玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 〜blue eggplant field(8/11)@大宮ソニックシティの感想とセットリスト

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一昨日の8月11日、玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 Concert Tour 2025 〜blue eggplant field@大宮ソニックシティ公演に参加しました。

※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは24会場34公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

大盛況が渦巻いた8月7日の立川公演から4日、大宮で本ツアーの2公演目が開催されました。

2. サポートメンバー

本公演に参加するサポートメンバーは以下の通りです。

(敬称略)
キーボード:トオミヨウ
ギター:秋山浩徳
パーカッション:中北裕子
ベース:千ヶ崎学
ドラム:松原"マツキチ"寛
サックス/フルート:門田"JAW"晃介
バイオリン:吉田宇宙
バイオリン:名倉主
ヴィオラ:大辻ひろの
チェロ:村中俊之

前回の立川公演からは、1stバイオリンが白澤さんから吉田さんに変更となりました。吉田さんと名倉さんのコンビがバイオリンを担当する公演は、参加メンバーが多い11/11〜12の有明公演を除いて全32公演中23公演あります。華やかな高弦のハーモニーはもちろんのこと、ステージ上でコンサートを盛り上げる姿にも注目したいところです。

3. 公演の様子・各曲の感想

この日の座席は2階席の後方でした。初日公演と同様に会場の最後方でしたが、正面だったためステージ全体を見渡すことができました。

定刻の18時00分、コンサートの幕が上がります。始まりの演出が初日とは異なり、工夫を凝らしたものに変化していました。その1〜2分前、スタッフがステージに現れて1本のギターを中央に置きました。このスタッフが舞台から捌けてしばらくすると、場内が暗転してステージの中央を白く照らします。ここで、1本のギターがライトで強調される構図が広がりました。そのギターは他でもなく、青のバスカリーノです。初演では玉置さんが肩にかけてともに姿を見せた相棒が、この日は舞台上に堂々と鎮座して演出の一翼を担っていました。

こうした中、サポートメンバーが下手から順に入場してきます。全員がそれぞれのポジションにつくと、しばらく待ちの時間が続きました。客席に向かって歩く観客を待つための措置です。少し経って会場の準備が整うと、門田さんがサックスの一音を一閃して曲が始まります。

1. あこがれ

長く続くサックス演奏の中、トオミさんのピアノでスタート。序盤はピアノとストリングスの音が主体となった演奏でした。中盤からはこの様相が大きく変わり、門田さんのサックスと秋山さんのスチールギターの演奏が優勢になってゴージャスな雰囲気が生まれました。

2. 青い“なす”畑

ストリングスの前演奏が始まります。ここで玉置さんが上手の舞台袖からステージに姿を現しました。客席に手を向けながら歩みを進めると、その行き先は中央に置かれたバスカリーノのギターへ。相棒を手に取り肩からかけて、ギターの弦を弾きながらマイクスタンドの前にやってきました。

とまと畑がある…

弾き語りで玉置さんの歌唱がスタート。玉置さんの語り口調の歌声に、柔らかいアコースティックなギター音が贅沢に聴こえる始まりになりました。

その後、

手をかけ汗まで流して ひとりで耕す勘違い

からは中北さんのパーカッションが先行して入ってリズムが生まれると、直ちに秋山さんのスチールギターも演奏に加わっていきます。この独特なギター音が、空間が歪んだうねりを感じるようなサウンドアレンジでした。

曲の終盤、

広がるそのまんまでいい

以降はライトが青白く照らされ、その他の楽器も入って盛り上がる展開に。ストリングスをはじめとする豪華な演奏が広がりました。

曲の最終節、

大切な家がある とまと畑のそば

からは一転して再び静かな演奏に変化。玉置さんの歌声とトオミさんのピアノの共演となり、両者を明るく照らして曲がラストに向かっていきました。

玉置さんの歌唱パートが終わると、しばらく沈黙が流れたのちに松原さんのドラムが大きく一発されて後奏に入ります。ここでは玉置さんが演奏に合わせてメロディーを口ずさみ、曲が終了しました。

