先日の9月22日、玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 Concert Tour 2025 〜blue eggplant field@金沢歌劇座公演に参加しました。
※本投稿では、公演のセットリストや演出を記載します。本ツアーは24会場34公演の規模で行われます。
(中止となった9/12〜13@堺公演、9/16@浜松公演および9/17@四日市公演を含む。同公演の振替有無ならびに日程は未定。)
初日を迎えていない方や、ネタバレに抵抗のある方はご注意ください。
1. 公演前の様子
公演前の会場の様子です。
今日からツアー再開!#玉置浩二#故郷楽団#金沢歌劇座 pic.twitter.com/H1RA8LxKIr
— こばかず (@anzen_koji_1982) September 22, 2025





エントランスを抜けるとすぐに1階席の入場口があり、とてもシンプルな造りが特徴的なホールでした。
2. サポートメンバー
本公演に参加するサポートメンバーは以下の通りです。
(敬称略)
— こばかず (@anzen_koji_1982) September 20, 2025
キーボード:トオミヨウ
ギター:秋山浩徳
パーカッション:中北裕子
ベース:千ヶ崎学
ドラム:松原"マツキチ"寛
サックス/フルート:門田"JAW"晃介
バイオリン:吉田宇宙
バイオリン:名倉主
ヴィオラ:舘泉礼一
チェロ:村中俊之#玉置浩二#故郷楽団
(敬称略)
キーボード:トオミヨウ
ギター:秋山浩徳
パーカッション:中北裕子
ベース:千ヶ崎学
ドラム:松原"マツキチ"寛
サックス/フルート:門田"JAW"晃介
バイオリン:吉田宇宙
バイオリン:名倉主
ヴィオラ:舘泉礼一
チェロ:村中俊之
玉置さんが新型コロナウイルス罹患から復帰し、ツアー再開を飾る公演になりました。コンサートの開催は9月6〜7日に行われた札幌公演以来で、実に15日ぶりの実施です。
バックを支えるメンバーは、各楽器において参加公演が最多の顔ぶれで構成されました。このメンバーセットは8月14〜15日の神戸公演以来の組み合わせとなります。
3. 第一部の様子・各曲の感想

