【初日】玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 〜blue eggplant field(8/7)@TACHIKAWA STAGE GARDENの感想とセットリスト

ブログ
この記事は約25分で読めます。

先日の8月7日、玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 Concert Tour 2025 〜blue eggplant field@TACHIKAWA STAGE GARDEN公演に参加しました。

※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは24会場34公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

昨年まで、3年連続で市川市文化会館がソロツアー初日の会場として選ばれていましたが、今年は立川が記念すべき初演の地になりました。本会場で玉置さんのコンサートが開催されるのは、昨年の8月8日に行われたResumeツアー以来、2回目のことになります。このホールは2020年4月に誕生した比較的に新しい会場で、現代的な雰囲気を感じる建造物です。

2. サポートメンバー

本公演に参加するサポートメンバーは以下の通りです。

(敬称略)
キーボード:トオミヨウ
ギター:秋山浩徳
パーカッション:中北裕子
ベース:千ヶ崎学
ドラム:松原"マツキチ"寛
サックス/フルート:門田"JAW"晃介
バイオリン:白澤美佳
バイオリン:名倉主
ヴィオラ:舘泉礼一 大辻ひろの
チェロ:村中俊之

ツアー全34公演で15通りの組み合わせがある中、初日公演からいきなり唯一のメンバーセットになりました。特に、バイオリンが白澤さんと名倉さんのコンビで構成される日程は2公演しかなく、本公演と9/30の米子公演のみになります。

公演前日の8月6日には、メンバーシフト変更のお知らせがありました。ヴィオラを担当する舘泉さんが、肩の怪我により大辻さんと交代になりました。

3. 公演の様子・各曲の感想

この日の座席は3階席の正面でした。会場の中では最後方のブロックでしたが、見通しは良くステージ全体を把握できました。席に着くと、まず各楽器の配置を確認しました。そのフォーメーションは以下の通りです。

【ステージ後方(下手から)】
・チェロ
・ヴィオラ
・2ndバイオリン
・1stバイオリン
・サックス/フルート
(中央)
・ベース
・ドラムス
・パーカッション

【ステージ前方(同)】
・ピアノ
・(中央)マイクスタンド
・ギター/スチールギター

ここ数年間、ステージの後方からコンサートの大盛況を推進したギターの秋山さんが前方に移動し、上手の端に位置するポジショニングが特徴的な布陣でした。

定刻の18時00分、場内が暗転して初日公演の幕が上がりました。下手の舞台袖からステージに姿を現すサポートメンバー。本公演も昨年と同様、白のトップスに黒いボトムスといったシンプルな装いが統一感を持たせた衣装でした。その中、ただ1人トオミさんだけが黒いジャケットを羽織り、バンドマスターとしての風格を感じさせました。

全員がそれぞれの位置につくと、しばらく静寂のひとときが会場に流れます。この空白の時間が長く続いたのち、やがてステージからサックスあるいはスチールギターの音が甲高く鳴り響きました。それと同時に客席に向かって青白い光が放たれ、眩しい光景が広がる公演の始まりになりました。

以下、初日公演につき、曲名は文中に記載します。

1曲目

トオミさんのピアノ演奏で【あこがれ】がスタート。インストゥルメンタル曲で1曲目が始まりました。序曲は昨年と同じ選曲でしたが、そのサウンドは全く異なるものがありました。ストリングスやピアノが主体となりシンプルに進んだ昨年に対して、今年はサックスやスチールギターの音がよく目立つ演奏でした。特に、各フレーズ間ではこの両楽器が共鳴しながら唸りを上げ、非常にエッジの効いたサウンドアレンジが施されていました。

その一方で、各パートの開始時にはトオミさんが顔を上げてメンバーを見渡し、右手を上げる動作で入念に演奏の入りを指揮。豪快なパフォーマンスの中にも、きめ細やかに演奏のポイントを合わせる姿は今年も健在でした。

インスト曲が終わると、玉置さんが青のバスカリーノを肩から下げて、上手奥の入場口から登場します。

今年も黒が基調のファッションスタイルで、クラシックな格好でした。大きな拍手が起こった客席に向けて手を伸ばし、中央前方のマイクスタンドまで歩みを進めると、早速曲が始まります。

