玉置浩二 Fanfare公演(3/21・22)@兵庫県立芸術文化センターの感想とセットリスト

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先日の3月21日・22日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026 “Fanfare”@兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール公演に参加しました。

指揮:湯浅卓雄
管弦楽:日本センチュリー交響楽団

※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは15都市25公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。

今回は2公演分をまとめて記載します。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

木の温もりがよく伝わってくる、由緒あふれる会場でした。

2. 第一部の様子・各曲の感想

1日目の座席は3階席前方のやや上手寄り、2日目の座席は1階席前方の下手端でした。両日ともに、思ったよりもステージが近く見える距離感でした。

この2日間、定刻通り開演を迎えました。舞台の左右前方の袖から日本センチュリー交響楽団のメンバーが続々と入場。その後には、両日でゲストコンサートマスターを務めた大阪交響楽団の森下幸路さんが一人、下手から登場してきました。

入念な調律の後、マエストロの湯浅さんが登場。湯浅さんは森下さん、そしてトップサイドの奏者と力強く握手を交わすと、客席に向けて一礼しました。そのまま指揮台へと登り、管弦楽でコンサートが始まります。

1. ファンファーレ(管弦楽)

ティンパニが刻む重い打楽器音がホールに響き渡り、会場の空気は一気に引き締まります。やがてフルートが優しく、かつ鮮やかに前奏のメロディーを奏でると、景色は一瞬にして華やかな世界へ移り変わりました。

その後は高弦が主旋律を受け継ぎ、またコントラバスの低音が勇敢なリズムを刻んでいきます。大所帯のストリングス隊が奏でる弦楽演奏はとにかく重厚の一言。オーケストラアレンジならではの音の分厚さを感じました。

最後はブラス隊も演奏に加わって豪華な仕上げに。この序曲だけでも非常に満足度が高いパフォーマンスでした。

2. 歓喜の歌(管弦楽)

各楽器のバランスが極めて緻密に計算された、ステージ全体が一つに溶け合うような調和の取れたサウンドアレンジで進行しました。

しかし、終盤に向けて演奏は一気に熱を帯び、壮大なクライマックスへと突き進みます。湯浅さんのタクトも力強さを増し、最後は両手を天高く掲げ、左手を豪快に回す渾身の指揮でフィニッシュを迎えました。

ここで玉置さんが登場します。ステージ中央まで歩き、観客席を向くと、一際大きな拍手が飛び交いました。

3. GOLD

玉置さんの第一声、

行こう…遠くまで

この一音で、一気にその世界観に引き込まれました。会場の音響は非常に良く、語るような抑えめの歌唱であっても、3階席にまでまっすぐ、かつクリアに歌声が届いてきました。

2日目は、玉置さんと湯浅さんの絶妙な距離感をよく確認できました。湯浅さんはオーケストラへの意識を軸に据えつつ、半身で玉置さんの呼吸を察知する。それに応えるように玉置さんも時折湯浅さんを振り返り、アイコンタクトを交わす。特にこの日は、湯浅さんと玉置さんの延長線上に自席があり、二人の息を合わせたコミュニケーションがよく伝わってきました。

4. キラキラ ニコニコ

序盤の静けさから、終盤の動的なパフォーマンスへの移り変わりが魅力的でした。1曲の中で壮大な物語が動いているような展開で、その世界観をオーケストラの演奏、照明演出、そして玉置さんの歌声が作り出しました。

曲の中盤、

おはよう〜〜〜
どんな天気でも

のフレーズを境に、ステージは真っ白な光に貫かれ、神々しい光景が広がります。3階席から見下ろすその情景は、まさに夜明けを体現するような圧巻の演出でした。

後奏では激しいシャウトを入れる玉置さん。想いのままに叫び上げ、曲は壮大なフィナーレを迎えました。

5. いつもどこかで

2日目、曲の中盤で、理由は不明ながらも玉置さんの声量がふっと衰える場面がありました。

泣いている人のそばで
やさしく咲く小さな花になって

このフレーズに差し掛かった瞬間、突如として歌声が弱まり、ささやくような、あるいは語りかけるような繊細な歌い方へと変化しました。

しかし、こうした予期せぬ変化さえも、瞬時に唯一無二の表現へと昇華させ、音楽の一部に変えてしまうのが玉置さんの真骨頂です。図らずも生まれたその静寂に近い歌唱は、かえって楽曲に深い慈しみとリアリティを与え、聴き手の胸を強く締め付けました。

6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)

