先日の5月10・11日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2025 “ODE TO JOY”@愛知県芸術劇場公演に参加しました。
指揮:田中祐子
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは15都市26公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。
今回は2公演分をまとめて記載します。
1. 公演前の様子
公演前の会場の様子です。
5/10 1日目
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5/11 2日目
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この2日間は、本ツアーで田中祐子さんが指揮を執る初めての公演でした。
2. 本編の様子・各曲の感想
1日目は2階席前方の下手寄り、2日目は1階席中央の上手寄りの座席でした。両日ともに、定刻通りに公演がスタート。東京フィルハーモニー交響楽団の入場、チューニングを経て、指揮者の田中さんがタクトを持って登場し、第一部が始まります。
1. ベートーヴェン 交響曲第9番 第4楽章 「歓喜の歌」
田中さんが上手側に身体を向けて、小さな動きで指揮が開始。冒頭はチェロとコントラバスによる低弦隊の演奏が単旋律で奏でられました。次のパートからヴィオラとファゴットが演奏に加わると、田中さんは左手でファゴットの音を引き出し、右手では全体の調和を律するような指揮を展開しました。
バイオリンが入るパートからは、田中さんが下手サイドを向いて指揮を繰り出し、華やかな高音の演奏が広がりました。中盤からは正面を向いてタクトを振り、ストリングス隊のハーモニーを生成しました。最後はブラス隊と打楽器のティンパニが入って輝かしく進行。以降は田中さんの指揮も上下に弾むようになり、その動作は素人目にもティンパニの作り出すリズム感がよく分かるものでした。最後は両手を大きく横に広げる大胆な指揮で序曲が終了。完全に音を止め切って、次なる管弦楽に入りました。
2. 歓喜の歌(玉置浩二)
大きな間を空けてから左手をホルンに向け、同時に右手では拍子を取ってバイオリンの演奏開始を知らせる指揮で、玉置さん作曲の「歓喜の歌」がスタート。
その後はオーソドックスな指揮と演奏で管弦楽が進行しました。オーボエのソロパートや、フルートとチェロの共演がよく際立つのはもちろんのこと、その他のアンサンブルパートも全体的な調和がよく取れたものになりました。
最終盤はキレのある演奏で、ボリューム大きく曲の終了に向かいます。ラストは田中さんが左手を強く1回転させ、頂点で弾けるような指揮でフィナーレを迎えました。
曲後は田中さんが指揮台を降りて、下手の舞台袖に手を上げると玉置さんが登場します。ステージ中央で田中さんと両手で握手をして、客席を向くと拍手の音が強くなり、やがてマイクを持って曲が始まります。
3. GOLD
この曲は、特に2日目で田中さんが玉置さんをしきりに見ながら進行しました。各パートにおいて歌が入るタイミングをよく意識した格好で、テンポを合わせる姿がありました。
玉置さんの歌声は、抑えるところは抑えて、強く歌うところは強く歌うといった、メリハリをよく感じるものになりました。ラストサビの、
黄金色に輝く 天使に導かれて
以降は黄色のライトが追加され、輝かしい雰囲気の中を玉置さんの力強い歌声が響きました。
4. ロマン
本曲も、序盤のピアノと玉置さんの共演になる部分で、田中さんが玉置さんの姿を見ながら指揮を進めました。楽譜をめくるとき以外は首を傾けて玉置さんの歌い姿を観察し、ゆっくりした曲調に歌と演奏を合わせていました。
