こんにちは。
こばかずです。
先日の6月4日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2023 “Navigatoria”@那覇文化芸術劇場なはーと公演に参加しました。
1. 公演前の様子
公演前の会場の様子です。
本来であれば6月2日に開催される予定だった同会場での公演、台風による影響で6月4日にスライドされてファイナルの地になりました。会場の印象としては、前日に開催された沖縄コンベンションセンターよりも外音の遮音性が高く、これぞコンサートホールという実感でした。
建物の2階に入場口があり、客席は1~3階席まであります。この日の座席は前から6列目のやや右側で、前の日よりも少し正面に近づきました。
定刻から5分遅れの、18時05分に公演スタートです。
2. 公演の様子・各曲の感想
1. 歓喜の歌
今日でもうNavigatoria公演が終了、そんな哀愁を感じながら聴きました。座席からは大友さんの指揮の動作をよく見ることができる距離感です。綺麗な姿勢の後ろ姿から繰り出される美しい所作、服の下から見える背骨や背筋を肉眼で確認できました。
2. あこがれ
大友さんが舞台袖に手を上げる合図に合わせて、玉置さんが登場。この日も非常に大きな拍手に会場が包まれていました。登場だけでここまで人を興奮させることができるのは、本当に凄いことだと思います。
ステージの明かりが暗くなると、次第に観客の拍手も静かになり、あこがれスタート。玉置さんは右手を左胸のハートに当てながら聞く姿で、時折り音を聴きながら感情的になる表情を見せていました。
3. ロマン
拍手をする間を入れずに、そのままロマンが始まります。この日も玉置さんを直接見ることができる席で、大友さんとの豊富な非言語コミュニケーションを確認することができました。
この沖縄ファイナル2Days、ともに良席でステージの動きがよく見えたのですが、玉置さんと大友さんが曲中に顔を合わせる回数が多くて驚きました。他の指揮者の方々とのやり取りも気になるところなので、次回は各地の公演にも参加したいです。
4. GOLD
最後のサビ「黄金色に輝く~」のところで、ステージが黄金色にライトアップされることを確認しました。この場面、どの公演でも同じ演出がされていたと思いますが、ファイナルで初めて気付くことができました。
玉置さんの歌声は連日の絶好調さで、千秋楽を飾る見事なものでした。
5. キラキラ ニコニコ
夜が明けて、朝の光が降り注いでくるような景色を連想させる前奏がスタート。前奏中、玉置さんはオーケストラの演奏に合わせて口笛を吹いていました。
歌の冒頭は玉置さんの語りかけるような歌い方で、それにも関わらずズシンと響いてくる歌声が印象的です。お腹の底から出る野太い声、ダイレクトに観客席まで届いてきます。
中盤~終盤にかけては、絶妙なマイクオフによるアレンジと、素晴らしい声の伸びを見せてくれました。オーケストラの後奏中には激しいシャウトもあり、曲後は大友さんとお互いを讃えあう姿がありました。
6. MR.LONELY~All I Do~サーチライト(メドレー)
MR.LONELYのラスト「元気で〜〜〜いるから」の歌声が凄まじく、会場の天井を突き破るようでした。そこからの「Wow〜」は裏声。
昨年のArcadia公演では、イントロ・アウトロともにマイクを口から離した地声で歌うところがインパクトでしたが、私が参加したNavigatoria公演では全て裏声でした。この部分を力強い地声で歌うのも好きなので、ソロツアーで期待したいです。
All I Doでは、前日に印象的だった「うつむかないで〜〜⤴︎⤴︎」と2段階音程を上げる歌い方、この日もありました。この歌は、いつもよりもリズムよく歌っているように見えました。
サーチライトは、いつもよりも歌詞が身に沁みました。
怖くて 寒くて 眠れなくなって 誰かの胸を 探した夜に 必ず君を照らす サーチライトに僕は なれるかな なれるかな
沖縄公演が開催されるかどうかが不透明だった直前の1週間。誰もが皆、いても立ってもいられずに希望の光を探していたと思います。それが無事、目の前で玉置さんの歌っている姿を見ることができた。しかも圧倒的なパフォーマンスで。間違いなく玉置さんは、我々の“サーチライト”としてステージに君臨していました。