3. からっぽの心で

ギターをバスカリーノからギブソン(愛称:シェリル)に変える玉置さん。やがてストリングスの華やかな演奏で同曲の前奏が始まります。しばらくして歌唱パートが始まると、松原さんのドラムが刻む骨太なリズムに合わせて曲が進みます。ここからは隣の中北さんが手拍子をして、客席からも手拍子が発生しました。さらに、両者の前に位置する秋山さんも軽快なリズムを彩りました。エレキギターの演奏が随所に鋭く入り、曲に乗りの良いテンポが生まれました。

2番に入ってからは、ステージ下手サイドの門田さんが輝くようになります。

好きなはずだったこの街(※)
でも自分を守る鍵がない
すれ違う誰かの名前覚えて(※)
いられる場所ばかり探し続けてる
懐かしい朝焼けも忘れ

(※)部分でサックスのオブリガートを入れて、故郷楽団らしさを存分に感じるパフォーマンスを見せました。2番終了後の間奏もそのまま門田さんが担当。とてもゴージャスな演奏が広がりました。

玉置さんの歌唱は、上記で述べたリズム良い演奏に身を任せるように、流暢なメロディーで歌う姿が印象的でした。ギターも弾きながら歌い、ところどころで右足に体重を乗せたり、今度は左足に変えたり、絶妙に左右でバランスを取っていました。

4. それ以外に何がある

玉置さんがスタンドからマイクを外し、マイク1本のパフォーマンスに変わります。松原さんが発する繊細なシンバルの音が合図となり、弦カルテットのきめ細やかなタッチで前奏がスタート。特に、1stバイオリンの吉田さんは高音の主旋律を担当し、華麗な演奏が生まれました。歌唱パートが始まると、この曲も松原さんのドラムが屈強なリズムを取るサウンドで進行。本ツアーは、バラード曲における打楽器の音が力強いアレンジが特徴的です。

玉置さんの歌唱は、序盤は一言一言を噛み締めるように歌い、サビは伸びのあるロングトーンを見せました。大きなジェスチャーもあり、1番のラストである

僕らは繋がっていたんだろう

で右手を前に出し、上手から下手にスライドして観客席に手を差し伸べる動きを展開しました。

曲のラスト、

孤独も恥も嘘さえも痛みも怒りも

以降は照明が玉置さんのみを白くライトアップ。メッセージ性のある歌詞が染み渡ってくる感覚がありました。その後のアウトロをトオミさんのピアノとギターの秋山さんが担当。この伴奏下を玉置さんが

NaNaNaNa〜

と静かに口ずさみます。ライトもこの3名を照らして、ステージ前方のトライアングルが見事に光りました。

5. 太陽さん

前曲に送られた観客からの拍手が続く中、この音に重なるように中北さんがパーカッションの演奏をスタート。照明が赤くなり、ポップに弾けるソロパフォーマンスが始まりました。しばらくすると、ここに松原さんのドラムも重なり、同曲のリズムを刻んで曲が始まります。

ここで、初日との変化点も確認しました。前回は玉置さんが黒のギター(愛称:ホイットニー)を肩にかけて曲が始まったのに対して、この日は前述の演出時にスタッフがこのギターをステージ中央のスタンドに置き、玉置さんはマイク1本で歌い始めました。渋い響きが生成された

太陽さん おはよう

の声でスタート。この瞬間に白い光が客席に向けて差し込み、非常に眩しいライティングで曲がスタートしました。

以降の歌唱パートでは、ソウルフルに激しく歌う玉置さんの姿が印象的でした。スタンドに設置されたマイクを、時には両手で支えて歌ったり、今度は片手でもたれかかるように歌ったり、これまで行われたどの曲よりもその格好が大きく見えました。本曲でも、伸びのあるロングトーンは健在でした。それを象徴したのが

あの娘に①伝えて/②キスして
太陽さ〜〜〜ん

のところです。特に、曲のラストにあたる②2番のトーンは、その最中にマイクから少しずつ離れて歌声を放ち、非常にパワフルな様子を見せました。

直後からトオミさんのピアノで弾けるような後奏が始まると、ついにここで玉置さんがギターを手にするようになります。前奏時に置かれた黒いギターを肩にかけて、ロックスタイルな姿を我々に披露しました。

