玉置浩二 Fanfare公演(3/9)@フェニーチェ堺の感想とセットリスト

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先日の3月9日、billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026 “Fanfare”@フェニーチェ堺公演に参加しました。

指揮:大友直人
管弦楽:日本センチュリー交響楽団

※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは15都市25公演の規模で行われます。初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。

1. 公演前の様子

公演前の会場の様子です。

1月に行われた昨年ソロツアーの振替公演からちょうど2ヶ月。年度が変わり、今回はシンフォニックコンサートで同会場への再訪が叶いました。

2. 第一部の様子・各曲の感想

この日の座席は3階席下手寄りでした。ステージを見下ろす角度で、全体像を把握できました。

定刻の18時ちょうど、舞台両袖の前後方にある4箇所の扉が一斉に開き、日本センチュリー交響楽団のメンバーが姿を現しました。最後にコンサートミストレスが登場し、オーケストラの調律がスタート。その最終盤に会場が暗転すると、いよいよ公演が始まるという静かな熱気が客席を包み込みました。

調律が終わり、心地よい静寂がしばらく続いた後、マエストロ・大友さんが登場。コンミス、およびトップサイドの奏者と握手を交わして、客席へ向けて端正に礼をしました。

1. ファンファーレ(管弦楽)

張り詰めた静寂の中、ティンパニが重厚感あふれるリズムをゆっくりと、そして単調に刻み始め、壮大な序曲の幕が開きました。そこへホルンとストリングスが加わり、主題を奏でていきます。オーケストラのストリングス隊が放つ音色は、実に厚みがあり、ホールの空間を密度濃く満たしていきました。

続いて、楽曲はフルートのソロパートへ。原曲の前奏を彷彿とさせる澄んだ音色は、会場に一筋の光が差し込むような美しさで、聴き手の心を静かに惹きつけました。

楽曲がクライマックスに向けて熱を帯びると、ストリングスと金管楽器が主旋律を交互に受け継ぎ、一層の盛り上がりを見せました。ここで特に印象的だったのが、低音を支えるコントラバスの動きです。力強くリズムを刻むその響きは、まるで勇ましく行進をするかのようで、ツアータイトルの「ファンファーレ」にふさわしい、前進するエネルギーに満ちた幕開けとなりました。

2. 歓喜の歌(管弦楽)

前曲の余韻を消さないまま、流れるように「歓喜の歌」へと移り変わります。この曲で際立っていたのは、各パートにおける間の取り方の絶妙さでした。

セクションの区切りで休符を比較的長めに取るのが大友さんのスタイル。そのわずかな静寂がフレームの役割を果たし、一つひとつの楽章や楽器の音色がより鮮明に浮かび上がってきました。

終盤に向けて楽曲は力強さを増し、いよいよクライマックスへ。金管楽器が高らかにファンファーレを響かせ、チューブラーベルの鐘の音が重なると、会場は圧倒的な輝きに包まれました。最後は大友さんが両腕をパワフルにクロスさせる圧巻の仕草で演奏を締めくくり、場内は割れんばかりの拍手に包まれました。

ここでいよいよ、玉置さんが登場。重層的に織りなされた白とグレーのスカーフが胸元で光り、一際目を引く洗練された装いでした。客席からは大きな拍手が巻き起こり、主役の登場を迎え入れました。

3. GOLD

大友さんが下手サイドに向けて静かに指揮を開始。ストリングスの演奏が始まり、深いオレンジ色のライティングがステージを染め上げました。

歌唱パートに入ると、印象的だったのは各パートにおける出だしの部分です。玉置さんと大友さんがしっかりと向き合い、歌い始めるタイミングを入念に合わせる姿がありました。お互いの呼吸を確かめ合うようなその様子からは、二人にしか分からない強い信頼関係が伝わってきました。

