玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 ~blue eggplant field(8/14・15)@神戸国際会館こくさいホールの感想とセットリスト

ブログ
この記事は約38分で読めます。

先日の8月14・15日、玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 Concert Tour 2025 〜blue eggplant field@神戸国際会館こくさいホール公演に参加しました。

※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは24会場34公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。

今回は2公演分をまとめて記載します。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

8/14 1日目

8/15 2日目

丸みを帯びたアーチが魅力的な会場の外観でした。

2. サポートメンバー

本公演に参加するサポートメンバーは以下の通りです。

(敬称略)
キーボード:トオミヨウ
ギター:秋山浩徳
パーカッション:中北裕子
ベース:千ヶ崎学
ドラム:松原"マツキチ"寛
サックス/フルート:門田"JAW"晃介
バイオリン:吉田宇宙
バイオリン:名倉主
ヴィオラ:舘泉礼一
チェロ:村中俊之

本来、これまでの2公演に参加予定であったヴィオラの舘泉さんが肩の怪我から復帰し、無事に初日公演を迎えました。

3. 第一部の様子・各曲の感想

1日目の座席は1階席中央やや上手寄り、2日目は同やや下手寄りでした。両日ともに、良い距離感でステージを見渡すことができたと思います。

開演時間のちょうど1分前、楽器スタッフが上手から現れて、青のバスカリーノをステージの中央に置きました。このスタッフが捌けたところで場内が徐々に暗転。完全に辺りが暗くなるのと同時に、上方からスポットライトがバスカリーノを照らす演出が始まりました。こうした中、サポートメンバーが下手から入場してきます。ここまでの2日間、黒いジャケットを羽織ったトオミさんの衣装に変化があり、黒いインナーに白いシャツを重ねるラフなスタイルになっていました。全員がそれぞれのポジションに着いてしばらくすると、門田さんのサックスが長い一音を出してパフォーマンスが始まります。

1. あこがれ

この長音が鳴る中、トオミさんが4拍子の指揮を右手で丁寧に振り、ピアノとストリングスの合奏で曲がスタート。同曲の王道的な形でインストゥルメンタル曲が始まりました。

しかしながら、ほどなくして楽曲のサウンドに変化が生まれます。最初の節を終えたところで、秋山さんのスチールギター演奏が入り込み、空間を歪ませるようなうねりを作り出しました。また、その後はサックスが主旋律を演奏して、途端に深みのあるテイストに調子が変わりました。

特徴的なサウンドアレンジはまだまだ続きます。曲の終盤、演奏音がパッタリと鳴り止んで一旦落ち着くと、松原さんのドラムが豪快に連打されてから演奏が再開する編曲。全体的にエッジの効いたアレンジが施されたインスト曲が終了しました。

2. 青い“なす”畑

再び青のバスカリーノをスポットする照明演出。ここで弦カルテットの前演奏が始まり、その中を玉置さんが上手の舞台袖から登場してきました。歩みを進めながら観客の拍手に応え、その足取りはバスカリーノに向かっていきます。目的地に辿り着くと、今度はゆっくりとギターを肩にかけ、余裕のある歩調で、弦を弾きながらマイクスタンドの前に移動しました。次第にストリングスの演奏も終わり、静寂が包む場内。ここで玉置さんが会場の音響を確かめるように、ハミングやフェイクを語りかけました。

こうしたわずかに緊張感が漂う最中、突如として始まった

とまと畑がある…

の歌声。発音良くパッと視界が開けるような感覚がありました。序盤は玉置さんの弾き語り形式で進み、ところどころで中北さんの吹く繊細な鳥笛の音が聴こえてきます。柔らかいギター音に、精巧な鳥の鳴き声、そして玉置さんのまっすぐな歌声。北海道の大自然を連想させるようなサウンドに、早くも目が釘付けになっていきました。

曲の途中、

手をかけ汗まで流して ひとりで耕す勘違い

からは、今度は中北さんのパーカッションが先行して入ってリズムを生み、直ちに秋山さんのスチールギターが演奏に加わる編成になりました。独特なギター音による波長の変化が幻想的な空間を作り出し、異世界に来たような雰囲気さえ流れました。

曲も終盤に入った、

広がるそのまんまでいい
ちっちゃなこのまんまもいい

からは、ストリングスをはじめとする他の楽器も演奏に加わって、曲に盛り上がりが生まれていきます。これまで薄暗かったライトも明るくなり、鮮やかな青色の照明がステージを包みました。まさに本パートの最後に表れる、

青い青い空がいい

を象徴するような演出で、綺麗な青空が広がったようでした。

最後は一転して、ステージが暗転される中を玉置さんとトオミさんが白く強調される演出に変化。

大切な家がある とまと畑のそば

のパートを、ピアノの伴奏に合わせて静かに曲が進んでいきました。曲の中で多彩な編曲が顔を出し、どのサウンドも非常に心地良い感覚を持ちました。それがまた、

強く強く生きていた

からは再び他楽器の演奏が入り、みんなで曲のフィナーレを迎えます。

歌唱パートの終了後には、松原さんのドラムが強く一発されて後奏がスタート。温かみのある曲調の演奏下で、玉置さんが同曲のメロディーを口ずさみ、ツアータイトル曲が終了しました。

3. からっぽの心

ギターをギブソンに変える玉置さん。すると、弦カルテットとサックスのアンサンブルで曲の前奏が始まります。ストリングスが織りなす高低ハッキリと分担されたハーモニーが素晴らしく、今ツアーの人選にピッタリと合致したサウンドでした。

残響の余韻が残る中、大きな間を空けて玉置さんの歌唱パートがスタート。それと同時にドラムの音が力強く刻まれ、リズミカルな始まりになりました。ここからは中北さんが客席に向けて手拍子を送り、観客もそれに反応。客席からも手拍子が発生して曲が進んでいきました。以降、序盤は秋山さんのエレキギター演奏が随所に光るサウンドアレンジで、曲を前に推し進めていくエネルギッシュなパフォーマンスを見ました。

サビからは、ステージ下手サイドにも大きな見どころが生まれます。

歩いて(※)
歩いて(※)
歩き疲れたなら

(※)部分で、トオミさん・吉田さん・名倉さんがコーラスを担当。

Way

というように、歌詞から「道」と直訳するにふさわしい歌声を、それぞれの目の前に設置されたマイクに吹き込んでいました。

2番も引き続き、秋山さんによるエレキギターの演奏が至る所に表れる編曲。この部分がこれまで参加した2日間とやや変化しているように感じました。ここまでの2公演では、門田さんのサックスがオブリガートを担当する場面がよく目立ちましたが、この2日間はその演奏よりも秋山さんのギター音が優勢だったように思います。