6. 古今東西

曲前、突如として始まるサポートメンバーによる演奏。水色の照明がステージを照らす中、無数の音が乱立してまだまだロックナンバーの予感が漂います。この演出を終えると、同曲の前奏がスタート。玉置さんの歌唱パートが始まってからは、観客の手拍子が巻き起こる中を盛り上がって進行しました。この盛況を生み出したのはストリングスのメンバーでした。その場で手を叩き、観客に拍手を煽る姿。特に、ヴィオラの大辻さんが大きな動作をしていた様子が目に飛び込んできました。ステージの熱が奏者にも伝わり、ジェスチャーとなって溢れ出る様子を見た気がします。

玉置さんの歌唱は、サビで特徴的な歌声がありました。

ガンバレ、ガンバレ

の後にふんだんにフェイクを入れてから次の

ガンバレ、ガンバレ

と歌うスタイル。また、このフェイクを歌っている時には、右肩をつり上げるような動作をして身体全身で音楽を表現していました。

同曲は、サポートメンバーのソロ演奏もよく目立つ演出になりました。曲中盤の間奏では、秋山さんのエレキギターがソロを担当。非常にキレのある演奏が場内に響き渡り、玉置さんもその元に近づいて2人でギターの掛け合いをしていました。終盤の間奏は役者が下手サイドに切り替わり、まず1stバイオリンの吉田さんがその場に立ち上がって華やかな演奏を披露しました。そこから流れるように門田さんのサックスソロに移り変わり、豪華な演奏が繰り広げられました。

続く歌唱パートでは、玉置さんの印象的なジェスチャーも確認しました。

野を越えて 山越えて
真面目も不真面目も飛び越えて
海を行く 空を行く
ところ構わず愛が行く

ここで、右手で胸を叩きながら客席に向けて突き出すポーズ。3月の玉置浩二ショーで、曲後に抜粋して語られた歌詞におけるボディランゲージに、思わずインスピレーションを感じた瞬間でした。その後の間奏も門田さんが担当。原作からはかなりアレンジがなされた、スピード感あふれるサックスの演奏で曲が終了に向かいました。

7. 最高でしょ?

前曲までの熱気で温まり切ったステージ。ここに一石を投じるように、玉置さんの甘い裏声で

最高でしょ?

の歌唱がスタート。これまでの2曲とは異なる妖艶なムードが会場に漂います。曲の序盤、ゆっくりとまったりした気怠い空気感にアクセントを加えたのは、千ヶ崎さんの演奏でした。非常に重たいベース音がズシズシ鳴り響き、ジャズのような雰囲気も覗く展開になりました。

スローテンポな前半が終わり、アップテンポに転じる短編の間奏では、その号砲を松原さんのドラムが豪快に知らせます。この音が曲の重たいムードをガラリと一蹴し、瞬く間に曲の中で変調がなされました。

その後は玉置さんのパラダイスがスタート。スピード感のある歌声を展開し、非常にハイレベルな歌唱が繰り広げられました。声質の切り替えも見事に行われ、地声と裏声を行ったり来たりしました。特に、裏声パートで魅了的に感じたのが以下の2点です。

唇はわせて亜熱帯 どこまでいっても止まんない

体の芯までたまんない 氷のルージュでたまんない

のところ。煌びやかな歌声が記憶に残りました。

最後は冒頭と同じく、弛緩したムードに帰着。ラストを

MONDAY ひとりで遊ばないで

遊ばないで

を豪快に玉置さんが叫んで終了しました。曲後には、肩からかけたギターを抱く仕草を客席に向けて見せて、終始艶やかな姿を振る舞いました。

8. コール

ストリングスの演奏が厳かに響く前奏で開始。前曲までの雰囲気とは打って変わり、バラード曲が始まります。玉置さんの歌唱が始まってからは、ステージ上空から多角形の集合が足元を照らし、玉置さんの姿を強調するライティングで神聖な空間が広がりました。