曲が進む中、

思い…馳せよう
星屑と地の果てへ

というフレーズでは、まず玉置さんの歌声が先に響き、それを追いかけるように大友さんが急峻な指揮でオーケストラの演奏を導きます。歌声と演奏がピタリと重なり合う瞬間に、素晴らしいコンビネーションを見ました。

最後も見事な連携で曲が締めくくられました。

笑いながら…

の後に演奏が止まり、静まり返った会場に玉置さんの

行こう…

という声だけが響きます。ここで一瞬の無の時間が流れたのち、大友さんの合図で再びオーケストラが鳴り響き、壮大なラストへ。オープニングから胸が熱くなるような感動的なステージでした。

4. キラキラ ニコニコ

曲が始まる前、ステージが一度真っ暗になります。そこから、少しずつ音が重なりながらボリュームが増していく演奏が始まり、会場はどこか神秘的な雰囲気に包まれました。

この曲は、玉置さんの機微なマイキングが光りました。間奏で入れるフェイクや、曲終盤の

(全力)
全力で笑って

といったシャウトの場面。玉置さんはマイクとの距離を絶妙にコントロールし、歌声に深い奥行きを作り出していました。

そして、ラストは大友さんとの息の合ったコンビネーションも大きな見どころでした。

キラ・キラ・ニコ・ニコ

というフレーズで、玉置さんと大友さんは正面から向き合いました。一文字ずつ言葉を置くように歌う玉置さんに合わせて、大友さんは両手を静かに振り、ハープの弾けた音を優しく引き出しました。その直後、大友さんがパッと手を開いた指揮🖐️を送ると、演奏がピタリと止まりました。そこからは静寂の中に

だね…

という玉置さんの優しい声だけが響き、再び後奏が始まります。最後、演奏が続く中で玉置さんはさらにシャウトを重ね、曲の最後まで圧倒的な存在感を見せつけました。

5. いつもどこかで

曲の中盤、オーケストラによる間奏が非常にボリュームたっぷりに奏でられました。金管楽器が高らかにファンファーレを響かせると、会場の空気は一気に輝きを増していきました。

そのまま続いたラストサビでは、玉置さんの力強い歌声にブラスの華やかな演奏が重なり、とても輝かしいサウンドが広がりました。そして、クライマックスは曲の締めくくりです。

僕が君を〜〜〜〜〜

のロングトーンで、玉置さんはマイクを徐々に口元から離して歌い、非常に力強い歌声が響きました。最後は一転して静かに、

包んでいる…よ…

と噛み締めるように歌い上げ、特に

よ…

の一言は無伴奏で静まった会場に優しく溶けていきました。

6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)

ゆったりとしたスローテンポで「MR.LONELY」が始まります。イントロでは、オーケストラの繊細な伴奏に合わせ、玉置さんの息を呑むような美しい裏声が響き渡りました。

序盤はストリングス隊が弦を指ではじくピチカート奏法でリズムを刻み、そこへ木管楽器の優しい音色が重なります。このオーケストラの優美なサウンドが、玉置さんの深みのある歌声を一層引き立てていました。1番のサビでは、玉置さんのテクニックが光ります。

元気で〜〜〜いるから

のフレーズで、一度遠ざけたマイクを徐々に口元へ近づけていくことで、声量に波のような変化を生み出していました。

その後の間奏では、メロディーとは独立した力強いシャウトを披露。伴奏に縛られず、自由に空間を支配するような歌声は圧巻でした。

曲が進むにつれて演奏も歌声もパワフルさを増し、大きな盛り上がりを見せた後、最後は再び前奏と同じく静かな裏声で締めくくられました。一曲の中で激しく移り変わる展開がドラマチックでした。

続いて、楽曲は「サーチライト」へと移ります。前奏では木管楽器が温かみのある音色を奏で、会場を優しく包み込みました。歌い出しの低音パートでは、オーケストラの低弦が玉置さんの歌声に寄り添うように重なり、非常に重厚で深みのある響きを感じさせました。

