こんばんは。
こばかずです。
先日の3月30日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2023 “Navigatoria”に参加しました。
※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは10都市18公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。
公演前の会場の様子がこちらです。
【開演前の様子】
入場口の前には、Navigatoria公演のポスターが3枚貼り付けてありました。
ロビーには、大きなジャケットがあります。
先日の2月23・24日@東京芸術劇場公演と同様、動画のみ撮影が認められていました。
その後、座席に着席。
今回の座席は、客席から見てやや左側の16列目でした。
東京国際フォーラムは比較的会場が大きいため、公演中は電光掲示板を見ることになると思っていましたが、思ったよりも近く直接ステージを見ることができました。
公演前、館内では「開演5分前以降の許可の無い写真撮影はご遠慮ください」という放送が流れています。
一方で、係員は「会場内の写真撮影はご遠慮ください」と拡声器を使って言っていました。
2月の東京芸術劇場公演では、係員からの声かけは無く、開演5分前以前の会場内の撮影・SNS等への投稿は認められていました。
今回は館内放送と係員の声かけに矛盾があり、少し戸惑いました。
ステージ上の楽器等の撮影は認められず、それ以外の撮影は問題無いということでしょうか。
しかし、ステージ前には「撮影禁止」と書かれた注意喚起が掲示されていたため、やはり撮影行為全般が認められていないのだと解釈しました。
【公演の様子】
その後、ブックレットを眺めているうちにあっという間に1時間が経過して、18時30分に公演スタートです。
まずは新日本フィルハーモニー交響楽団の方々が左右の入場口から続々入場。
各奏者の方々が自らの音を鳴らしてチューニングしていきます。
調律が終わると会場が静寂して、指揮者の田中祐子さんが舞台袖から入場してきました。
1. 歓喜の歌
田中さんが指揮台に上がり、演奏開始です。
田中さんは右手に指揮棒を持って指揮をしていました。
私はここ数年のシンフォニックコンサートで、大友さんの指揮を見ることが圧倒的に多く、大友さんは終始、指揮棒を使わずに指揮を取っていました。
私自身、田中さんの指揮を見るのは今回が初めてで、新鮮な気持ちです。
指揮棒を持つか持たないかについて、理由を調べると下記のページを見つけました。
指揮棒を持つ目的は何でしょうか。一般的には大勢のプレーヤーにフレーズの頭を指示したり、リズムをより明確に指示するためには、人間の腕の長さでは不十分なので、棒を持ってその長さを延長している。というのがその理由のようです。
http://suisougaku.info/brassband/mamechishiki/t-mame-shikibouha.html
他の文献では、「合唱の指揮をする場合は細かな機微が分かりやすいため、指揮棒は持たないことが多い」や「元々は指揮棒を持つことが主流であったが、最近は持たずに指揮をすることも増えている」といったことが書かれていました。
私なりにこれらの理由を総合的に考えると、「指揮棒を持つか持たないかはあまり大きな問題ではなく、個人の好みやスタイルによる」と考えました。
田中さんの指揮を見て感じたことはまさに「柔よく剛を制す」指揮。
小さな音は身体を丸め、大きな音は全身で表現するように、身体全体を使って指揮をしていました。
歓喜の歌は、曲の中盤はオーボエやフルートのソロパートが目立つ繊細な演奏。
一転、クライマックスは打楽器も含めて盛り上がる演奏へとシフト。
その音を田中さんの指揮が一気に消して終了です。
2. あこがれ
玉置さんが左側の舞台袖から登場し、ステージ中央で田中さんと握手をしていました。
お互いに優しく両手を握っていました。
その後、田中さんの指揮からInstrumentalのあこがれがスタート。
序盤の主旋律はピアノで、原作と似たテイストの曲調が目立ちます。
次第にバイオリンの音も大きくなり、オーケストラ風のアレンジが加わった作品になります。
曲間中、玉置さんは右手を胸に当てて演奏を聴いていました。
3. ロマン
バイオリンとチェロによる豊かな前奏からスタート。
それが一転、曲が始まるとピアノに合わせた玉置さんのしっとりとした歌唱へ。
この日は、玉置さんの語りかけるような歌い方が際立って良かったです。
ロマンでは、終始抑えて歌う場面が目立ちました。