この日の座席は1階席中央前方でした。本ツアーの中では最も良席で、玉置さんの姿を間近で見ることができる上に、ステージ全体の様子もよく観察できました。
開演前、席に着くと、まず中央のテーブルに置かれたドリンクを確認しました。客席から見て左から、飲み手に蓋が付いたマグカップが2つ、黄色く濁ったペットボトル飲料が1本、透明の水が2本。蓋付きのカップは保温性があるタイプのものでしょうか。
開演ちょうど1分前の17時59分、楽器スタッフが上手からステージに姿を見せ、青のバスカリーノを中央のスタンドに立てかけます。その姿が捌けるのと同じくして場内が暗転。ステージ中央に据えられたギターを鮮やかにスポットするライティング演出が始まりました。
ここでサポートメンバーが下手から入場。ドラムの松原さんを先頭に、中北さん、秋山さんと続く順で姿を現しました。普段はメンバーが舞台の後方を通ることが多いこのシーンですが、下手の弦カルテット以外はステージの前方を歩いて各ポジションに向かいました。
1. あこがれ
門田さんのソプラノサックスが一音長くこだまして曲がスタート。その音に被せるように、トオミさんが丁寧に右手で4拍子の指揮を振り、ピアノとストリングスの合奏が始まりました。
中盤からは秋山さんの演奏するスチールギターがカウンターラインを担当。空間を歪ませる独特なアクセントが加わりました。また、ここでは松原さんが主旋律のリズムを取りながら、静かにシンバルを叩いていました。
ラストは門田さんのサックス演奏と、松原さんのドラム連打が楽曲を盛り上げていきます。その流れに乗り、各楽器によるアンサンブルで序曲のインストゥルメンタルが終了しました。
2. 青い“なす”畑
再びバスカリーノの綺麗な青が浮かび上がるステージ。ここで、トオミさんの指揮でストリングスの前演奏が始まります。その間に玉置さんが上手から登場。ステージ前で両手を握りしめ、客席に向かって軽く礼をしました。続いて2階席も一瞥し、中央のギターに向かって歩いていきます。
イントロが終わり、静かな空気が流れる場内。玉置さんがバスカリーノをゆっくりと肩にかけ、マイクスタンドの前に移動してきます。自身の声、会場の音響、観客の様子、あらゆる状況を確かめるように念入りなフェイクを一言入れたのち、曲が始まりました。注目の第一声、
とまと畑がある 家の庭の限られた
は、非常にゆっくりとタメを作ったスタートになりました。以前からの声の違いはほとんど感じられず、意識すればやや掠れて聞こえる程度でした。
この曲は、進行に伴ってサポートメンバーの演奏が少しずつ入っていきます。トップバッターは中北さんのパーカッションで、飛び跳ねるようなフォームで打楽器のリズムが生まれました。直後には、その前に位置する秋山さんのスチールギター演奏も加わり、ここでもユニークな世界観が創出されました。
曲の中盤、
広がるそのまんまでいい
ちっちゃなこのまんまもいい
からはステージのライトが水色にパッと明るくなり、同時にストリングス隊の華やかな演奏が始まります。玉置さんの歌声、バンドメンバーの演奏、そして照明演出が連動して舞台が1つにまとまる光景に、
またこの日常が戻ってきた
と充実した安堵感が打ち寄せました。
3. からっぽの心で
曲前、楽器スタッフとギターを交換する玉置さん。この曲はGIBSONを肩にかけてパフォーマンスが行われます。やがて弦カルテットとサックスの合奏で前奏が始まると、この演奏中に玉置さんは水を飲んでいました。キャップを丁寧に開閉して、ペットボトルに口を付ける玉置さん。その後、テーブルに置かれたピックを手に取り、ステージの前に戻ってきました。
この曲は、歌い始めからやや重苦しさを感じました。玉置さんの姿が少し2007年の惑星ツアーと重なる部分があり、一抹の不安を抱きながらステージの光景を目にしました。とはいえ、まろやかな低音の歌声は素晴らしい響きを保ち続け、深みのある雰囲気が伝わってきました。
玉置さんが満面の笑みを浮かべるシーンもありました。2番終了後の間奏で、門田さんのサックスが主旋律を演奏するパート。ここで玉置さんが反対側の秋山さんの方を向き、互いに顔を見合わせて笑顔を交わしました。この様子は観客席から見てもとても微笑ましく、また安心感を与えるものになりました。
4. それ以外に何がある
曲前にスタンドからマイクを外す玉置さん。今回は曲間で水を飲まずにパフォーマンスが始まりました。松原さんの微弱なシンバル音を合図に、吉田さんのバイオリンが繊細な弦のタッチを刻んで演奏がスタート。入りのタイミングを合わせるのが難しそうな曲の始まりですが、すんなりと演奏が調和しました。
この曲は、玉置さんの一言一言を噛み締めて歌う姿が印象的でした。普段と比較すると、ほんのわずかながらに苦しさが見えましたが、その分歌詞をよく意識した歌い方であったように思います。1番の終了時には大きなジェスチャーもありました。
それでも何かになって ①想い合って
②僕らはつながっていたんだろう
①で胸に手を当てて、②でその手を前に伸ばして横にスライドする動作。この時を待ち侘びた観客に向けて、大きな動きを見せました。
歌唱パート終了後の後奏では、裏声のフェイクもありました。このパートは少し心配していた部分でもありましたが、綺麗な歌声が響きました。演奏終了時には胸の前でマイクを構えてから、やや遅れてトオミさんの方に突き出すポーズで締めくくり。玉置さんが歌う詞のメッセージを強く感じる1曲が終了しました。
5. 太陽さん
前曲から間髪を入れずに、中北さんのパーカッションソロが開始。前回の9/6〜7@札幌公演では、腰からかけた楽器をマレットでゆっくり叩くバラエティーある演奏が特徴的でしたが、この日はシンプルにコンガを叩く始まりになりました。
やがて松原さんのドラム演奏も入り、同曲のリズムを刻んで本編がスタート。この前奏時には、玉置さんが手前のペットボトルに手を伸ばし、水分補給をしていました。また、楽器スタッフがFENDERの黒いギターを中央のスタンドに立てかけました。