そして、クライマックスのラストサビ、

サーチライトはそうなんだ
君なんだ 君なんだ

では、玉置さんが客席に向けて手を差し伸べます。まずは右手を大きく上層階まで伸ばし、そのあとマイクを持ち替えて、今度は左手を1階席の隅々にまで丁寧に差し伸べました。会場全体を覆い尽くすように包み込む、玉置さんの大きな姿を見ました。

7. Friend

序盤から、玉置さんの胸が締め付けられるような切ない歌声が響き渡ります。ピアノのみが奏でられる伴奏は一層哀愁が漂い、会場全体が静まり返りました。

サビに入ると、玉置さんの歌声は一気に力強さを増していきます。この日はビブラートが多めで、その震えるような歌声が何度も押し寄せる波のように迫ってきました。一方で、ロングトーン以外の部分は、再び序盤のような寂しげで感情のこもった歌い方に戻り、その繊細な強弱の変化に圧倒されました。

ラストサビを歌い終えると、玉置さんはしばらくの間オーケストラの伴奏をじっと聴きます。そして、区切りの良いポイントで客席に一礼し、マイクを持ったまま下手へと歩き出すと、会場からは割れんばかりの大きな拍手が送られました。

玉置さんが退場した後も、オーケストラによる壮大な演奏は続きます。最後は大友さんが、まるで部屋の明かりをそっと消すかのように手を添える優雅な動きで演奏を締めくくり、第一部のフィナーレを告げました。

3. 第二部の様子・各曲の感想

約20分間のインターバル後、第二部が始まります。日本センチュリー交響楽団と大友さんが再びステージに現れ、管弦楽で第二部がスタートしました。

8. 『スラブ舞曲集』より 第8番(A.ドヴォルザーク)

大友さんの激しい指揮で幕開け。弦楽器のシャープな音色に打楽器の勇ましいリズムが加わり、非常にパワフルで勢いのある滑り出しになりました。会場の空気は一気に熱を帯び、力強い演奏に引き込まれました。

曲の中盤に入ると雰囲気がガラリと変わり、フルートの澄んだ音色が心地よく広がります。ここでは二番奏者が楽器をピッコロに持ち替え、さらに高い音色が会場に響き渡りました。

最後は、冒頭の激しい演奏と中盤の軽やかな音色が目まぐるしく交互に現れ、一気にフィナーレへ。弦楽器の鋭い演奏が響く中、大友さんが華麗に、そして力強く音を止める圧巻の指揮を見せ、第二部の序曲を見事に締めくくりました。

管弦楽のリンクを以下に貼ります。

ここで大友さんは一度指揮台から降り、ステージ下手に向けて拍手を送りました。その拍手に導かれるように、玉置さんが再びステージに姿を現します。第二部の衣装はインナーまで黒で統一されたシックな装い。第一部の華やかさとはまた異なり、圧倒的な存在感が一層際立ちました。

9. 純情

上手のトップに位置するヴィオラ奏者とオーボエ奏者による、素朴で温かな合奏から前奏が始まります。ここでステージが優しいオレンジ色に照らされると、会場全体が穏やかな空気に包まれました。

玉置さんの歌声は、序盤は抑えたボーカルが引き込まれるバラード曲のスタイル。低音が心地よく響く歌声で、一つひとつの言葉を慈しむように歌う姿には、ずっしりとした重厚感がありました。

2番が終わった後の間奏では、フルートの透明感のある音色が哀愁たっぷりに響き、一気にその世界観に引き込まれました。その後、ラストサビの

思ったように 好きに生きなよ あせらず

以降は、一転してトーンを落とし、オーボエとハープの音色が玉置さんの歌声にそっと寄り添います。この静けさが際立つ演出は、本当に感動的でした。

そして、この曲最大の見どころがラストに訪れます。玉置さんが空高く届くような声で

かあちゃん おっかちゃん おかあさん

と叫ぶと、同時にステージが鮮やかな青色に染まりました。それはまるで、澄み渡った晴天の下で、玉置さんが天に向かって叫んでいるかのような、神々しい光景でした。後奏でもオーケストラの壮大な演奏に合わせて力強いシャウトを重ね、圧倒的な熱量で第二部のオープニングが締めくくられました。

