玉置浩二 ODE TO JOY公演(5/17・18)@札幌文化芸術劇場 hitaruの感想とセットリスト

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先日の5月17・18日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2025 “ODE TO JOY”@札幌文化芸術劇場 hitaru公演に参加しました。

指揮:田中祐子
管弦楽:ビルボードクラシックスオーケストラ with SORA

※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは15都市26公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。

今回は2公演分をまとめて記載します。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

5/17 1日目

5/18 2日目

「メロディー」で玉置さんが涙しながら歌った劇的な愛知公演から1週間、この2日間はどのような公演になるのか注目していました。

2. 公演の様子・各曲の感想

1日目は2階席のやや上手側、2日目は4階席の中央でした。hitaruの4階席はとても高い位置にあり、ステージを俯瞰するような視界でした。最前列は「着席指定席」にされているほどの傾斜で、初めはやや恐怖感を覚えました。

2日間ともに定刻通り開演しました。左右の舞台袖からオーケストラが姿を現し、最後にコンサートミストレスが1人で入場。そこからコンミスが各楽器に手を伸ばす合図により、入念に調律が行われました。その後、両日程とも大きな間を空けて田中さんが下手から登場。舞台中央で客席に礼をしてコンサートが始まります。

1. ベートーヴェン 交響曲第9番 第4楽章 「歓喜の歌」

田中さんがステージ上手側に身体を向け、小さな指揮動作で管弦楽がスタート。チェロ・コントラバスの低弦が渋い単旋律を奏でる幕開けで、次のパートからはヴィオラとファゴットが入り、緩やかに音域が高くなっていきました。

やがてバイオリンが主旋律を演奏する箇所からは、田中さんがステージ下手側と中央に向けて指揮を展開。華やかなストリングス隊の合奏が生まれました。最後はトランペットの輝かしい演奏が入り、ティンパニがリズムを力強く踏む演奏の移り変わりで、豪勢に曲がフィナーレを迎えます。ここからは田中さんの指揮も鋭い動作になって、煌びやかな演奏をリードしました。

2. 歓喜の歌(玉置浩二)

前曲の激しい余韻がやや漂う中、田中さんが静かに左手をホルンに向けて初音を引き出し、同時に指揮棒を持った右手では拍子を刻んでバイオリンの演奏を導きました。

その後はメリハリのある田中さんの指揮に従って、よく強弱がついた演奏が繰り広げられました。例えば、オーボエのソロパートや、フルートとチェロの二重奏の際には小さな指揮で演者の持ち味を引き立てると、その一方で多様な楽器が交差するアンサンブルパートでは、身体を大きく使って各楽器の織りなす世界観を表現しました。

エンディングはストリングスのシャープな弾奏、ブラスのゴージャスな吹奏、ティンパニの重厚な打楽でラストを迎えます。最後は田中さんが強く左手を1回転させる指揮によって、弦楽器の弓が美しく上に舞う動作で2曲目の管弦楽が終了しました。

曲後は田中さんが指揮台から降り、下手の袖に拍手を送って主役を呼び込みます。しばらくすると玉置さんがステージに姿を見せ、観客席からの拍手の音がさらに大きくなりました。やがて田中さんが指揮台に登り、玉置さんがマイクを持つと、場内が暗転して本編が始まります。

3. GOLD

玉置さんの第一声、

行こう…遠くまで

の歌声で音響の良さを感じました。上質な声がダイレクトに4階席まで届き、素晴らしい音が伝わってきました。

こうした影響もあり、この2日間は玉置さんのロングトーンがよく染み渡りました。

はぐれそうに〜〜〜なったら
黄金い〜〜〜ろに輝く
ひとりぼっちで〜〜〜さみしかった

で、特にそれを実感しました。

4. ロマン

ストリングスの前奏で曲がスタート。そこから玉置さんの歌唱が始まると、照明が玉置さんを白く、田中さんを黄色く照らして、静かなピアノとの共演になります。ここでは、田中さんが単調に指揮棒を縦にゆっくりと振る絶妙なリズムで曲が進行しました。

せめて夜空が まだ届かぬ夢

からはフルートの演奏が追加されますが、その入りを左手で引き出すのみで、以降もタクトを淡々と上下に揺らして曲が進みました。

この様子が変わるのはサビで、そのポイントをチェロの重低音が知らせ、やがてストリングスの弾奏になると、以降は田中さんが両手を使って大きく指揮を展開しました。しかしながら、ライティングは依然として前から変わらず、全体的に暗い照明下を玉置さんと田中さんがよく強調される演出になっており、これは2番の最後まで続きました。