2日目は「MR.LONELY」でも前曲と同様、玉置さんの歌声がやや減衰する一幕がありました。ラストサビに入り、声量がどんどん伸びていきましたが、途中で瞬時にささやくような語り口に切り替える箇所があり、とてもスリリングな場面になりました。

「サーチライト」は、序盤の玉置さんが歌う低音の響きが非常に心地よく流れました。とにかく重厚な歌声が、会場の良好な音響を通じて届いてきました。クライマックスはとても感傷的な歌声に変化。

サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ

のフレーズで客席に向けて手を差し伸べた後は、溢れ出す感情をそのまま音に乗せたかのような、極めて情熱的な歌唱が会場を席巻しました。

7. Friend

序盤の玉置さんの歌唱は、各フレーズの合間にこぼれるブレスさえもマイクが克明に捉え、まるで泣きながら歌っているかのような切実さに満ちていました。

しかし、サビに差し掛かると一転、伸びやかなロングトーンが会場に響き渡ります。両日ともに、ビブラートを極力使わないまっすぐなトーンがどこまでも伸びていきました。

最後は後奏の途中で玉置さんが退場します。堂々とステージを後にする姿に、大きな拍手が観客席から注がれました。

3. 第二部の様子・各曲の感想

約20分間の休憩後、コンサートが再開します。日本センチュリー交響楽団のメンバーが入場し、オーボエが高らかな音色を皮切りに各楽器の調律が行われました。その後、湯浅さんが再び姿を現して指揮台へ。管弦楽で第二部が始まります。

8. 『スラブ舞曲集』より 第8番(A.ドヴォルザーク)

第二部の幕開けは、静寂を切り裂くような激動のスタート。ティンパニ、バスドラム、シンバルが揃い踏みで力強いリズムを刻む中、ストリングス隊がシャープで切れ味の鋭い音色を響かせ、会場を一気に熱狂の渦へと引き込みました。

楽曲の中盤、主役の座を引き継いだのは木管楽器のアンサンブルです。フルートやオーボエ、そしてピッコロの澄み渡る音色が随所で光り、ダイナミックな演奏の中に温かみのある色彩を添えていきました。

クライマックスでは、落ち着いた曲調から急激に冒頭の動的な旋律へと回帰。湯浅さんの情熱的な指揮に呼応し、ストリングス隊の弓が美しく舞う中、劇的なフィナーレを迎えました。

管弦楽のリンクを以下に貼ります。

湯浅さんが指揮台から下手に合図を送り、玉置さんが再登場。会場が一際大きな拍手に包まれ、第二部の本編が始まります。

9. 純情

ヴィオラ、オーボエ、ハープが織りなす、素朴で哀愁漂うアンサンブルから楽曲は始まります。ステージ前方やや上手側のヴィオラ、中央のオーボエ、そして下手端のハープが見事なトライアングルを形成するスタートになりました。続けてその他の楽器も加わると、原曲では玉置さんのフェイクが優しく寄り添う旋律を、鉄琴の可憐に弾ける音色が担当。壮大な合奏の間を縫うように、軽やかに響くメロディーにとても温かみを感じました。

歌唱が始まると、玉置さんの深みのある低音が会場の響きと溶け合い、どの楽曲よりも重厚に胸に迫ってきました。こうしたメッセージ性のある歌い方は、玉置さんが歌詞を強調して歌う場面にも現れました。2番の

地獄などない 待ち合わせは 天国さ

のパートで、

地獄などない

と、語気を強めながら歌う玉置さん。キッパリと言い切るような姿勢が毅然としていました。

1番と2番の同じパートで、対照的に歌い方を変化させるシーンもありました。サビのラスト、

この言葉だけ 投げ出さずいた

のトーン。1番ではスッと力を抜く繊細さを見せたかと思えば、2番では一転して力強くギアを上げ、語尾の音程を跳ね上げるパワフルな歌唱を披露しました。

その後の間奏は、オーボエとフルートによる木管楽器のコンビが光ります。温かみのある音色が主旋律を奏で、会場は再びノスタルジックな空気に包まれました。ラストサビではさらにトーンダウン。

思ったように 好きに生きなよ あせらず

では、玉置さんの物悲しい歌声に寄り添うように、オーボエとハープの合奏が展開されました。

そして、いよいよ楽曲もクライマックスへ。

オレのお守り くしゃくしゃの純情

の歌声とともに、待ってましたと言わんばかりにステージの照明がオレンジから青色に切り替わり、玉置さんの歌声にも凄みが増していきました。最後は大きな迫力で

かあちゃん

と叫び、続く後奏でも魂のシャウトが炸裂しました。

1日目には、曲が終了に向けてオーケストラの持続音が鳴る中、その終わりを待たずして観客席から拍手が発生しました。これに対し、左手をそっと胸に当てて応える玉置さん。その後、指揮台の湯浅さんと向き合い、互いに胸に手を当てて敬意を示し合いました。