曲が終わると、玉置さんは静かに右手を胸に当てるポーズを取りました。この姿を見た瞬間、昨年ソロツアーの旭川公演で話していた、

玉置さん
玉置さん

(いなくなっても)
ここにいる✊

という言葉が頭をよぎりました。すると、正面に向き合った大友さんもまた、同じように胸に手を添えて玉置さんに応えました。主役の二人が見せたその印象的な仕草は、会場にさらなる感動を届けました。

10. 行かないで

一際ゆっくりしたテンポで曲が進行。この日のセットの中で、個人的に最も印象に残った曲になりました。

玉置さんの歌声は、聴いているこちらの息が詰まるほど感傷的で、切実な響きを帯びていました。第一部のラスト「Friend」でも、声を詰まらせるような感動的な歌い方が印象的でしたが、この曲でもその想いが前面に溢れ出ていました。

普段、同曲といえばサビの美しい裏声やパワフルな声量に注目が集まりがちですが、この日は少し異なり、序盤における心の奥底から絞り出すような繊細な表現が驚くほど際立っていました。

11. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)

大友さんの指揮に合わせ、ハープの音が鮮やかに弾けると「ワインレッドの心」が始まりました。それまでのしっとりとした雰囲気から一変、会場にはオーケストラによるロックの力強い空気が押し寄せます。ここからの玉置さんは、まさにエネルギー全開。前の2曲で見せた重厚なムードとは打って変わり、リズムに乗って軽快に歌い進める姿がとても印象的でした。ラストサビの

あの消えそうに燃えそうな
ワ~~インレッドの~

というフレーズでは、力強いシャウトも披露。パワフルな歌声と圧倒的な存在感が光りました。

心躍る間奏を経て、楽曲は「じれったい」に移ります。
玉置さんはここでもリズム良く、軽快に歌い進めていきました。

腕の中に閉じこめたいのに

では、左手を前に出して抱きかかえるジェスチャーを見せました。

サビに入ると、オーケストラのリズムはさらに加速。それに呼応するように、玉置さんのボーカルもいっそう力強く、パワフルに進化していきました。そして、曲のラストには、

もっと もっと知りたい

のフレーズを、崩すことなく原作通りのメロディーラインで歌い上げて締めくくりました。このパートは、前回の宇都宮公演から2回連続で原曲と同じメロディーラインを辿りました。

メドレーの最後は、オーケストラの雄大な演奏とともに「悲しみにさよなら」がスタート。玉置さんと大友さんは正面から向き合い、お互いの呼吸を合わせて大切に演奏を進めていきました。

サビでは玉置さんが手を前に差し出し、

愛を世界の平和のために

と歌うと、客席からは温かな拍手が送られました。この拍手に、玉置さんは静かに胸に手を当てて一礼しました。

曲がラストサビに向かうと、さらにドラマチックな展開が待っていました。玉置さんの歌声にブラスの演奏が重なります。特に、

泣かないでひとりで
(※)その胸にときめく
愛を叶えられたら

の(※)で、金管楽器が高らかにファンファーレを響かせました。大友さんはその音をさらに引き出すように、左手を力強く突き上げる情熱的な指揮を披露。これでもかというほど華やかでパワフルな演奏が加わり、ステージの熱気が高まりました。

しかし、最後は一変して静かな世界へ。前回の宇都宮公演では段階的にマイクを下げていた玉置さんですが、この日は最初からマイクを完全に下げ切り、生の歌声をホールに響かせました。最後は左手を胸に当てながら、