この曲も、松原さんの演奏するドラム演奏がタフに光りました。静かでゆっくりめな曲調の中にも、1本芯の通った強いリズムが生まれて、曲の根幹を形成していました。

玉置さんの歌い方は、この日はかなり肩の力を抜いた、良い意味でラフなスタイルが印象的でした。間合いを溜めて歌ったり、逆に走り気味に歌ったり、曲の中でバリエーション豊かな歌唱手法を取り入れて、常に新鮮な歌声を感じました。その中でも共通して圧巻だったのは、サビのロングトーンです。とても伸びやかな歌声が響き渡り、感動的な歌声が広がりました。この歌声は曲が進むにつれてスケールが大きくなり、2番からラストサビにかけては非常にボリュームのあるボーカルを見ました。

歌唱パートが終わると、サポートメンバーによる豪華な後奏が始まります。この演奏を途中までうつむくように聴き、区切りの良いタイミングで玉置さんが上手側の舞台袖に退場していきます。ここで大きな拍手が場内に起こり、歩みを進める玉置さんに向けられました。その後もサポートメンバーの壮大な演奏が続き、第一部が終了しました。

9. 青い“なす”畑(Instrumental)

約20分の休憩後、第二部が始まります。1stバイオリンの吉田さんによる演奏が先行して入り、他の楽器が後に続く演奏形式。心地の良いインストゥルメンタルの楽曲で第二部がスタートしました。しばらくすると、門田さんのサックスが本曲の歌唱パートを演奏します。

とまと畑がある 家の庭の限られた…

以降は再び同曲のメロディーは隠れ、各楽器の合奏が広がりました。最後は再び、同曲の声楽パートを今度はトオミさんのピアノが担当して締めくくられます。

とまと畑の“青い”なす…

曲の始まりと終わりのフレーズを、楽器で演奏するモチーフが採用された今年のインスト曲でした。

10. 嘲笑

トオミさんのピアノが同曲のイントロを演奏。ここで玉置さんが再びステージに姿を現します。中央まで歩みを進めたところで演奏が止まると、今度はストリングスが同じメロディーの前奏を奏でて曲がスタートしました。

この曲も、バラードの中でドラムが存在感を放つサウンドアレンジが特徴的でした。第一部でもこうした音響に言及しましたが、この音作りは曲にハッキリとした立体感や輪郭が生まれるように感じます。ツアー序盤で早くも、昨年の楽器群にドラムが加わった構成に魅了されました。

玉置さんの歌唱は、序盤の控えめなパートは低音の響きが良く、サビで盛り上がるポイントはパワフルな歌声が聴こえました。特に後者では、歌いながら身体が小刻みに震えており、全身を使って歌う姿を確認しました。

2番終了後の間奏はチェロとギターが担当。ステージ両端をライトが照らし、ギターがリズムを取る中をチェロの低弦が重厚感ある主旋律を演奏しました。ここで玉置さんの様子を見ると、微弱な口笛をマイクに吹き込んでいるように見え、その音がわずかに聴こえてきました。今後、弦楽器の合奏に玉置さんの口笛が本格的に追加されるのか、注目したいと思います。

11. しあわせのランプ

ストリングスの前演奏で曲が開始。ややノスタルジックな風情を感じる弦楽演奏でした。玉置さんは青のバスカリーノを肩にかけてスタンバイ。この前演奏が終わると、ギターの弦を指で弾いて、柔らかい音を出しながら歌唱に入る準備をしていきます。やがて、

しあわせになるために生まれてきたんだから

の歌声で歌唱パートがスタート。玉置さんの温かみある歌声が贅沢に響いてきました。

曲中盤の間奏は、秋山さんのエレキギターがソロ演奏を担当。とても力がこもりつつも、滑らかな演奏が曲を彩りました。その後の歌唱パートでは、曲に十分な余白が生まれる部分がありました。