それが2番終了後の間奏は、従来通りに門田さんのサックスがソロパートを担当。とても奥行きのある芳醇なサウンドが曲を彩りました。曲の最後は、

そこがどんなところか

を玉置さんがトオミさんのピアノ伴奏に合わせて歌って静かに終了。その後は前奏と同様に、弦カルテットとサックスの後奏で曲が締めくくられました。

4. それ以外に何がある

スタンドからマイクを外す玉置さん。1日目はここで一言シャウトを入れる姿がありました。その後、シンバルの微弱な音が合図になり、吉田さんのバイオリンがきめ細やかな弦のタッチを披露して華やかな前奏が始まります。

歌唱パートに入ってからは、玉置さんのタメを作る歌い方が印象に残りました。公演を重ねて肩の力が抜けて、良い意味で楽になってきたように見受けられます。1番のラストには、大きなジェスチャーも確認しました。

僕らはつながっていたんだろう

で右手を前に出して、上手から下手に向かって差し伸べる動作。ゆっくりと客席を覆うこの仕草は、壮大なものがありました。

2番終了後の哀愁漂うCメロ、

孤独も恥も嘘さえも痛みも怒りも

からは、ステージが暗くなって玉置さんが白くライトアップされていきます。ここでは伴奏も静かになり、玉置さんの歌声がよく強調されました。

曲ラストの、語りかけるような

それ以外に何がある

は、トオミさんのピアノと秋山さんのギターが伴奏を担当。ステージ前列の3人を明るく照らして、そのパフォーマンスが引き立てられました。続く後奏では、玉置さんが民謡調子の裏声を一本入れて、その後はメロディーに合わせたフェイクを歌うラストで曲が終了しました。このとき、トオミさんが右手を握る指揮に合わせて、玉置さんがマイクをその方面に突き出すポーズも見せました。

5. 太陽さん

前曲の拍手が鳴り止まない中、この音に重なるように中北さんのパーカッションソロがスタート。はじめはその姿を白く照らし、徐々に赤くなっていく照明がリズミカルな演出を飾りました。このソロパフォーマンスが終わると、同曲のリズムを松原さんのドラムと2人で奏でて曲が始まります。1日目はこのタイミングで玉置さんが叫び、中北さんもそれに応えるシャウトの応酬がありました。以降は玉置さんが観客席に背を向けて両手を大きく広げ、身体を左右に振りながらリズムを取ってました。また、ここで楽器スタッフがステージ後方に現れて、FENDERの黒いギターをスタンドに置きました。

やがて歌唱パートが始まろうとするポイントで、2日目は大きな変化を見ました。渋いエフェクトがかかった

太陽さん おはよう

の声がトラックから流れるところで、玉置さんがこれを歌わずに激しく叫ぶパフォーマンス。強烈な始まりになりました。

その後は打楽器とベースといったリズム隊の演奏が高鳴る中を曲が進行。骨太なビートが脈を打って曲のグルーヴ感を作り出していました。玉置さんの歌声や姿も過激になり、とてもメリハリのある様子に変貌を遂げました。

影になっても毎日 決して絶えないで

では大きくのけ反りながら歌う姿があり、

あの娘に伝えて 太陽さ〜〜〜ん

ではトーンの途中でマイクから離れていく、迫力ある歌い方を見せました。また、後者の場面では、全体が暗くなってからライトが赤くなる照明に、太陽が上がっていく様子を感じました。

2番に入ると、2日目はここに玉置さんのジェスチャーも加わるようになります。

あこがれていた通りに 思ったまま生きて
心は曲がることなく 迷わずにいて

では右手を前に出して外側に素早くスライド。そのまま手を胸にトントンと当てていました。

気まじめが取り柄の 年老いたオヤジの
誇りになれるような 正直者になり

でもゆっくりと胸に拳を当てる仕草があり、とてもたくましい姿で2番が進みました。

玉置さんの歌唱パートが終わって後奏が始まると、まずはトオミさんのピアノが主旋律を担当。軽快に弾けるような演奏が見事でした。次のパートからは役者が変わり、吉田さんのバイオリンがメインとなるストリングスの合奏に切り替わります。ピアノ演奏からの繋がりがとても華麗で、最後まで見どころ満載のパフォーマンスでした。また、このアウトロでは、玉置さんが曲前にスタンドへ置かれたギターを肩にかけ、時折サポートメンバーの方を向きながら弦を弾いていました。曲のラストは、本曲のリズムを司った打楽器隊が豪快に叩かれて終了。ロックミュージックとR&Bの雰囲気が溶け合ったような、ダイナミックな楽曲が完結しました。

6. 古今東西

曲前を飾るバンドメンバーの演奏がスタート。水色が眩しくなかなかステージの様子が直視できない照明演出下、各楽器の音が過激にひしめいていきます。玉置さんはここでスタッフからギターを渡されて、同曲では最初から肩にかけてのパフォーマンスになりました。このギターはおそらくマーティン製のもので、フィンガーボードに

D・ENEN

と装飾された、最近よく見るモデルだと思います。前述した猛烈な前演奏を抜け出すと、秋山さんのエレキギターがメインとなる前奏で曲が始まりました。

ここで玉置さんが渋く、

Ride on

の歌声を入れて歌唱パートに入ります。前回の8/11@大宮公演では、ここから弦カルテットのメンバーがその場で手拍子をする姿が印象的でしたが、この2日間は落ち着いた様子でした。しかしながら、観客席からは自発的に手拍子が起こり、ボルテージが上がって曲が進みました。

この曲も、特に2日目で玉置さんのジェスチャーがよく目立ちました。曲の序盤、

何だかかんだ 言ってないで
何から何まで捨てるんだ

では右手を斜め下に向けてバッサリと叩くような動作。中盤の

野を越えて 山越えて
真面目も不真面目も飛び越えて
海を行く ①空を行く
ところ構わず愛が行く

では、

①目の前に向かって大きく手を伸ばす
②右の拳で胸に叩いたのちにまっすぐ伸ばす

といったモーションをしていました。こうした動作も公演を重ねていくうちにどんどん定番化されていくと思うため、今後も注目したいです。

本曲はサポートメンバーの演奏も非常に充実した構成になっています。曲の半ばの間奏では、秋山さんのエレキギターがソロパートを担当。紫と白のライトが交互に煌めく演出下でパフォーマンスが行われました。玉置さんもその元に歩み寄り、ギターの掛け合いを行いました。