悲しみに〜さよなら〜

と力強く歌い上げ、華々しいメドレーのラストを飾りました。

演奏が終わると、大友さんはすぐさま指揮台を降りて玉置さんのもとへ駆け寄り、二人ががっしりと両手で握手を交わしました。鳴り止まない万雷の拍手の中、しばらくしてもう一度、見事なパフォーマンスを噛み締めるように二度目の握手。その姿からは、この日の演奏がいかに充実し素晴らしいものであったか、両者の胸中がヒシヒシと伝わってきました。

12. JUNK LAND

大友さんならではの疾走感あふれるテンポで曲が展開されていきます。場内はダークな色調のライトに照らされ、ピンと張り詰めた空気が漂いました。この心地よい緊張感の中、玉置さんのボーカルも驚くほどのスピード感で、次々と溢れ出す歌詞のフレーズを鮮やかに歌いこなしていきました。客席席からは手拍子は起こらず、その圧倒的な世界観にじっくりと入り込むことができました。

曲が終盤に転調を迎えると、景色は一変します。それまでの暗闇から一気に白く明るい光が差し込み、まるで全速力でトンネルを駆け抜けた先に、壮観な晴天が広がったかのようでした。玉置さんの歌声も、どこまでも伸びやかで力強くなり、ホール全体に響き渡りました。

そして、曲のラストが圧巻でした。オーケストラの伴奏に玉置さんの美しい裏声が重なり、演奏が止まる最後のタイミング。玉置さんと大友さんはしっかりと向き合い、お互いの呼吸を極限まで合わせます。クライマックスは、大友さんが指揮を上へ突き出す動きと、玉置さんがマイクをスッと下へ引く動作が完璧に重なりました。まさにパフォーマンスの極致といえるその瞬間に、大友さんはすぐさま指揮台を降りて玉置さんのもとへ駆け寄り、二人が熱いハグを交わしました。音楽を通じて魂が通じ合ったその光景に、胸が熱くなりました。

13. 夏の終りのハーモニー

再びシンフォニーの王道ともいえる豊かな響きがステージに戻ってきました。これまでの素晴らしいパフォーマンスへの充実感が一曲の中に閉じ込められているようで、バラードでありながらどこか気分が高まっていく、不思議な感覚に包まれました。

1番のサビの終わり、

いつまでもずっと
忘れずに~~~

と歌い上げる場面では、玉置さんは少しずつマイクを遠ざけていきました。繊細でありながら決して途切れることのないその歌声がホールに染み渡りました。

そして、ラストサビにはノーマイク歌唱が始まります。玉置さんは丁寧にマイクを置くと、背筋をピンと伸ばし、胸を張って直立しました。この力強い歌声は、3階席まで驚くほど鮮明に届いてきました。最後は、渾身の力を込めた

忘れず・・・に~~~~~

のロングトーン。大友さんは、真っ直ぐいつまでも続くその歌声に、神経を研ぎ澄ませてじっと耳を傾けます。そして、玉置さんの声が美しいビブラートに変わった絶妙なタイミングで、オーケストラの演奏が再び動き出しました。こうした演奏再開のポイントを大友さんが明確に意図しているかは分かりませんが、阿吽の呼吸ともいえる秀逸なタイミングは、鳥肌が立つほどに私好みのものでした。

曲がいよいよ終わりを迎えようとする中、オーケストラの持続音に合わせて、会場からは自然と一斉に拍手が沸き起こりました。ピッタリと揃った観客の拍手に、玉置さんは両手をガッチリと握りしめるポーズで応え、多幸感あふれる余韻を噛み締めるようにじっと浸っていました。

曲が終わると会場全体がパッと明るくなり、ステージに向かっていつまでも拍手が鳴り響きました。舞台の下手側に大友さん、上手側に玉置さんが立ち、長い間、観客からの温かい拍手を浴びていました。大友さんは、オーケストラの近くまで少し下がり、玉置さんを引き立てるように何度も拍手を送りました。その姿からは、玉置さんへの深い敬意が伝わってきました。