前奏も終盤に差し掛かり、エフェクトのかかった
太陽さん おはよう
が始まる直前にマイク前へ戻ってくる玉置さん。トラックから流れる音と同じタイミングで、同じ歌声を吹き込みました。
この曲は、玉置さんの力強さが漲るボーカルが際立ちました。これまでの公演と同様に、
影になっても毎日 決して絶えないで
では、思い切りのけ反って歌う姿があり、サビの
あの娘に伝えて 太陽さ〜〜ん
では、トーン中に遊びを入れる歌声がありました。
1番から2番に移る短編の間奏中、玉置さんがマイクから離れ、故郷楽団に向けて
ヘイ!
と叫ぶ場面がありました。この瞬間、ステージで何かのスイッチが入り、潮目が変わる雰囲気を感じました。直後からは吉田さんが頭を上下に大きく振りながら演奏するヘッドバンキング奏法が激しさを生み、門田さんのサックスが玉置さんの歌声に絡みつくように助奏を担当。ステージの動向が活発になっていきました。
2番は玉置さんのジェスチャーも豊富になります。
心は曲がることなく 迷わずにいて
では右手を強く握りしめてガッツポーズを作り、
誇りになれるような 正直者になり
では勇ましく胸を叩く動作。1番から引き続き、パワフルな姿を見せて曲が進んでいきました。
玉置さんの屈強な様子を特に印象づける歌声がラストにも訪れます。
あの娘にキスして 太陽さ〜〜〜ん
のロングトーン。天高く上体を反り、空に向かって大胆にボーカルを放ちました。しかも、スタンドマイクから大きく後ろに離れながら歌う姿で、この格好を見て心底ホッとした自分がいました。
まだまだ見どころは続きます。バンドメンバーの後奏が始まると、観客席方向の下手斜め上に向かって手を伸ばす玉置さん。まるでその先に「太陽」を見据えるような独特のポーズがありました。
アウトロの序盤を飾るトオミさんのピアノ演奏の最終盤には、玉置さんが黒いエレキギターを手に取って肩からかけました。その後はバイオリン演奏に主旋律が引き継がれ、このタイミングで玉置さんが軽くギターの弦に触れて音を出しました。客席からは半身の体勢に映る玉置さん。弦を触りながら吉田さんと顔を見合わせ、ここでも両者が笑顔を浮かべていました。
6. 古今東西
サポートメンバーによる曲前演奏がスタート。水色の照明が眩しく、なかなかステージの様子を直視できない演出下で、甲高い音が過激にひしめくパフォーマンスが行われます。この演奏中に強いシャウトと裏声のフェイクを入れる玉置さん。ここでもステージの流れが大きく変わる雰囲気がありました。こうした勢いを感じてか、客席からは多くの観客が立ち上がり、手拍子が巻き起こる始まりになりました。
この曲は、これまでの公演とアレンジがやや異なる玉置さんの歌い方がありました。サビでシンプルなフレーズを連呼する、
ガンバレ ガンバレ
のところ。多くはフレーズ間の休符でフェイクを入れる場面が目立ちましたが、この日は曲ラストのパートで1回入れたのみで、それ以外は遊びを付け足すことなく歌っていました。
2番はとても特徴的な玉置さんのジェスチャーを目にしました。
何の真似だ ①生きてんだ
②どうもこうもない許すんだ
①で両手を大きく広げ、②で胸を叩くポーズ。堂々と腕を開くアクションに力強さを感じました。
この曲は、間奏でサポートメンバーのソロパートがよく目立つアレンジになっています。2番終了後の間奏は秋山さんのエレキギターが担当。玉置さんもMartinのギター(リンク先のギターはモデルとなったもの)を引っ提げてその元に歩み寄り、互いに笑顔を見せながらギターの掛け合いが行われました。
3番終了後はバイオリンとサックスの二段階演奏。まず1stバイオリンの吉田さんがその場に立ち上がり、煌びやかなバイオリンソロが披露されました。その後はすぐに門田さんのソプラノサックスソロに引き継がれます。それぞれ、緑と白ならびにオレンジと白の照明が急激に点滅を繰り返す中、見どころ満載のソロパフォーマンスが繰り広げられました。
後奏も門田さんが担当。ここではステージ前方まで移動し、ダイナミックに演奏が行われました。玉置さんもその姿を迎え入れ、肩を抱きながら演奏を推進。メンバーを自身の懐に招く玉置さんの様子を見ました。曲の終了時にはギターを手に取り、大事に噛み締めるように上下に揺らす玉置さん。観客がスタンディングで見守り、非常に盛り上がった曲が終了しました。
7. 最高でしょ?
曲前に裏声のフェイクをふんだんに入れる玉置さん。この曲も引き続き、観客の多くがその場に立ったまま始まりました。玉置さんの
最高でしょ?
の歌声が入ると同時に、ステージのバックに飾られた2つのミラーボールが回転。そこから放射される光が場内をグルグル回り、幻想的な世界に誘いました。
序盤は門田さんのサックス演奏が渋くアプローチする中、玉置さんがまったりと歌い進めていきます。公演の前半、少し心配していた重苦しさはすでに払拭され、全快となった玉置さんの様子が伝わってきました。
中盤からは曲にスピード感が生まれていきます。玉置さんが放つ
愛して〜!
の一声を機に、松原さんのドラムが刹那に始まり、曲が見事に転調されていきます。ここで、その隣に位置する中北さんが大きく手を叩き、観客席からもそれに合わせた手拍子が生まれました。
以降、アップテンポでも乱れない玉置さんの歌声とリズム感が素晴らしいパフォーマンスでした。声質の切り替えも瞬時に行われ、
雨でも風でも濡れてていいんだふたりのパラダイス
のシャウトから、
吐息がまじって終わんない
のウィスパーボイスへのシフトが絶品でした。病み上がりとは思えないクオリティーの高さで、度肝を抜かれました。
最後は玉置さんが大胆に叫んで曲を締めくくります。
ひ〜とりで
ひ〜とりで!
ひとりで!
遊ばないで〜ぇえ〜⤴︎
ラストはマイクから離れながらシャウトを放ち、迫力ある姿を見せました。
8. コール
曲前、十分な水分補給をする玉置さん。大きな余白が生まれた空間に、客席からメッセージが飛び交いました。