2番までは全体的に暗めの照明で厳かに進行し、ステージ上のパフォーマンスが慎重で落ち着いたものに見えました。この雰囲気がガラッと変わるのがラストサビでした。ストリングス隊のキレある弾奏がこれまでの空気感を打破すると、ライティング演出が明るく変化し、田中さんの指揮も、オーケストラの演奏も、そして玉置さんの歌声も力強さが増していきました。これまで蓄えていた演者たちのパワーが、ここで全解放されたような感覚になりました。
5. SACRED LOVE
田中さんが左手を丁寧に3回添える指揮にしたがって、「祈りの鐘」が3度鳴って曲の始まりを告げました。
曲が始まってからは、非常にゆっくり進行しました。前2曲もスローテンポなバラードですが、この曲は特にそのスピードが遅く感じ、メロウな雰囲気が漂って異世界に来たような空気感へ切り替わりました。当然に玉置さんの歌もゆっくりしたものになり、語りかけるような歌声も強烈なロングトーンも、歌いながら上手くリズムを合わせているように見えました。
6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)
メドレー1曲目の「MR.LONELY」は、パワフルな歌声が印象的でした。1番から2番に移る間奏の発声パートでは、両日ともにマイクを身体から大きく離して、力強い地声で歌うスタイル。1日目はその中盤にフェイクを入れて、最後をささやくような歌声で締めくくりました。一方、2日目は全体に渡ってメロディーラインに忠実な歌声を聴かせました。
ラストサビも圧巻でした。
風に吹かれていたって
いつでも どんなときでも
〜
遠く離れていたって
笑って 元気でいるから
のロングトーンが絶品で、鬼気迫る勢いを感じました。この曲も比較的にゆっくり進みましたが、その迫力が影響して緊張感が走り、最後はスピード感が上がったように錯覚しました。
2曲目の「サーチライト」では、1日目に特徴的なシーンを見ました。歌唱パートが終わり、後奏に合わせたフェイクを入れるところで、玉置さんが歌いながらテーブルのタオルを手にして、右額〜目のあたりを拭いました。曲の終了がすぐそこなのにも関わらず、このタイミングでタオルを手にしたことは非常に驚きました。ましてや、ステージ上におけるパフォーマーとしての振る舞いに対して、とてもストイックな姿勢を見せる玉置さんがこうした動きをしたため、極めて珍しい場面になりました。
7. Friend
歌唱パートが始まってすぐ、ピアノの伴奏に合わせて玉置さんが歌う場面で、この曲でも田中さんが玉置さんをよく見ながら指揮をしました。その最中でも右手に持ったタクトは繊細に上下させながら、ピアノの絶妙なスピード感を生み出していました。
サビは多彩なロングトーンが放たれました。ビブラートを使わないストレートで力強い歌声、ビブラートをかけたやや抑えめの歌声など、各ポイントで使い分ける歌い方で、ハイレベルなテクニックを見ました。
歌が終わって後奏が始まると、その演奏を一段落聴いてから玉置さんが退場します。マイクを持ったまま、堂々と下手の舞台袖に歩いていきました。その後は拍手が起こる中をオーケストラの壮大な演奏が続き、最後の音を田中さんが綺麗に手を握って止め、第一部が終了しました。
8. 『ハンガリー舞曲集 第1集』より第1番(J.ブラームス)
約20分のインターバル後、第二部が始まります。楽団の入場および調律が完了したのちに田中さんが登場しました。
田中さんの大きな指揮から、迫力あるストリングスの演奏で管弦楽がスタート。そこに左手を軽く指揮でフルートのオブリガートが入り、楽曲の中に彩りが生まれました。曲の中盤からは田中さんの変幻自在な指揮を見ました。左右にワイドな指揮を展開したと思ったら、今度は指揮棒を振らずに静観する場面もありました。
終盤は冒頭と同じ躍動感のあるモチーフが帰着してフィナーレを迎えます。田中さんが左手を大きく回してから手を上げる指揮で曲が終了すると同時に、ここまで主役としてメインメロディーを奏でたストリングス隊の弓が一斉に弾ける美しいラストでした。