そして、2番を終えてラストサビが始まる短編の間奏では、ストリングスが切れのある演奏、ティンパニが小刻みなリズムを取り、曲に盛り上がりが生まれていきます。ここからようやく全体の照明が明るくなり、玉置さんの歌声もどんどん強くなっていきました。一転、最後は静かにバイオリンのわずかな響きが聴こえる中、玉置さんが

寄り添い…眠ろう

と歌い、その直後に田中さんの指揮から後奏がスタート。素晴らしいコンビネーションで曲が終了しました。

5. SACRED LOVE

本曲でも、序盤のハープの伴奏下を玉置さんが歌うところで、田中さんがゆっくりと指揮棒を上下に振りながら指揮をする場面がありました。ここでは、田中さんが首を後ろに傾けて、玉置さんを見ながら指揮をしており、曲の呼吸を合わせる姿がありました。

曲が中盤から終盤に移る鉄琴の間奏を玉置さんが胸に手を当てながら大切に聴くと、最後のパートで情熱的な歌声が響きました。ここからはライトもオレンジ色になり、エネルギッシュな歌声をさらに助長させるものになりました。

転じて曲調が再び静かになる、

いつも幸せを歌った君と

からはライトが暗くなり、またチェロの重低音が響き渡ることによって、厳かで神聖な雰囲気に変わっていきました。最後は、

あのときの…ぼ・く・だ・よ

を玉置さんと田中さんが見合いながらテンポを揃えて曲が終了しました。

6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)

メドレー1曲目の「MR.LONELY」では、1番から2番に向かう発声パートで2日間に変化が出ました。1日目は、入りはメロディー通りの地声で歌うも、中盤からはその音程を自由に崩していき、最後はささやくように締めくくりました。一方、2日目は終始メロディーラインに沿った歌い方をしていました。いずれもマイクを大きく遠ざけて、力強い歌声が響きました。

「サーチライト」は、2番からラストサビに移る

サーチライトは そうなんだ
君なんだ 君なんだ

で玉置さんが手を客席方向に差し伸べ、ワイドなジェスチャーを繰り広げられました。この2日間は終盤にマイクの持ち手を変えて、左手を伸ばす場面も確認しました。

ここ最近、歌い方が3種類程度に分かれる歌い終わりの、

サーチライトをずっと
ずっと 信じてる 信じてる

では、両日程ともに

ずっと〜ぉお〜⤴︎

と最後に軽く音程を上げ、語尾の歌声を伸ばしていくような歌い方でした。最後は後奏に合わせて玉置さんがシャウトを織り交ぜ、メドレーが終了しました。

7. Friend

前奏中、胸をトントンと軽く叩く玉置さんの姿を2日間で確認しました。序盤はピアノの伴奏に合わせて歌う玉置さん。やはりここでも田中さんは右手に持った指揮棒をモノトーンに揺らしながら、スローなリズム感を生み出して静かな雰囲気を作りました。

サビからは玉置さんの力強いロングトーンが聴こえました。1・2番における1回目のトーンは末尾にビブラートをかけて収束していく歌声で、とても聴き応えがありました。そして、各2回目のトーンが秀逸でした。序盤からビブラートをかけながらも、その声が全く衰えず一定の声量を保ったトーンで、波状攻撃のように4階席まで迫ってくる勢いを感じました。

最後は後奏を区切りの良いパートまで聴き、玉置さんがマイクを持ったまま退場していきます。その後もオーケストラによる豪華なアウトロが続くと、ラストのライティングが4階席から見て感動的なものでした。ステージの音が消える間際で、バックを照らしていた白い網目模様のライトが2分割されて、客席の両側壁面に沿って素早く上がっていくことで舞台が暗転されます。この光が会場の頂上である4階席まで届いたのと同時に、田中さんが優雅に手を握る指揮で曲が終了しました。これが意図されたものなのかは分かりませんが、細部までこだわり抜かれた演出に、思わず心を奪われて第一部が終了しました。

8. 『カレリア組曲』より 第3曲 行進曲風に(J.シベリウス)