その後、玉置さんが先頭になって大友さんと一緒にステージを後にし、拍手に応えてまた出てくるという場面が繰り返されました。最後は大友さんが一人でステージに登場。ゆっくりと指揮台へ登り、アンコールに向かいました。

14. 田園

ベートーヴェンの交響曲「田園」のメロディーで幕を開け、続いて玉置さんの「田園」のイントロが鳴り響くと、1階席の観客が次々と立ち上がりました。ここで再びステージに現れた玉置さんを大きな手拍子が迎え、会場の盛り上がりは最高潮に達しました。

歌が始まると手拍子が止まり、玉置さんのリズム感あふれる歌声にフルートの軽やかな音色が重なります。そしてサビに入ると、再び自然と手拍子が沸き起こり、会場が一体となりました。前回の宇都宮公演では、湯浅さんが客席を向いて手拍子の指揮をしていましたが、大友さんはこちらを振り返ることはなく、観客の判断に委ねられました。

1番のサビの終わりでは、

愛はここにある さかいにある

と歌詞をアレンジ。

堺に〜〜〜ある

と歌い上げた瞬間、客電がパッと点灯してホール全体が明るく照らされました。玉置さんはこの間奏中、上手側の上層階を一瞥し、優しく手を振る場面もありました。

そして、曲のラストには、圧巻のクライマックスが待っていました。大友さんが最後の一打をシンバルに託すと、玉置さんの方を振り向きます。どこまでも伸びていく玉置さんのシャウトとロングトーンを引き出すように、大友さんは両手を細かく震わせる情熱的な指揮を披露。最後は、大友さんが腕を大きく回してすべての音をピタリと止め、それと同時に玉置さんもマイクを高く突き上げました。最後まで二人の呼吸は抜群で、最高のフィナーレを迎えました。

曲が終わると、玉置さんと大友さんはステージの上で言葉を交わしていました。大友さんが客席の上層階を指さすと、玉置さんもそちらを見上げ、優しく手を振ります。こうした微笑ましいやり取りに、会場からはいつまでも大きな拍手が送られました。

しばらくして、大友さんは再び指揮台へ。玉置さんもマイクを手に取り、静かに次の準備を整えます。そのとき、大友さんが客席の方を向き、そっと片手をかざして🖐️拍手を一度止めるように合図を送りました。マエストロとしての威厳に満ちた姿に、あれほど鳴り響いていた拍手がピタリと止みました。

15. メロディー

ステージが情熱的なオレンジ色に染まり、曲がスタート。玉置さんは一つひとつの言葉を大切に、噛み締めるように歌い上げ、その姿に深く感動しました。

2番終了後の間奏中、玉置さんは静かにマイクを置きます。その後のラストサビではノーマイク歌唱になり、マイクを通していないにもかかわらず、力強い歌声が3階席までしっかりと届きました。まずは一回目の

メ〜ロディ〜
泣きながら〜

は、透き通るような美しい裏声で歌い上げる玉置さん。とても滑らかで綺麗な響きでした。ところが二回目は一転して、

メロ〜⤴︎ディ〜

と音程をグッと跳ね上げる、最近よく見せる力強い歌い方に。透明感のある一回目とパワフルな二回目。その鮮やかなコントラストが見事でした。

最後は、

泣かないで〜〜〜

のロングトーンで大詰めを迎えます。この歌声に合わせ、大友さん率いるオーケストラが激しく、ドラマチックに盛り上がっていきます。歌声と演奏が共鳴し合い、一瞬、伴奏のボリュームが歌声を追い越すほどの迫力に達しました。しかし、演奏がふっと鳴り止むと、そこにはまだ伸び続けている玉置さんの歌声の極致が残っていました。この美しい余韻が会場を包み込み、最高のフィナーレを迎えました。

曲後は会場が再び大きな拍手に包まれました。玉置さんと大友さんは一度ステージを後にしましたが、万雷の拍手の中を再登場します。すると、大友さんが再び指揮台に登り、玉置さんもマイクを手に取って、公演再開のムードが一気に高まりました。