2曲目

とまと畑がある…

いきなりツアータイトル曲の【青い“なす”畑】が始まりました。序盤は玉置さんの弾き語り形式で進行。静かな空間に、玉置さんの歌声とギターを弾く音のみが贅沢に聴こえました。途中からは、中北さんのパーカッションが演奏に加わり、ゆっくりしたテンポの中にも踏み込んだリズムが生まれました。

曲の中盤、

広がるそのまんまでいい

以降はライティングが顕著に変化していきました。ここまで暗めの照明で落ち着いて進行したところ、青白さを増した演出に変わっていきました。本パートの歌詞に表れる、

青い青い空がいい

をモチーフにしたようなライティングで、目の前に雄大な光景が広がりました。また、以降は他楽器の演奏も入り、曲がスケールアップしていく様子を感じました。

最後は再び静かな演奏に戻り、玉置さんの語りかける歌声で曲が終了。後奏時には、演奏に合わせて玉置さんがメロディーを口ずさみ、本ツアーのタイトルを飾った1曲が終了しました。

3曲目

曲前、ギターをスタッフと入れ替える玉置さん。あれは小さなボディが特徴的なギブソンのものでしょうか。

準備が整うと、ステージ下手サイドが明るく照らされて、ストリングスの前奏で曲がスタート。アルバム「惑星」の始まりを思わせる見事な弦楽合奏で【からっぽの心で】がスタートします。

玉置さんの歌唱パートに移ると、ドラムがガッチリとリズムを支える骨太なサウンドが特徴的な演奏で曲が進みました。その隣で、パーカッションの中北さんはタンバリンを叩いてリズムを取っていました。この姿が観客に向けた手拍子のようになり、客席からはまばらに手拍子が発生して進行しました。

2番に入ると、門田さんのサックス演奏がフレーズ間で随所に出現してオブリガートを担当。このゴージャスな演奏もまた素晴らしく、曲に見事なアクセントが加わりました。以降も引き続き、観客席から手拍子が起こる中を進行。玉置さんの歌唱も、とてもリズミカルに歌っていた印象がありました。大きく原作からメロディーを崩すことなく、非常にオーソドックスな歌い方が記憶に残っています。

4曲目

次の曲はマイク1本のパフォーマンスに切り替わります。玉置さんがマイクスタンドからマイクを外し、スタンドを丁寧にステージの後方に置く曲前の所作から、【それ以外に何がある】がスタート。この曲は、ストリングス隊の絶妙な弦のタッチによる、きめ細やかな演奏が際立ちました。序盤の玉置さんの抑えた歌声を阻害することなく、でもしっかりと軽快なリズムを取る演奏が素晴らしかったです。

玉置さんの歌唱は、サビで力強い歌声を見ました。それをよく感じたのが

それで〜〜〜も何かになって

のところ。非常に伸びやかな声で、艶のある歌声が響きました。この日はロングトーンの伸びが絶品で、玉置さんの好調さを如実に表していました。本公演で初となる、大きなジェスチャーを見せたのも本曲でした。1番のラスト、

僕らは繋がっていたんだろう

で手を前に出す動作。玉置さんと観客の結びつきを表現するような動きでした。

曲の最終盤、

だからいつの日か 子どもの頃に思い描いた
みんなが仲良く暮らせる 世界があるはず
2人でいれば

のパートは、

世界があるはず

の歌詞を2015年の故郷楽団ツアーのように繰り返すことなく、原作と同様にシンプルな形が取られていました。最後は後奏に合わせて玉置さんがメロディーを歌い、締めくくりまで口ずさみパートが続きました。

5曲目

前曲の後に発生した観客からの拍手が鳴り止んでいない最中、その音と重なるように突如、中北さんによるパーカッション演奏のソロパフォーマンスが始まります。ここで真っ赤な照明がステージを照らし、早くもロックな雰囲気が生まれました。この間に玉置さんはスタッフからギターを渡され、再びギターありのパフォーマンスに変わりました。確か、使用されたギターは黒の愛称:ホイットニーであったと記憶しています。

曲が始まると、真紅の照明の中から白光が観客席に向けて差し込み、眩しさを感じる演出が広がりました。その後、音響を加工した

太陽さん、おはよう

の声が聴こえてきて、【太陽さん】が始まります。その後はソウルフルで過激な玉置さんの歌声で進行。THE・ロックミュージックのパフォーマンスを見ました。この曲も声の伸びが素晴らしく、各サビのラストにある