曲が大詰めを迎える部分の間奏は、まず吉田さんがソロ演奏。その場に立ち上がり、バイオリンの速弾きが主旋律を奏でました。ここでは、ライトが緑と白に瞬時に点滅する演出でした。このパートが終わると、途切れることなく隣に位置する門田さんのサックスソロに切り替わります。照明の色も瞬時にスイッチングされ、オレンジと白が激しく光り輝く演出に変化しました。また、ここからは門田さんがステージの前方に移動して、玉置さんもそちらに近づき、ギター×ソプラノサックスの応酬が行われました。これまでの2日間は、門田さんが自身のポジションでソロパートを演奏していましたが、今回はステージの前に移動する変化がありました。一歩二歩と前進する門田さんの姿勢は、その格好がより大きく見えました。

曲のラストはドラムが豪快に叩かれ、玉置さんが松原さんを指差す合図で曲の締めを指揮。最後まで力強いリズムで曲が終了しました。

7. 最高でしょ?

玉置さんの一声、

最高でしょ?

で曲がスタート。この歌声もよくエフェクトがかかっていることから、おそらくトラックで発せられた音だと思います。曲が始まるのと同時に、ステージのバックに小さなミラーボールが2つ設置される演出。ここから放たれる細やかな光の粒子がグルグルと回って、会場の雰囲気が妖艶なムードに包まれました。

序盤、玉置さんの印象的な歌い方を確認しました。

わかままばかりで 本当にごめんなさいって

のところ。

わがままばかりぃ〜で

というように、言葉を伸ばすスタイル。悠然とした空気感によく合ったアレンジでした。2日目はその後、

そして 裸になって キスをして 抱き合って

のポイントで両腕を抱きかかえるジェスチャー。歌詞にマッチした色っぽい動作がありました。

曲がスローテンポからアップテンポに転調するパートでは、玉置さんが叫ぶ

愛して〜!

の歌声を合図に、松原さんのドラムがソロ演奏をスタート。勇敢な打楽器音が響き渡り、スピードの変調がなされました。この1人でガラリと雰囲気を変える演奏が素晴らしく、以降はリズム感がどんどん曲を前に推し進めて、グルーヴが生まれました。

ここからは屈強なリズムが曲を支配する中、玉置さんのスピーディーな歌唱が始まります。以降の一糸乱れないビートを刻んだ歌声が見事でした。また、ジェスチャーもふんだんに取り入れ、まだまだ余裕のある姿も見せました。特に印象に残ったのが

愛し合えたら夢見る頃にふたりとも
その目その手その顔すべて輝いて
バックミラーにきらめく街はシャンデリア
月の砂漠は夜の果てまでふたりきりさ
この目この手この顔すべて輝いて

の部分です。

その(この)目🫴
その(この)手👐
その(この)顔🤲
すべて輝いて

というように、一言一言に合わせて、

①右手を前に出す🫴
②両手を前に出す👐
③両手を丸く覆う🤲

動作をしていました。

スピード感あふれる歌唱が一旦落ち着く間奏では、千ヶ崎さんのベースソロと門田さんのサックスソロがありました。両者を白い光が照らして、とても活気ある演奏が行われました。終盤には玉置さんがスタンドからマイクを外して、ステージを横に移動しながら

最高でしょ?

の歌声を連発。目の前の観客が沸く光景が広がりました。曲のラストは、

ひとりで遊ばないで

を激しく叫ぶシャウトスタイルで締めくくり。2日目はその直後にドラムソロの演出が追加され、これまでの公演からの変化を見ました。

8. コール

弦カルテットの合奏で曲の前奏が始まります。前曲までで過熱された会場の熱気が一息にクールダウンするように、バラード曲がスタートしました。序盤は秋山さんが演奏するアコースティックギターの伴奏に合わせて、玉置さんが丁寧に歌い進めていきます。この軽やかなサウンドアレンジも見事な組み合わせでした。

サビでは、松原さんのドラムが局所的に入る演奏が曲を飾ります。


叫ぶか

聞こえたらすぐ
ここへ来てほしい

と太字で示したように、玉置さんの語気に調和するような強い打撃が生まれました。

2番に入ると他楽器の演奏も加わり、さらに盛り上がって曲が進んでいきます。特に、2番のサビからラストサビに向かう短編の間奏では、ここでもドラムが激しく連打され、パワフルな様子も垣間見える展開に変化。以降は玉置さんの歌声にもとても力がこもり、鬼気迫るような勢いと表情で歌い上げる、圧倒的な姿が記憶に刻まれました。

後奏が始まって少しすると、玉置さんがマイクを持ったまま上手に向けて退場していきます。雄大なバック演奏が続く中、その姿に向けて観客席から拍手が送られました。最後はトオミさんのピアノと秋山さんのギターで静かに演奏がフィナーレ。激動の第一部が終了しました。

4. 第二部の様子・各曲の感想

9. 青い“なす”畑(Instrumental)

約20分の休憩後、第二部が始まります。第一部と同様、下手から入場するサポートメンバー。全員がそれぞれの位置に着くと、第二部のインスト曲がスタートします。

トオミさんのピアノと吉田さんのバイオリンが「鮮烈」に重なる「旋律」で曲が開始。特に吉田さんの高弦がとても華やかな曲調でした。次第に他の楽器演奏も入って豊かなアンサンブルになると、やがて秋山さんのアコギが静かにソロパートを演奏しました。スタートは下手を飾ったスポットライトが上手に移動して、また音の移り変わりも軽快に行われました。

演奏が一旦鳴り止むと、門田さんのサックスソロが始まります。ここでようやく歌詞パートがメロディーの中に顔を出し、ツアータイトル曲を認識するに至りました。

とまと畑がある 家の庭の限られた
そこで真っ赤に色づくと
「思われ」「慕われ」「覚悟した」

の箇所を演奏。第一部で見た玉置さんのボーカル付きのパフォーマンスと同様に、ここでも中北さんが鳥笛を吹いていました。

このソロパートが終了すると、再び静かな空間に変化。こうした沈黙の様相を打ち破ったのは、またしても松原さんのドラムでした。突如に打楽器音が連打されて盛り上がり、この音を皮切りに他楽器も入って演奏が1つになっていきます。以降は同曲の主旋律を演奏しているような、でもどこかそうじゃないような、絶妙な編曲で曲が進んでいきました。