7. あなたがどこかで
全体的に控えめの歌唱スタイルとは裏腹に、この日も間奏中の激しいシャウトを目にしました。前日の沖縄コンベンションセンター公演でも同様に、大きな声で叫ぶ姿を確認しましたが、この日は一段と力強かったように思います。ファイナルで全てを出し切るといった想いを感じました。
8. Friend
この曲はいつになく、ゆっくりめなペースで曲が進行していきました。ゆったりとしたピッチの中、曲の初めは絶妙なリズム感でしっとり歌い上げていきます。
サビは素晴らしい伸びのロングトーン。強く歌うところと弱く歌うところ、ビブラートをかけるところとかけないところ、1節の中でも変化を付けてくるので目が離せません。この日は、サビ1発目の強く歌うトーンはビブラートがなく、一直線に届いてくる歌声。その後は、トーンの締めくくりにビブラートをかけていて、これが非常に心地よく感じました。
曲の終了後、オーケストラの演奏中に右手で丁寧にマイクを置き、直立姿勢で退場。第1部終了です。
9. 沖縄交響歳時記 第三楽章 夏
20分の休憩後、第2部が開始。
完全に個人的な話ですが、コンサート前に沖縄名物のさんぴん茶を飲んでしまったため、第1部の間はずっとトイレを我慢していました。キラキラ ニコニコあたりからすでに黄色信号で、1部のほとんどを自分と戦っていたことになります。これが安全地帯のように、通しのコンサートだったらどうなっていたことやら。2部制で良かったと思える瞬間でした。
この日も第2部の序曲は、大友さんの激しい指揮でスタート。曲は前日と同じ、沖縄スペシャルです。中盤には沖縄の民謡楽器である三板(さんば)の音も確認しました。最後はオーケストラの演奏が過激になり、大友さんが右手を下から胸の前にかき上げる動作で終了。
10. 愛の戦友
大友さんが舞台袖に手を向ける合図で、玉置さんが再登場。Navigatoria公演のシンボル曲である、愛の戦友がスタート。これでこの曲も聴き納めかと、しんみりした気持ちで聴きました。
振り返ると2月23日の東京芸術劇場、初日公演でこの曲が始まったときは本当に驚きました。昨年の安全地帯、Just Keep Going!では演奏されなかった新曲が、シンフォニックコンサートで初披露になるとは予想だにしませんでした。
でも考えてみると、第2部の1曲目にこの曲を持ってきたことはよく理解できます。昨年12月に起きたくだんの件、昨年のArcadia公演でもあった第2部1曲目のサプライズ曲選。今歌うのに相応しいと選ばれた楽曲が、素晴らしい作品となり、観客の我々にまで届いた瞬間でした。
11. 行かないで
この曲は、玉置さんに当たる照明が普段と違っていたように感じました。終始、玉置さん1点にスポットライトが集中しており、一段と玉置さんの姿が強調されているように見えました。
この日はテレビカメラの撮影が入ったようなので、それが関係しているのでしょうか。放送を楽しみに待ちたいと思います。
12. ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら(メドレー)
ワインレッドはサビで力強い歌声が響き渡りました。前の日は珍しく「ワ〜〜インレッドの〜」でアレンジが無かったため、特に注目して聴いていましたが、やはりこの日もありませんでした。
そこからじれったいに続く間奏、この日も遊びが多めで、声量が大きかったです。歌唱はリズム良く歌い上げ、身体の動きで表現する姿が印象的でした。「じれったい 身体も溶かして」で実際に身体を溶かすようなジェスチャーがありました。
悲しみにさよならのアレンジは、この日も「愛を世界の平和のために」でした。ここの歌い方・身体の表現がいつも以上に感情がこもっていたように見えました。そうした姿を感じてか、観客席からは大きな拍手が上がりました。
前日の1件があったため、ここで大友さんの動きを観察すると、拍手を諭すような身振り。前日に引き続き注意を受けました。この2日で、コンサートに参加する際の、拍手のタイミングや大きさをよく考えさせられるキッカケになりました。