太陽さ〜〜〜ん

は大きく背中をのけ反って、どこまでも伸びていく歌声がありました。

6曲目

水色の照明下、サポートメンバーが発する甲高い演奏音が無数に乱立する曲前演出。前曲から引き続き、ロックテイストな雰囲気が醸成されました。長く続いた演出後、曲の前奏が始まって【古今東西】がスタート。

この曲は、サビで玉置さんのフレーズ間に入れるフェイクが目立ちました。3月に放送された玉置浩二ショーで見せたように、

ガンバレ、ガンバレ

の後の休符で遊びを入れてから次の

ガンバレ、ガンバレ

に入るスタイル。アップテンポな曲の中にも、十分な余裕を感じるパフォーマンスでした。

曲中盤の間奏は、秋山さんのエレキギターが担当しました。玉置さんもそちらに出向いていき、ギターの掛け合いをしていました。その後、曲にやや哀愁感が漂う

腹立たしい 疑わしい
煩わしい 今も昔も
息苦しい 如何わしい
そんなもんだ

のパートは青と赤のライトが交わる演出。ロック調の中に、ややクールダウンした様子が伝わってきました。

次の間奏は、主役がステージ下手サイドに切り替わります。1stバイオリンの白澤さんがその場に立ち上がり、ソロパフォーマンスを披露。この演奏は非常に目立った光景でした。間奏の一節を演奏すると、その後は客席から見て右に位置する門田さんのサックスソロに移行。演者がハッキリと入れ替わり、またスポットライトも奏者を照らし、輝かしい演奏が曲を引っ張っていきました。

7曲目

玉置さんの甘い裏声、

最高でしょ

の歌声で曲がスタート。7曲目は【最高でしょ?】です。これまで2曲で繰り広げられた、ロックな雰囲気とはまた違った妖艶な空気が流れました。照明演出も特徴的で、ミラーボールが回転するような細かい粒状の白い光が場内をグルグル回り、異世界に来た感覚に陥りました。冒頭、

MONDAY 電話握ってすぐ切って

では、印象に残る玉置さんのポーズがありました。左手を耳元に当てながら歌う姿で、ライブならではの様子を見ました。その後もゆったりと気怠げに甘い声で歌い進める玉置さん。ここ数年では見ることのなかった、独特な世界観が蔓延していました。

曲の中盤、転調が起こってスピード感が速まるポイントからは、前曲までのロックなアレンジが再び顔を覗き、1曲の中で大きな変化がもたらされました。玉置さんは終始テンポが一切乱れないリズムで歌い上げ、正確に音を当てていたのが素晴らしかったです。終盤、

雨でも風にも濡れてていいんだ2人のパラダイス

から

吐息が混じって終わんない

では、激しいシャウトから柔らかいウィスパーボイスに瞬時に声質を切り替えるテクニックもあり、鳥肌が立つほどに魅了されました。

ラストの間奏で、

最高でしょ、最高でしょ

と連打するところでは、玉置さんがスタンドに設置されたマイクを外して、ステージ前方に移動して歌う姿がありました。この日は移動範囲があまり広くなく、やや控えめな印象がありましたが、本パートはかなり自由にアレンジが効きそうなため、今後の公演で大がかりな演出になることを期待しています。その後のラストは、冒頭と同じくゆったりしたムードに帰着。その締めくくりがまた特徴的なパフォーマンスでした。

MONDAY ひとりで遊ばないで

のところで、

ひ〜とりで!
ひ〜〜とりで!!
ひ〜〜〜とりで!!!
遊ばないで

と3連発で叫ぶアレンジで猛烈な1曲が終了。この部分も伴奏が止まり、玉置さんの独壇場になるため、アレンジの幅が広いと思いました。今後、どのように変化し、また定番化していくのか大注目だと思います。