曲のラストは、トオミさんのピアノが「しっとりと」担当。

とまと畑の“青い”なす

と、最後は曲のメロディーを演奏して、タイトル曲であることを「しっかりと」改めて実感させられるフィナーレでした。

10. 嘲笑

トオミさんのピアノ演奏で、早くも同曲の前奏がスタート。ここで玉置さんが上手からステージに姿を現します。マイクスタンドからマイクを外して、丁寧にスタンドを後方に置くと、玉置さんの

ヘイ〜

といった歌声で曲が再開します。また、この一声が発せられるのと同じくして、今度はストリングス隊が前奏を担当。弦カルテットの華美な演奏で始まりました。

序盤はトオミさんのピアノと秋山さんのギターが伴奏を担う、バラード曲によく合う形で進行。落ち着いた演奏下で玉置さんの低音域の歌声がよく響き、またそのハーモニーが見事でした。

百年前の人 千年前の人
一万年前の人 百万年前の人

からはストリングスの鮮やかな演奏が加わり、そのままサビに向かう展開になりました。徐々に演奏が華やかに変化していき、玉置さんの歌声と溶け合うサウンドが見事でした。

1日目、間奏時に特異的な光景を目にしました。間奏の主旋律を吉田さんのバイオリンが演奏しているところで、玉置さんが左手を左の耳元に近づけて、軽く上に伸ばすような合図。ジェスチャーにしてはとても小さかったため、これはおそらくPAにイヤーモニターの音量アップを促したものと思われます。その後、2番の歌唱パートが始まってすぐのこと、玉置さんは頷きながら歌っていたため、ボリュームの調整が完了したことを音響スタッフに向けて暗に知らせたのだと思いました。

2番は、序盤から多くの楽器が演奏に入って曲を彩りました。中でもドラムの音がよく目立ち、静かな曲調ながらもサウンドの輪郭を形成する、力強い打楽器音が光りました。玉置さんの歌声は、サビのトーンで強弱をつける歌い方が印象に残りました。

ほとんど変わりがない
何にも変わりがない

のところ。伸びやかなロングトーンから始まり、その後は1度歌唱を止めて、

いぃ〜⤵︎

といった繊細な歌声で締めくくり。ワンフレーズの中で抑揚をつけた歌い方が見事でした。

2番終了後の間奏は、秋山さんのギターと村中さんのチェロによる、高低の差が大きい弦楽器が担当。ステージの両端にスポットライトが当たり、ギターが軽やかな演奏の下で、チェロの低音が重たく響きました。2日目は、この演奏中に玉置さんが時折口笛を吹いていました。

11. しあわせのランプ

2日目(8月15日)の曲前、おそらくこの日限りと思われる演出がありました。回数にして2度鳴る乾いた鐘の音。玉置さんも胸に手を当てて、静かにこの音を聴いていました。

その後、哀愁を感じる弦カルテットの曲前演奏がスタート。ここで玉置さんは再び青いバスカリーノを手にして、曲の始まりに備えました。ストリングスの演奏が終了後、

しあわせになるために 生まれてきたんだから

と玉置さんの弾き語りで本編が開始。暗いステージで玉置さんのみをスポットした照明で、その優しい歌声、ふくよかなギター音、大きな姿がフォーカスされました。

曲の中盤、

それでもどうしても やりきれなくなったときは

からはサポートメンバーの演奏も入り、輪をかけたように温かみのある雰囲気が広がりました。その後の間奏は秋山さんのエレキギターがソロで担当。メロディーラインがとても綺麗で流暢な演奏でした。

続くCメロ、

もしも君のランプがなけりゃ 闇に迷う人がいるよ

以降は、キレのあるストリングスの伴奏下を玉置さんが歌い、徐々に盛り上がりが生まれていきます。そこから曲がヒートアップするクライマックスでは、玉置さんと故郷楽団メンバーの見事な連携を見ました。

この・・・・星を見つめて
めぐりあった頃のことを思って

の、フレーズ間に大きな余白が生まれてから歌唱パートが再開するところ。玉置さんの歌い始めに合わせて、一斉に楽器演奏が続きました。みんなが玉置さんの背中に集中してそれについていく光景は、まさにソロツアー活動の縮図をステージで表現されているようで、感動的なものがありました。

一転して、曲の最後は静かに終了しました。

しあわせになるために 生まれてきたんだから
好きな人と一緒にいなさい

冒頭と同様、玉置さんがギターを弾きながら歌い上げました。弾き語りで始まり、弾き語りで終わる、心に響くパフォーマンスでした。

12. サーチライト

暗いステージ、中北さんの

1・2・3

の溌剌なコールで曲が始まります。途端にステージがパッとオレンジ色に明るくなる演出。上5つ・下4つに設置された2行のライトがステージから客席に向けて放射されて、色鮮やかな景色が広がりました。前奏時には早くも観客席から拍手が起こり、温かみのある空間が会場を包みました。

玉置さんの歌唱パートに入ると、ステージの上手サイドが活発な演奏体制になります。秋山さんのアコギが快活にメロディーを演奏し、松原さんのドラムと千ヶ崎さんのコントラバスがリズムを生み出しました。ここで、中北さんは手首を返すことで音が鳴る小楽器を演奏していました。序盤は、これらの演奏と玉置さんの渋い低音の歌声がよく合わさり、見事な音響を作り出しました。

サビからは下手のストリングス隊も演奏に入り、高音域の演奏も加わりました。今度はこのアンサンブルに玉置さんの裏声が溶け合い、ここでも素晴らしいハーモニーが生まれました。1番終了後の間奏時にも客席から拍手が発生すると、玉置さんがお辞儀で応えて2番に入ります。

2番も1番と大きく変わりがない形で進むと、ラストサビに向かうクライマックスの

サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ

では、玉置さんが客席に向けて大きく手を伸ばす、お馴染みのジェスチャーを展開しました。上層階の上手から下手に向けて手を差し伸べて、そのまま1階席に当てがうダイナミックな姿でした。