20分間のインターバル後、第二部が始まります。左右の舞台袖から楽団が入場し、第一部のスタートと同様にコンミスが手を差し伸べる合図にしたがって調律がなされました。木管楽器→金管楽器の順に音が鳴り、その後は自身がリードして弦楽器のチューニングが綿密に行われました。その後、ここでも間を空けて田中さんが登場。管弦楽より第二部が開始しました。

ストリングスが軽やかに駆け走るような演奏で曲がスタート。バイオリンが主旋律を軽快に演奏し、チェロとコントラバスの低弦が序盤は指弾き、途中からは弓弾きでリズムを作りました。その後はメインメロディーをトランペットが演奏する楽器構成の移り変わりで、ここからはティンパニが一定のリズムを速く叩いて迫力が生まれていきました。

以降はトロンボーンの分厚い演奏下でトランペットが対旋律を奏でる金管楽器のアンサンブルや、フルートとピッコロによる高らかで爽快な木管楽器の共演もあり、主旋律を担当する楽器が目まぐるしく変わっていきました。最後は打楽器音もその音色が変化していき、これまで本曲のリズムを牽引したティンパニから、トライアングル・シンバル・バスドラムの三重奏構成になりました。

曲の終盤は、これまでの演奏をリードした各楽器による合奏でフィナーレを迎えます。最後は田中さんが左手を回して高く上げる指揮に合わせて、ストリングスの弓が上がるとても綺麗なラストでした。本曲は、全体的に田中さんの踊り舞うような指揮動作が目立ち、その快活なイメージとよくマッチした雰囲気が育まれました。

曲後は田中さんが指揮台から降り、下手に向けて手を叩く動作で玉置さんがステージに姿を見せ、第二部の本編がスタートします。

9. いつもどこかで

1日目、曲が盛り上がるラストサビで、玉置さんがわずかにアレンジを入れる場面がありました。

吹きすさぶ 風の中も

の最後のトーンで、

吹きすさぶ 風の中も〜⤴︎〜⤵︎〜

といった音程を上下に変化させる歌い方をしていました。

クライマックスは豪快な

僕は君を〜〜〜〜〜

の歌声がありましたが、トーンの途中から遊びに転調するところで2日間の変化が出ました。2日目はいつも通り、かなり長めにフェイクパートを歌いましたが、1日目はやや早めに歌声を切り上げていました。そのため、1日目はその後の歌い始めのタイミングを図ったのか、最後は田中さんが玉置さんを向きながら、

包んでいるよ…

の歌唱ポイントを合わせる姿がありました。

10. 行かないで

この曲は、玉置さんの気持ちがこもった歌声の他にも、田中さんの指揮とオーケストラの演奏が印象に残りました。2番が終わって、間奏の主旋律をオーボエがソロで奏でた後に各楽器のアンサンブルに移るパート。ここで非常にメリハリのついた楽器演奏が繰り広げられました。その世界を作り出したのは田中さんで、身体を大きく小さく使い分け、音の強弱を見事に支配しました。

11. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)

「ワインレッドの心」は、いつもと照明の変化が異なるように感じました。本曲の照明は、1番が妖艶なピンク色で始まり、ラストサビで情熱的なレッドに色合いが移るパターンが定番だと思いますが、この2日間はこの転移がなく、終始ピンク色のライティングで曲が進んでいきました。

「じれったい」では、2日目は手拍子が起こる中を曲が進行しました。玉置さんの歌声もリズムよく進み、ロックなテイストも感じるものになりました。

最後の「悲しみにさよなら」は、普段よりもまろやかな演奏の入りでスタート。壮大な雰囲気というよりは、穏やかな空気を感じながら曲が始まりました。

前回の5/10@愛知公演でタイミングを見失った、

揺れる・・・心をぉ〜⤴︎

のアレンジは2日間ともになく、デフォルトの歌い方でサビに繋いでいきました。サビのラストを、

愛を世界の平和のために

と歌うと客席から拍手が起こり、玉置さんがお辞儀をして反応するいつもの美しい光景がありました。

ラストサビでは、最終盤に伴奏のボリュームが急激に下がって、玉置さんがマイクを遠ざけながら歌う、

泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから

で、ライトが玉置さんのみを白く照らして強調されたパフォーマンスを彩りました。その後は高らかに

Yeah〜!