8曲目

暗いステージ、下手の奥が白く照らされて、ストリングスの合奏で【コール】がスタート。やがて玉置さんの歌唱パートが始まると、白い辺で描かれた多角形の集合が玉置さんの足元を照らして、バラードの歌声が広がりました。前曲の「最高でしょ?」からは急激な落差のある選曲でしたが、そんな変化はものともせず、淡々と粛々と聴かせるスタイルで歌い上げる玉置さんが実に素晴らしかったです。本曲は玉置さんの声の伸びが見事で、感動的な歌声がホールに響きました。特にサビでは、曲が進むにつれて声量が上がっていき、どんどん力強さが増していきました。

歌唱パートの終了後は、後奏をしばらく聴いたのちにパフォーマンスをサポートメンバーに預けて、玉置さんが退場していきます。入場時と同様に、上手の奥に歩みを進めていきました。ここで客席から起こった大きな拍手が玉置さんを見送り、激動の第一部が終了しました。

9曲目

約20分の休憩後、第二部が始まります。公演開始時と同じく、下手の袖からサポートメンバーがステージに姿を見せました。全員が決められたポジションについた後、1stバイオリンの白澤さんによるソロ演奏が先行してインスト曲が開始。ここに他の楽器も続いていく様式が取られていました。

しばらくすると、門田さんのサックスが【青い“なす”畑】の歌詞パートを演奏。第二部もツアータイトル曲でスタートしました。その後はサポートメンバーによるキャッチーなメロディーラインの演奏が続き、ところどころで同曲における歌詞パートの主旋律が奏でられて、魅力的なインスト曲が終了しました。

10曲目

トオミさんのピアノ演奏で早くも【嘲笑】の前奏がスタート。その最中に玉置さんが上手奥から登場しました。黒をベースにしたファッションは変わらず、一部と比較すると白のインナーがやや胸元に覗くスタイルにモデルチェンジがなされました。

ステージは星を模した黄色い粒々のライトで彩られ、その中を玉置さんがマイク1本で歌い上げました。サビの力強い歌声が印象的で、

ほとんど/なんにも
変わりがない

で少しずつマイクを離していく歌い方をしていました。最後には首を少し傾けて、

いぃ〜⤵︎

と繊細にトーンを締めくくる切り替えも見事でした。

2番終了時の間奏時には、玉置さんの口笛がなく、チェロの低弦とアコースティックギターの合奏になりました。ステージの両端にライトが当たり、弦楽器による共演が広がりました。

11曲目

弦カルテットの前演奏でスタート。再び青いバスカリーノを持つ玉置さん。演奏が終わると、玉置さんの弾き語りで【しあわせのランプ】が始まります。このストリングスの前奏が、曲の繋がりにピッタリとマッチしていました。これまでの経験則から導かれる特別な脈絡はないものの、ストリングスの前演奏の段階で同曲が演奏されることを瞬時に理解しました。

この曲も第一部で見た「青い“なす”畑」と同じく、贅沢に玉置さんの歌声とギター音のみが聴こえてくる空間がありました。また、曲の途中からは他楽器の演奏も加わり、バラード曲の中に少しずつ盛り上がりが生まれる展開になりました。

曲中盤の間奏は秋山さんのエレキギターが担当。切れ味鋭い演奏が響き渡りました。その後、玉置さんの歌唱パートが始まったところで、前曲「嘲笑」との繋がりを意識する場面に遭遇しました。

この星を見つめて
巡りあった頃のことを思って

のところ。いずれも「星」といったワードが詩に表れる両曲。前曲は100年〜100万年と、非常に広い時の範囲で語られているパートがありますが、本曲はより現在にフォーカスを当てられた感覚がありました。確かに前曲でも

僕らが今見る星と

と今に焦点を当てた描写があるものの、同曲の本フレーズを聴いて、より過去と現在の結びつきを意識させられるものになりました。

12曲目

中北さんによるお馴染みの、

1・2・3

のコールで【サーチライト】がスタート。この瞬間、ステージのバックから2行の電球が明るく光り、客席を眩しく照らしました。玉置さんの歌唱パートが始まって以降は、昨年とほとんど同じ構成が取られていました。秋山さんのアコースティックギターが軽快にリズムを取る中を玉置さんが歌い進める形。しかしながら、昨年からはドラムが入った分、より重みを感じるリズムが生まれました。

1番終了時の間奏では、客席から拍手が起こって玉置さんがお辞儀をするのがソロツアーのスタイル。温かみのある雰囲気が会場を包みました。2番からラストサビに向かっていく、

サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ

では、右手を大きく前に出し、上手から下手に向けて差し伸べる玉置さん。幅広いジェスチャーが会場を覆いました。

後奏時には玉置さんがフェイクを入れて曲を彩ると、最後はトオミさんが右手を握る合図で演奏が終了しました。これに玉置さんも右手に持ったマイクをトオミさん方向に突き出すポーズで応えて、パフォーマンスが完結しました。

当初の予想通り、本曲では門田さんがフルートを演奏していました。第二部の1曲目である「嘲笑」でもフルートを実演しており、バラエティー豊かな演奏体制を確認しました。

13曲目

赤い照明の中、ロックな前奏で【じれったい】が始まります。玉置さんもここで白いギターを持ち、さらにその雰囲気を加速させました。

シンフォニックコンサートで聴いた同曲とはまた違った空気感が流れ、タフなリズム隊の演奏が響くことで曲をどんどん前へ推し進めていました。玉置さんの歌い方もそれに合わせるようなパワフルな歌い方に変貌を遂げ、見事に変幻自在な姿を見ました。

サビでは玉置さんが観客に歌わせる場面もありました。

じれったい 心を溶かして
(じれったい) 身体も溶かして

のところで、マイクスタンドから離れ、両手を前に出してワンフレーズを引き出しました。その後は歌詞アレンジもありました。

もっと もっと立川たちかわを知りたい

と歌い上げると、観客席が大盛況に包まれました。

2番も印象的な玉置さんのパフォーマンスがあり、

傷つくほど愛して・愛して・愛してるのに

で客席に向けて指を差す動きがありました。下手から上手に向けて3度手を向ける演出でした。この部分もこれから変化していきそうなポイントだと思います。

2番終了後の間奏はサポートメンバーが輝きました。まず、ドラム&パーカッションによる打楽器の共演から始まり、その後は門田さんのサックスソロに続くパフォーマンス。ロックな雰囲気をさらに醸し出しました。

続くラストサビでは、玉置さんの歌声と秋山さんのギターがユニゾンされます。玉置さんがスタンドからマイクを手に取り、秋山さんに近づいて歌う両者の共演。その直後には、

もっと・もっと・もっと

の連発で遊び心を存分に見せつけました。

濃密な歌唱パートが終わり後奏に入ると、そのメロディーラインに沿って歌声を口ずさむ玉置さん。こうしたパートも全く狂いなく、見どころ満載でした。後奏の最後には、玉置さんがドラム・パーカッションの2人に近づいていき、ギターを大胆に振る動作が合図になって曲がフィナーレ。大盛況が渦巻いた1曲が終了しました。

14曲目

秋山さんのエレキギターソロが曲前の演出を飾ります。暗いステージでただ1人白く輝くパフォーマンスで、まだまだ続くロックチューンの予感。そこから玉置さんの

好きさ

の歌声で【好きさ】がスタート。安全地帯の代表曲が続きました。本曲は青と紫が色鮮やかな照明が交差する中を進んでいきました。

玉置さんの歌い方は、とても原作に忠実なスタイルで歌い進めていたのが印象的でした。特に2番のシャウトが特徴的である、

憎めない冷たい仕草は
逢えないと辛くて

では、叫ぶ歌い方ではなく抑えめな歌唱法でした。

後奏中にはステージを移動して、

好きさ

と歌う玉置さんの姿。最後は特大なシャウトで曲が終了しました。前曲と同様に、ここでも玉置さんがギターを大きく振る動作で演奏が締めくくられました。

15曲目

曲前、ステージのバックにスクリーンが降りてきました。このタイミングで曲が始まり、【JUNK LAND】がスタート。幕には「Kt」と書かれた本ツアーのロゴの下に、「DEKISOKONAI」といったメッセージが表記されていました。昨年までの「T」と書かれた旗とは違った演出で、新たな表現を見ました。

その他の照明演出や音作りなどは、昨年からあまり変化がないように見受けられました。流暢なストリングスの演奏が綺麗な前奏に始まり、歌唱パートに入ってからはリズムよく進んでいきました。ただし、やはりドラムが追加された影響でそのビートにはズッシリとした重さを感じるものになりました。

この曲は、ステージの下手側で激しく身体を動かしながら演奏をする、2ndバイオリンの名倉さんの姿が印象に残りました。

待ってる人のその前で
泣いてる人のその前で

以降は、大きく頭を振りながら演奏をするヘッドバンキング奏法がありました。次回以降、吉田さんとの共演が楽しみです。2番の演奏と照明演出が止まる、

破れちまった旗でも高く掲げ!