家族や仲間がいるように
僕には君がいなけりゃダメさ
この・・・星を見つめて
めぐりあった頃のことを思って

のところ。玉置さんが首を大きくうなずくように下げる合図にしたがって、サポートメンバーの呼吸が合った演奏がピッタリと入るタイミングが見事でした。

最後は冒頭と同じく静かに終了。玉置さんを大きなスポットライトが照らす中、

しあわせになるために生まれてきたんだから
好きな人と一緒にいなさい

の歌唱で曲が終わりました。

12. サーチライト

中北さんが大きな声で

1・2・3

のコールを放って曲がスタート。この瞬間、ステージのバックで2行にセットされたオレンジ色の照明が点灯しました。上の行は5個、下の行は4個の丸い明かりが灯り、優しさを感じる暖色が会場を包みました。また、この前奏時には早くも大きな拍手が客席から起こり、温厚な雰囲気が流れました。玉置さんの歌唱パートに入ると、秋山さんのアコギが流暢にリズムを取る中を進行。玉置さんの低音の歌声と、ギターの高音が溶け合いました。

2番を抜けて、ラストサビに向かう

サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ

では、玉置さんが大きく手を客席に伸ばすジェスチャー。上手から下手に向けて手を差し伸べ、大胆な動きを見せました。

曲の最後はトオミさんが右手を握る動作で終了。この合図に合わせて、玉置さんが右手に持ったマイクをトオミさんの方に突き出し、パフォーマンスが完結しました。

13. じれったい

再びギターを持つ玉置さん。ここでは白いギター(愛称:シロ)を肩に下げてパフォーマンスが行われます。打楽器が勇ましくリズムを生み、エレキギターが激しく鳴るロックな前奏でスタート。ここで多くの観客がその場に立ち上がり、手拍子が起こって熱気が高まる中を曲が進行しました。

サビでは玉置さんが観客に歌わせる場面もありました。

じれったい 心を溶かして
(じれったい)身体も溶かして

のところ。マイクから離れて、両手を客席に広げる動作でワンフレーズの合唱を引き出しました。1番の最後には歌詞アレンジもあり、

もっと もっと大宮おおみやを知りたい

と歌うパフォーマンス。ここで会場の熱狂がまた一段と高まりました。また、ここでは歌唱面でもアレンジを加えており、

もっと もっと もっと大宮を知りたい

というように、普段よりも「もっと」の詩を連発していました。しかしながら、その歌い方は激しく叫ぶようなスタイルではなく、低い声を渋く重ねる形でした。

2番も観客を酔わせる玉置さんの演出がありました。

食い違いに刻まれたままで
傷つくほど愛しているのに

で、

愛して・愛して・愛してるのに

と歌いながら指を伸ばし、下手から上手に向けて差す動作。これもまた盛り上がりが生まれるサービスになりました。

その後のサビでも、アレンジが立て続けに行われました。

止まらない ふたりの続きを
止まらない(※1)大宮おおみやの夜を
ずっと(※2)夢を見せて

(※1)では地名を歌う初日にはなかった歌詞変更があり、(※2)は原作通りのメロディーラインに沿って歌う歌い方。特に(※2)は声を張り上げて歌う場面が多い中で、原曲と同じ歌い方を聴けたのはとても新鮮でした。

その後の間奏は、ここでもサポートメンバーの見せ場が訪れます。まず門田さんにスポットライトが当たり、サックスのゴージャスなソロ演奏が行われました。続いてはドラム&パーカッションによる打楽器の共演。松原さんと中北さんから放たれる、非常にパワフルな演奏がありました。またこの演出中には玉置さんがステージの下手サイドに移動し、リズムに乗って踊りを見せる姿もありました。

続く歌唱パートは、秋山さんのエレキギターがシャープな演奏に合わせて玉置さんが歌っていきます。その直後には

もっと・もっと・もっと・もっと

の特大連発からラストサビへ。最後まで大盛況を持続して曲が終了に向かいました。その合図は玉置さんが激しくギターを打楽器の2人に向けて振る動作で、最高に弾けた1曲が終わりました。

14. 好きさ

秋山さんのエレキギターソロが始まる曲前の演出。まだまだロックナンバーが続く雰囲気が場内に流れます。このパフォーマンスは長く行われ、迫力を感じる演奏でした。やがてこの前演奏が終わると、玉置さんの

好きさ

の歌声でスタート。この瞬間、黄色い歓声が各方面から飛び交いました。その後は青と紫の照明が鮮やかにステージを照らす中を曲が進行。同曲も非常に盛り上がりました。

曲の終盤には、玉置さんがマイクを持って下手の前方へ移動。間奏中に

好きさ

の歌唱が行われ、目の前の観客が歓喜に沸きました。その後はステージ中央に戻り、最後は玉置さんがマイクを持ったままギターを振る動作をサポートメンバーに見せて、曲が終了しました。