と叫び、最後の

悲しみに〜さよなら〜

の歌声がマイクオフで入りました。

12. JUNK LAND

2日目は、冒頭の前奏から観客の手拍子が起こって曲が始まりました。田中さんはそのまま曲を続けますが、段々と大きくなる手拍子に待ったをかけたのは他でもなく玉置さんでした。両手を前に出して✋✋その音を制止させようとする、驚きの光景が目の前に広がりました。これで手拍子の音が鳴り止み、

ほら今日もポンコツ車のエンジン全開にして

と玉置さんの歌唱パートがスタートします。しかしながら、ここでも再び手拍子の音が発生し、今度は玉置さんが歌いながら左手を前に出して✋その音を止めるように必死で合図をしました。

これまでの公演でも、本曲のアップテンポな調子から、何度か曲中に観客席から手拍子が起こるシーンはありました。そのまま曲が続くこともあれば、指揮者が懸命に止めようと尽力したケースも目にしたことがあります。しかしながら、玉置さんが第一線に立ってストップをかけたのは今回が初めて見ました。

正確なスピード感で歌い進めるためには、マエストロの指揮とオーケストラ演奏のピッチに合わせることが特に重要である本曲。そこに実際のリズムとは違った拍子が入ることは命綱を失うことと同義で、それを大きく懸念した様子が伝わってきました。現に、次のパート以降は手拍子が止まっていたのにも関わらず、玉置さんが田中さんに急接近しながら、歌のリズム感をよく合わせて歌い進めました。

その後は客席からの音が再燃することなく曲が進み、ラストは玉置さんと田中さんが向き合って演奏終了を合わせるパフォーマンスに入ります。田中さんが演奏をじれったく引き延ばし、それに玉置さんが追随する形で裏声を合わせていきました。もう演奏が終わるだろうと思ってもまだその音は止まらないほどの長さで、今度は玉置さんの声が持つのかを心配するも、その憂いは無用でむしろ声量が大きくなる場面もあり裏声を紡ぎ続けました。最後は玉置さんと田中さんが同時に手を引っ込めるようなポーズでピッタリと歌と演奏が終わり、波瀾万丈な曲を締めくくりました。

13. 夏の終りのハーモニー

1日目の出だし、歌い始めでややタイミングが合わない玉置さんの姿がありました。

今日の…

が走り気味に入り、その余白を埋めるために

ささ〜〜〜やきと

の箇所を間延びさせるように歌って元のテンポに戻しました。こういった修正するような歌声でさえも、玉置さんが歌うとアレンジのように聴こえるのが見事だと思います。

ラストサビはマイクを置いたノーマイク歌唱になり、胸を張って堂々と、直立姿勢でそのパフォーマンスを全うしました。最後の、

忘れず・・・

で息をたっぷりと吸い込み、

に〜〜〜〜〜

のロングトーンで歌い終わりました。その途中で田中さんの指揮によりオーケストラの演奏が再開し、最後は両日ともに玉置さんが両手を握り合わせるロマンチックな動作で曲が終了しました。

曲後はカーテンコールの演出になり、1日目は玉置さんと田中さんが2回、2日目は1回、ステージと舞台裏を往復しました。この最中、主役がいないステージでも大きな拍手が会場を包み、徐々にその音が揃って手拍子のようなリズム感が生まれました。最後は田中さんが指揮台に登り、玉置さんは再び退場していきます。ここで、玉置さんが歩きながら、

玉置さん
玉置さん

(田中さんに向け)🫱
(自分を指差して)👆
(またステージに)👉戻ってくる


(1度舞台の裏に)👈戻ってから
(管弦楽に向けて)🫱🫱🫱

といった合図を見せてステージを後にしました。

14. 田園

ベートーヴェンの「田園」で管弦楽がスタート。途中から玉置さんの「田園」が旋律の中に表れると、観客席から手拍子が起こりました。本格的に「田園」の前奏が始まり、玉置さんがステージに姿を見せたときには、多くの観客が立ち上がって曲が進んでいきました。手拍子が飛び交う前奏中、玉置さんが田中さんに向けて耳を傾けて、念入りに発声パートの開始を合わせる姿がありました。

Aメロが始まると手拍子は鳴り止みましたが、2日目は先の件があったためか、玉置さんが田中さんにアプローチし、各パートの入りをしっかりと確かめながら歌っていました。田中さんもその様子を感じ取り、ところどころで玉置さんに目を向けながら指揮を進めていきました。

サビからは再び手拍子が起こり、盛り上がって進行。地名を入れたアレンジは、2日間ともに

愛はここにある 札幌さっぽろにある

でした。直後の間奏では客電が点き、玉置さんが両手を広げて観客の合唱を引き出しました。発声パートが休符になるポイントで玉置さんが

Dah、Baby!