では、このポイントでいち早く手を上に伸ばす姿があり、強調された演出に色を加えていました。

転調後のラストは、玉置さんの伸びやかな歌声が会場に浸透しました。また、ここからはストリングスのメンバーがその場に立ち上がって演奏を続け、とても盛り上がった様子が伝わってきました。その一方で、ステージの上手に目を移すと、リズム隊の中北さんや千ヶ崎さんが大きく手を叩き、観客席に向けて手拍子を煽りました。こうしたステージの様子に応えるように、以降は観客の手拍子も加わり、会場が1つになっていきます。また、曲が進むにつれてサポートメンバーの演奏が1人また1人と加わり、今度は演奏が1つになっていきました。ここでも、玉置さんが観客に歌わせる場面がありました。

(ガラクタだけど) 心を込めて
緑の丘で 2人で暮らそう

のところ。玉置さんがステージやや上手側に移動して、両手を広げる動作がありました。このパートも、今後の公演を経ていく中で、アレンジの範囲が広がりそうだと思いました。

最後はサポートメンバーの後奏に合わせてフェイクを入れる玉置さん。非常に盛り上がった定番曲が終了しました。

メンバー紹介

ここでサポートメンバーの紹介が行われました。上手側のメンバーから順に、玉置さんが楽器と名前を呼び上げていきます。呼ばれたメンバーはその場に立ち上がり、エアハグや敬礼などのボディランゲージを交えてそれに応えました。

パーカッション・中北裕子
ギター・秋山浩徳
ドラムス・松原"マツキチ"寛
ベースギター・千ヶ崎学
サックス・門田"JAW"晃介
1stバイオリン・白澤美佳
2ndバイオリン・名倉主
ヴィオラ・大辻ひろの
チェロ・村中俊之
サウンドプロデュース&アレンジ、ピアノ・トオミヨウ

トオミさんの発表後には、玉置さんがトオミさんの元に歩み寄り、ガッチリと握手を交わしました。その後、マイクスタンドの前に戻ってきたところで、「故郷楽団」と発表すると思いましたが、この日は言わずに次曲へ移りました。

16曲目

玉置さんが客席に向けて両手を突き出すポーズが合図となり、【田園】がスタート。この曲も引き続き、弦カルテットがその場に立ち上がってのパフォーマンスになりました。また、観客の多くも座席から立ち上がり、非常に盛り上がった雰囲気が会場を包みました。

1番のサビでは、玉置さんが

愛はここにある 立川たちかわにある

と歌い、また一段と大盛況が渦巻きました。その後の間奏は一部が観客の合唱形式になり、冒頭を玉置さんが歌い始め、以降を観客の唱和に委ねる形が取られました。

2番は、門田さんのテナーサックスの演奏が助奏として入る中を玉置さんが歌うサウンドアレンジ。この演出も昨年からは変化がありませんでした。

サビでは、身体全身でリズムを表現するサポートメンバーの姿がありました。

波に巻き込まれ 風に飛ばされて
それでもその目をつぶらないで

のところで、リズムに合わせて飛び跳ねるストリングス隊とギターの秋山さん。1番、

ビルに飲み込まれ 街に弾かれて
それでもその手を離さないで

で同様の動きがあったため注目していたところ、2番とラストサビでも同じジャンプがありました。

玉置さんは最後まで軽快に歌い上げ、

みんなここにいる
愛はどこへも行かない

で大きく手を広げると、同じタイミングで手を上げる秋山さんの見事な呼吸から後奏が開始。演奏のメロディーに合わせて玉置さんが口ずさんだ後、最後はここでもギターを使った動作が終了の合図になりました。今回はストリングス隊の方に身体を向けてギターのネックを振り、直後にギターを肩から外して右手で持って上に掲げるスピーディーな動作で曲が終了しました。