(奥の蓋付きマグカップに手を伸ばす)

(蓋を開けて飲む)

おかえり〜!

(手を上げて応える)

心配したよ〜!

治って良かった〜!

(胸に手を当ててお辞儀)

👏👏👏

(ペットボトルの水を飲む玉置さん)
準備が整ったのち、トオミさんが4拍子の指揮を振ってストリングスの前奏で曲がスタートします。
この曲は、第一部の中で玉置さんの歌声が最もクリアだったように感じました。序盤の低音はよく響き、サビの伸びやかなロングトーンはどこまでも広がっていくボーカル。声量豊かな歌声が素晴らしいパフォーマンスでした。特に、2番サビからラストサビにかけての迫力ある歌声は圧巻そのもの。曲が進むにつれてボリュームが増していき、圧倒的な歌声がホールにこだましました。
最後は後奏の途中で上手に向けて退場する玉置さん。舞台袖の奥では、スタッフに向けてガッツポーズをするようにマイクを手渡す姿がありました。どこか玉置さんの様子を心配する中で幕が開けた第一部は、非の打ち所のない素晴らしいパフォーマンスで終了しました。
4. 第二部の様子・各曲の感想
20分間のインターバル後、第二部がスタート。下手からサポートメンバーが続々と入場してきます。ここでも、弦カルテットのメンバー以外はステージの前方を通って自席に向かいました。
9. 青い“なす”畑(Instrumental)
軽快なトオミさんのピアノと、強烈な吉田さんのバイオリンによるアンサンブルで、第二部のインスト曲がスタート。バイオリンの高音が煌びやかに輝く始まりになりました。
中盤、門田さんのソプラノサックスが同曲の歌詞パートを演奏します。
とまと畑がある 家の庭の限られた
そこで真っ赤に色づくと
「思われ」「慕われ」「覚悟した」
ノスタルジックな風情を感じる音色のソロパートでした。
その後は一旦演奏音が静まり、突如として松原さんのドラムが連打されたのち、各楽器による合奏が再開。温かみのある曲調の演奏が展開されていきました。最後はトオミさんがソロで、
とまと畑の“青い”なす
とパートを演奏して曲が終了。第二部の器楽曲が締めくくられました。
10. 嘲笑
前曲の流れそのままに、トオミさんのピアノ演奏で前奏が開始。この間に上手から玉置さんが再登場すると、ここでも大きな拍手が客席から起こりました。続いて始まるのはストリングスの演奏。二段階方式が採用された前奏で曲の本編がスタートします。
第一声、
星を見るのが好きだ
を歌い終えたところで、マイクをスタンドから外す玉置さん。歌いながらスタンドを後ろに移動させて、マイクを手に持って歌い始めました。第二部はさらに調子が上向いた印象を持ちました。この曲も序盤の低音がよく響き、重厚感のある玉置さんの歌声は健在でした。
2番終了後の間奏では、チェロとギターの演奏がハーモニーを織りなす中、玉置さんが口笛を吹く余裕のある姿も見せました。しかしながら、マイクを大きく身体の外側に遠ざけていたため、その音をハッキリと聴くことはできませんでした。
11. しあわせのランプ
曲前、中北さんの方を向く玉置さん。その後、中北さんが手に持った鐘をゆったりした間隔で3回鳴らしました。ステージの正面前方でじっくりとその音を聴く玉置さん。左手を右胸に当て、その上からマイクを持った右手を左胸に当てて、手をクロスさせる構えでこの音に聴き浸りました。
曲前の演出が終わると、ストリングスの前演奏がスタート。ここで玉置さんはスタッフからバスカリーノを渡されてパフォーマンスに臨みました。序盤は玉置さんの弾き語り形式で曲が進行。温かみのある歌声とギター音が広がりました。
1番終了後の間奏は秋山さんのエレキギターが担当。骨太で流暢な演奏が見事に響き渡りました。その後の歌唱パートは、バック演奏に切れ味が増して、少しずつ盛り上がりながらクライマックスに突入します。
この星を見つめて
めぐりあった頃のことを思って
では、玉置さんの強烈なロングトーンが炸裂。思い切りのけ反った姿勢から、迫力ある歌声が放たれました。
ラストは再び玉置さんの弾き語りへ。一層明るいスポットライトがその姿を照らす中、玉置さんの芳醇な歌声とギター音を聴かせて曲が終了しました。
12. サーチライト
中北さんの
1・2・3
のコールで曲がスタート。この瞬間、パッとステージのライトがオレンジ色になり、暖かい印象を与えました。
この曲も玉置さんの歌声は心配無用でした。特にサビは地声と裏声が瞬時に行き来しますが、とても綺麗にこの切り替えが行われました。
2番からラストサビにかけては、玉置さんが観客席に向けてひたむきに手を差し伸べ、
サーチライトに僕は
なれるかな なれるかな
では、力強く胸を叩きながら歌うジェスチャーがありました。
13. じれったい
打楽器のリズムで曲がスタート。リズミカルな始まりに、千ヶ崎さんやストリングス隊、そしてトオミさんまでもが客席に向けて手拍子を煽りました。ここで多くの観客がその場に立ち上がり、第二部も盛況の様相に変わりました。玉置さんはF.C.G.Rの白いギターを引っ提げてパフォーマンスが始まります。