13. JUNK LAND
前日、大友さんが観客席から起こった手拍子を必死に制止させるといったハプニングがあったこの曲。この日も玉置さんの歌唱パートが始まると、客席の一部からうっすらと拍手が聞こえてきました。
この光景を見て思い出したのが、昨年の河口湖ステラシアター公演初日。第1部3曲目のCAFE JAPANで、局所的に手拍子が聞こえてきたことを思い出しました。あのときも1日目は拍手が大きく、2日目は比較的静かであったと記憶しています。
ここで玉置さんには珍しく、歌詞を間違える場面も。1番の「僕のスピードは誰も変えることができない」を2番の「僕のスピードじゃ何も変えることができない」と歌っていました。
2番に入ると手拍子が徐々に強くなり、大友さんが左手を観客席に向けて軽く振る仕草。前日ほど大きな動きではありませんでしたが、またまたさりげなくお叱りを受けました。
個人的には、玉置さんのコンサート中は全神経を耳に集中させたいため、あまり手拍子はしません。昨年の安全地帯4Daysで、熱視線のときに周りが立ち上がり、ノリノリで手拍子をしているにも関わらず、真顔でステージを一極集中で見ていたら、隣の人にドン引きされたレベルです。熱い視線を貫きすぎた?
しかし、中には自分でもリズムを取って盛り上がりたい方もいらっしゃると思います。こうした想いと、厳格なオーケストラが目の前で演奏しているといった狭間で、本件は難しい局面を迎えていると思います。でもやはり、主役はあくまでステージ上の演奏者のため、そのリズムが狂いかねないような振る舞いは避けるのが、奏者と観客がともに1つの作品を創り上げるためにも、美しい行動だと感じました。
14. 夏の終りのハーモニー
JUNK LANDから一転、バラード曲を挟みます。この曲も歌詞をひしひしと感じながら聴きました。
今夜のお別れに 最後の2人の歌は 夏の夜を飾るハーモニー
Navigatoria公演のファイナルを、 玉置さんの歌で、 暑い沖縄の夜を背景に飾る。
まさに今置かれている状況が、素晴らしい歌声によって描写されていました。
この日は個人的に、歌詞が印象的な場面が多かったです。
・サーチライトでは、直前1週間の焦燥感を表現。
・All I Doの「僕を信じて」の説得力。
・そして、夏の終りのハーモニーで“いま”を投影。
聴く者の目に情景まで浮かび上げることのできる、玉置さんの表現力に感動しました。
私がこのブログで目指しているのはこれです。文を見ただけで視聴者がそのイメージをハッキリと想像できる。実際に参加した人がその記憶を蘇らせることができる。この境地に辿り着きたいところです。
15. 田園
ここで大友さんが指揮台を降りて玉置さんと整列。しばらく会場内の拍手を聞いたのち、玉置さんが退場してコンサート再開です。
ベートーヴェンの“田園”から玉置さんの“田園”へ切り替わり、前奏中に玉置さんが小走りでステージに戻ってきました。曲の序盤はリズムよく軽快に歌い上げてサビへ。この日も「愛はここにある 沖縄にある」でした。ここでステージ上を指差すジェスチャー、前日よりも大きかったように感じました。
ラストは「みんなここにいる」で会場を覆うような動作、「愛はどこへも行かない」の後に「行かな~~い」からの全力スキャット。大友さんが玉置さんの声を引き出すような指揮がありました。玉置さんの方を向き、両手を握り締めて「踏ん張れ、踏ん張れ」といったリード。それに応えて大声で叫ぶ玉置さん。この日も凄まじい迫力でした。
16. メロディー
最後はメロディー。感情と気持ちの入った歌声でした。
最も印象的だったのが、ラストのノーマイク歌唱。「泣かないで〜〜〜」で、両手をグーで強く握り締め、身体全身を震わせながら歌っていました。トーンの最終盤には、直立姿勢が崩れるところも確認。最後の最後まで力を出し切る姿に、Navigatoria公演を完全燃焼でやり遂げたフィナーレを見ました。
その後の玉置さん&大友さんは前日と同じように、圧巻の拍手の中を3度退入場しました。この日も玉置さんが舞台袖に手を上げて大友さんを呼び、大友さんが戻ってくる光景も。
最後はマイクなしで観客席に向かって、
ありがとう~!!!