と合いの手を入れることでこの演出を彩りました。

2番も1番と同様に玉置さんが歌い進めると、その後のサビは観客の合唱になりました。その直前、打楽器音が大きく鳴ったのちに玉置さんのアカペラになり、その姿も白く強調される

明日も何かを頑張っていりゃぁ!

が合唱開始の合図でした。その一方でラストサビの初めは玉置さんが独唱し、

生きて・いくんだ・それで・いいんだ

と語気を強める歌い方をしていたのが印象的でした。

続く後奏は玉置さんによる圧巻のシャウトパフォーマンスになりました。田中さんが右手に持ったタクトをオーケストラに向けて上下にブラブラ揺らす指揮で演奏が永続的に続き、時間が経つにつれて玉置さんのフォームが後ろにのけ反り、力強い歌声も長く響きました。玉置さんの叫びが終わってからもバックの演奏は続いており、その演出を壊さないためか玉置さんの姿勢は後屈を保ち続ける迫力あるものになりました。

曲後は観客席からの拍手が続く中、1日目はここで玉置さんが

玉置さん
玉置さん

ありがとう〜!!!

とノーマイクで叫びました。その後、1日目は玉置さんと田中さんが1度退入場してから、2日目はそのまま次曲が始まりました。

15. メロディー

前回の5/11@愛知公演で涙しながら歌った本曲、1日目は終始力強く太い歌声が響きました。その一方で、2日目は序盤が当時を想起させるような淡い歌声になるも、サビからは本来のパワーが歌に宿りました。

両日ともに、ラストサビのノーマイク歌唱がとても力強く、最後の

泣かないで〜〜〜〜

ではトーンの途中からオーケストラの演奏がボリュームアップされますが、玉置さんの歌声が負けずに調和して4階席までしっかりと届いてきました。

ラストは静かになった伴奏下を、

あの歌は心から…

と玉置さんが歌い、最後はアカペラで

聞こえてるよ…

の歌声が入りました。そこから楽団による短編の後奏が再開すると、玉置さんのハミングも聴こえて美しく曲が終了しました。

曲後はまたカーテンコールの演出になり、両日程ともに玉置さんと田中さんが1度退場したのち、再びステージに戻ってきました。その後、田中さんが指揮台に登り、玉置さんがマイクに手を伸ばすと、観客席から大きな拍手が起こってダブルアンコールが始まります。1日目は、このタイミングでコンミスが田中さんの元に歩み寄って話しかけ、曲の入り方を確認しているように見えました。

16. 田園(ダブルアンコール)

玉置さんの「田園」の前奏で駆け足に曲がスタート。ここからは客電も明るく点き、序盤から手拍子が鳴る始まりになりました。以降は玉置さんがオーケストラの演奏に耳を傾け、身体も揺らしながら実際のリズムをよく確かめて発声パートに入りました。ここの第一声を基準音として玉置さんが歌うと、あとは両手を広げて観客に合唱を委ねました。

Aメロからは玉置さんが1人で歌い進めると、またしてもサビ直前の

毎日何かを頑張っていりゃぁ!

を強調して、サビのワンフレーズである

生きていくんだ それでいいんだ

の合唱を引き出しました。その後は玉置さんが歌うと、地名を入れたアレンジに2日間で変化が出ました。1日目は本編と同様の

愛はここにある 札幌にある

で、2日目は

愛はここにある hitaruにある

と歌いました。ここ最近は本編とダブルアンコールで違う表現をすることが多かったため、1日目は少し意外に感じました。

間奏も観客の合唱になり、ここでも休符で玉置さんが

Dah、Baby!