10. 行かないで

前曲の温かな余韻から一変、ステージの雰囲気はガラリと変わります。温かいオレンジ色の照明が消え、暗闇が会場を包み込む中、一筋の強い白い光だけが玉置さんを真っ直ぐに照らし出しました。その光の中に立つ玉置さんのシルエットは、とても存在感が大きく、一瞬で引き込まれるような迫力がありました。

歌声も、曲が進むにつれてどんどん切なさを増していきました。消えそうなほど繊細な裏声を使ったかと思えば、次の瞬間には魂を振り絞るような力強い地声に切り替わる。その変幻自在なパフォーマンスは、胸の奥にある想いをそのままぶつけてくるようで、聴いていて自然と胸が熱くなる一幕でした。

11. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)

全体的に少しゆったりとしたテンポで進む中、最初の2曲「ワインレッドの心」と「じれったい」では、玉置さんのタメを効かせた歌い方が印象的でした。オーケストラが刻むリズムを大切にしながらも、言葉を一つひとつ丁寧に置いていくような、それでいて芯の通った力強さが宿っていました。特に2日目は、1日目よりもさらに声に力がこもっており、とてもパワフルな歌声が伝わってきました。

雄大なオーケストラの演奏とともに「悲しみにさよなら」がスタート。湯浅さんが玉置さんの方を向いて指揮を振ると、玉置さんもそれに応えるように向き合い、二人が正面から対峙するパフォーマンスが始まりました。

1番のサビの終わり、玉置さんが

愛を世界の平和のために

と、左手を力強く前に突き出して歌い上げると、その熱量に押されるように、客席からは早くも大きな拍手が沸き起こりました。

そして、最大の見どころは、ラストサビでのノーマイク歌唱でした。マイクを完全に腰の位置まで下げ、ホールに生の歌声が響き渡りました。また、この2日間、歌いながらジェスチャーを交える玉置さんの姿が印象的でした。1日目は、

泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから

で左手を前に出しながら情熱的に歌い上げ、直後の短編間奏を経たラストフレーズ、

悲しみに〜さよなら〜

では、左手を胸に当てながら

悲しみに〜

と歌い、その手を前に伸ばして

さよなら〜

と歌い上げました。2日目はこのパートを通しで手を胸に添えながら歌い切り、感動的なメドレーのフィナーレを迎えました。

12. JUNK LAND

この曲では、オーケストラの演奏が輪郭濃く、リズミカルに響いてきました。展開としては比較的ゆったりとしたペースでしたが、その分一つひとつの音が際立ち、心地よいテンポ感を生み出していました。前奏から玉置さんはその伴奏に乗せるように、何度もフェイクを重ねて会場の熱を上げていきました。

最大の見どころは、曲のラストに訪れた玉置さんと湯浅さんの共演です。二人がしっかりと向き合いタイミングを計ると、湯浅さんはオーケストラの伴奏を限界まで引き延ばします。それに呼応するように、玉置さんの裏声がホールに響き渡りました。1日目は震えるような繊細な歌声を長く保ち、2日目はさらに力強いビブラートを乗せて、どこまでもまっすぐに声を伸ばし続けました。伴奏が消えるその瞬間、湯浅さんの華麗なタクトと、玉置さんがマイクを引く動作がピタリと重なり、完璧なフィナーレを迎えました。演奏後、二人が歩み寄り力強く握手を交わす姿は、ここまでで一番のハイライトになりました。

13. 夏の終りのハーモニー

2日間を通じて、最も記憶に刻まれたのはラストのノーマイク歌唱でした。歌い終えたマイクを素早くテーブルに置くと、生の声だけで挑むステージが始まります。第一声の

真夏の〜ぉお〜⤴︎

という響きから、歌声がホール全体に驚くほどクリアに、そして力強く伸びていきました。クライマックスの

忘れず・・・に〜〜〜〜〜

というロングトーンでは、両手を体の前で握りしめ、渾身の力を込めて歌い上げる玉置さん。その圧倒的な声量と情熱に、まだオーケストラの後奏が続いているにもかかわらず、客席からはこらえきれないといった様子で大きな拍手が沸き起こりました。

その後も壮大な演奏が響く中、玉置さんは充実感に満ちた表情で両手を胸の前で合わせ、その余韻を噛みしめるように佇みます。その神々しいまでの姿に、会場は再び割れんばかりの拍手に包まれ、感動的な幕切れとなりました。