最後はトオミさんが右手を握る、バラード曲では見慣れた指揮で曲が終了。ここでも、その合図に合わせて玉置さんが右手に持ったマイクをトオミさんに向ける動作で、定番曲が締めくくられました。

13. じれったい

打楽器がリズム良く叩かれ、秋山さんのエレキギター演奏がロックな前奏で曲がスタート。ここで早くも観客がスタンディングになり、手拍子が巻き起こって曲を推進しました。本曲からは、玉置さんがF.C.G.Rの白いギターを肩にかけたパフォーマンスになり、これまでのバラード曲とは一線を画す熱い雰囲気が生まれました。

同曲は、曲中に表れる玉置さんの歌詞アレンジが2日間で異なったのが印象的でした。1番サビのラスト、

じれったい 心を溶かして
じれったい 体も溶かして
もっと もっと知りたい

では、

1日目:もっと もっと 神戸こうべを知りたい
2日目:もっと もっと 三宮さんのみやを知りたい

といった地名の変化がありました。2番のサビ、

止まらない ふたりの続きを
止まらない 夜まで続けて
ずっと 夢を見せて

では、1日目は原曲と同様に歌い上げたのに対して、2日目は

止まらない 神戸こうべの夜を

といった歌詞変更があり、観客を沸かせました。

その後の間奏は、サポートメンバーが輝くサウンドアレンジになります。先陣を切ったのが門田さんのテナーサックスソロで、やはりここでも演奏しながらステージの前方に移動していました。玉置さんもそれを迎え入れ、ギター×テナーサックスの掛け合いが行われました。この演出が終わると、今度は打楽器隊のパフォーマンスに移ります。松原さんのドラムと中北さんのパーカッションが激しくテンポを取り、リズム感あふれる演奏が繰り広げられました。

その後、歌唱パートが始まると、秋山さんのエレキギターが俊敏な演奏に合わせて玉置さんが歌います。ここからは、これまでソロパフォーマンスを引っ張ってきた奏者をはじめとするバンドメンバーが頭上で大きく手を叩き、観客に手拍子を煽りました。自身の演奏パートをクオリティー高くやり遂げて、その直後にはコンサートを盛り上げるための一役を買う積極的な姿は、とても美しく感銘を受けるものでした。

曲のラストは、同曲のリズムを支えた打楽器隊が強烈に叩かれるフィナーレ。玉置さんも最後は2人に近づき、豪快にギターを振る動作で音を止める曲の仕上がりになりました。

14. 好きさ

秋山さんのエレキギターソロが曲前を飾る演出。このパフォーマンスが、これまで参加した2日間よりも長く感じました。非常に甲高い音が鳴り響く怒涛の演奏で、演出が進むにつれてどんどん音が高くなり、やがて他のメンバーが秋山さんに指を差してその姿を強調するようになりました。

このソロ演奏を抜けると、玉置さんが客席に手を伸ばして、

好きさ

の歌声で曲がスタート。途端に観客席から黄色い歓声が上がり、引き続き大盛況でパフォーマンスが行われました。

この曲も2日間で大きな変化が表れました。特に注目するべきは1日目で、玉置さんがスタンドマイクを引っ張り、ステージを左右に移動しながら歌いました。まず1番で上手側に向かう玉置さん。スタンドを引きずるように斜めに傾けながら歌い、狭い歩幅で移動していきました。

折り返し地点は2番でした。

思いつめれば狂いそう

の曲がとても白熱する部分。ここで玉置さんがシャウトをしながら、下手に向けて移動し始めました。

こばかず
こばかず

このタイミングで引き返すんだ

と思いながらステージを見つめていると、次の瞬間にハプニングが起こりました。

離したくない

のところで、マイクが玉置さんの手元を離れて倒れそうになる事態。一瞬歌声が途切れ、玉置さんがしがみつくようにマイクを握り直す光景がありました。「離したくない」といった歌詞を具現化したような様子に、内心言葉遊びをしているようにも錯覚する場面でした。

最後の間奏で、再三に渡って玉置さんが

好きさ

と歌うパートでは、両日ともにスタンドからマイクを外してステージの左右に移動しました。1日目は下手で、2日目は上手でこの甘い歌声が入り、その度に目の前の観客が酔いしれました。

曲のラストは、ここでも玉置さんが打楽器隊に向けてギターを大きく振る合図。波乱のあったロック曲が終了しました。

15. JUNK LAND

ステージのバックスクリーンに「Kt」のロゴと「DEKISOKONAI」の合言葉が投影される演出。前奏は昨年と同様、バイオリンの音域が流れるように上がっていく綺麗な演奏で始まりました。

玉置さんの歌唱パートに入ると、本曲の特徴である快活なビートが刻まれる中を曲が進んでいきます。特にドラムとベースがこのリズムを作り出し、乗りの良いグルーヴが生まれました。

曲の中盤、

待ってる人のその前で
泣いてる人のその前で

以降は、ステージ下手サイドの動きが活発になります。バイオリンの2人、吉田さんと名倉さんが頭をガンガン振りながら演奏するヘッドバンキング奏法。前回の8/11@大宮公演では、やや落ち着いた印象に見えた2人の動きに切れ味が戻っていました。一方で、ギターの秋山さんは、ステージの対角からその様子を羨ましそうに眺めていたのが印象的でした。そこからはその場でステップを踏んでみたり、とにかく心躍る世界が広がりました。また、ここで玉置さんの動きに目を移すと、バラエティー豊かなジェスチャーを一言ごとに見せていました。この格好はリズムに合わせて踊っているようにも見え、実に陽気な姿を確認しました。

曲のクライマックス、

ガラクタだけど 心を込めて

以降は弦カルテットがその場に立ち上がり、またサポートメンバーの多くが頭上で大きな手拍子を行います。上手から順に、中北さん・松原さん・千ヶ崎さん・門田さん・吉田さん・名倉さんの揃った手拍子がとても綺麗でした。

すると、続く2番目のパートが玉置さんの合図で観客の合唱になります。

(ガラクタだけど 心を込めて)
緑の丘で ふたりで暮らそう

のところでやや上手に移動して、両手を広げて観客の歌声を引き出しました。

以降は手拍子をしていたメンバーも演奏に加わり、最後は全員でパフォーマンスが締めくくられます。2日目は、後奏が始まるタイミングをメンバーには背を向けながら、玉置さんが右手を振って指揮をしました。この伴奏に合わせて玉置さんがフェイクを歌い、最後はギターを素早く手に持ち替えて、上に掲げる動作で終了しました。