こうした盛り上がりをたたみかけるように、玉置さんの地名を入れたアレンジが取り入れられました。
(1番)もっと もっと金沢を知りたい
(2番)止まらない 金沢の夜を
と、会場名にも使われている「金沢」といったワードを連発しました。
2番終了後の間奏は、サポートメンバーの演奏が繰り広げられます。先陣を切るのは門田さんのテナーサックス。ここでも門田さんはステージ前方まで移動して、玉置さんがそれを迎え入れる体制で、サックス×ギターの掛け合いが行われました。
続くは打楽器両名のツインパフォーマンス。パワフルなリズムが刻まれました。ここで玉置さんは、客席からの視界を確保するように、反対方向の下手端へ移動していきます。眼前に現れた玉置さんの姿に、下手前方の観客が沸きました。
14. 好きさ
前曲の興奮が冷めさらぬ中、玉置さんが秋山さんを指差してエレキギターのソロパフォーマンスが始動。バチバチに照明が切り替わる演出下で秋山さんの姿が強調され、どんどん演奏がロックなテイストを帯びていきました。ドラムの松原さんはタイミングを見て、シンバルの音を散りばめたり、黒いタオルを秋山さんに向けて振ってこの演出を飾りました。最後は中北さんもドラムスティックで秋山さんを突き、その姿をアピールしました。
この間、玉置さんの過ごし方も書いておきたいと思います。まず蓋付きのマグカップ飲料を少し飲み、次に透明の水を飲む順番でした。続いて、黄色く濁ったドリンクを飲み、最後は水で締める流れ。手を替え品を替え、ドリンクを口にする玉置さんの姿がありました。
その後はギターソロも終わり、玉置さんがマイク前に移動して、
好きさ
の歌声がスタート。この瞬間、あっと観客席が沸き返り、ボルテージがまた一段階上がりました。本曲はこれまで、曲中に玉置さんがステージを左右に移動する場面が多かったですが、当日は中央で歌い続けました。
しかしながら、後奏では玉置さんがステージを移動しました。スタンドからマイクを外して両サイドに向けて歩き、バック演奏に合わせて
好きさ
の歌声を入れました。最後はマイクを持ったまま、やや下手で
好きさ〜!
と激しいシャウトを披露。そこからマイクをスタンドに素早く取り付けて、打楽器隊に向けてステップを踏み、ギターを大きく振る動作で曲が終了しました。
メンバー紹介
ここでメンバー紹介です。玉置さんがギターを持ったまま、上手から順に担当楽器と名前を呼び上げていきます。
ギター・秋山浩徳
パーカッション・中北裕子
ドラムス・松原"マツキチ"寛
ベースギター・千ヶ崎学
サックス・門田"JAW"晃介
1stバイオリン・吉田宇宙
2ndバイオリン・名倉主
ヴィオラ・舘泉礼一
チェロ・村中俊之
サウンドプロデュース&アレンジ、キーボード・トオミヨウ
トオミさんの紹介後には、玉置さんがその元に歩み寄り、両者が熱く抱擁を交わしました。
15. JUNK LAND
メンバー紹介中、ステージのバックにするすると降りてきたスクリーン幕に「Kt」のツアーロゴと、「DEKISOKONAI」のメッセージが投影されて曲がスタート。観客総立ちのままパフォーマンスが始まり、大きな手拍子が曲を後押ししました。
歌唱パートに入ってからも、ステージ・客席ともに大盛況を維持して曲のグルーヴ感を作り上げ、疾走感のあるスピードで曲が進んでいきました。1つの見せ場となる
待ってる人のその前で
泣いてる人のその前で
以降は、吉田さんと名倉さんのバイオリンコンビがヘッドバンキング。頭をガンガン振って曲のリズムを取りながら、激しい演奏を繰り広げました。
2番は玉置さんの歌声がよく強調されるシーンが訪れます。
破れちまった旗でも高く掲げ!
のシャウト。身体を大きくのけ反った体勢から放たれる強烈な叫びは、ツアー再開前と変わらない声量・太さを保っていました。
転調後のクライマックス、
ガラクタだけど 心を込めて
昔のように 僕と暮らそう
以降は感動的な演出が繰り広げられました。サポートメンバーの多くが大きな手拍子を送って盛り上げる姿。特に、打楽器2人の様子が印象的でした。中北さんは赤くコーティングされたよく目立つドラムスティックを叩き、松原さんはその場に立ち上がってスティックを振りました。
続く、
ガラクタだけど 心を込めて
緑の丘で ふたりで暮らそう
は観客の合唱になります。玉置さんが少しマイクから離れて、両手を客席に広げて唱和を促しました。この瞬間、タイミングを合わせたようにストリングスメンバーの4人が立ち上がって演奏。見事なチームワークでした。
以降は吉田さんと名倉さんが大熱唱する姿も心に強く刻まれました。もはや吉田さんはマイクから遠ざかるように自席を外側に離れていき、ただ1人弦カルテットの端で演奏・熱唱を続けました。
後奏では、玉置さんがこれでもかというほど裏声のフェイクを連発。右手を振る動作でバック演奏の指揮をしながら、シャープな裏声の歌声を続けました。
一旦演奏が止まると、観客とのコール&レスポンスが始まります。まずは裏声からスタート。