曲後は田中さんが指揮台から降りて、下手の舞台袖に向けて手を上げると玉置さんが再登場。第二部の本編が始まります。
9. いつもどこかで
2日目は、ラストサビで少し歌い方に変化が表れました。
忘れないで ①どんなときも
②僕が君を 包んでいるよ
①では、最後のトーンで音程を下げるところ、
どんなときも〜⤴︎〜⤵︎〜
といったように上下動を繰り返す自由な歌い方をしていました。②では、
僕が…きみぃぃいを〜〜〜
と「君」の「い」の音を踏ん張るように歌っていました。その後はロングトーンの途中で田中さんの指揮によって演奏が止まり、ラストフレーズの
包んでいるよ…
から演奏が再開。歌声・指揮・演奏のタイミングがピッタリに合った最後でした。
10. 行かないで
2日目、1番のサビでいつもと違った歌い方を見ました。
いつまでもずっと 離さないで
の直後である、
Ah〜
の部分です。1番はこの箇所を裏声で歌うことが多いですが、この日は力強く地声で歌っていました。前パートの
は〜なさないで〜
がマイクを離したパワフルな歌声で、その後瞬時にマイクを口元に近づけるその距離感に注目していましたが、2日目は離したまま地声で歌っていました。
11. ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら(メドレー)
1曲目の「ワインレッドの心」では、ラストサビの
あの消えそうに燃えそうな
ワ〜インレッドの〜
の歌声が2日間ともに豪快で、凄みを感じました。
続く「じれったい」は、ジェスチャーも交えながらリズムよく歌いました。2日目は最後の、
Baby Baby Baby 心を燃やして
Ah〜 Baby 全てを燃やして
もっと もっと 知りたい
でタメを作りながら歌う場面もあり、バラエティーのある歌唱を見ました。
ラストの「悲しみにさよなら」では、2日間でサビ前の歌い方に変化が出ました。
揺れる心を 止められない
の部分です。1日目は、
揺れる・・・心をぉ〜⤴︎
というように、最近よく見せる溜めてから上げる歌い方をしていました。しかし、その後の
止められない
でリズムが合わなかったのか、歌詞が出てこなかったのか、その歌声が大きく遅れて入り、サビを迎えました。一方、2日目はこのアレンジをせず、通常通りの歌い方に戻りました。続くサビでは、
愛を世界の平和のために
と歌うと、観客からの拍手が起こり、玉置さんがこちらに向けてお辞儀をしました。
そして、間奏を経たラストサビが圧巻で、特に2日目はパワーの漲る歌唱になりました。最後の、伴奏のボリュームが一気に下がり、玉置さんがマイクを大きく遠ざけながら、
泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから
と歌う部分。立派な直立姿勢で堂々と歌いながらも、マイクを持っていない左手が色んな方面に動くパフォーマンスになりました。これは何かのジェスチャーをしたかったわけではなく、玉置さんの中でほとばしるパワーと感情が自然と身体の動きをそうさせたのだと思いました。こうした気持ちが入った玉置さんの姿に感化されたのか、続く短編の間奏中には早くも観客席からの拍手が起こる展開になり、その中を玉置さんがノーマイクで
悲しみに〜さよなら〜
と歌うラストになりました。
12. JUNK LAND
歌唱パートが始まると、田中さんが玉置さんに向けて首を傾けて、歌う姿を見ながら指揮をしました。玉置さんもこうした様子を感じ取ったのか、徐々に田中さんの方を向いてアプローチしながら歌うようになり、絶妙なリズム感が生成されて曲が進行しました。
2日目は、2番の
待ってる人のその前で
泣いてる人のその前で
以降で観客席から手拍子が起こる展開に変化しました。曲が転調するラストの、
ガラクタだけど 心を込めて
が始まってからも、依然として手拍子の音が大きく鳴る中でのパフォーマンスになりました。指揮者の田中さんは、特に手拍子を止めるような合図は見せず、そのまま曲が進んでいきました。