曲後、2日目にはギターを抱きかかえるジェスチャーを観客に見せました。続いて後ろに振り向き、「Kt」のロゴに向けて大きく手を伸ばしました。

メンバー紹介

ここでメンバー紹介が始まります。玉置さんが上手側のメンバーから順に、ギターを右手に持ったまま担当楽器と名前を呼び上げていきました。

パーカッション・中北裕子
ギター・秋山浩徳
ドラムス・松原"マツキチ"寛
ベースギター・千ヶ崎学
サックス・門田"JAW"晃介
1stバイオリン・吉田宇宙
2ndバイオリン・名倉主
ヴィオラ・舘泉礼一(※1)
チェロ・村中俊之(※2)
サウンドプロデュース&アレンジ、キーボード・トオミヨウ(※3)

(※1)1日目は、舘泉さんの紹介後に大きな間が空きました。初日から2日間、肩の怪我で欠場した奏者を「大丈夫か?」と玉置さんが労っているように見えました。2日目には、玉置さんが自身の肩をさする動作をしていました。
(※2)1日目は、紹介後に村中さんが隣に位置する舘泉さんの右肩を撫でる動きをしていました。
(※3)ここまでの2日間、トオミさんの楽器を「ピアノ」と紹介していた玉置さん。この2日間は「キーボード」になりました。また、紹介後には玉置さんがトオミさんの元に歩み寄り、2人が両手で握手を交わしました。玉置さんはその途中でギターをスタンドに置いてから、トオミさんのポジションまで移動しました。

16. 田園

曲のスタートと同時に玉置さんが観客席に向けて両手を向ける動作で、ドラムとベースが勇ましい前奏が始まります。そこから玉置さんの発声パートに入ると、オレンジ色のシンプルな照明が明るくステージを照らしました。このライティングは、終始変化することなく、とても鮮やかな橙色が場内を彩りました。

歌唱パートが始まると、頭上で手拍子をするバイオリンの2人。それに応えるように、この曲も客席から大きな手拍子が巻き起こって進行しました。序盤は、これまでのパフォーマンスをよく牽引した秋山さんのエレキギター演奏がよく際立つ編曲。玉置さんの歌声に重なるカウンターメロディーが、随所に渋く入りました。

サビに入るとストリングスの演奏も加わるようになり、その場に立ち上がったままパフォーマンスが続きました。ラストの地名を入れたアレンジは、両日ともに

愛はここにある 兵庫ひょうごにある

と県名を用いた歌詞で、

兵庫に〜〜〜ある

というように玉置さんが歌い上げました。この瞬間、観客席がより一層と盛り上がり、会場のボルテージが最高潮になりました。

2番に入ると、今度は門田さんのテナーサックスが助奏を担当して、輝かしい演奏が広がります。2日目には、隣に位置するバイオリンの吉田さんが門田さんに近づき、また門田さんは吉田さんの方を向いて懸命に演奏をする場面がありました。ステージ上で音楽を通じてコミュニケーションを取り合う姿を見ました。上手サイドでは、秋山さんがその場をエアーで走る動作もあり、ステージがとにかく活性化されていました。

最後まで大盛況で突っ走り、曲のラストを迎えます。前曲と同様、曲の締めくくりでは玉置さんが肩にかけたギターを手に持ち替えて、故郷楽団メンバーに向けて強く押し出す決めポーズで終了しました。

曲後は観客席から大きな拍手が起こり、それがしばらく続きました。やがてバンドメンバーがその場に立ち上がり、客席に向けて礼。その後も依然として続く観客からの拍手。次第にその音が一定のリズムを刻むようになり、手拍子のような勢いある音に変化しました。

しばらく経つと、玉置さんとトオミさんがアイコンタクトを取り合い、うなずく両者の姿。ここでトオミさんが椅子に腰をかける動作にしたがって、他のメンバーも次曲に向けた準備をしていきます。このタイミングで楽器スタッフがステージに現れて、今ツアーの象徴ともいえる青いバスカリーノを玉置さんに手渡して肩から下げると、再び観客席がヒートアップして次のパフォーマンスが始まります。

17. メロディー

静かな場内、トオミさんが演奏するピアノの短編前奏でスタート。直後に玉置さんの

あんなにも好きだった…

の歌声が入ると、また雰囲気がガラリと変わって曲が進んでいきました。序盤はピアノの伴奏に合わせて玉置さんが歌う、バラード曲の定番の形。特に2日目は、そのスピード感がゆっくり目だった印象があり、玉置さんの余裕ある歌い口が存分に伝わってきました。

サビからはストリングスの演奏、2番以降は打楽器やベースの音が入り、少しずつ曲調が盛り上がっていきます。この、やがて故郷楽団メンバーの演奏が1つになり、溶け込んでいく光景がとても感動的でした。同曲の旋律や歌詞のメッセージ性も相まって、聴衆の心を動かされる演出が目の前に広がりました。

2番終了後の間奏は門田さんのサックスが担当。重厚感のある演奏でラストサビに向かいました。歌唱パートが再開すると、それ以降は再びトオミさんが演奏するピアノの伴奏下を玉置さんが歌い進める形になります。1日目は、

メ〜ロディ〜
泣きながら〜〜〜

のトーンがワンテンポ遅れる入りになりましたが、強い歌声が響きました。続く

遠い空流されても

からは他楽器の演奏も加わり、またしても楽団が1つにまとまっていきます。最後は、

メ〜ロディ〜
泣かないで〜〜〜

といった玉置さんの歌声が、マイクを介して非常に力強く響き渡りました。マイクオフが多いこのパートですが、マイクありだとこんなにも声量が生まれるんだと、凄み・迫力に圧倒されました。その後は、ここでようやく玉置さんがギターの弦に指を当てて、いよいよ弾き語りになります。

あの歌は心から聞こえてるよ

のところ。ここまで再三にして見せ場を作った、バスカリーノの贅沢なギター音と、玉置さんの深みある歌声が見事に溶け合い、充実感あふれるラストを迎えました。この歌唱パート終了後には、わずかに静寂が漂う中を、低弦のチェロ演奏を皮切りにして、直ちにストリングスの合奏が入って短編の後奏が演奏されました。