と叫ぶパフォーマンスも見せてくれました。ファイナルならではの演出です。
このとき、玉置さんが着ている紫色の衣装の脇下が濡れているのを確認しました。この汗の結晶から、全力を振り絞り、ステージを努めた姿を肌身で感じることができました。
その後、楽団員の方々がご自身の楽器を片付けている最中も鳴り止まない拍手。素晴らしいコンサートへの賛辞と、玉置さんが再びステージに戻ってくるのではないかという僅かな希望が入り混じっているように感じました。
以下、楽曲のセットリストです。
3. セットリスト
billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2023
“Navigatoria”
6月4日
那覇文化芸術劇場なはーと
セットリスト
【一部】
1. 歓喜の歌(管弦楽)
2. あこがれ(Instrumental)
3. ロマン
4. GOLD
5. キラキラ ニコニコ
6. MR.LONELY〜All I Do〜サーチライト(メドレー)
7. あなたがどこかで
8. Friend
【二部】
9. 沖縄交響歳時記 第三楽章 夏(管弦楽)
10. 愛の戦友
11. 行かないで
12. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)
13. JUNK LAND
14. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
15. 田園
16. メロディー
4. 公演後の様子
公演後の様子です。
5. 全体の感想・Navigatoria公演の総括
Navigatoria公演が無事に終幕しました。玉置さんは前日の沖縄コンベンションセンター公演に続いて絶好調。私は全18公演中、関東5公演と沖縄2公演の計7公演に参加しましたが、この2日間が最も調子が良かったように見えました。台風による日程変更もあり、コンディションの調整等が困難であったと思いますが、ここに照準を合わせてくるあたり、見事としか言いようがありません。
初日を迎えた2月末から6月の沖縄ファイナルまで、全体を総括すると、今でも鮮明にそのステージを思い出すことができます。
・2月23・24日、東京芸術劇場公演での、愛の戦友のビッグサプライズと、田園の「愛はここにある 君はどこへも行けない」といったノーアレンジ。
・3月30日の東京国際フォーラム公演では、MR.LONELY・行かないで・ワインレッドの心で、裏声を多用した原作メロディーでの歌唱と、田園のダブルアンコール。
・4月13日、高崎芸術劇場で見た、素晴らしい声の伸びと、歌声好調の予兆。
・5月25日の東京ガーデンシアター公演の、オーソドックスな歌い方への帰還と、絶好調の確信。
・そこから1週間、仲間とともにした台風による心配・苦悩。
・そしてこの2日間、圧巻のパフォーマンスとなった沖縄ファイナル2Days。
昨年の35周年コンサートであるArcadia -理想郷-&Special 2days in 河口湖ステラシアター公演も素晴らしかったですが、今回もそれに劣らざるべしシンフォニックツアーになったと思います。
理想郷を超えた新境地に向けて更なる高みへ
公演のキャッチコピーをまさに体現する出来栄えでした。
ここまででも最大級の賞賛を贈りたいところですが、玉置さんにとっては、これらのパフォーマンスもなお、“Navigatoria -道標-”の途中であると考えています。今後も、より更なる高みへ我々を随伴してくれるでしょう。
8月からはソロツアーも始まります。
(初日の8月3日@市川市文化会館、千秋楽の11月19日@東京国際フォーラムのチケットが未入手なので、必ず行きたい…!)
これからも玉置さんのステージから目が離せません。
こばかず
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