4. GOLD
この曲は、抑えるところは抑えて、力強く歌うところは力強く歌うメリハリのある歌い方が印象的でした。
この日の玉置さんは、「語り口調の低音の歌声が抜群に良い」・「強弱をつけたメリハリのある歌唱」が際立っていました。
この曲で言うと、序盤は控えめに歌い、ラストの「黄金色に輝く〜」以降をパワフルに歌うといったスタイルです。
5. キラキラ ニコニコ
この日、個人的に最も良かった曲です。
最初の静かな出だしは、優しく歌っているのにも関わらず、まっすぐと自分のお腹の底に響いてくるような歌声。
一方で間奏時にはマイクオフで力強いシャウトが見えました。
この声がいつもよりも大きく聞こえました。
この日初めてのジェスチャーは、「海へ行こうよ 世界は広いよ」のところ。
客席に向けて手を広げて前に出すポーズが見れました。
ラストには、個人的に感動したシーンもありました。
歌が終わる「キラキラ ニコニコ だね」のところで、「ニコニコ」の直後に田中さんが左手で楽団の音を止めた瞬間、玉置さんの「だね」が聞こえてくる。
顔を合わせなくとも見事な連携で、「音でコミュニケーションを取る」ことの真髄を見た気がします。
6. MR.LONERY〜All I Do〜サーチライト(メドレー)
お馴染みのソロメドレーがスタート。
MR.LONERYのハミングは、イントロ・アウトロともに裏声で歌っていました。
クライマックスの「どんなときでも」を原作と同じ歌い方をしていたのが珍しいポイントで、それに続いて、最後の「元気でいるから」も原作と同じメロディーで歌っていました。
次のAll I Doは優しさと力強さのミックス。
最初の「All I」ではパワフルに歌うと思いきや、「Do」では抑えて歌うように、一節の中でもメリハリのある歌い方を見せてくれました。
サーチライトでは、サビの「必ず」の裏声部分の歌い方に若干の変化を持たせていたように聞こえました。
1回目は、「かなあ〜らず〜」の「あ〜」に裏声かかかります。
近年の玉置さんの歌唱スタイルを見ると、こちらの歌い方が多いです。
一方2回目は、「かな〜らず〜」の「な〜」に裏声がかかっていました。
原作を聞いてみると、原作ではこの歌い方でした。
このように、これまでとは変化を施した歌い方がこの日は目立った印象です。
7. あなたがどこかで
バイオリンとチェロによる前奏からスタート。
この曲もささやくように歌う歌い方が目立ちました。
玉置さんの歌声で不思議なのが、バラード曲でささやくような歌声にも関わらず、一直線で声が届いてくるところ。
あなたがどこかででは特にそれを感じました。
この日は、間奏中のシャウトは少し控えめに。
先日の玉置浩二ショーではこの部分が非常に激しかったですね。
8. Friend
この曲はサビのロングトーンが好きです。
一節目の「もうFriend」は力強く歌うものの、「心から/綺麗だよFriend」は抑えめな歌い方。
近年はこうした歌い方が目立つように思います。
改めて、2017年@武道館、2019年@甲子園、2021年@ガーデンシアターの音源を聴くと、前者2公演は「心から/綺麗だよFriend」も力強いロングトーンであるのに対して、後者1公演はブレーキがかかったような控えめなロングトーンでした。
最後はマイクを遠ざけながらのロングトーンで、後奏中に退場、第1部の終了です。
9. ドビュッシー「小組曲」第二楽章 行列
20分間の休憩後、オーケストラによる演奏の開始。
コンサートの翌日、この曲のメロディーの一部が頭をずっと駆け巡っていました。
それなのに曲名が特定できないじれったさ。
しかし、このツイートを足がかりに、曲名を特定することができました。
リプライを下さった方々、本当にありがとうございます。
参考までに、下記にリンクを貼ります。
この曲、出だしのフルートの音色が美しく、心が浄化されます。
このフルートのほんの一部のメロディーが頭に残っていて、すぐさま鼻歌や楽器を演奏して検索するアプリを使いましたが、特定できませんでした。
演奏中は、この管弦楽の演奏のみ、田中さんは指揮棒を持っていませんでした。
おかげで曲名も分かったため、次回の公演までにこの曲も予習しようと思います。
10. 愛の戦友
Navigatoria公演の象徴となった楽曲がスタートです。
バイオリンが主旋律の前奏で開始。
個人的に、玉置さんの歌唱力の高さを最も感じるときは、新曲や久々に歌う曲、他人の曲を歌うときです。
定番曲は多く演奏され、映像化もされているため、ある意味あの歌の上手さに慣れてしまっている自分がいますが、新曲にはそれがありません。