16. ファンファーレ

大友さんのゆったりとした指揮に合わせ、フルートが優雅なメロディーを奏で始めました。湯浅さんの公演では省略されていたこのイントロが流れた瞬間、誰もがツアータイトル曲の始まりを確信し、会場は地鳴りのような歓喜に沸き上がりました。その拍手は、一時フルートの音が消えてしまうほど凄まじいものでした。

フルオーケストラによる壮大でアップテンポな前奏が始まると、玉置さんは早くもステージ中央で両手を大きく広げます。その堂々とした姿に、客席のあちこちからどよめきにも似た驚きと感動の声が漏れていました。

歌が始まると、オーケストラの軽やかな音色に乗って、リズム良く進んでいきます。この日の玉置さんの歌声はとてもクリアで、これまで実演されたコンサートの中でも最高に洗練された完成度の高さを感じました。サビの前には文字通り金管楽器による力強い「ファンファーレ」が高鳴り、その上昇気流に乗るようにサビへと突入します。玉置さんが

いきなさい

という歌詞で力強く手を前に伸ばすと、客席の手拍子もさらに熱を帯び、ステージを後押ししました。舞台背後のライトも鮮やかな黄色に輝き、視覚的にも「ファンファーレ」そのものの明るい世界が広がっていました。

後奏では大胆なシャウトを繰り出さず、客席に向かって力強いガッツポーズを見せた玉置さん。あの過激なシャウトを、観客の合唱に託したようにも見える動きでした。最後は伴奏が静けさを帯びた中、弦楽器の演奏が迫りくるように大きくなり、大友さんの豪快な指揮でピタリと終了。シンフォニックコンサートならではの贅沢な音の厚みとともに幕を閉じました。

曲が終わると、会場には圧倒的な拍手が巻き起こりました。玉置さんと大友さんは一度ステージを後にしましたが、鳴り止まない拍手に導かれるように、再びその姿を現します。すると、玉置さんが会場全体に届くような声で

玉置さん
玉置さん

ありがとう〜!!!

と力強く叫びました。そのまま玉置さんは華麗にステージを後にします。ここで、大友さんは下手の袖へと消えていった玉置さんの姿を最後までじっくりと見つめてから、静かに退場しました。

しばらくしてコンミスが深く一礼し、続いてオーケストラのメンバーも退場していきます。会場には、素晴らしいパフォーマンスへの賞賛と、玉置さんの再登場に向けた淡い期待の混じった拍手が続いていましたが、その空気を壊さない絶妙なタイミングで、終演を告げるアナウンスが流れました。本ツアー関西初日の夜は、こうして最高に熱い感動に包まれたまま、幕を閉じました。

以下、本公演のセットリストです。

4. セットリスト

billboard classics
玉置浩二
LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2026
“Fanfare”
3月9日
フェニーチェ堺 大ホール
セットリスト

【一部】
1. ファンファーレ(管弦楽)
2. 歓喜の歌(管弦楽)
3. GOLD
4. キラキラ ニコニコ
5. いつもどこかで
6. MR.LONELY〜サーチライト(メドレー)
7. Friend
【二部】
8. 『スラブ舞曲集』より 第8番(A.ドヴォルザーク)
9. 純情
10. 行かないで
11. ワインレッドの心〜じれったい〜悲しみにさよなら(メドレー)
12. JUNK LAND
13. 夏の終りのハーモニー
【アンコール】
14. 田園
15. メロディー
16. ファンファーレ

5. 公演後の様子

公演後の会場の様子です。

とても熱い堺の夜になりました。指揮者によって細かなアレンジが異なる場面が多々あり、こうした違いを肌で感じられることも、シンフォニックコンサートにおける醍醐味のひとつだと思います。特にこの日は玉置さんと大友さんの阿吽の呼吸が随所に見られ、非常にクオリティーの高い公演になったと思います。

こばかず

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