないよ ずっと
生きてく指切りをして
Beautiful World
見上げた空がくれたもの

美しき世界・・・
(ハミング)

終始、語りかけるように歌い上げていました。「わす〜〜れないよ〜」の裏声が綺麗です。

Ec5. 夏の終りのハーモニー(合唱)

ギターを置き、観客席に向けて「一緒に歌おう」といった合図をする玉置さん。

今日のささやきと
昨日の争う声が
2人だけの恋のハーモニー
夢もあこがれも
どこか違ってるけど
それが僕と君のハーモニー
夜空をたださまようだけ
誰よりもあなたが好きだから
素敵な夢あこがれを
いつまでもずっと忘れずに

フレーズの間では、玉置さんがチェロを弾くような仕草とハミングで、観客の歌声をリードします。サビではマイクから離れると、玉置さんのパワフルなトーンも炸裂して終了しました。

曲後は再び観客席から拍手が起こり、玉置さんがステージ右奥に退場します。ファイナルのため、またステージに戻ってくるかもしれないといった僅かな希望を持ち、しばらく客席に残っていましたが、それは叶わずに終演でした。

「メロディー」のオルゴールがゆっくりとホールに流れる中、観客が会場を後にします。

以下、公演のセットリストです。

3. セットリスト

玉置浩二 Concert Tour 2023
故郷BAND ~田園~
11月19日
東京国際フォーラム
セットリスト

【一部】
1. CAFE JAPAN
2. Honeybee
3. ルーキー
4. 愛を鳴らせ
5. 置き手紙
6. 次男坊
7. 黄昏はまだ遠く
【二部】
8. △(三角)の月
9. 君だけを
10. サーチライト
11. 正義の味方
12. JUNK LAND
〜メンバー紹介〜
13. 田園
14. メロディー
【アンコール】
15. ワインレッドの心〜恋の予感〜悲しみにさよなら〜Beautiful World
16. 夏の終りのハーモニー(合唱)

4. 公演後の様子

公演後の会場の様子です。

序盤から、玉置さんの気合の入り方が違うように見えました。それをよく感じたのが、CAFE JAPANの「ファイナルで〜」の力強いアレンジ、Honeybeeの「Honeybee, Honeybee, Honeybee」の連呼です。この時点で凄いコンサートになるといった確信を持ち、実際にその通りになりました。

故郷BANDメンバーの演奏・各ソロパートも、気持ちがプレーに乗り移った見事なパフォーマンスでした。今回のツアーは、故郷BANDメンバーの見どころも多く、彼らなしでは成り立たなかったと思います。

5. ツアー全体の総括

ファイナルを終えた今、本ツアーを振り返ると、進化に進化を重ねたツアーだと思いました。コンサートに足を運ぶごとにそのクオリティがアップしており、非常に満足感の高いツアーでした。また、日によって参加する故郷BANDメンバーが異なるのもポイントで、常に新鮮な想いでコンサートに臨むことができました。

以下に、各公演に参加後、Twitterに上げた感想と一言コメントを添えて終わりにします。

8/3 市川市文化会館

・故郷BANDメンバーと一緒に入場する玉置さん
・驚きの連続だったセットリスト

8/13 川口総合文化センター・リリア

・JUNK LANDで「ガラクタたちと〜」のC&R
・佐野さんによるハーモニカ演奏の綺麗さに衝撃

8/30 相模女子大学グリーンホール

・とてもゆっくり進んだ正義の味方
・「愛はここにある、相模大野にある」

9/7 カルッツかわさき

・サックス・門田さんのファイナル
・CAFE JAPANで玉置さんの歌声に乗る演奏が見事

9/9 宇都宮市文化会館

・楽しそうに歌う玉置さん
・Honeybeeの間奏で「宇都宮」のフェイクあり

10/1 大宮ソニックシティ

・関東初の武嶋さん参加公演
・関東初のアンコール多数(6曲)

11/18 神奈川県民ホール

・個人的な故郷公演
・田園で3階席が揺れる

11/19 東京国際フォーラム

・圧巻のファイナル

2月からは、シンフォニックコンサートの“Pastorale”が始まります。「故郷BAND〜田園〜」〜「田園(Pastorale)」のバトンタッチが、今から楽しみでなりません。シンフォニックコンサートもガラリとセットリストが変わることになるのでしょうか。そんな妄想をしながら、今後を過ごしたいと思います。その前に、12月末のクリスマスディナーショーですね。

ここまで、長文乱文をお読みいただきありがとうございました。

こばかず

ブログ
【今後のコンサート参加予定】

KOJI TAMAKI
Christmas Dinner Show 2024
・12/19(木):ホテルニューオータニ
・12/25(水):グランドプリンスホテル新高輪「飛天」

【今後のコンサート参加予定】

KOJI TAMAKI Christmas Dinner Show 2024
・12/19(木):ホテルニューオータニ
・12/25(水):グランドプリンスホテル新高輪「飛天」

シェアする
こばかずをフォローする

コメント

  1. mario より:

    こばかずさんお疲れ様でした。
    『置き手紙』前奏に聞き入る玉置さん、『Honeybee』でドラムスティック伸ばした先にこばかずさんがいたのを思い浮かべながらWowowをチェックしますね!
    『Beautiful World』(生歌聞いてない)と花火のパフォーマンスも楽しみです🥳

    話は変わりますが、12月22日もディナーショー参加するんですね。
    私はマコロンさんとこの日ディナーショーに参戦しますので、もしお会いできる時間がありましたら、よろしくお願いしますね😊

    • こばかず こばかず より:

      marioさん、コメントありがとうございます!
      Honeybeeのとき、私の前は誰も立っていなかったので、映れば分かると思います😅
      アンコールまでしっかり収録されていてほしいですね🥳

      12月22日、ディナーショー行きます🍽️🌲
      再びお会いできること、楽しみにしております😊