愛の戦友は元々リズム感が難しい部分が多い上に、オーケストラがバックで、よくあんなにブレずに歌えるな、と感服しました。
特に2番の「目を覚さなくたって」や「キツい坂が続いてたって君を」のところ。
見事な音程とリズム感です。
2月の東京芸術劇場公演では、間奏時に空へ向かって大きくシャウトをしていましたが、この日は控えめでした。
11. 行かないで
続いてはバラード曲。
地声と裏声の転調が心地良いです。
この曲はオーケストラの演奏も見どころで、フルート・バイオリンによるソロパートがあります。
生で聴ける極上のサウンドが目の前で繰り広げられました。
12. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)
安全地帯メドレー。
何と言っても、ここでの大きな衝撃はワインレッドのサビです。
「今以上 それ以上」と「あの消えそうに燃えそうな」のところをファルセット調で歌っていました。
イメージとしては、玉置さんのソロ名義で安全地帯の曲をカバーしたアルバム、「ワインレッドの心」に収録されているバージョンと似た歌い方です。
シンフォニックコンサートでは、ラストの「あの消えそうに燃えそうなワインレッドの」でフェイクが入ることが多いですが、フェイクなしの裏声で歌っており、貴重なものを目にしました。
それが一転、じれったい〜悲しみにさよならは力強い歌唱が目立ちました。
ラストの「悲しみにさよなら」をノーマイクで歌って安全地帯メドレー終了。
13. JUNK LAND
玉置さんのジェスチャーが多い曲です。
「クネクネ曲がった坂を登ろう」や「ギザギザ欠けてくハートを合わせて」で特にそれが目立ちます。
この日のジェスチャーは少し小さめでした。
片手にマイクを持っているためでしょうか。
この日の玉置さんは、比較的ジェスチャーが少なかったように見えました。
ところが、「負けるわけない」で右の拳を上げる部分では、玉置さんの腕の角度が私の座席にピッタリ合って、迫力感満載です。
ラストのスキャット、普段は指揮者と玉置さんが同時に音を止めることが多いと思います。
しかし、この日は玉置さんが歌い終わった後に、オーケストラの音が一拍遅れて止まりました。
その部分に、玉置さんがもう一音加えることでピッタリと合うようになっていました。
これには曲が終了する前に拍手が起こりました。
14. 夏の終りのハーモニー
印象的なシーンが、1番の「忘れずに〜〜〜」のロングトーン。
いつもよりも遥かに長く、ずっと続いていました。
ラストのノーマイクのように、大きな声ではなかったものの、創意工夫のあるパフォーマンスから、1番が終わった時点で観客から拍手が起こります。
個人的に、この日の特徴的なアレンジが3つありましたが、2つ目がこれです。
1つ目は前述したワインレッドの歌い方。
ラストサビはノーマイク、逆にここでは「忘れずに〜〜〜」が身体の全身から出る強いロングトーンでした。
この曲でも、歌い終わる前に拍手が巻き起こる展開になりました。
15. 田園
会場内が拍手の中、田中さんがステージの左、玉置さんが右に立っています。
田中さんは一歩引くような形でステージ上に立っていました。
「本当に素晴らしいパフォーマンスでした」という田中さんの想いが、一歩引く姿、拍手の仕方から伝わってきます。
その後、田中さんが指揮台に再び登り、玉置さんが舞台袖に戻るときには、玉置さんが客席に向けて「田中さんが素晴らしい、俺は1度袖に行って、またステージに戻ってくるよ」といったジェスチャーをしていました。
その後、玉置さんの“田園”が散りばめられたベートーベンの“田園”を経て、玉置さんの“田園”が始まります。
前奏中にやや小走りでステージに戻ってきます。
スキャットまでの時間が短く、急がないと間に合わないためいつも小走りです。
最注目は「愛はここにある 君はどこへも行けない」のご当地アレンジ。
2月の公演では、まさかのアレンジ無しで、3月の大阪公演でもアレンジ無しと聞きました。
コンサート前は、「アレンジ無し」か「東京にある」と予想していました。
すると、「愛はここにある フォーラムにある」といった声。
「君はどこへも行けない」でも「東京にある」でもありませんでした。
これには今後の楽しみがまた1つ増えました。
このポイントが3つ目の特徴的なアレンジです。
ラストのスキャットは何度見ても迫力があります。
声を出すにつれてどんどん仰け反っていきます。
かつてのイナバウアーを見ているようでした。
16. メロディー
この曲は、この日の象徴的な歌い方を表すように、優しく歌うところ強く歌うところのコントラストがありました。