15. JUNK LAND

ステージのバックスクリーンに「Kt」と書かれた本ツアーのロゴと、その下に「DEKISOKONAI」と書かれたメッセージが記載される演出で曲がスタート。同曲もまた活気づいたパフォーマンスになりました。

曲の見どころである、

待ってる人のその前で
泣いてる人のその前で

からは、バイオリンの吉田さんと名倉さんが頭を上下に振りながら演奏をするヘッドバンキング奏法。特に2ndバイオリンの名倉さんの動きが顕著でした。ここでステージ上手側を見ると、ギターの秋山さんも身体を大きく揺さぶりながら演奏をしていました。時折、ストリングスメンバーの方を見ながら、同調するように現場で奏でられる音楽を楽しんでいる様子を確認しました。

スピード感のあるリズムから抜け出し、伸びやかで開放的になる転調後のラストは、サポートメンバーの多くがその場で手拍子を送って客席を煽ります。秋山さんの速弾き、ヴィオラ・チェロの低弦、そしてトオミさんのピアノが演奏に入る以外は、バイオリンの2人、サックスの門田さん、ベースの千ヶ崎さん、ドラムの松原さん、そしてパーカッションの中北さんが大きく手拍子をして大盛況を推進しました。その後は初日と同様に、玉置さんが観客に唱和をさせる場面もありました。

(ガラクタだけど 心を込めて)
緑の丘で ふたりで暮らそう

のところで、マイクから離れて歌声を引き出しました。

曲のラストは、玉置さんがファンキーなシャウトを連発して終了へ。会場全体で盛り上がりを育んだ曲が終了しました。

メンバー紹介

ここで玉置さんが客席に向けて一言。

玉置さん
玉置さん

ありがとう!

そこからメンバー紹介が始まります。

パーカッション・中北裕子
ギター・秋山浩徳
ドラムス・松原"マツキチ"寛
ベースギター・千ヶ崎学
サックス・門田"JAW"晃介
1stバイオリン・吉田宇宙
2ndバイオリン・名倉主
ヴィオラ・大辻ひろの
チェロ・村中俊之
サウンドプロデュース&アレンジ、ピアノ・トオミヨウ

トオミさんの発表後、玉置さんがマイクを持ったままトオミさんの元に歩み寄り、右手を差し出しました。トオミさんは両手でその手をガッチリ握り締め、2人の絆を見ました。

16. 田園

玉置さんがステージ前方中央に移動して、両手を客席に向ける動作と同時に、力強い打楽器の音で前奏がスタート。冒頭からリズミカルな始まりになりました。前奏における玉置さんの発声パートに入ると、吉田さんのバイオリンが高音域の演奏を担当。玉置さんの歌声と共鳴するような響きを感じました。

歌唱パートに移ったところで、ストリングスのメンバーがその場で大きな拍手。ここでも乗りの良いリズムが発生して曲が進行しました。1番で演奏がよく目立ったのは、秋山さんのエレキギターでした。合いの手を取るような助奏が随所に入り、これもまたロックなテイストをよく感じるサウンドでした。

サビもまた一段と盛り上がって進行。

ビルに飲み込まれ 街に弾かれて
それでもその手を離さないで

ここで、リズムに合わせて飛び跳ねるストリングスメンバー。見ているこちらが楽しくなる演出でした。最後は玉置さんが

愛はここにある 大宮おおみやにある

と歌い、客席から大きな拍手が起こりました。

2番は門田さんのサックスが際立つサウンドアレンジ。

陽だまりの中 がむしゃらに走る僕(※)
そろばん弾いて 頭抱えてた君
空のミルクビンに たんぽぽさすアイツ(※)
道を外れちゃって 途方に暮れるあの娘

(※)部分でオブリガートを演奏して、豪華な雰囲気が生まれました。

その後も最後まで大盛況を維持するパフォーマンス。1番のサビで見たサポートメンバーのジャンプも繰り返し行われ、視覚的にも胸が高鳴る演出でした。最後は玉置さんがギターを素早く肩から外して、手に持ち替える動作で曲が終了しました。