本編が幕を閉じると、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。下手側に湯浅さん、上手側に玉置さんが並び、互いの健闘を讃え合う姿に観客も惜しみない賞賛を送ります。ここでは、湯浅さんがオーケストラ側に一歩下がり、主役である玉置さんをより引き立てるように讃えていたのが印象的でした。

二人が一度ステージを後にしても、オーケストラだけが残るステージに向けて拍手は鳴り止みません。やがてその拍手は自然とリズムが揃い、手拍子となって玉置さんの再登場を待ちわびます。大きな間のあと、玉置さんが一人で再び姿を現すと、会場のボルテージは一気に最高潮になりました。そこからもう一度袖に戻ってから再々登場する際、1日目は玉置さんが湯浅さんを呼び込みましたが、2日目は最初から二人揃ってステージに舞い戻りました。

湯浅さんが指揮台に登ると、玉置さんは客席に向けて

玉置さん
玉置さん

(1度舞台の裏に)👈戻ってから
(またステージに)👉戻ってくる

といったジェスチャーを見せて退場。管弦楽でアンコールが始まります。

14. 田園

ベートーヴェンの「田園」でスタート。湯浅さんがオーケストラから瑞々しい音色を引き出し、静と動を織り交ぜたメリハリのある指揮で会場を包み込みます。やがて、その調べの中に玉置さん作曲の「田園」の旋律が重なり合い、木管楽器が

生きていくんだ〜
それでいいんだ〜

のメロディーを奏でると、ステージがパッと鮮やかにライトアップされ、客席からは大きな手拍子が起こりました。

満を持して玉置さんが再登場すると、観客の多くがその場に立ち上がり、前奏に合わせた手拍子で後押ししました。ここで見事だったのが湯浅さんの存在感です。歌唱パートに入る直前、客席に向かって手を下げる鋭い動作を見せると、大きな手拍子が鳴り止み、玉置さんの歌声が際立ちました。

サビでは湯浅さんが再び手拍子を促し、会場は再び熱狂の渦へ。

愛はここにある 西宮にしのみやにある

2日間とも、玉置さんがそう力強く歌い上げると同時に、客席の照明が全灯。ステージと客席の境界が消え、ホール全体が一つになったような光景が広がりました。

クライマックスでは、玉置さんがどこまでもまっすぐに伸びていく圧巻のロングトーンを披露。湯浅さんは、ここでも限界までその声を引き延ばすようにタクトを振るい、玉置さんもそれに応えて魂の声を響かせ続けます。最後はマイクを天に向けて高々と掲げ、ガッツポーズ。まさに圧倒的なフィナーレでした。

熱狂冷めやらぬ中、玉置さんと湯浅さんは一度ステージを後にします。降り注ぐ拍手の嵐がやがて心地よい期待感に変わる頃、二人が再びステージへ。湯浅さんは軽快な足取りで指揮台へと登り、オーケストラに向き直ります。玉置さんも大切にマイクを手に取ると、静かに定位置へ。観客席が大きな希望に包まれ、次の曲が始まります。

15. メロディー

2日間ともに、高揚感を感じさせる少し早めのテンポで進んでいきました。それは、これまでの圧巻のパフォーマンスが生み出した熱気と、充実感に満ちた会場の空気をそのまま映し出しているかのようでした。

そして、最大の感動はラストサビで訪れます。間奏中に静かにマイクを置いた玉置さんは、覚悟を決めたような表情で、生の歌声だけでパフォーマンスに挑みました。ラストサビのハイライトは、緻密に歌い分けられたサビの表現でした。1回目の

メ〜ロディ〜
泣きながら〜

では、吸い込まれるような美しい裏声への変化がホールを優しく包み込みます。対照的に、2回目の

メロ〜⤴︎ディ〜

ではグッと音程を跳ね上げ、パワフルな歌声が客席に迫ってきました。

最後は

泣かないで〜〜〜〜〜

と渾身の力を込めて歌い上げると、そのロングトーンに呼応するようにオーケストラの演奏も熱を帯び、見事な共鳴を果たします。最後の一節、

あの歌は心から…

までを伴奏とともに歌い、最後の

聞こえてるよ…

は完全なアカペラで。3階席にまで、玉置さんの心の奥底から響くような深い歌声が届き、感動と充実の最後を迎えました。

演奏が終わると、ステージ中央で玉置さんと湯浅さんが親密に言葉を交わしました。一息ついた後、湯浅さんが再び指揮台へと向かい、玉置さんがマイクを手に取ります。その瞬間、客席からは待ってましたと言わんばかりの拍手が沸き起こりました。