サビ以外は優しく、サビは力強く。
ラストはイヤモニも外してノーマイクです。
この部分、いつもよりもオーケストラの演奏の音が小さく聞こえました。
これまではラストの「泣かないで〜〜〜」のところで、玉置さんの声が聞き取りづらくなることがありましたが、この日はそれが無くハッキリと聞こえてきました。
曲が終わると、玉置さんと田中さんが退場。
客席からはずっと拍手が鳴り止みません。
その後、再び2人がステージに戻ってきて、また拍手の音が大きくなると、田中さんが再び指揮台に上がります。
17. 田園
玉置さんが手で「みんなの口から発して、俺の耳に聞かせて」といったジェスチャーをしていました。
玉置さんもマイクを持ち、ダブルアンコールの田園がスタートです。
最初は玉置さんが特に観客を煽るようなジェスチャーはせずに、歌詞を口ずさんでいました。
そのため、観客はどの部分を歌ったら良いのか分からず、多くの方は歌わずに聴いていました。
1番のときに、玉置さんが間違えて2番の歌詞を歌うハプニングがあり、私はフルではやらないのかな?と思っているとサビへ。
ここで玉置さんが歌うのをやめて観客が歌い始めます。
観客「生きていくんだ それでいいんだ」
玉置さん&観客「ビルに飲み込まれ 街に弾かれて それでもその手を離さないで」
玉置さん&観客「僕がいるんだ みんないるんだ」
玉置さん「愛はここにある 東京にある」
といった感じだったと記憶しています。
ここでのアレンジは「東京にある」でした。
このアレンジが好きな私にとって、1度のコンサートで異なるアレンジが聴けて最高です。
2番も同様のパターンで推移していきます。
玉置さんは指パッチンをしてリズムを取っています。
田中さんも客席を向いて指揮をしていました。
玉置さん・田中さん・新日本フィルハーモニー交響楽団・観客が1つのハーモニーを奏でています。
ラストの締めくくりは玉置さんのスキャット。
本番のパフォーマンスに劣らない声量でフィナーレを迎えました。
この部分も2回聴けるなんて、本当に贅沢ですよね。
今後の公演でも同様の演出があるのかを楽しみにしています。
終演後は玉置さんがステージの端に移動して、お辞儀をする場面もありました。
いつもはビシッとお辞儀を決めているイメージですが、この日は六ちゃんを想起させるかのような謙虚なお辞儀が目立ちました。
客席から見て右側のステージで、エアハグも出ました。
私の座っている左側ではそれが無かったのが少し残念でしたが…
これで本当にコンサート終了。
以下、本公演のセットリストです。
billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2023
“Navigatoria”
3月30日
東京国際フォーラム
セットリスト
【一部】
1. 歓喜の歌(管弦楽)
2. あこがれ(Instrumental)
3. ロマン
4. GOLD
5. キラキラニコニコ
6. MR.LONELY〜All I Do〜サーチライト(メドレー)
7. あなたがどこかで
8. Friend
【二部】
9. ドビュッシー「小組曲」第二楽章 行列(管弦楽)
10. 愛の戦友
11. 行かないで
12. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)
13. JUNK LAND
14. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
15. 田園
16. メロディー
【ダブルアンコール】
17. 田園
【終演後の様子】
終演後の様子です。
終演後の余韻が残る会場が好きです。
これらの写真を見返すたびに、あの日の興奮が身体に蘇ってきます。
この日の玉置さんは高音がかすれて、上擦るようなやや調子の悪そうな場面も散見されましたが、終わってみると大盛況の嵐。
豊富なアレンジや歌い回しには驚かされるばかりです。
その時々で圧倒的な経験に裏打ちされた多くの引き出しを見せる、まさに“横綱相撲”でした。
次のコンサートまでは2週間空くので、ゆっくり休んでほしいです。
私の次回参加予定の公演は、5月25日@東京ガーデンシアターです。
もしも当日券が手に入れば、4月13日@高崎芸術劇場にも足を運ぼうと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【おまけ】
ドビュッシーのメロディーを忘れまいと、すぐさま口笛で録音した音声データ
こばかず
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