曲後はしばらく客席からの拍手が続き、玉置さんがギターを青のバスカリーノに交換して次曲が始まりました。

17曲目

【メロディー】がスタート。冒頭、玉置さんの透明感ある歌声が印象的でした。澄んだ歌声が会場に響き渡り、とても神秘的な空間が場内を包みました。

サビのロングトーンも非常に力強く、特にラストサビの歌声は凄まじいものがありました。近年よく見るようなノーマイクではなく、マイクを介した全編のパフォーマンスで、まっすぐな圧巻のトーンが放たれました。最後は白いライトが神々しく玉置さんを照らす中、

あの歌は心から聞こえてるよ

をしっとりと歌い上げて曲が終了。実に素晴らしい歌声で本編がフィナーレを迎えました。

曲後はギターをステージの後ろに置き、そのヘッドを撫でる玉置さん。そうしていると、続々とサポートメンバーがステージの前方に移動してきました。全員が1列で並び、客席に礼をするメンバーたち。その並び順は以下の通りです。

(下手から)
Vc.村中さん
Va.大辻さん
Vn.名倉さん
Vn.白澤さん
Key.トオミさん
Vo.玉置さん
Sax.門田さん
Ba.千ヶ崎さん
Gt.秋山さん
Perc.中北さん
Dr.松原さん

続けて、両隣の人と手を取り合ってバンザイをしながら、素晴らしいパフォーマンスを称え合う様子もありました。その後は村中さんを先頭にサポートメンバーが下手に退場していき、玉置さんが1人でステージに残ります。舞台袖に捌けたメンバーに手を上げ、続いて各楽器に向けて手を伸ばしました。

すると、後ろに置かれたマイクスタンドを手に取り、ステージ前方に持ってくる玉置さん。何かが始まりそうな予感が起こります。続いて、ギターを肩にかけてスタンドの前に移動してきました。その直後には、まもなく歌い始めようかといったところで、忘れてたと言わんばかりに両手のアームカバーをまくり上げる動作がありました。

4. アンコールの様子

Ec. 1曲目

玉置さんの弾き語りで、

もっと勝手に恋したり

の歌声。直ちに観客席から拍手が起こると、スタンドから一歩遠ざかり、引いていく玉置さん。まだ続けて欲しいと言った客席からの嘆きの声が起こる中、玉置さんが再びマイクの前に立ちます。

玉置さん
玉置さん

初日なので喋ります

観客
観客

大歓声

玉置さん
玉置さん

意外と喋れるってところを見せておかないと…

観客
観客

笑笑

玉置さん
玉置さん

こっちの方が良いかな?
(スタンドをやや上手側に動かす)

スピーカーがここにあるから

観客
観客

笑笑

玉置さん
玉置さん

普段、喋らないんですけど…
歌がいいから、音楽がいいからね

観客
観客

歓声

玉置さん
玉置さん

あぁ、もうこれで喋れなくなった

観客
観客

笑笑

玉置さん
玉置さん

皆様、暑い中お越しいただきご苦労様です

玉置さん
玉置さん

日々の皆様の健闘を…
仕事をしてる人も、まだ仕事はしてないって人もいるかな
まぁ、やってれば色々と問題は出てくるわけで…
俺くらいになると、身体のこととか、誰かが亡くなったってことが問題になってくる

玉置さん
玉置さん

そんな歳になりました

観客
観客

シーン

玉置さん
玉置さん

ここ、笑うところです

観客
観客

笑笑

玉置さん
玉置さん

でも人生やっぱり問題ばっかりで、これはなくならない
皆さんにも問題と思ってることがあるんでしょうけど…
問題があるってことは問題ないんですね

玉置さん
玉置さん

やっぱり音楽・歌はいいんですよ
俺が歌ってる限りは大丈夫
こうやってみんなもいて…
もし誰も聴きに来なくなったら、潔くやめようと思ってるので…

玉置さん
玉置さん

4日後かな?
また大宮でコンサートがあるんですけど、そのときは喋りません
今日は初日なので特別に…

Ec. 2曲目

アンコールの2曲目に入りました。

(玉置さんがギターを弾きながら)
(以下、観客との合唱)

泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから

夢にまで涙が溢れるくらい
恋は壊れやすくて
抱きしめる腕の強さでさえなぜか
揺れる心を止められない

でも泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから
悲しみにさよなら
ほゝえんでさよなら
愛を世界の平和のために
観客
観客