Foo~

Foo~

Foo~〜

Foo~〜
続いて地声。

Yeah~

Yeah~

Yeah〜~

Yeah~〜
次も地声。ここでは、発声と同時に胸を左右中央に強く叩きながら歌う、玉置さんの独特な姿がありました。

NaNaNa~

NaNaNa~

NaNaNa〜~

NaNaNa〜~
最後はラストフレーズの受け答え。

JUNK LANDで~

JUNK LANDで~

JUNK LANDで〜~

JUNK LANDで〜~

JUNK LANDで〜!

JUNK LANDで~!

JUNK LANDで〜〜!!

JUNK LANDで〜〜!!

J・U・N・K
L・A・N・D
で〜〜〜!!!
ラストは玉置さんの独壇場で終了。特大のトーン中に客席から大きな拍手が起こりました。その最終盤には玉置さんが右手を指揮して、サポートメンバーの演奏再開を指揮。最後は玉置さんがギターを肩から外して手に持ち替え、ボディの背面を客席に向けて見せる動作で終了しました。
16. 田園
力強い打楽器のリズムでスタート。前奏の発声パートが始まると、ここでもバイオリンの吉田さんが大熱唱する姿が目に飛び込んできました。その歌声が顕著に入らないようにするためか、やはりマイクから遠ざかった弦カルテットの最端に位置していました。
終始鮮やかなオレンジ一色でパフォーマンスが繰り広げられるステージ。曲中はライティング演出がほとんどなく、シンプルな様式で進んでいきました。観客席からの大きな手拍子も影響して、非常に温かみのある雰囲気が生み出されました。
1番サビの地名を入れた歌詞アレンジは、
愛はここにある 石川にある
でした。前の「じれったい」で見た「金沢」からは歌詞が変わった形になりました。
2番はサポートメンバーの演奏する姿がよく目立つパフォーマンスがありました。Aメロで門田さんがサックスの合いの手を入れるところで、吉田さんがバイオリンを弾きながらその元にアプローチ。門田さんも吉田さんの方を向き、互いに向き合って演奏が行われました。2回目には門田さんが弦カルテットメンバーの台に足を乗せて演奏。休止期間を挟んでも、強固なチームワークは健在でした。
その後も全く盛り上がりが衰えることなく曲が終了へ。ここでも玉置さんがギターを肩から手に持ち替えて、ボディを観客に見せる姿がありました。曲後にはこのギターをスタンドに立てかけると、玉置さんがヘッドをポンポンと撫でて労わるシーンも確認しました。
その場に立ち上がるサポートメンバー。大きな拍手が観客席から起こり、素晴らしいパフォーマンスを称えました。ここからは会場が全体となって作り上げる、大きな演出がありました。

(右手で左胸を叩く)

(左手で右胸を叩く)

(両手で👍👍)
しばらく拍手が続きます。ここで、玉置さんが客席の下手前方で掲げられたメッセージ幕に指を差しました。
心を込めて
応援中♥️
HAPPY67
♥️大すき

(その元に歩いていく)