曲後は観客席から大きな拍手が起こり、しばらく続きました。ここで玉置さんとサポートメンバーがその場で深くお辞儀をして、この賛辞に応えました。

17. メロディー

玉置さんが青のバスカリーノを持ってスタート。序盤はこのギターを弾かず、トオミさんのピアノ伴奏に合わせて歌う形でした。この共演は1番の最後まで続き、しんみりした曲調で進行しました。1番のサビでは、ロングトーンで印象的な玉置さんの歌声を目にしました。

メ〜ロディ〜
泣きながら〜〜〜

の部分。初めは玉置さんがマイクから離れて歌い、徐々にマイクに近づいていく歌い方をしていました。この位置関係の変化により、1本のロングトーン中に音圧と音量が変調し、とても立体的な歌声が聴こえてきました。

2番から打楽器やベースをはじめとした他の楽器も入り、バラード曲の中にリズムが生まれて進行。1番から比較すると盛り上がりを感じるサウンドに変わりました。ラストサビは一転して、冒頭と同じくトオミさんの静かなピアノ伴奏に合わせて歌う形で始まると、最後の

あの歌は心から聞こえてるよ

は玉置さんの一人舞台へ。ここではギターを弾き、弾き語り形式でラストフレーズが締めくくられました。また、スポットライトも玉置さんを上から照らし、その姿が大きく強調されたフィナーレでした。

曲後は玉置さんがギターをスタンドに置き、ネックやボディを大切に撫でて労る様子が伝わりました。その後、ステージの後方に位置するサポートメンバーに合図を送り、前方に移動するように促します。まず、玉置さんとトオミさんが握手をして隣合わせになる2人。次第に全員が1列に並んで、観客からの喝采に応えました。その並び順は以下の通りです。

(下手から)
Vc.村中さん
Va.大辻さん
Vn.名倉さん
Vn.吉田さん
Key.トオミさん
Vo.玉置さん
Sax.門田さん
Ba.千ヶ崎さん
Gt.秋山さん
Perc.中北さん
Dr.松原さん

しばらくすると、村中さんから順にサポートメンバーが下手に退場。玉置さんの隣に位置したトオミさんおよび目の前を通る門田さん以下のメンバーは、玉置さんとガッチリ握手をしてステージを後にしました。最後の松原さんは、玉置さんと熱く抱擁を交わして退場していきました。

1人残ったステージで、各楽器に向けて手を伸ばす玉置さん。特に、ドラムとパーカッションの元に近づき、強調して手を向けるジェスチャーが印象的でした。その後はステージ中央のテーブルに歩き、玉置さんのパフォーマンスが始まります。

4. アンコールの様子

玉置さん
玉置さん

(水をゆっくりと1本飲み干す)

観客
観客

おぉ〜!

玉置さん
玉置さん

(黒いタオルで鼻をかむ)

玉置さん
玉置さん

(両手のアームカバーをまくり上げる)

玉置さん
玉置さん

(ギターを肩にかけて前方へ)

Ec1. ワインレッドの心

(ギターを弾く玉置さん)
もっと勝手に恋したり
(※1)
もっとキスを楽しんだり
忘れそうな想い出を
そっと抱いているより
忘れてしまえば
今以上 それ…
それ以上
(※2)
愛されるのに
あなたはその透き通った瞳のままで
あの消えそうに燃えそうなワインレッドの
心を持つあなたの願いが叶うのに

(※1)歌いながらマイクスタンドを前に出して玉置さんも前方に移動しました。
(※2)歌い直すように叫ぶ玉置さん。迫力と笑いが同時に生まれました。

曲後に玉置さんが一言。

玉置さん
玉置さん

皆さんで、歌いましょう

観客
観客

歓声・拍手

Ec2. 恋の予感

観客の合唱で次曲がスタート。

なぜ なぜ あなたは 綺麗になりたいの
その目を 誰もが見つめてくれないの
夜は気ままに あなたを踊らせるだけ
恋の予感が ただ 駆け抜けるだけ
玉置さん
玉置さん

皆さん、素晴らしい

玉置さん
玉置さん

みんな、時間大丈夫?
愛してます!