曲後はサポートメンバーがステージの前方に集まり、一列になって観客からのエールに応えます。その並び順は、両日ともに以下の通りでした。

(下手から)
Vc.村中さん
Va.舘泉さん
Vn.名倉さん
Vn.吉田さん
Key.トオミさん
Vo.玉置さん
Sax.門田さん
Ba.千ヶ崎さん
Gt.秋山さん
Perc.中北さん
Dr.松原さん

1日目は、両隣の人と握り合った手を上げる演出をするメンバーたち。この動作が終始とてもぎこちなく慣れない手つきで、客席から笑いが起こりました。そのためか、2日目にはこのパフォーマンスはありませんでした。

その後もしばらく続く観客席からの拍手。メンバーも長らくその音に浸っていました。やがて、タイミングを窺うように最端の村中さんが退場していきます。2日目には後の舘泉さんが続かず、村中さんが慌ててステージに戻りかける場面がありました。トオミさん以下のメンバーは、玉置さんの前を通るときにハイタッチやハグを交わしてからステージを後にしました。

5. アンコールの様子

玉置さんが1人残ったステージ。その後の演出が2日間で異なるため、分けて記載します。

8/14 1日目

玉置さん
玉置さん

(バスカリーノに手を伸ばす)

玉置さん
玉置さん

(水を手にする)

玉置さん
玉置さん

(水を飲み干す)

玉置さん
玉置さん

(空のペットボトルを客席に掲げる)

玉置さん
玉置さん

(再びギターに手を伸ばす)

玉置さん
玉置さん

(ギターを肩にかける)

玉置さん
玉置さん

(ステージの前へ移動)

玉置さん
玉置さん

(マイクスタンドを前に移動)

ここで玉置さんが一言。

玉置さん
玉置さん

いい?

観客
観客

歓声・拍手

Ec1. ワインレッドの心

弾き語りで玉置さんの歌唱がスタート。

もっと勝手に恋したり
もっとキスを楽しんだり
忘れそうな想い出を
そっと抱いているより
忘れてしまえば
今以上 それ以上
愛されるのに
あなたはその透き通った瞳のままで
あの消えそうに燃えそうなワインレッドの
心を持つあなたの願いが叶うのに
観客
観客

歓声・拍手

玉置さん
玉置さん

神戸の皆様で…まさかの大合唱

観客
観客

歓声・拍手

Ec2. 恋の予感

客電が灯る中、観客の合唱が始まります。途中、玉置さんは下手に移動しながらギターを弾きました。

なぜ なぜ あなたは 綺麗になりたいの
その目を 誰もが見つめてくれないの
夜は気ままに あなたを踊らせるだけ
恋の(※1)予感が ただ 駆け抜けるだけ

(※1)このトーンが大きくなる部分で、玉置さんが右手を上げて歌声のボリュームアップを促しました。

Ec3. 悲しみにさよなら

この曲は、玉置さんがギターを弾かずに歌唱が始まります。

泣かないで1人で
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから


(以降は玉置さんが指を鳴らして🫰リズムを取る)
(また、ここからは観客の合唱になる)
夢にまで涙が溢れるくらい
恋は壊れやすくて
抱きしめる腕の強さでさえなぜか
揺れる心を止められない


でも泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから


(以降は玉置さんの歌声が強くなる)
悲しみにさよなら
ほゝえんでさよなら
愛を世界の平和のために
玉置さん
玉置さん

(ギターをスタンドに置く)

玉置さん
玉置さん

(ステージ前方に移動)

観客
観客

(シーン)

すると、玉置さんが話し始めます。

玉置さん
玉置さん

ありがとうございます

玉置さん
玉置さん

この大変な状況の中…

玉置さん
玉置さん

お盆、とかね…?

玉置さん
玉置さん

この状況の中、ありがとうございます

玉置さん
玉置さん

ハモりましょう

観客
観客

歓声・拍手

Ec4. 夏の終りのハーモニー

観客との合唱で曲が始まります。

今日のささやきと昨日の争う声が
2人だけの恋のハーモニー

(以降は玉置さんが下のパートを歌う)
(ここから観客の合唱が大きくなる)

夢もあこがれもどこか違ってるけど
それが僕と君のハーモニー

夜空をたださまようだけ
誰よりもあなたが好きだから
素敵な夢あこがれを
いつまでもずっと
忘れずに〜〜〜
玉置さん
玉置さん

Oh〜!

玉置さん
玉置さん

(上手に退場)

観客
観客

歓声・拍手

その後、館内アナウンスが流れて1日目が終演しました。

8/15 2日目

玉置さん
玉置さん

(各楽器に手を伸ばす玉置さん)

玉置さん
玉置さん

(秋山さんのギターに近づいてかき鳴らす動き)

玉置さん
玉置さん

(テーブルに向かう)

玉置さん
玉置さん

(水を飲み干す)

玉置さん
玉置さん

(空のペットボトルを客席に突き出す)

玉置さん
玉置さん

(黒いタオルで手を拭く)

玉置さん
玉置さん

(アームカバーをまくる)

玉置さん
玉置さん

(ギターを手に取る)

玉置さん
玉置さん

(肩にかける)

玉置さん
玉置さん

(前へ移動)

Ec1. ワインレッドの心

すんなりと玉置さんの弾き語りがスタート。

もっと勝手に恋したり(※1)
もっとキスを楽しんだり
忘れそうな想い出を
そっと抱いているより
(※2)忘れてしまえば
今以上 それ以上
愛されるのに(※3)
あなたはその透き通った瞳のままで
あの消えそうに燃えそうなワインレッドの
心を持つあなたの願いが叶うのに

(※1)ここで玉置さんがマイクスタンドを前に移動しました。
(※2)このパートが語りかけるような歌い方になり、直後に観客から歓声が上がりました。
(※3)ここで「Nm〜」といったハミングが入り、観客から笑いが起こりました。

曲後、このタイミングで玉置さんが話し始めます。

玉置さん
玉置さん

みなさん…この状況の中…

玉置さん
玉置さん

みなさん!ありがとう!

玉置さん
玉置さん

あまり喋らないんですけど…
今日は喋ります!

玉置さん
玉置さん

今日は大切な日だもんね?
俺も本当は北海道に帰って、親父とお袋に手を合わせたかったんだけど、それはできず…
そんな大切な日に来てくれて、本当にありがとう!

玉置さん
玉置さん

まさかの皆さんの大合唱で…

観客
観客

歓声・拍手

玉置さん
玉置さん

(次曲の準備をする)

観客
観客

(シーン)

玉置さん
玉置さん

行く?