(シートを手に取る)

(ステージ中央に戻る)

(客席に向けて見せる)

(サポートメンバーに見せる)

(👉6👉7の順に指を差す)

(幕を観客に返す)
客席からメッセージも飛びました。

誕生日おめでとう〜!
このタイミングで、観客席から一斉に【Happy Birthday To You】の合唱が巻き起こる展開に。

♪Happy Birthday To You♪
♪Happy Birthday To You♪
♪Happy Birthday Dear♪

(「玉置さん」と口ずさみながら自分を指差す)

(両手で指揮を振る)

Happy
Birthday
To
You

👏👏👏👏👏
最後は自身で大きく指揮を振って祝福ソングを締めくくった玉置さん。アドリブで大盛況の演出になりました。まだまだ歓声が飛び交います。

長生きしてね〜!

いつまでも歌ってね〜!
やがて青のバスカリーノをスタッフから渡される玉置さん。ここで観客席からの拍手が再燃して次曲に向かいました。
17. メロディー
観客からの拍手が鳴り止まない中、トオミさんのピアノでスタート。やや演奏音に拍手が被る始まりになりました。直後から玉置さんの歌声が入ると、場内は静かに変化。以降、この曲はとてもゆっくり進みました。
玉置さんの歌声は、一言一言を噛み締めるように気持ちのこもったパフォーマンスで、先の故郷・旭川公演で「メソメソしてる」と自称した雰囲気も少し漂う空気になりました。とはいえサビの強いロングトーンは相変わらず健在。伸び感のある歌声がホールにこだましました。
曲の最終盤には印象的なシーンを迎えました。
メ〜ロディ〜
泣かないで〜〜〜
のトーン中、玉置さんのみをライトアップする照明が強くなってその姿を強調。続く
あの歌は心から聞こえてるよ
はバック演奏が鳴り止み、玉置さんの弾き語りになる場面が多いものの、この日はアカペラになりました。完全に歌に入り込むように、スタンドにそびえ立つマイクを右手で握り、ギターには手を触れずに歌い上げました。
その後、ひとときの余韻を保ってチェロの重低音が入り、ストリングスの短編演奏で曲が締めくくられます。この村中さんの取った間が絶妙でした。短すぎると十分な残像が生まれず、長すぎると曲の終了と判断して観客席からの拍手が起こりかねない難しいタイミング。非常に良いポイントで演奏が入りました。
曲後はバスカリーノをスタンドに置く玉置さん。ここでもネックに優しく触れる姿がありました。そこからはサポートメンバーがステージ前方に移動して、一列に並びました。ここで、玉置さんが両手でゆっくりと両耳のイヤモニを外す、印象的な仕草も確認しました。バンドメンバーの並び順は以下の通りです。
(下手から)
Vc.村中さん
Va.舘泉さん
Vn.名倉さん
Vn.吉田さん
Key.トオミさん
Vo.玉置さん
Sax.門田さん
Ba.千ヶ崎さん
Gt.秋山さん
Perc.中北さん
Dr.松原さん
隣に並んだトオミさんとはガッチリ握手を交わして、門田さんとは肩を組む玉置さんの姿。客席に向けて全員で一礼をしました。その後は玉置さんが一歩前に出て、メンバーに向けてガッツポーズをする場面もありました。そこからメンバーが下手に退場していき、最後は玉置さんが1人ステージに残ります。
5. アンコールの様子

👏👏👏👏👏

(下手の袖に手を伸ばす)
(上手の袖に手を伸ばす)

(下手の楽器に手を向ける)
(上手の楽器に手を向ける)

(青のバスカリーノに手を伸ばす)

(客席に両手を伸ばす)

(アームカバーをまくる)

(蓋付きのマグカップを手に取る)
(少し飲む)

(黄色いドリンクを手に取る)
(少し飲む)

(透明な水を手に取る)
(これは飲み干す)

おぉ〜!

(黒いタオルで手を拭く)

(客席を向く)
(満面の笑みを見せる)

(バスカリーノを手に取る)

(ステージ前方に移動)

(1番外側のノブを回す)

(マイクスタンドを前に置く)

\シャウト/

よしっ
Ec1. ワインレッドの心
ギターを弾いてからスタート。全体的にとてもゆっくり進みました。
もっと勝手に恋したり
もっとキスを楽しんだり
忘れそうな想い出を
そっと抱いているより
忘れてしまえば
今以上 それ以上 愛されるのに
あなたはその透き通った瞳のままで
あの消えそうに燃えそうなワインレッドの
心を持つあなたの願いが
叶うのに