と叫んで合いの手を入れました。こうしたフェイクも、細かいところではありますが、やはり惹きつけられる歌声でした。2番とラストサビも1番と同じように

生きていくんだ それでいいんだ

が観客の合唱になり、後奏に向かっていきます。ここでは玉置さんが指揮の動作をしながら口ずさむパートを半分観客に歌わせ、最後のシャウトパフォーマンスに突入します。

前回の5/11@愛知公演ではマイクを置き、客席の正面に向かって叫んだこの演出は、2日間に変化が出ました。1日目は、この感動的なシーンから一部のアレンジを踏襲し、マイクを持ったまま観客席の方を向いて小刻みなシャウトをしました。最後のロングトーンはパフォーマンスの終わりを演奏と合わせる必要があるため、以降は田中さんの方を向いて叫びました。終了直後は玉置さんがマイクを持った右手を高く上げるガッツポーズも見せて、“あのとき”を経てさらにパワーアップした演出を締めくくりました。その一方で、2日目は最初から玉置さんが田中さんの方を向いて頻繁にシャウトを連発し、最後は特大のロングトーンでフィナーレを迎えました。ここでも玉置さんの叫びよりも田中さんが統率するオーケストラ演奏の方が長く続き、玉置さんは歌い終えてからも後屈姿勢をキープして尊厳のある姿を保ち続けました。最後は

玉置さん
玉置さん

Foo〜!

ともう1発声を出し、この演出に華を添えました。

曲後には、2日間ともに玉置さんが上手端と下手端まで移動して、観客からの歓声に応える場面がありました。楽団の前を通るときは、

玉置さん
玉置さん

失礼します🫱

というように謙虚な振る舞いを見せながら、ステージの両端まで歩みを進めて観客の喝采に応えました。1日目は、下手端でオーケストラに向けて

玉置さん
玉置さん

(楽団に向けて)🫱🫱🫱

と手を伸ばした際、玉置さんの身体が音響機材に触れかかり、客席から苦笑いが起こるちょっとしたハプニングもありました。

そこからステージ中央に戻ると、2日目は客席に向けてエアハグのジェスチャーを見せたのち、

玉置さん
玉置さん

ありがとう〜!!!

と玉置さんがノーマイクで叫びました。やがて玉置さんと田中さんが退場すると、止まらない拍手の中をコンミスが一歩前に出て礼をし、館内アナウンスが流れて終演しました。

本会場は4階席まである広い会場のため、各ブロックごとに分散退場の形式が取られました。そのため、多くの観客が自席に留まり続けることになります。ここでは、残った観客から退場する楽団員にも多くの拍手が起こりました。特に2日目は、フルート奏者とオーボエ奏者が身の回りを整理しているときにその波が強くなり、演者が客席を向いて大きく手を振る場面もありました。

以下、楽曲のセットリストです。

3. セットリスト

billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2025
“ODE TO JOY”
5月17日・18日
札幌文化芸術劇場 hitaru
セットリスト

【一部】
1. ベートーヴェン 交響曲第9番 第4楽章 「歓喜の歌」
2. 歓喜の歌(玉置浩二)
3. GOLD
4. ロマン
5. SACRED LOVE
6. MR.LONELY~サーチライト(メドレー)
7. Friend
【二部】
8. 『カレリア組曲』より 第3曲 行進曲風に(J.シベリウス)
9. いつもどこかで
10. 行かないで
11. ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら(メドレー)
12. JUNK LAND
13. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
14. 田園
15. メロディー
【ダブルアンコール】
16. 田園

4. 公演後の様子

公演後の会場の様子です。

5/17 1日目

5/18 2日目

歴史的な「メロディー」の歌唱から1週間が経って迎えた札幌公演。普段通りに元気な姿で歌う玉置さんを見ることができてひとまず安心しました。

詳細な公演の内容にフォーカスを当てると、やはり「JUNK LAND」の曲中に観客席から起こった手拍子を懸命に止めようとした玉置さんの姿が印象的でしょうか。非常にリズミカルで気分が乗りやすいがゆえ、客席からの手拍子が発生する事情はよく察することができます。ただ、逆に言うと本曲はそれほどまでに正確なスピード感とピッチが重要で、外部からのリズムが入ると一気に崩壊しかねない、スリリングな綱渡りのようなパフォーマンスであることを改めて感じました。やや逆説的にはなりますが、こういったハイレベルの音楽を、普段から一糸乱れない様子で発信している玉置さん・指揮者・オーケストラに感服しました。これがあの光景を見て私が思ったことです。

本ツアーの残り7公演中5公演で指揮を執る大友さんの公演は、もっとスピーディーに曲が展開されていくため、より緊張感が漂うステージになると思います。ステージ上の演奏者が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、静かに状況を見守りたいところです。

こばかず

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