後奏の、玉置さんのフェイクとオーケストラの演奏を同時に止めるパートでは、かなり長めに伴奏を引き出す田中さんの指揮がありました。それにしたがって玉置さんが発声する裏声のトーンも非常に長いものとなり、その途中で声圧を強めてとても大きな声になる場面もありました。最後は玉置さんがマイクを口元から素早く離し、田中さんがオーケストラに演奏終了の指揮をして曲が終了しました。曲の直後には、田中さんが指揮台で飛び跳ねるように歓喜を表現し、玉置さんと握手をしました。
13. 夏の終りのハーモニー
2日目、序盤で玉置さんの歌い方がほんのわずかながらに声が途切れ、語りかけるような歌声になりました。これを見て、昨年の旭川公演で涙しながら「メロディー」を歌った光景が頭をよぎりましたが、このときは気のせいだと思ってほとんど意識せずステージを見ていました。
その一方で、ラストサビのノーマイク歌唱は非常に力強いものになりました。
真夏の〜ぉお〜⤴︎
で急激に歌声が強くなり、その流れに乗ってマイクを介していないとは思えないほどの声量を有した歌声が聴こえてきました。最後は、
忘れずに〜〜〜〜〜
のロングトーンの途中で、田中さんの指揮とオーケストラの演奏が再開し、後奏が始まりました。アウトロが静まり、曲が終わる際には玉置さんが両手を握り合わせて充実感のある表情を見せ、ドラマチックなラストを迎えました。
曲後は玉置さんと田中さんが横並びする立ち位置で、カーテンコールの演出になりました。鳴り止まない観客席からの拍手の中、1日目は2度、2日目は1度両者が退入場しました。そこからは田中さんが指揮台に登り、玉置さんは再びステージを後にします。ここでは、

(またステージに)👉戻ってくる
(1度舞台の裏に)👈戻ってから
といったジェスチャーを歩きながら客席に見せました。
3. アンコールの様子・感想
14. 田園
ベートーヴェン作曲の「田園」で始まり、玉置さん作曲の「田園」が旋律の中に顔を出すと、観客から大きな手拍手が起こり、盛り上がる中を曲が始まりました。玉置さんがステージに再び姿を見せてからは、観客の多くが立ち上がって大盛況が生まれました。
Aメロが始まると手拍子の音がパッタリと止み、ステージに配慮された良い雰囲気でパフォーマンスが進行しました。サビの地名を入れたアレンジは、両日ともに
愛はここにある 名古屋にある
で、玉置さんは
名古屋に〜〜〜ある
というように歌っていました。この直後、観客から拍手が起こるのと同時に客電が明るく点灯すると、間奏の発声パートを観客が合唱する形になりました。
2番とラストサビの、
生きていくんだ それでいいんだ
も、玉置さんが両手を広げる合図にしたがって観客の合唱になり、その後はいよいよ最終盤のシャウトパフォーマンスに突入します。田中さんが玉置さんの方を向きながらも、右手ではタクトを前に向けて上下に揺らしながらオーケストラの演奏を引き出す指揮で、非常に長い伴奏のもとを玉置さんのトーンが長く響きました。その姿勢も時間が経つにつれてみるみる腰の反りが深くなり、シャウトの途中に客席から拍手が起こりました。2日目は玉置さんのトーンよりもオーケストラ演奏の方が長く続き、終了のタイミングを合わせるために玉置さんが右手に持ったマイクを上に突き出しましたが、なおも演奏は続いていたため、そこからマイクを引っ込める動作でこの演出をまとめました。
曲後は田中さんが指揮台を降り、玉置さんと2人で話し込む姿がありました。この光景をよく観察すると、2人の身長差から、田中さんが玉置さんに圧倒されているような、あるいは尊敬の念を抱いて見上げるような反応をしていました。この会話は長らく続き、結局は両者が退場せずに次曲が始まりました。
15. メロディー
ここまで、全体に渡ってタクトを右手に持って指揮を執った田中さんですが、本曲は両日ともに指揮棒を置いて全体を統率しました。(唯一、2日目の「夏の終りのハーモニー」に限ってはタクトを置いていました。)観客が総立ちの中をバラード曲がスタート。熱気が漂う雰囲気で曲が進行し、玉置さんの歌声も力のこもったものでした。