Ec3. I LOVE YOUからはじめよう

玉置さんが歌い始め、まばらに観客の合唱になって始まりました。

風の中 限りなく 夢があった
駆け抜ける ときめきで 信じ合えた
争いや疑いの 言葉を知って
触れ合える笑顔まで 遠くなったけど
無くさないで夢を 忘れないで愛を
心を開いて


(以下、観客に歌わせる玉置さん)
I LOVE YOU I LOVE YOU I LOVE YOU More
(玉置さんが叫ぶように歌う)
I LOVE YOU More

Ec4. 悲しみにさよなら

次曲は観客との合唱になります。

泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから

夢にまで涙が溢れるくらい
恋は壊れやすくて
抱きしめる腕の強さでさえなぜか
揺れる心を止められない

でも泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから
悲しみにさよなら
ほゝえんでさよなら
愛を世界の平和のために
玉置さん
玉置さん

(ギターをスタンドに置く)

玉置さん
玉置さん

(再びマイクスタンドの前に移動する)

玉置さん
玉置さん

みんなは陽水さん、俺は俺

Ec5. 夏の終りのハーモニー

(玉置さんの歌声に釣られて観客の歌声も入る)
今日のささやきと昨日の争う声が
玉置さん
玉置さん

俺が何人かいるなぁ…笑
みんなは陽水さんだから
でも俺を歌いたい人は歌って
陽水さんが多い方が良いけど…

観客
観客

歓声・拍手

玉置さん
玉置さん

陽水さんがいっぱいいる
今日は喋らないつもりだったんだけど…笑
ハモりましょう

観客
観客

歓声・拍手

(以下、観客との合唱)
今日のささやきと昨日の争う声が
2人だけの恋のハーモニー
(※1)

(以降は玉置さんが下のパートを歌う)
(ここから観客の合唱が大きくなる)
夢もあこがれもどこか違ってるけど
それが僕と君のハーモニー

夜空をたださまようだけ
誰よりもあなたが好きだから
素敵な夢あこがれを
(※2)
いつまでもずっと
(※3)忘れずに〜〜〜

(※1)玉置さんが弦楽器を弾くような動きを見せてリズムを取りました。
(※2)フレーズ間にシャウトをする玉置さん。
(※3)玉置さんが一言一言で手を上下しながら唱和のタイミングを合わせました。

玉置さん
玉置さん

(上手に退場して行く)

観客
観客

歓声・拍手

初演から4日、アンコールのセットに変化が出て、曲目が増える展開になりました。今年は本編後の弾き語り形式が序盤から定番化する流れになるでしょうか。

以下、楽曲のセットリストです。

5. セットリスト

玉置浩二 with 故郷楽団 10周年
Concert Tour 2025 〜blue eggplant field
8月11日
大宮ソニックシティ 大ホール
セットリスト

【一部】
1. あこがれ
2. 青い“なす”畑
3. からっぽの心で
4. それ以外に何がある
5. 太陽さん
6. 古今東西
7. 最高でしょ?
8. コール
【二部】
9. 青い“なす”畑(Instrumental)
10. 嘲笑
11. しあわせのランプ
12. サーチライト
13. じれったい
14. 好きさ
15. JUNK LAND
〜メンバー紹介〜
16. 田園
17. メロディー
【アンコール】
Ec1. ワインレッドの心
Ec2. 恋の予感
Ec3. I LOVE YOUからはじめよう
Ec4. 悲しみにさよなら
Ec5. 夏の終りのハーモニー

6. 公演後の様子

公演後の会場の様子です。

初日公演からは、スタートや曲中の演出がわずかに変化する形になりました。これからも、どのように進化を遂げて、またスタンダードになるか、その過程を見るのが楽しみです。

明日からは神戸で2日間、コンサートが開催されます。今年は関西地方で9公演が実施され、これは関東地方の8公演よりも多い日程になっています。立川と大宮で見せた熱狂そのままに、関西でも大盛況になることを期待します。

こばかず

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