16. ファンファーレ

フルートの優雅でどこか和の情緒も感じさせる旋律で幕を開けると、会場の空気は一変。大きな拍手が発生するスタートになりました。その後、ハープの連弾と打楽器の連打、そして金管楽器が豪華に奏でるハーモニーを合図に鮮やかに転調し、アップテンポな前奏へと突入すると、客席のボルテージは一気に沸点に達しました。

Aメロでは、湯浅さんが「田園」の時と同じように手拍子を凛と制しました。その後はストリングス隊による軽快な指弾きをはじめとする、繊細なオーケストラの演奏が繰り広げられました。そのリズムに乗せて、玉置さんも実にテンポよく歌い進めていきました。

そしてサビ前、

そのまま生きていきなさい 行きなさい

のフレーズとともに、金管楽器による文字通りの豪華な「ファンファーレ」が高鳴り、上昇気流に乗ってサビに突入しました。最高潮の盛り上がりの中、玉置さんは

愛に向かっていきなさい

と真っ直ぐに手を伸ばし、力強いメッセージを届けました。

特に印象的だったのは、後奏での一幕です。昨年のソロツアーで見られた情熱的なシャウトを封印し、玉置さんはオーケストラが奏でる音色に合わせて、ゆっくりと、そして丁寧に客席の隅々まで手を差し伸べました。4階席から1階席まで、一人ひとりに語りかけるようなその慈愛に満ちた姿は、非常に大きな存在感を放っていました。

最後は、一度音を絞ってから再び押し寄せるシンフォニックならではの壮大なアレンジ。湯浅さんの激しくも華麗な指揮と、天に向けて力強くガッツポーズを決める玉置さんの姿が見事にシンクロし、西宮公演を締めくくる最高のフィナーレを迎えました。

会場が割れんばかりの拍手と歓喜に包まれる中、玉置さんはステージ中央に立つと、マイクを通さず、

玉置さん
玉置さん

ありがとう〜!!!

と叫びました。その声はホールの隅々にまで響き渡り、観客の心に深く突き刺さりました。

玉置さんと湯浅さんが一度ステージを後にしても、拍手は一向に鳴り止みません。それに応えるように、二人は再びステージへ。鳴り止まぬ賞賛の中で入退場を繰り返す姿は、この公演の充実ぶりを物語っていました。

特に2日目は、さらにその熱気が高まりました。二人が退場をした際、コンサートマスターの森下さんは一歩後ろに引いて、下手の様子を静かに伺っていました。観客の期待が最高潮に達したその時、玉置さんと湯浅さんが三度みたび登場を果たします。玉置さんは森下さんと温かく言葉を交わすと、そのまま上手端まで歩み寄り、オーケストラ一人ひとりを讃えるように丁寧に手を伸ばしました。楽団員への深い敬意と、会場全体を包み込むような慈愛。その光景に、客席からはさらに大きな拍手が沸き起こりました。

玉置さんと湯浅さんが最後にステージを去ると、森下さんが凛とした佇まいで一歩前へ。オーケストラを代表して深々と一礼を捧げ、楽団が退場を始めました。その後、しばらく経ってから余韻を壊さない完璧なタイミングで流れた館内アナウンスが、西宮2日間の素晴らしい公演の終わりを告げました。

以下、本公演のセットリストです。

4. セットリスト

billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026
“Fanfare”
3月21日・22日
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
セットリスト

【一部】
1. ファンファーレ(管弦楽)
2. 歓喜の歌(管弦楽)
3. GOLD
4. キラキラ ニコニコ
5. いつもどこかで
6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)
7. Friend
【二部】
8. 『スラブ舞曲集』より 第8番(A.ドヴォルザーク)
9. 純情
10. 行かないで
11. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)
12. JUNK LAND
13. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
14. 田園
15. メロディー
16. ファンファーレ

5. 公演後の様子

公演後の会場の様子です。

素晴らしい2日間の西宮公演になりました。

今回のツアーを通して強く感じるのが、ツアータイトル曲「ファンファーレ」の充実感です。日を追うごとに玉置さんの歌声は深みを増し、その力強さは聴く者の魂を震わせます。同時に、オーケストラによるサウンドアレンジも回を重ねるごとに洗練され、より鮮やかな色彩を帯びてきているように思います。

「Fanfare」という祝祭の響きが、これから各地でどのように進化を遂げていくのか。次なるステージへの期待がさらに高まる、最高の2日間でした。

こばかず

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