歓声・拍手

玉置さん
玉置さん

皆さんの歌声があまりにも綺麗なのでもう1曲
夏の終りのハーモニーをハモりたいと思います

観客
観客

歓声・拍手

玉置さん
玉置さん

俺は自分のパートを歌うから、
みんなは陽水さんのパートを歌って

玉置さん
玉置さん

(客席を指差して)
あぁ、陽水さんがいっぱいいる

観客
観客

笑笑

Ec. 3曲目

(玉置さんの歌声に釣られて観客の歌声も入る)
今日のささやきと昨日の争う声が
2人だけの恋のハーモニー
玉置さん
玉置さん

いや、ここは俺のパートだから
みんなは「夢も」からね

観客
観客

笑笑

(玉置さんが1人で歌う)
今日のささやきと
玉置さん
玉置さん

誰も歌わない

観客
観客

笑笑

玉置さん
玉置さん

これは寂しいね
じゃあこうしよう
俺のところを歌いたい人は俺のところ、

陽水さんのところを歌いたい人は陽水さんのところ

観客
観客

歓声

(以降、観客との合唱)
今日のささやきと昨日の争う声が
2人だけの恋のハーモニー
(※1)

(以降は玉置さんが下のパートを歌う)

夢もあこがれもどこか違ってるけど
それが僕と君のハーモニー


夜空をたださまようだけ
誰よりもあなたが好きだから
素敵な夢あこがれを
(※2)
いつまでもずっと
(※3)忘れずに〜〜〜

(※1)玉置さんが弦楽器を弾くような動きを見せてリズムを取りました。
(※2)フレーズ間にシャウトをする玉置さん。
(※3)玉置さんが一言一言で手を上下しながら唱和のタイミングを合わせました。

玉置さん
玉置さん

(上手に退場する玉置さん)

観客
観客

大歓声・拍手

その後、館内アナウンスが流れて終演。初日公演限定のサプライズに、会場が大きく沸きました。

以下、楽曲のセットリストです。

5. セットリスト

玉置浩二 with 故郷楽団 10周年
Concert Tour 2025 〜blue eggplant field
8月7日
TACHIKAWA STAGE GARDEN
セットリスト


【一部】
1. あこがれ
2. 青い“なす”畑
3. からっぽの心で
4. それ以外に何がある
5. 太陽さん
6. 古今東西
7. 最高でしょ?
8. コール
【二部】
9. 青い“なす”畑(Instrumental)
10. 嘲笑
11. しあわせのランプ
12. サーチライト
13. じれったい
14. 好きさ
15. JUNK LAND
〜メンバー紹介〜
16. 田園
17. メロディー
【アンコール】
Ec1. ワインレッドの心
Ec2. 悲しみにさよなら
Ec3. 夏の終りのハーモニー

6. 公演のまとめ

第一部から、意外な選曲の数々とその完成されたパフォーマンスに、観客席から大熱狂が渦巻きました。これから公演を重ねるごとに変化・進化していくだろうと思われるポイントも多数あり、見どころ満載のツアーになると思います。次回は明日の大宮公演、初日からの変化点も非常に楽しみです。

こばかず

コメント

  1. ルッコラ より:

    こばかずさん はじめまして
    8/7 立川の初日に私も行ってきました!

    Xの投稿では読ませてもらってますが、ここまで詳細にレポートを書けるのはすごいですね👍

    個人的には「最高でしょ?」と「嘲笑」が嬉しすぎました!
    初日だけと言っていた(他でも少しは喋る気がするけど笑)喋りも、大興奮でした
    各地を巡り、ツアーがどんな感じで進化(深化)していくか楽しみです

    これから11月までツアーが続くので、玉置さんはじめ、楽団のメンバーの皆様、関係者の皆様が元気で完走できること願います!

    • こばかず こばかず より:

      ルッコラさん、ありがとうございます!

      初日公演、圧巻の空間が渦巻いていましたよね🔥
      セットリスト、最高でした✊
      初演のみならず、旭川やバースデーなど、節目はよく喋るような気がします😅
      これから、本編のパフォーマンス面でも、アンコールでも、どんな変化があるのか楽しみですね👍
      今年も34公演と長丁場なので、無事の完走を願います💯