👏👏👏
Ec2. 恋の予感
この曲も玉置さんがギターを弾いてスタート。
なぜ なぜ あなたは
(観客に向けて)歌う?
(以降観客の合唱が優勢)
綺麗になりたいの
その目を誰もが 見つめてくれないの
夜は気ままに あなたを踊らせるだけ
恋の(※1)予感が ただ(※1)駆け抜けるだけ
(※1)ここで玉置さんが右手を上げて、観客に歌声のボリュームアップを指揮しました。

👏👏👏

👏👏👏

「素晴らしい」と口ずさむ
Ec3. 悲しみにさよなら
次曲も玉置さんがギターを弾きながら、語りかけるように歌い始めました。
泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから
(この辺りで合唱優勢)
夢にまで涙が溢れるくらい
恋は壊れやすくて
抱きしめる腕の強さでさえなぜか
揺れる
(胸に手を当てる玉置さん)心を
止められない
(ギターの音が弱くなる)
でも泣かないでひとりで
ほゝえんで見つめて
あなたのそばにいるから
(玉置さんの声が大きくなる)
悲しみにさよなら
ほゝえんでさよなら
愛を能登半島のために

👏👏👏👏👏

(しばらく拍手を聞く)

(下手の袖に手を向ける)
(…がメンバーがいない)

(上手の袖に手を向ける)
(ここにメンバーがいた)

(ギターをスタンドに置く)

(ステージ前方に戻ってくる)
Ec4. 夏の終りのハーモニー
玉置さんが観客席に手を向けてスタート。観客の合唱になります。
今日のささやきと昨日の争う声が
ふたりだけの恋のハーモニー
(弦を弾く仕草と声でリズムを取る玉置さん)
夢もあこがれもどこか違ってるけど
それが僕と君のハーモニー
夜空をたださまようだけ
(ハミングでリズムを取る玉置さん)
誰よりもあなたが好きだから
素敵な夢あこがれを
(ここで叫ぶ玉置さん)
いつまでもずっと忘れずに

👏👏👏
Ec5. MR.LONELY
玉置さんがステージを強く足踏みして曲が始まりました。

Oh~~OhOhOh~
Oh~~OhOhOh~
Oh~Oh~OhOh~
Oh~Oh~OhOh~

(手を上げる動作)
① 🫳
②🫳→
③
玉置さんが手を上げて、合唱のギアを上げるように促しました。2回目は観客の合唱が大きくなり、玉置さんの手拍子も加わっていきます。

Oh~~OhOhOh~
Oh~~OhOhOh~
Oh~Oh~OhOh~
Oh~Oh~OhOh~
玉置さんが合いの手のシャウトを入れて3回目に突入。

Oh~~OhOhOh~
Oh~~OhOhOh~
Oh~Oh~OhOh~
Oh~Oh~OhOh~
4回目もありました。

Oh~~OhOhOh~
Oh~~OhOhOh~
Oh~Oh~OhOh~
Oh~Oh~OhOh~

(上手に退場)

👏👏👏👏👏
4公演をキャンセルしてから最初の公演。玉置さんが長く話す場面があると思いましたが、アンコールは弾き語りと合唱でシンプルに行われました。楽曲は公演を重ねていく中で定番となった5曲で、休止期間を挟んでも非常に成熟した仕上がりでした。
以下、楽曲のセットリストです。
6. セットリスト
玉置浩二 with 故郷楽団 10周年
Concert Tour 2025 〜blue eggplant field
9月22日
金沢歌劇座
セットリスト
【一部】
1. あこがれ
2. 青い“なす”畑
3. からっぽの心で
4. それ以外に何がある
5. 太陽さん
6. 古今東西
7. 最高でしょ?
8. コール
【二部】
9. 青い“なす”畑(Instrumental)
10. 嘲笑
11. しあわせのランプ
12. サーチライト
13. じれったい
14. 好きさ
~メンバー紹介~
15. JUNK LAND
16. 田園
17. メロディー
【アンコール】
Ec1. ワインレッドの心
Ec2. 恋の予感
Ec3. 悲しみにさよなら
Ec4. 夏の終りのハーモニー
Ec5. MR.LONELY
7. 公演後の様子
公演後の会場の様子です。
ツアー再開公演、盛り上がりました!#玉置浩二#故郷楽団#金沢歌劇座 pic.twitter.com/ZFlW7AReJS
— こばかず (@anzen_koji_1982) September 22, 2025


新型コロナウイルスで休んでいたとは思えない、玉置さんのパワーにあふれたパフォーマンスでした。客席で見た限りでは感染症の影響はかなり少なく、充実したリカバリーができたものと思われます。今後はさらに調子が上向いていくと思うので、これからの公演にも期待したいです。

「田園」の後に玉置さんがステージで掲げた、メッセージが書かれたシートの所有者にも遭遇しました。非常に印象的な演出になりました。
こばかず
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