しかしながら、急激に変調が起こったのは2日目の2番が始まったときでした。突然、声を詰まらせながら、途切れ途切れの細い声で歌う玉置さん。曲が進むにつれてその歌声は弱くなっていき、込み上げた想いが瞳から溢れ出ていることは客席からも明白でした。この様子をステージ上の田中さんが素早く察知し、身体を小さく指揮する動作でオーケストラの演奏を弱め、全体的な音のバランスを取りました。やがてサビに入りますが、本曲の見せ場である強いロングトーンも影を潜め、語りかけるような歌声が2番の最後まで続きました。
2番が終わって間奏に入ると、すぐに玉置さんがマイクをテーブルに置き、黒いタオルを手にして、正面を向いたまま両目にじっと長時間押し付け、湧き上がる涙を拭きました。こうした光景に観客席からは拍手が起こり、感動的なムードが会場全体に広がりました。
ラストサビは普段通りにノーマイク歌唱で進行するも、その歌声は華奢で最後まで感傷的なものになりました。ラストの、
泣かないで〜〜〜
ではパワーを振り絞って力強い歌声を聴かせましたが、いつもの張りと長さではなく、非常にセンチメンタルなパフォーマンスになりました。その後、
あの歌は心から聞こえてるよ
を途切れ途切れのアカペラで歌うと、短編の後奏が入る前に客席から大きな拍手が起こりました。最後はこの状況が落ち着くのを待ってから、田中さんがゆっくりとオーケストラに指揮を再開して、曲が終了しました。この演奏中にも、玉置さんは黒いタオルで目を抑えていました。
曲が終わってからもしばらく涙を拭く玉置さん。田中さんも指揮台から降りて、目元を手で拭っていました。観客席からは拍手が続き、やがて玉置さんを先頭に2人が退場していきました。オーケストラが残ったステージで拍手が続く中、私は

Wアンコールは実演されるんだろうか
このまま終演になってもとても美しい
と思いを巡らせていました。
しばらくすると、玉置さんと田中さんが入場してきました。ここでは玉置さんは白いタオルを持って、なおも涙を拭きながらの登場になりました。その後、田中さんが指揮台に上がると、玉置さんは両手で

👍👍
といったグーサインを観客に見せ、続けて

🤗🤗
と合唱するような合図も送り、マイクを持って2日目もダブルアンコールが始まりました。
16. 田園(ダブルアンコール)
客電が点く明るい場内、玉置さんの「田園」で曲が始まりました。前奏の発声パートを観客に歌わせる玉置さん。その間にも2度、白いタオルを手にして目元を拭う姿がありました。
Aメロが始まってからは玉置さんの独唱になりますが、ここでもいつもの躍動感は鳴りを潜めて進行しました。Bメロの、
何もできないで 誰も救えないで
以降は観客から手拍子が起きて盛り上がりを帯びていきますが、それとは裏腹に玉置さんの歌声は繊細で、1日目は豪快だった
毎日何かを頑張ってりゃぁ!
といった、強調してサビの合唱を告げる歌唱はなく、静かに観客による
生きていくんだ それでいいんだ
の唱和が始まりました。以降は玉置さんが歌い、地名を入れたアレンジは両日ともに
愛はここにある 愛知にある
で、
愛知に〜〜〜ある
と歌いました。
続く間奏の発声部は、玉置さんが両手を広げて観客の合唱になり、2番とラストサビの
生きていくんだ それでいいんだ
も同様に観客が歌いました。
後奏の口ずさみパートを経て、クライマックスのシャウトパフォーマンスに入ると、なんとここでは玉置さんがテーブルにマイクを置き、ノーマイクで堂々と、しかも観客席の真正面を向いて叫びました。マイクオフであるため、客席まで届く声は本編と比較すると小さいものになりましたが、何よりもその歌う姿が非常に美しく、大いに感銘を受ける劇的なフィナーレになりました。
曲後は再び玉置さんと田中さんが並び、惜しみない拍手がステージに向けて送られました。しばらくすると、玉置さんがノーマイクで客席に向かって、

ありがとう〜!