観客
観客

笑笑

Ec2. 恋の予感

観客の合唱で次曲がスタート。途中、玉置さんは上手と下手に移動しました。

なぜ なぜ あなたは 綺麗になりたいの
その目を 誰もが見つめてくれないの
夜は気ままに あなたを踊らせるだけ
恋の(※1)予感が ただ 駆け抜けるだけ

(※1)このトーンが大きくなる部分で、玉置さんが右手を上げて歌声のボリュームアップを促しました。

Ec3. I LOVE YOUからはじめよう

ギターを弾きながら活発に歌い始める玉置さん。この曲はソロで歌い上げました。

風の中 限りなく 夢があった
駆け抜ける ときめきで 信じ合えた

(以降、ギター音が止まる)
(観客の手拍子がリズムを取る中を玉置さんが歌う)

争いや疑いの 言葉を知って
触れ合える笑顔まで 遠くなったけど


(玉置さんが右の拳を突き出して歌う)
(観客の多くがそれに応えて同じ構え)
無くさないで夢を 忘れないで愛を
心を開いて

(玉置さんが両手を広げて観客に歌わせる)
I LOVE YOU I LOVE YOU I LOVE YOU More
玉置さん
玉置さん

Oh〜!

観客
観客

歓声・拍手

Ec4. 悲しみにさよなら

1日目とは異なり、玉置さんの弾き語りで始まります。

泣かないで1人で
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから


夢にまで涙が溢れるくらい
恋は壊れやすくて


(以降、ギター音が止まる)
(ここからは観客との合唱になる)

抱きしめる腕の強さでさえなぜか
揺れる心を止められない


でも泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから


悲しみにさよなら
ほゝえんでさよなら

(ここで玉置さんの歌声が強くなる)
愛を世界の平和のために
玉置さん
玉置さん

(ギターをスタンドに立てかける玉置さん)

玉置さん
玉置さん

(ネックを触る)

玉置さん
玉置さん

(ギターに手を伸ばす)

玉置さん
玉置さん

(ボディのノブを回す)

Ec5. 夏の終りのハーモニー

玉置さん
玉置さん

(右手で自分を指差す玉置さん)

玉置さん
玉置さん

(両手を客席に伸ばす玉置さん)

客席に合唱の合図を向けてスタート。

今日のささやきと昨日の争う声が
2人だけの恋のハーモニー

(以降は玉置さんが下のパートを歌う)
(ここから観客の合唱が大きくなる)

夢もあこがれもどこか違ってるけど
それが僕と君のハーモニー

夜空をたださまようだけ
誰よりもあなたが好きだから
素敵な夢あこがれを(※1)
いつまでもずっと
(※2)忘れずに〜〜〜

(※1)この休符で玉置さんが大きく叫びました。
(※2)玉置さんが一言一言で手を上下しながら唱和のタイミングを合わせました。

観客
観客

歓声・拍手

Ec6. MR.LONELY

突如、玉置さんが同曲の前奏を叫んでスタート。

玉置さん
玉置さん

Oh~~OhOhOh~
Oh~~OhOhOh~
Oh~Oh~OhOh~
Oh~Oh~OhOh~

玉置さんが脚で強くステージを踏み締め、迫力あるリズムを取りました。序盤は手拍子もして大胆なリズムが生まれました。2回目からは、観客の歌声も入ります。

観客
観客

Oh~~OhOhOh~
Oh~~OhOhOh~
Oh~Oh~OhOh~
Oh~Oh~OhOh~

同じパートがもう1回、合計3回にして行われます。今回も観客の合唱が優勢になりました。引き続き玉置さんはパワフルに地面を踏みつけて、メリハリあるリズムが生まれました。

観客
観客

Oh~~OhOhOh~
Oh~~OhOhOh~
Oh~Oh~OhOh~
Oh~Oh~OhOh~

玉置さん
玉置さん

(華麗に上手に退場)

観客
観客

歓声・拍手

2日目は合計6曲のアンコールに、観客席から歓喜が渦巻き、関西地方の開幕シリーズが大熱狂で終演しました。館内アナウンス後には、この熱気をクールダウンさせるように「青い“なす”畑」のオルゴール調のメロディーが場内に流れ、いつまでも充実感が持続するような雰囲気が漂いました。

以下、楽曲のセットリストです。

6. セットリスト

8/14 1日目

玉置浩二 with 故郷楽団 10周年
Concert Tour 2025 〜blue eggplant field
8月14日
神戸国際会館こくさいホール
セットリスト

【一部】
1. あこがれ
2. 青い“なす”畑
3. からっぽの心で
4. それ以外に何がある
5. 太陽さん
6. 古今東西
7. 最高でしょ?
8. コール
【二部】
9. 青い“なす”畑(Instrumental)
10. 嘲笑
11. しあわせのランプ
12. サーチライト
13. じれったい
14. 好きさ
15. JUNK LAND
〜メンバー紹介〜
16. 田園
17. メロディー
【アンコール】
Ec1. ワインレッドの心
Ec2. 恋の予感
Ec3. 悲しみにさよなら
Ec4. 夏の終りのハーモニー

8/15 2日目

玉置浩二 with 故郷楽団 10周年
Concert Tour 2025 〜blue eggplant field
8月15日
神戸国際会館こくさいホール
セットリスト

【一部】
1. あこがれ
2. 青い“なす”畑
3. からっぽの心で
4. それ以外に何がある
5. 太陽さん
6. 古今東西
7. 最高でしょ?
8. コール
【二部】
9. 青い“なす”畑(Instrumental)
10. 嘲笑
11. しあわせのランプ
12. サーチライト
13. じれったい
14. 好きさ
15. JUNK LAND
〜メンバー紹介〜
16. 田園
17. メロディー
【アンコール】
Ec1. ワインレッドの心
Ec2. 恋の予感
Ec3. I LOVE YOUからはじめよう
Ec4. 悲しみにさよなら
Ec5. 夏の終りのハーモニー
Ec6. MR.LONELY

7. 公演後の様子

公演後の会場の様子です。

8/14 1日目

8/15 2日目

両日ともに、非常に熱いパフォーマンスがステージで繰り広げられました。公演を重ねて、曲の中に余裕が生まれたようにも感じました。以降は参加するサポートメンバーも少しずつ変わっていく体制になります。今後もサウンドや演出の変化に注目したいです。

こばかず

コメント