ありがとう〜〜!!
ありがとう〜〜〜!!!
と3回連続で勇ましく叫びました。このパフォーマンスも極めてグッと来る姿で、聴衆に感動を呼びました。
その後、玉置さんを先頭に田中さんと2人で退場すると、しばらくオーケストラがその場に残ります。終演のアナウンスが流れる気配もなく時が流れると、やがて田中さんが1人でステージに戻ってきました。コンサートマスターに声をかけて楽団員を起立させると、田中さんは再びステージを後にしました。最後はコンマスが一歩前に出て礼をして、オーケストラが退場していきました。このタイミングで場内に公演終了のアナウンスが流れ、歴史的な公演が終了しました。
以下、楽曲のセットリストです。
4. セットリスト
billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2025
“ODE TO JOY”
5月10日・11日
愛知県芸術劇場 大ホール
セットリスト
【一部】
1. ベートーヴェン 交響曲第9番 第4楽章 「歓喜の歌」
2. 歓喜の歌(玉置浩二)
3. GOLD
4. ロマン
5. SACRED LOVE
6. MR.LONELY~サーチライト(メドレー)
7. Friend
【二部】
8. 『ハンガリー舞曲集 第1集』より第1番(J.ブラームス)
9. いつもどこかで
10. 行かないで
11. ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら(メドレー)
12. JUNK LAND
13. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
14. 田園
15. メロディー
【ダブルアンコール】
16. 田園
5. 公演後の様子
公演後の会場の様子です。
5/10 1日目
フレキシブルに順応したステージ!#玉置浩二#billboard#愛知県芸術劇場 pic.twitter.com/E9lJD5x7sq
— こばかず (@anzen_koji_1982) May 10, 2025

5/11 2日目
昨年の旭川公演で見た光景が再び!
— こばかず (@anzen_koji_1982) May 11, 2025
その時よりも感傷的に歌い、さらには間奏・後奏で黒いタオルを強く目に当てる玉置さんの姿が…
20250511
“レジェンダリー”な日になりました#玉置浩二#billboard#愛知県芸術劇場 pic.twitter.com/BSfSShK4qH
本編ラストの曲でその予兆がわずかながらに出て、あのときの光景が脳裏をよぎったのだが、まさか最後にあんなことになるとは思わなかった#玉置浩二#billboard#愛知県芸術劇場
— こばかず (@anzen_koji_1982) May 11, 2025
今はあの光景を解釈したくない
— こばかず (@anzen_koji_1982) May 11, 2025
ただただ事実として浸り込んでいたい
それくらい感動的でまた美しい空間だった#玉置浩二#billboard#愛知県芸術劇場


なんといっても、ハイライトは2日目の「メロディー」でした。2番からは玉置さんが泣きながら歌うパフォーマンスで、聴衆の感動を誘いました。この日の、
あの頃は何もなくて
それだって楽しくやったよ
メロディー 泣きながら
遠い空流されても
君のこと忘れないよ
いつだって楽しくやったよ
メロディー 泣かないで
あの歌は心から聞こえてるよ
ほど歌詞が沁みたことはありませんでした。「泣きながら」、「泣かないで」といったフレーズがまさにステージ上の玉置さんを表現しているようで、強く胸に響きました。その歌声は普段と比較すると華奢なものになりましたが、むしろその中でも曲を止めることなく歌い続けた玉置さんの姿に物凄いエネルギーを感じました。この日に見たステージの光景は、いつまでもずっと私の心に残り続けるでしょう。
こばかず
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